転生者はやる気のないチート野郎 作:名前?何でも良いよ
さて魔力量の測定を終えた俺だが二人の美女に言い寄られている。良い意味ではなく悪い意味で。
「どうしてくれるんですか!?これすっごく高いんですよ!!」
水晶玉を指差しながら半泣きになるクリス。
「いやでもクリス?ちょっとこのギルドカードの内容見てよ....こんな人がうちに来てくれるなら水晶玉くらい安い出費なんじゃない?」
「ううう...確かに見たことの無い、と言うより測定不能なんて聞いたこともないですけど....レツさんは仕事をして有名になりたいとか思っていないので期待を押し付けるのも....」
うん実に理解している.....だが二人の会話を聞いているギルド内の冒険者が哀れだ。
「でも..ここの冒険者のランクって最高がBランクなのよ!これじゃ依頼が来てもクリアー出来ないのばかりだしここはレツさんに頼むしかないのよ!いえ!脅してでもやってもらうしかないのよ!」
「でも....」
内緒で話しているつもりなのだろうか....此方に振り返ったシルビの顔は自信に満ち溢れていた。
ギュッと俺の腕に自分の胸を押し付けて抱き付いてくる。俺も男なので嫌ではないが理由が分かっているから嬉しくない。
「ねえ~レツさん。お願いがあるんですけど」
柔らかな膨らみが俺の腕に当たり形を変えていくそれを見て鼻血を吹き出す冒険者達。やっぱりこのギルドはダメかもしれない。
「....ロック」
俺は風の中級呪文を無詠唱で発動させてシルビが動けないようにして離れる。
「え?え!?」
「はぁ....依頼は受けよう。だが色目を使って俺を駒のように動かすのだけは止めろ」
前世の、と言うよりは死ぬ前にやってもない痴漢の罪で人生を壊した俺にとってこのような手段は嫌気がした。だからなのか少し強めに言ってしまった。だが気付いた時には遅くシルビは半泣きになりながら頷き、クリスは固まっている。
「はぁ...いや悪い。少し強く言い過ぎたようだ」
「わ、私が悪かったです.....」
頬を染めながら謝ってくるシルビ。そんなに怖がらせてしまったかと改めて謝罪するとクリスからはため息が返ってきた。良く分からんがめんどくさい....早く依頼を受けて宿を探して休ませてもらおう。
「それじゃあ、さっそくだけど依頼を受注したいんだけど」
「さ、さっそくですか?」
俺の言葉に驚くシルビ。なんかよく驚く子だな。金がないんだから仕方がない。
「ああ...シルビ。レツさんはお金が無いんですよ。元々私が働きたいと言っていたレツさんを誘ったんですし。今日の所は遅いですから私の家に来て休みますか?食事も出しますが」
「ああそれは有り難い」
外を見ると日が沈み始めている。どうやらギルドに来てからそれなりに時間が過ぎたようだ。
「ま、待ってください!」
シルビが声をあげて俺とクリスの間に入ってくる。
「シルビどうかしたの?」
「どうかしたじゃないですよ!!クリス!何故貴女の家にレツさんがその....お、お泊まりゅ....お泊まりなんて事態になっているんですか!?」
はい、今の叫び声で内容を聞いた冒険者達が集まって来たので全員をスリープで眠らせました。と。
「変ですか?今から頑張っていただくんですから...それに私が連れてきたんですし感謝の気持ちを込めてですので」
「そんな駄目ですよ!男は狼だってお母さんも言っていました!!レツさんは私の家に泊めます!」
「その理由は支離滅裂ではないですか?シルビがレツさんに襲われたいと聞こえますが」
「え.....ボンッ...ひょ!ひょんなきょとないもん!!」
顔を真っ赤に赤くしたシルビが瞳に涙を溜めながらクリスに言い返しているが...俺を泊めるかどうかで揉めるのは止めてほしい。次々と噂を聞き付けてギルドに入ってくる、おっさんズ眠らせるの疲れるから。
「では私の家にシルビも来て一緒におもてなししましょうか」
「え?」
「そ、それなら」
「えー.....俺やっぱり外で寝ても良い?」
一日くらいなら野宿でもいける自信あるし。
「駄目です」
「駄目に決まってるじゃないですか」
怖い....二人の目がなんか本気だ....。明日の朝めんどくさい事になっていませんようにと祈っておくか。
次の日。
実際二人がしてくれたのはご飯を作ってくれた事だ。やましいことなんてしていない。風呂はいるときに風呂の入り口を闇魔法で消しといたりベットで寝ているときに風の魔法を俺の周囲に使っておいて触れれば軽く切れる魔法を使っていたが俺は二人を信用していた。だから朝になって二人の服が数ヶ所破れていたのは気のせいだろう。きっと夜に稽古でもしているのだろう。
「よお!美女二人に奉仕してもらった感想はどうだ?色男!」
なのに今朝からこんなことばかり聞かれる。原因はどうやらシルビとクリスの目の下に隈があるからだそうだ。違うと言っても聞かないのでああとだけ言っている。今はクリスとシルビに頼んで依頼を受注しているところだ。
「今このギルドに来ている依頼の中で最も難しいのを選んできました」
渡された紙を見るとレッドドラゴンの討伐と書かれていた。達成想定ランクSS×10と書かれていた。これはSSランクの冒険者が10人必要という意味らしい。こんなギルドにこんな依頼が回ってくるのかと不思議に思ったりよくこんな危険な依頼を俺に渡せるなと思ったり俺の頭の中は考えることで大忙しだ。
「グルーネ火山か...」
行ったことはないが知識はある。とても不思議な感覚だ。未だに慣れる感覚ではない。
「場所分かりますか?」
「はい」
俺はそれだけ言ってグルーネ火山に向けて出発した。ギルドを出て適当な家の後ろに周り魔法を発動させる。
「我が求めるは力にあらず。我が求めるは居場所也。ワープ」
一瞬にして肌が焼ける感覚に陥り氷魔法の氷纏雪時雨を発動させた。氷の鎧のような物が俺の体を包み込み熱を下げていく。目の前を見ると大きな瞳と目があった。
「あーでかい」
これ勝てるの?ってくらいでかい。体調は30メートルはあるかなって大きさで背中には固そうな鱗が見える。
「グギャャャャヤアアアア!!」
何処の某ゲームだよ。という突っ込みを内心でしていると。ドラゴンは飛ぶつもりなのか翼を羽ばたかせ始めた。地面に物凄い風が吹き荒れ俺の体がその場から吹き飛ぶ。俺は風魔法エアーを発動して空を飛ぶとドラゴンの巨体は持ち上がり口にマグマのような塊が溜まっていた。ドラゴンは口から放出してマグマのブレスが俺に向かってとんでくる。あまりの熱に先程発動した氷の魔法が溶けそうになる。
「バニッシュ」
俺は右手をつきだして魔法を発動させる。するとマグマのブレスとドラゴンの頭が消し飛んだ。ドラゴンは落ちていき力なく倒れる。どうやら倒したようだ。どうやって討伐したって証拠になるんだ?俺が悩んでいると後ろから声がしたので振り返ると三人ほどの人がいた。
「君は何者だ?」「貴方は誰?...」「何者?...」
今の光景を見ていたのか三人が俺に聞いてくる。答える義理は無いしめんどくさいしで俺は逃げることにした。
「我が求めるは力にあらず。我が求めるは居場所也。「待ってその魔法なら私も使える。着いてくよ?」....」
三番目に俺に聞いてきた白髪の幼い女の子が言ってきた。因みに一番最初は金髪の美少年で二番目は赤髪のって....最初に会った赤髪の女の子じゃないか....。うわー通りで俺の顔じーと見てるわけだ。思い出すなよ....。
「あ!....貴方あの時の.....目が腐ったイケメン...」
なんて失礼な覚え方だ。
「ん?アリスの知り合いかい?」
「うん.....獄焔の谷を作った人」
「あの人が?...ですか」
獄焔の谷?何それ俺知らないんだけど。
「俺そんなの作った覚え無いんですけど」
「貴方がゴブリン1000体を焼き払った魔法。今もなお焼き続けている。誰も消せなかったし....誰も近付けない...」
なんて事だ....あの時軽い気持ちで放った魔法がそんな事になっているなんて。
「正直最初にアリスから聞いたときは耳を疑ったよ。だけど先程のバニッシュの威力を見ては信じるしかなさそうだ」
真剣な表情になり俺に言ってくるイケメン。てかアリスさんって言うんだな。
「ねえマルス。この人どうするの?....」
白髪の幼い女の子がイケメン...マルスさんかな?に言っている。
「最善は僕達と一緒に来てもらいたいね。そこまで力あるものを野放しには出来ないからね」
うわー.....こいつ俺の苦手なタイプだ。
「凄く....嫌な顔してる」
「大人しく来てはもらえないようだね」
「正直嫌です。それに野放しではありません」
「どういう意味だい?」
「俺はギルドに入ってますので」
ギルドカードを見せて証拠を見せる。あれ?そう言えばシルビとクリスがギルドカードは見せちゃダメって言ってたような。
「漆黒のギルドカード!?」
「マルス....」
「ああ。やはり着いてきて貰おうか」
腰に携えていた剣を抜き出す、マルスさんとアリスさんとやら。そして杖を構える白髪の幼い女の子。三対一ですか....ずるくない?
「じゃあ行くよ!!」
「嫌ですよ....めんどくさい」
「はぁぁああああ!!ブースト!エンチャント!パワー!エンチャント!スピード!」
「すぅ....絶対なる零度よ...我は求め...欲する。汝に定めたるは力。古の盟約を守りて我の敵を永遠(とわ)の眠りに尽かせよ.....冷障五月雨」
マルスさんは物凄いスピードで突っ込んでくる。アリスさんは剣に手を添えて魔法を唱えると剣から冷気が溢れだした。
「私は汝との契約のもと召喚します。境に解き放たれ雷雲を纏いし力ありし者よ。召喚...麒麟」
白髪の幼い女の子が魔法を唱えると六芒星が現れてそこから雷が放たれ地面が割れ光輝く麒麟が現れた。
完全に三対一です。なんか強そうだし....てことで逃げるか。
「テレポート」
「「「え?」」」
俺はその場から姿を消し三人だけが残された。