アクロニアの終焉に寄せて、パートナーたちのちょっとした日々をお送りします。
ECOのキャラクターを知っている前提で書いておりますので、ご存じない方には正直分かりにくいかもしれません。ご了承ください。
※注意※
本話(第1話)並びに最終話(第13話)は、神魔リヴァイアサンの述懐の形をとります。
短い上にそこまで深い意味はないので、興味のない方は次話よりお楽しみ下さい。
やあ。こんな所にいたのかい。
随分たそがれているけど……今日はノスタルジックな気分なのかな。
ふうん。
まあいいや。
……隣、失礼するよ。
いやあ、短いようで長かったようで。
覚えてるかい、タイ兄さんが憑依ラボを立ち上げた時のこと?
……え、いや私も居たよ? そうそう、ガイドマシーンの中に。
君ね、人材発掘部門の時から彼とは知り合いだったんだろう? 私が真似してたとはいえ、長い付き合いの相手の口調が変だったら気付いたりしないのかな。
ふふ。ま、それもいい思い出……という事にしておこうか。
それにしても色々あったよねー。
アクロニア歴1年少々の私がこう思うんだ、君はそれ以上なんじゃないかな?
たくさんの場所で、君の話を聞いたよ。
「世界を救うなんてめんどくさい!」って顔と態度をしているけれど……なんだかんだ言って、結構な頻度でそれをしていたんじゃないのかな。
私が来た時には、もう既に危うい均衡の上にあったこの世界だけど……
その均衡に、君が人知れず貢献していたというなら。
私は君を誇りに思うよ、冒険者さん。
うん。そうだね。君の知る通り、私たちの関係性はひとつの節目を迎えるのだろう。
これは以前にも言ったかな? 私は次元を渡れるけれども、それは望む場所に行けることを意味しない。
そりゃそうさ。イザナミやケルベロスの様に、自由に開けたり閉めたりできる訳じゃないからね。
入口を見つけ、潮目を読み、それに乗る。後は細工をごろうじろ、さ。
大きな流れをたゆたって、辿り着くのは、別の場所。だから……行き先に私の意思が介在する余地なんてない。次元断層も、そうそうできる訳じゃないからね。
けれど、私はこうも思うんだ。
君がこの世界を選んで降り立ったように。カグヤがこの世界に流れ着いたように。君の世界の物語が、あの紙芝居屋を通じて“こちら”で形を成したように。
道は通じている。私の前にも君の前にも全世界が広がっていて、それらは本質的には不可分なものなんだ。
そして――私は望んでいる。ならきっと届くさ。
想いの力って、そういうものだろう?
私だけじゃない。
ヒトと魔物の狭間に生きる彼女たちも。
物語のうつし身たちも。
鋼の器に、人の魂を封じた者たちも。
あるいは、器を持たない異界のものたちも。
君と関わったものたちは皆、きっと同じことを望んでいるはずさ。
……ん? ひょっとして、私だけって言って欲しかったのかな?
ふふ、それは“また今度”ね。
さ、答えは出たかな。
――うん、結構。
どうすべきかは分かっているね、ご主人様?
……ごめん、自分でも言ってて違和感があるな……。
まぁとにかく、アップタウンに戻ろうか。
みんな、君を待っているはずだから。
リヴァさんだいすき。骨董品たくさん買ってあげたい
次話「君の上にはただ花ばかり」は、御魂の剣士見習い少女ふたりのお話となります。