階段での騒動から数日がたったある日、晴天目は車椅子で学校に来ていた、身体中に包帯を巻いた彼女の姿を誰もが気にしながらも誰もその事には触れなかった。
俺自身はと言うと彼女に接触するきっかけを探していた、階段から落としてしまった事もありかなり話かけずらいのだ、どうしようかと考えながら昼休みの廊下を歩いていると少し先に彼女の姿が見えた。
遠目に様子を伺うと彼女は車椅子に座ったまま身体を曲げ床に手を伸ばしている、手を伸ばす先には眼鏡が落ちている、それは彼女がいつもかけている赤縁の眼鏡だった、どうやら落とした眼鏡を拾おうと頑張っているが車椅子のおかげで手が届かない様だ、周りには何名かの生徒も居るが皆見て見ぬ振り、まったく薄情な奴らだ。仕方が無いので声を掛ける事にした。
「おーい晴天目、眼鏡拾ってやるから無理するな!」
遠くから声を掛けると彼女は驚いた様な声で慌てて答えた。
「い、いえ!結構です!自分で拾えますから!」
「いや、自分で拾えて無いからそんな事になってるんだろ」
「本当に拾えますから!来ないで下さい!」
「来ないで下さいって傷つくね」
「あ、いえ、そう言うつもりじゃなくて…」
「なんてな、じょうだ」
ここまで口にしたところで俺の肩に強い衝撃がはしった、衝撃とほぼ同時に数人の男子生徒が俺の脇を物凄い速さで駆け抜けて行く、そして走りながら後ろを振り返り。「悪いな!」と言った、だがそれがいけなかった、直後その男子生徒は前方に停止していたあるものと衝突した、そう晴天目が座っている車椅子だ。
廊下にガシャーンと言う大きな音が響いた、音の発生源に目を向けると、全力疾走してきた男子と衝突して吹き飛びフレームの曲がった車椅子と廊下に倒れこむ腕が逆に曲がった少女がいた。
衝突した男子生徒はと言うと、一目散に逃げ出した、まったく酷いやつだ。
その後直ぐに彼女は保健室に運ばれた、ちなみに車椅子のそばにあった赤縁の眼鏡はぐしゃぐしゃに潰れていた。
その後こんな噂を聞いた、車椅子と衝突した男子生徒がそも日のうちに交通事故にあったらしい、命に別条は無いらしいが腕と脚を折り入院したと言う。
天罰と言うのは本当にあるのだと思ったのであった。
ちょっとしたおまけ
第2話番外編!それは俺には助けられない
晴天目が車椅子で登校した日の午前の休み時間女子トイレの前で車椅子の彼女を発見したトイレの入り口で停止してキョロキョロしている、この高校は古いのでバリアフリー化などされていない、要するにトイレに行こうとしたが入り口が狭くて車椅子では入れない、頼める友達もいない、さて困ったと言った具合だ。
立ち上がろうと頑張っているが立ち上がれ無いまましばらくして彼女は俺を発見した、そしてなにか訴える様な視線を向けた、まさか彼女は俺に助けを求めているのだろうか?さすがにそれは無茶である何故なら彼女を助けるには俺自身が女子トイレに入らなければいけないからだ、無言の視線を向ける彼女に両手を合わせ拝む様に無言で謝罪をしてその場を後にした。
俺にも助けられない事はあるのだ。