よく晴れた秋晴れの午後、俺は屋上にて午後の授業をサボって居た。
何故サボっているのかと言うとこの午後の授業がくだらない内容だったからである、その授業の内容とは文化祭でクラス掲示をするのでグループを作り何かしら調べろ、と言うものだった、余りにくだらないので昼休みを延長することにした。
するとそこに放送がかかった。
「一年生の多岡くん、授業をサボってないで今すぐ教室に来なさい」
担任の声だった、もちろん教室に戻る気はない。
「今から3分以内に戻らなければ退学処分とします」
「退学ねぇ…退学⁉︎」
俺は全速力で教室へと走る。
ガラッと教室の扉を開けて中へ入る。
「おぉ多岡2分30秒で到着か、意外に早かったな」
「ハァ、ハァ、せ、せーふ、退学は無しだ」
「私みたいな教師に生徒を退学させる権限があるわけ無いだろバカめ」
「はめたな…」
「良し多岡も来たことだし授業再開、と言ってもお前の所属するグループは決まっている。」
「決まってる?誰と?」
「お前のグループは晴天目と私だ!」
「はぁ、晴天目と先生⁉︎」
「うむ」
「なんで先生まで⁉︎」
「せっかくの文化祭だし私も参加したくてな」
「さいですか、それでいったい何をしらべるんです?」
「その点も決まっている、ズバリ妖怪だ」
「妖怪⁉︎」
思わず声が裏返った
「実は私は妖怪マニアでな」
「なるほど」
ちらりと晴天目の方を見る、相変わらず包帯だらけで微笑んでいる、いや苦笑している。
隠して打ち合わせが始まった。
担任が他の班に顔を出している間晴天目に小声で話しかける
「おい、妖怪だってよ、晴天目の家に資料とか無いのか?」
「あるにはあるんですけど、どれも皆門外不出の物なので」
「そうか…」
困った妖怪の事なんてどう調べれば良いんだ。
「おーい先生、妖怪の事なんてどう調べんですか?」
「それなら心配要らない、東京の方にある研究室に最近話題の妖怪研究家が居るんだそこに行こう」
「行こうって言ったって電車代だってかかるし」
「経費で落とすから大丈夫だよ」
隠して東京の妖怪研究家の元を尋ねる事となった。
電車を乗り継ぎ研究室がある大学に付いた、何処かで聞き覚えのある大学名だ。
「先生が妖怪マニアだったなんて意外ですね」
晴天目が言う
「だから彼氏も出来無いんだよ」
「多岡、うるさいですよ?それに彼氏は作らないだけです」
「どうだか」
「さて、無駄話はこれ位にして行きますか」
大学の受付のような窓口で研究室の場所をたずねる。
「多岡結衣さんの研究室はどちらでしょうか?」
多岡結衣、姉貴と同じ名前だ…ちょっと待て?確か姉貴は妖怪の研究をしている、まさか、いや姉貴はまだ学生のはず、研究室などもっていない、きっと思い過ごしだ。
「あ、あの先生?その妖怪研究家の人ってどんな人なんですか?」
「ん?あぁ最近まで学生だったらしいがある論文を大学に提出したところその出来に大学が驚愕、研究室を与えられ一躍話題に、なんでも長野出身で美人らしい」
「へ、へー」
嫌な予感がする。
研究室のドアの前に立つ。
頼むから思い過ごしであってくれ。
担任がドアをノックして開かれた
「失礼します」
「どうぞ」
聞き覚えのある声
「少し散らかっていますがお入りください」
見慣れた顔
「はぁ…なんでこうなるんだよ、姉貴‼︎」
「おや?その声は弟くん」
「おや?じゃねーよなんだよ研究室って!⁉︎」
「いやー夏休みに書いた論文が大当たりしてね、これも弟くんのおかげだ」
「なんだ多岡、知り合いだったのか」
「姉です…」
「姉って、それじゃあ二人は姉弟なのか⁈」
「そうです」
「驚きだ」
「でしょうね」
そんな驚愕の出会いをしたのちに担任が姉に様々なことを聞いた、中にはお付き合いしている人は?とか同性愛についてどう思う?とかあまり関係ない質問をして居たが気にしないでおく。
担任からの質問が終わると姉は晴天目と話出した、だが目線は何処か上の空だった、そしてしばらくすると晴天目と二人で奥の部屋へ入っていった。
「なぁ先生、授業をサボって居た俺を班員にした理由は何でもいいとして、なんで晴天目をこの班に入れたんです?晴天目は別に孤立しなかったと思うんですけど」
「それはだな、私がプライベートでこの研究室を訪問しようとした時に学校でこのクラスの担任をして居ると伝えたら、研究室に来る条件として晴天目と一緒に来ることを提示された、だから文化祭と言うのを言い訳に晴天目をグループに入れたんだ」
「謎の妖怪研究家が晴天目を知っていることに疑問を抱かなっかったんですか?」
「抱かなっかった!」
「うわぁ…」
「まさかお前のお姉さんだったとは、フフフ」
「嬉しそうですね」
「あぁとっても嬉しい」
そんな会話をして居ると奥の部屋から二人が戻って来た、時間も時間なので帰ることになった。
帰りの電車で晴天目に姉貴とどんな話をしたか聞いたのだが。
「秘密です」
と一言言われてしまった。
その日の夜姉貴から電話があった。
「もしもし?弟くん?今日も君のおかげで良い日だったよ、今度実家に帰った時にはいーぱいぎゅーっとしてあげるよ」
「やめてくれ」
「恥ずかしがっちゃって」
「所で姉貴?今日晴天目となに話したんだ?」
「それは秘密」
「またそれか」
「ふふーん、それじゃあおやすみ」
「おやすみ」
こうして文化祭の下調べは幕を閉じた。