真・ゴジラ   作:GAP

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※シン・ゴジラを中心にしたクロスオーバー小説です。
※原作と若干違う設定にしたところもあります。
※今回は真(チェンジ!)ゲッターロボ~世界最後の日~の色がかなり濃くなっています。

NASAR司令・神隼人の命令により、浅間山にある旧早乙女研究所にゲッター炉心を回収に行った元ゲッターチームの巴武蔵と車弁慶。
無事に炉心を回収し、帰路を急ぐ2人のもとに予想外の敵が現れるのだった。


プロローグ1

浅間山山中、夜。

 

低気圧の影響により発生した雲の下、急斜面の道路を等間隔に置かれた街頭が照らしている。

 

その中を、1台のトラックが走っていた。

 

乗っているのはかつてゲッターロボに乗り、地球外生命体インベーダーや地球の地下に潜む恐竜帝国との戦いを勝ち抜いた巴武蔵と、その後輩でありゲッターロボの予備パイロットであった車弁慶である。

 

ハンドルを操作していた武蔵が口を開く。

 

武蔵「まったく、なんだって隼人は今更こんなものを取りに行かせたんだ?」

 

そう言いながら、武蔵はミラー越しにちらりと荷台の方を除く。2人はかつての仲間であり、今自分たちが所属している特殊機関NASARの指令である神隼人の命令で、早乙女研究所に行ってきた帰りであった。

 

目的は、研究所に残された全てのゲッター炉心の回収である。

 

とはいうものの、早乙女研究所は10年前に所長であった早乙女博士が起こしたテロ、通称「早乙女の乱」によって壊滅状態であり、まともに使えるゲッター炉心は2つしか残されていなかった。

 

武蔵の問いに、助手席で写真を眺めていた弁慶が答える。

 

弁慶「例の新型ゲッター、アークっていったか?アレの起動に必要らしい」

 

武蔵「NASARの本部でも、ゲッター炉心の開発は進んでいるだろう?それに何より、旧式のゲッター炉心は国際条約で使用が禁止されている。そんなものを持ち出して本当にいいのか?」

 

弁慶「さあな。だが、そんな危ない代物だからこそ、隼人も俺たちを向かわせたんだろうさ。何せ、俺たちはあの10年前に起きたことの当事者だからな」

 

そう言うと、弁慶は写真を持っていた手を下げ、視線を宙に漂わせる。

 

写真には、若かりし頃の自分と、共に激闘を潜り抜けた仲間たち、そして自分たちを集め、導いてくれた早乙女博士の姿が映っていた。

 

そんな弁慶の姿を見て、武蔵は彼の写真を持っている方の手をはたき、捨てさせようとする。

 

弁慶「あ、おい!何するんだよ!」

 

武蔵の行動に、弁慶が抗議する。

 

武蔵「捨てちまえよ、そんなもん!」

 

弁慶「できるか!そんなこと!」

 

武蔵「過去に縛られるなよ弁慶。俺たちには今、やるべきことがある」

 

弁慶「縛られてるって…。あんた、それでいいのか!?10年前に死んでいった博士や竜馬にも、同じことが言えるのか!?」

 

武蔵「いいから忘れろ!俺はそうした!」

 

弁慶「俺よりも、あんたの方がゲッターには長く乗っただろう!?そのあんたが、竜馬や、博士のことを考えてやらんでどうする!?」

 

弁慶がそう叫んだ瞬間、突如「ドォォォン!」という轟音が鳴り、車体が大きく揺れる。

 

武蔵「うおぉぉぉっと!」

 

武蔵が叫びながらハンドルをさばき、トラックは横転を免れるが、何か大きい重量のものが荷台に乗ったようで、速度が落ちていく。

 

弁慶「くそっ!何が起こりやがったんだ!?」

 

そういいながら、弁慶がトラックの天井を開き、荷台に目を向ける。するとそこには、予想外のものが乗っていた。

 

弁慶「バカな…!ゲッタードラゴンだと!?」

 

かつて早乙女博士がゲッターロボの後継機として開発したロボット、ゲッタードラゴン。それがいま、トラックの荷台に取りつき、コンテナを破ろうとしていた。

 

武蔵「誰が操縦しているかわからんが好きにやらせるか!弁慶、運転代われ!」

 

弁慶「了解!」

 

そういうと、武蔵は運転席の後ろに開いたドアの中に入っていき、弁慶がハンドルを握る。

 

荷台では、ゲッタードラゴンがコンテナを破り、中にあったゲッター炉心を持ち出そうとするが、突如現れた赤い腕のパンチを顔面に受け、それを阻止される。

 

ドラゴンを阻止したのは研究所から炉心ごと回収してきたゲッター1で、隔離倉庫にあったことから比較的破損が少なく、操縦にも問題はなかった。

 

武蔵「旧型機ではあるが、それでもお前を阻止するくらいの力はあるぜ!」

 

武蔵はゲッター1のコクピットでそう叫ぶと、レバーを操作してもう一発ドラゴンの顔面にパンチをお見舞いする。

 

パンチを食らってよろけるドラゴンだが、すぐにゲッター1に襲い掛かり、取っ組み合いの状態になる。

 

本来であればゲッター1の10倍のパワーを持つゲッタードラゴンが圧勝するはずだが、意外にも両者のパワーは拮抗する

 

武蔵「ゲッタードラゴンの割にはパワーが無いな!さては炉心を積んでやがらねぇと見た!」

 

そういうと、武蔵は組み合ったドラゴンの顔面に頭突きを入れる。しかし、ドラゴンはかたくなに手を放そうとせず、ずっと組み付いてくる。

 

武蔵「くそっ、しぶとい野郎だ!」

 

武蔵が忌々しげに叫ぶと、不意にトラックを運転していた弁慶から通信が入る。

 

弁慶「先輩!そいつの目的はもう一つの炉心だ!」

 

武蔵「なんだと!?」

 

そういって武蔵がモニター越しにドラゴンを見る。よく見るとドラゴンの胸元が開き、そこから伸びたコードがトラックに積んであった炉心に伸び、接続されている。

 

武蔵「くそっ!させるか!」

 

武蔵はそう言うと、ドラゴンに膝蹴りや頭突きをくらわすが、ドラゴンはひるみもせず、炉心の回収を続ける。

 

そして胸の中に炉心を回収すると、組み合っていたゲッター1の腕を放し、ウイングを展開してその場から離脱する。

 

武蔵「逃がすか!トマホークブーメラン!」

 

武蔵は空中にいるドラゴンめがけて、ゲッター1の肩から射出されたゲッタートマホークを投げつける。

 

トマホークはドラゴンの脇腹に命中するが、すぐさま分離されてしまい、炉心を格納した部分に当たるドラゴン号は高速で飛び去ってしまった。

 

武蔵「ちっ!逃がしたか!」

 

弁慶「どうする先輩!?」

 

弁慶の問いに、武蔵はすぐさま答える。

 

武蔵「お前はこのままNASAR本部まで行ってこのことを隼人に伝えろ!俺はこのまま奴を追う!」

 

弁慶「分かった!」

 

弁慶がそう返事をした途端、

 

隼人「その必要はない」

 

と、トラックとゲッター1のコクピットに通信が入る。

 

相手はNASARの司令、神隼人だった。

 

武蔵「隼人!お前、この状況を見ていたのか!?」

 

隼人「トラックのセンサーに異常があったのでな。搭載されたカメラで見させてもらった」

 

弁慶「しかし隼人、追わなくてもいいとはどういうことだ?」

 

隼人「もし、今無理に奴を追いかけて、そのゲッター1に搭載された炉心も奪われては本末転倒だ。まずは1つ、確実に手に入れたい」

 

武蔵「しかし、あの炉心を放置すれば何が起きるか分からんぞ!それこそ、10年前のようなことにもなりかねん!」

 

隼人「だからだよ、武蔵。その何かが起きた時のための備えとして、そのゲッター1に搭載された炉心が必要なんだ」

 

隼人のその言葉に、武蔵は疑問を投げかける。

 

武蔵「隼人…お前、この先に何が起こるかわかるっていうのか?」

 

隼人「完全にではないが、予想はついている。そしてそれを起こす元凶についてもな」

 

武蔵「教えろ隼人!これから何が起こる!?お前は何のために動いている!?」

 

武蔵がまくしたてるように問うが、隼人はあくまでも冷静に答える。

 

隼人「ここで話せることではないんでな。本部についてからじっくり話してやるから、まずは2人とも帰還しろ。いいな」

 

そう言うと、隼人は通信を切った。

 

武蔵「お、おい隼人!…ったく、こういうところは全く変わってないな」

 

弁慶「そう言うなよ先輩。帰ってから話すとは言ってるんだ。まずは本部へ行こう」

 

武蔵「そうだな。今そっちへ戻る」

 

そういうと、武蔵は一度通信を切り、ゲッター1のコクピットとトラックの運転席を接続する。

 

武蔵(これから一体、何が始まるってんだ…。いやな胸騒ぎがするぜ)

 

脳裏にそんな思いを浮かべながら、武蔵は運転席へと戻り、NASAR本部へと向かってトラックを走らせた。

 

この一連の出来事が、やがて始まる世界最後の日の序章となることを、武蔵も弁慶もまだ知らないのであった。

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