転生者はやる気のないチート野郎 作:名前?何でも良いよ
エリンギルの町にワープした俺は宿を探して今日はそのまま眠りにつくことにした。翌日目を覚ますと外は雨が降っているらしく体も怠く重い。二度寝をしようともう一度目を閉じるが覚めてしまった意識は中々夢の中には戻ってくれない。俺は溜め息を吐いて動きやすい格好に着替え雨に濡れないように反射の魔法を発動させる。俺に触れた物は物理、魔法に問わず全て跳ね返す。外に出ると俺の周りだけ雨が避けているように見えるが反射してるだけである。
ギルドに着くと何故かギルド内は賑やかだった。何があったのかゴツいおっさんに聞いてみるとどうやら俺を待っていたらしくシルビとクリスの前まで連れていかれる。
「っ!レツさん!!」「レツさん!!」
二人揃って俺を見付けると駆け足で俺によってくる。
「どうして護衛任務してたらデュラハンに襲われるんですか!?」
どうやら昨日の護衛任務の事で王都から話が来たみたいだ。俺は王様にこのギルドの事を話したのは失敗だったと後悔していた。
「しかも!レツさんがレットドラゴンを単独で倒したと言ったら至急王都に来るよにとの伝達が来てるんですよ!」
何てことだ....まさかそれを言ってしまうとは。
「絶対に行かなきゃ駄目なのか?」
出来れば行きたくない。出来なくても行きたくない。
「そうですね...何か行きたくない理由でもあるのですか?」
「クリスには言ったが俺は極力目立ちたくない。生きていけるだけの金と働き口だけあればそれでいいんだ。他には何も求めていないし押し付けも勘弁だ」
「勿体無いですね....」
シルビさんは納得していないようだ。
「ですが行かないと言うわけにもいきませんし....あ!そうですよ!」
何かを思い付いた様子のクリス。
「学校ですよ!レツさんが学生なら呼び出しに応じなくても良くなります!!」
「それはどういう意味だ?」
「知らないのですか?魔法学校に通うと全寮制になり自由に外には出れなくなります。それでも広いですし設備は整ってますしちゃんと申請すれば出れますが。その魔法高校の法則に生徒は如何なる場合に置いても魔法高校の法律に従うものとする。と言うものがあるんですけど魔法高校の法律に学生の出入りの権利は学生が自ら決めるものとする。というのがあるんですよ!ですからレツさんが行きたくないと言えば行かなくてすむんです!」
おーそれは有り難いが....高校かぁ。俺一度義務教育終えてるんだけどな....顔変わってるし伸長縮んでるから見た目中学3年生か高校1年生くらいにしか見えないから丁度良いのかもしれないけど。
「あ、因みに魔法高校のテストは明日ですよ?ここは実力あるものなら受かるので当日でも滑り込みテスト受けれますしどうしますか?」
テストかぁ...まぁこれが落ちたら遠くの町にでも行って暮らそうかな。
「分かった。明日受けてみることにするよ。場所は何処にあるのかな?」
「分かりました!場所はですね...王都です」
なん...だと?俺が一番離れたいところにあるだと?いや待てよ....灯台もと暗しとは言うし....。
「王都のどの辺か分かりますか?」
「王都の王宮から向かって東に徒歩30分程にありますよ」
「それじゃあ明日受けに行ってくるよ」
「はい!頑張って下さいね」
「た、たまにはギルドにも顔だし下さいね...」
クリスとシルビの寂しそうな声を聞いた俺は下見の為にギルドを後にしてワープで試験場まで飛んだ。知識としてはどの辺にどういった建物があるのかが分かるのが救いだった。
試験会場として設けられた施設は学校の敷地内にあるみたいだ。学校の敷地内に勝手に入って良いものか悩むが今期新入生テスト会場と看板に書いてあるのを見付けたので会場に向かう。
会場は大きく丈夫な造りの建物のようだ。それに魔法で全体的に覆われている。これなら簡単には壊れないだろう。俺が建物を見ていたとき背後から誰かが近付いてくるのが分かった。
「何かようですか?」
俺は体を向けずに聞くと聞きなれない声が返ってきた。
「へえ。中々やるようですわね。今年の新入生かしら?」
声の質からしてどうやら女性のようだ。聞き方からして学校の関係者だろうか。試験一日前に会場の前にいたらそりゃ怪しいわな。俺は声の聞こえた方に振り替えると銀髪を腰まで伸ばした少しだけつり目で大きな二つの膨らみを持った美少女がいた。身長は160㎝ほどだろうか俺より少し高い。
「ええそうです。受けようと思ってますので下見に来ました。ただ新入生はまだ早計ですよ。受かるかどうかも分かりませんから」
「あらそれは心配要らないと思うわ。この学校は変わってはいるけれどそこが魅力でもあるのだしね」
変わっている?なんのことだ?
「なんのことだって顔してるわね。そうね教えましょうか。この学校ではクラスが三組あるの。Aクラス、Bクラス、Cクラスてね。だけどクラスの人数は同じじゃないの。昨年だったらAクラスが30人。Bクラスが50人Cクラスが確か98人だったかしら。そして受験者は178人。ここまで言えば分かるかしら?」
笑みを浮かべながら腕を組んで言ってくる。その時に豊満の二つの膨らみが形を変えて見るものの目を引き寄せる大きな谷間が服の隙間から見える。
「受験者は絶対に受かるって事ですか?」
「クスッ。そうねそうとも捉えられるわね」
「違うんですか?」
「魔法が使えれば誰でも受かるわ。どんな魔法でもね」
てことは使えなければ受からないって事か。
「俺が使えないとは考えないんですか?」
「私が後ろから近付いて気付いた君が何の能力も持ってなかったら泣きたくなるわよ。あ、自己紹介がまだだったわね。私の名前はサラ。サラ・エルフスター・レイン。ここの生徒会長をしてるわ。よろしくね」
生徒会長か....。魔法高校の生徒会長てことはこの人が一番強い人ってことなのか?
「よろしくお願いします」
「....君の名前は?」
「へ?」
「私は名乗ったのだから名乗るのが礼儀だと思うのだけれど」
「確かにそうですね。ライトです。ライト・アルベルト」
ま、本名なんてめんどくさいから教えないけど。
「ふーん。それじゃライトね。また後でね」
そう言って此方に手を振りながら試験会場の中に入っていく。
あれ?試験は明日なのでは?
「あ、すいません。試験って今日なんですか?」
「そうよ?だから来たんじゃないの?そう言えば下見に来たって言ってたわね....試験はこのあと直ぐに始まるから早く中に入った方が良いわよ」
...まぁ受けれそうだから良しとしよう。
「分かりました。ありがとうございます」
「それじゃーね」
俺はこの時気付くべきだった。生徒会長は明日ね。ではなく後でねと言ったことに。