「あの、今から多岡さんに私の家の事を話そうと思います、聞きたくなければ今までの事や紅葉の事は忘れて帰って下さい、そして私に2度と関わらないで下さい」
「いや、聞かせてくれ」
家の事とはなんだろうか、俺が晴天目に感じていた違和感と好奇心に答えを見せてくれる物なのだろうか?
真面目に話してくれるであろう晴天目には申し訳ないが口角が上がってしまいそうだ。
「では話します、私の父の家系は遥か昔から邪を祓う力を持っていました、その力を使い代々妖怪退治の様な事をして居たんです、私にも同じ力があって今はここで毎日の様に妖怪退治をしているんです」
「へぇ…」
「信じてもらえませんよね…」
「いや、信じるよ」
「本当ですか?」
「あぁ」
信じると言う言葉は嘘ではなく本心なのだが俺はがっかりしていた、もちろん彼女の家が妖怪退治を代々やっているのは驚きだ、だがそれは違和感と好奇心の答えでは無い、俺が知りたいのは家系の事でなく彼女自身のことなのだ。
「それだけ?」
「いえ、もう一つ言わなくてはいけない事があります」
「何かな?」
「私の自身についてです」
この言葉を聞いた時再び口角が上がりそうになった、実際は少し上がっていたかもしれないが冷静にかえす。
「晴天目自身の?」
「はい、私にはある呪いがかかっています、その呪いは遥か昔、私のご先祖様がある妖怪を殺した時に受けた物で、子孫がその妖怪の器として産まれて来てしまうというものです、通常は妖怪を祓う方法を教わり妖怪の力を抑えるのですが私はそれを教わる前に臨死体験をしたことにより妖怪に憑かれてしまったんです。
邪気を祓う力の基礎も知らなかった私は妖怪の邪気を全てこの体に受けました、そして私から溢れた邪気は私の周りに不幸を運びました、そのせいで学校で虐められたりしました、今では邪気はある程度抑えられていますが、妖怪退治の時は私に憑いている妖怪の力を借りているので呪いは進んでいるんです」
「つまりその話に出てくる妖怪が紅葉さんだよな?」
「はい」
「なーんだそうだったのか」
思わず笑ながら答えてしまった
「えっと…」
「じゃあ晴天目が何時も怪我してんのって呪いのせいなのか、そんでもって夜になると妖怪の力を借りて戦ってまたボロボロになるのか」
「そ、そうですね」
「そうか、そうかやっとスッキリしたよ」
「スッキリですか?」
「あぁ、俺、晴天目見た時から晴天目の事ずっと気になってたんだよ」
「き、気になって⁉︎、えっと、それは…///」
「なるほどねー」
「で、ですから、今後私にあまり関わらない方が良いですよ、多岡くんをいつか傷つけてしまいますから」
「断る」
「な、なんでですか⁉︎」
「俺はお前の話を最後まで聞いた、よってお前に関わる権利がある」
「で、でも」
「お前がなんと言おうと関わるからな!」
「は、はい、わかりました」
「よし、それじゃ帰るか、送って行くよ」
「は、はい!」
「そうか!あの時お寺で見たのも晴天目だった訳だ」
「お寺ですか?」
「あぁこの前の日曜の夜寺で見たんだよ妖怪退治するお前を」
「それ私じゃありませんよ、日曜日の夜は学校で妖怪退治してましたから」
「えっ?」
こうして彼女に感じていた違和感は取り除かれたが好奇心はまだ残っていた、まだまだ彼女の事を知りたいそう思いながら家に帰った、もうすぐ夏休みが終わる、何か忘れている気がするがどうでも良くなった。