今俺は石段の前にいるとても長い石段だ何故俺がこの石段の前にいるかと言うとこの先に目的地があるからだ、目的地と言うのはクラスメイトである晴天目香夜の家だ、何故俺が彼女の家に行くことになったか、それにはこんな理由がある。
夏休みが終わり二学期の初日俺は徹夜で重い瞼をこすりながら投稿した、何故徹夜かと言うと夏休み最終日にほぼ全ての課題を終わらせたからだった、始業式が終わり課題を提出して居た時に悲劇は起こった。
「おーし、学年課題の提出は終わったな、次クラス課題回収するぞ」
担任の言葉の中に聞きなれない単語があった。
「クラス課題?」
「あぁ、出しただろクラス課題の自由研究」
「自由、研究?」
「なんだぁ?お前まさかやって無いなんてことは無いよなぁ?」
「いえ、その、なんと言いますか…」
「やってないのな」
「うい…」
「はぁ…放課後職員室来い」
「うーい」
これが俺に起こった悲劇だ、だがこの悲劇には続きがある、放課後俺は職員室に向かった
「失礼します」
職員室に入ると冷ややかな冷房の風が身体を通った。
「おぉ多岡来たか」
「はい、で俺はどうすれば?」
「まぁ自由研究を再提出させる気は無い、その代わり届け物をして欲しいんだ」
「届け物…誰に?」
「誰って、そりゃ晴天目に決まってるだろう、今日休んでたし」
「あぁ、そう言えば居ませんでしたね」
「あぁってお前気づいてなかったのか」
「気づいてましたよ、また怪我ですかね?」
「いや今回は病欠だそうだ、だからプリントとか届けてくれ、これが地図な、それじゃよろしく」
「え?あ!ちょ…行っちゃったよ、仕方ない行くか…」
そして地図を頼りに歩き今に至ると言うわけだ。
「ここだよな…登るか」
石段を一段ずつ登って行くまだ暑いこの季節にこの登りはかなりきつい、しばらく登ると大きな門が現れた、だが門は閉まっている。
とりあえず門をドンドンと叩く
「すいませーん、誰か居ませんか?」
声をかけしばらくすると門が音を立てて開いた、どうやら人は居たらしい。
だがあいた門の先には誰も居なかった、居たのは一匹の猫だけだった
「猫?」
「にゃーん」
猫が鳴く
「ここ晴天目の家だよな?」
「にゃーん」
猫はもう一度鳴くと奥に走って行ってしまう。
入って良いのだろうか?迷っていると前から人が歩いてくる。
着物を来た女の人だ。
「どうされましたか?」
「あ、ここは晴天目さんの御宅でしょうか?」
「はい、そうですが」
「香夜さんのクラスメイトの物です配布物などを届けに」
「そうですか、ではこちらに」
そう言って奥に案内される、門をくぐりしばらく庭を歩くと大きな屋敷が見えてきた、武家屋敷のような造りでとても年季が入っている。
「香夜様のお部屋は2階の奥ですどうぞお入り下さい」
玄関でそう言われたので家の中に入る、すると後ろから一匹の猫が走って来て階段を上がって行った、後ろを振り返ると先程まで居た女性は何処かへ行ってしまったのかもう居なかった。
階段を上がり廊下を奥まで進んだ所で聞き慣れた声が聞こえてきた。
「なんやぁ?遊びに来てくれたん?ありがとう、でも今少し手ぇ離せへんからまた後でな?」
誰かと話しているのか?一体誰と…
「にゃーん」
「え?お客さん来てはるの?誰やろ?」
今にゃーんっていったよな、中にいるの猫だよな、猫と話してる?そんなまさか、とは思いながらノックをして声をかける。
「晴天目?俺だ多岡だプリント届けに来たぞ」
「え⁉︎あ⁉︎多岡くん⁉︎ちょっと待ってください⁈」
なにやら慌てている様子だ、扉の前で待つことにした俺の耳に次の瞬間
「キャー」という晴天目の叫び声とバシャーン、ドテーンと言う大きな音が聞こえた
心配になりおもわず扉を開けた
「大丈夫か⁈」
部屋に入るとそこにはパジャマの前のボタンを全開にして水を頭からかぶった晴天目の姿があった。
「うぅ〜めっちゃ痛い〜、多岡くんなんで入って?え?」
「いや、なんでって言うか叫び声したから…」
目線は自然と晴天目の方を向く。
「み、見ないで下さい!あと出てって下さい!」
「わ、悪い、すぐ出る」
部屋を出てしばらくすると中から声がかかる
「お待たせしました、もう入ってもいいですよ」
「お邪魔します」
「それで多岡くんはいったいなんの御用でしょうか?」
「お前が風邪だって聞いてプリント届けに来たんだ」
「ありがとうございます、でも入口の門しまってませんでしたか?」
「なんか、勝手に開いてその後女の人に案内されてここまで来たんだ」
「もしかして…猫を見ましたか?」
「見たな」
「そうですか」
「所で風邪はもう良いのか?」
「はい、骨折から来た風邪だったのですがだいぶ良くなってます」
結局怪我が原因か。
「それは良かった、それともう一つ聞いていいかな」
「なんでしょうか?」
「なんでパジャマのボタン全開で水かぶってたの?」
「そ、それはですね、身体を拭いていたんです、そしたら多岡くんが来て慌てたら転んでしまってですね」
「なるほど」
「みました?」
「…見てない」
「なんですか、今の間」
「別になんでも無いよ」
「本当ですか?」
「あぁ、それじゃ俺は帰るよ」
そう言って部屋を出ようとすると後ろから声をかけられる
「おい、小僧」
声の主は晴天目だ、だが彼女ではない、俺のことを小僧と呼ぶのは紅葉さんだ。
「なんでしょうか?」
「香夜に変な気はおこすなよ?その時は妾が直接…ふふふ」
「大丈夫ですよ、それでは紅葉さん、さようなら」
そう言って家を後にする
「晴天目、意外とスタイル良かったな…」
そんな事を言いながら幸せな気分で帰路に着くのであった。