ある日の事、俺が何時もの様に居眠りをして居ると晴天目に声をかけられた。
「あ、あの、多岡くん?」
「んぁ?」
寝ぼけて変な声が出てしまった。
「えっとですね、今週末何か予定はありますか?」
「いや、特に何も無いけど」
「それじゃあ日曜日に私の家に来てください、色々とお礼もしたいので」
「おう、了解」
「はい、それではさようなら」
「おう、じゃあな〜」
寝ぼけながら晴天目と別れの挨拶をした所で違和感に気づく。
「ん?家?日曜日?なんで?おい!晴天目⁈」
そう叫ぶが既に晴天目の姿は無かった。
「多岡っちー、一緒に帰ろってどしたの?」
「い、いや、なんでも無い…」
と言うことで週末晴天目の家にやって来た。
相変わらずでかい、門は空いていたので庭を通り玄関の扉を叩く、すると家の中から足音が聞こえてくる。
ガラガラと扉を開けて晴天目が顔を出した。
「多岡くんいらっしゃい、どうぞ上がって下さい」
「お、おう」
妙に緊張してしまう。
晴天目の部屋に案内された俺は更に緊張していたので、話をすることにした。
「所で今日はなんで俺を呼んだんだ?」
「最近色々お世話になってばかりですのでお礼をと思いまして、今日はおじいちゃんも居ませんし」
そのセリフで体温が上がって行くのを感じた。
「お、お礼って?」
「これです!」
そう言って取り出したのは学校の教科書だった。
「きょ、教科書?」
「はい!日頃お世話になっているお礼として、テスト勉強をですね」
「い、いや、でも俺勉強道具持って来てないしさ…」
「大丈夫です、お姉さんから荷物預かってますよね?」
「あぁなんか渡されたな」
この荷物は家を出る時姉貴から渡された物だ、なんでも姉貴の研究資料を晴天目に見て欲しいとかで茶封筒を渡された。
「それ、開けて下さい」
「お、おう」
中を開くとそこには新品のノートと一枚の手紙が入っていた。
手紙の内容はこの様な物だった。
おとうと君へ
せっかく香夜ちゃんが勉強を教えてくれるんだからしっかりと勉強してくる様に!
PS、女の子と二人きりだからって変な事考えてたんだろうけど、実際に変な事する時はちゃんと同意の上でやること!
と書いてあった、変な事なんてしねぇよ…考えてたのはあるけど、エスパーめ…
手紙をくしゃくしゃにして鞄に放り込んだ。
「そう言うことですのでテスト勉強しましょう、テストは1週間後ですよ!」
「うーい」
やる気無く返事をする
「所でお礼って何のお礼なんだ?俺そんなたいしたことしてない気が…」
「この前小さくなっている時にとめていただきましたし」(第17話参照)
「あれはしょうがないだろ、困ってたし」
「後はプリンのお礼もして居ませんでしたし」(第15話参照)
「あ〜あれね、そのお礼でテスト勉強ねぇ」
しばらくたって俺の集中力が限界を迎えた。
「あぁぁ!もう無理だ!休憩!」
「まだ30分も経ってませんよ?」
「どうせ、俺なんて勉強した所で」
「駄目ですよ、お姉さんからしっかり勉強させる様頼まれてるんですから」
そう言って携帯の画面を見せる、そこにはおとうと君と宜しく頼むと書いてあった。
どうやら以前うちに泊まった際に連絡先を交換したらしい。
「もう少ししたら休憩しましょう、美味しいプリンもありますし」
「マジか!それじゃあ頑張るか!」
「はい!」
一日晴天目の家でみっちり勉強をして帰路に付く、勉強をしたと言うのになんだか今日は有意義な日だった。
「とりあえず帰ったら姉貴に手紙について説教してやる」
手紙を取り出そうとするが手紙が見当たらない、晴天目の家に置いて来たか⁉︎
まぁわざわざ開いて見ずに捨てるだろう、捨ててくれることを祈る。
晴天目家では多岡姉からの手紙を読んだ晴天目香夜が顔を赤くして多岡姉に怒りのLINEを送っていた。