転生者はやる気のないチート野郎 作:名前?何でも良いよ
テレポートで逃げたあとにワープしてエリンギルの町まで戻ってきた俺はギルドに戻ってきた。
「レツさん何かお忘れものですか?」
クリスが俺に聞いてくる。まあ出発してから1時間くらいしか経過してないもんな。俺がワープできるの知らないし。
「いや依頼終えたんで返ってきたんだよ」
「え?い、いやいくらなんでも....速すぎでは?」
「あまり強くなかったし。それよりも倒したかどうかってどうやって分かるんだ?」
俺の言葉に呆けているクリスに聞くが反応が無いので隣で受付をしていたシルビに聞いてみる。
「シルビ。どうやったら依頼を達成したことが分かるんだ?」
「え?あーそう言えば初めての依頼なんだっけ?ギルドカードに受注したときに受注内容が書き込まれている筈だからその文字が薄くなっていれば依頼達成よ」
ふむ成る程。なんて便利なカードだ。
俺のカードを受けとるとシルビは驚いているのか目が点になっている。クリスのように固まってしまったシルビの肩を揺する。
「はっ!すいません...あまりに難易度の高いクエストだったもので....ですが先程までギルドにいたような気がするのですが....」
つい一時間前まで実際にいたからな。ワープの魔法が使えることは極力秘密にしたいので適当にはぐらかす。
「それでクエスト完了の報酬を受けとりたいんだけど」
「そ、そうでしたね!レッドドラゴン討伐おめでとうございます!報酬は翌日の朝に王都から届きますので明日までお待ちください」
「へ?今すぐ貰えないの?」
これでようやくお金が手にはいると思っていたら現実は非常であった。
「レッドドラゴン討伐なんて依頼の報酬はうちにあるギルドバンク内でお支払出来ませんし。特別なアイテムも貰えますから、王都から届くまでお待ちください」
「....それじゃ直ぐに報酬が貰える依頼を受注したいんですけど...」
「え、でも疲れてはいないんですか?レッドドラゴン討伐なんてクリアー出来たとしても相当疲労していると思いますが...」
「疲れているように見えますか?」
「いえ全く....傷一つありませんし、朝起きて今来たみたいです」
「ではお願いします」
ということでやってきました。依頼内容は王都までの道中の護衛らしい。依頼者は王都の王様の娘の姫様らしい。勿論そんな依頼は俺だけではなく数人の冒険者が受けている。俺をいれて20人の冒険者が集まっている。これだけいればなにもしなくても報酬が貰えそうだなと思った俺は直ぐにこの依頼を受注した。オーガニクス大陸から王都まで帰るらしくオーガニクス大陸から王都までの距離はおよそ180キロもあるらしい。
ワープで一瞬で着けるだろ?と思ったがどうやら集まった冒険者の中にワープを使えるものはおらずしかもワープを使って姫様を送れば俺だけが報酬を貰えることになりめんどくさい事は分かっているので現在はエアーの魔法を使い空中に浮かびながら姫様の乗っている馬車を追いかけている。何故エアーを使っているかって?冒険者は徒歩で馬車の周りの護衛に当たるんだってよ。やってられるか。
てことでエアーで一人楽に移動している。てわけだ。一応見張りも兼ねてるから誰にも怒られてはいない。文句があるやつはいそうだが。
オーガニクス大陸を歩き(俺は歩いていないが)20キロ地点に来たときに問題が起きた。俺の無駄に良い目が敵を発見してしまった。
上級悪魔である、ガーゴイルが30体。
中級悪魔である、ゴーストが50体。
初級悪魔である、ゴブリンが80体。
かなりの数だ。だが問題は中心にいる最上級悪魔のデュラハンだろう。
明らかに纏っているオーラが違う。恐らく姫様を狙っての事なんだろう。で、何故かガーゴイルとデュラハンに俺は睨まれてるし。止めてくれないかな....てか報告しないとな。距離はまだあるし今のうちに。
「敵見つけました」
俺が言うとリーダー的な奴が聞いてくる。ほら一人くらいいるだろ?班を作ったりすると自分からリーダーやりだすやつ。
「どこだ!?」
見えていないところを察するに大したことはないと勝手に思いながら続ける。
「約4キロ先。ガーゴイル30体、ゴースト50体、ゴブリン80体。そしてデュラハンです」
「なっ!なんだその馬鹿げた戦力は!!戦争でもしに行くのか!?だが何故デュラハンが動くのだ!くそっ!!馬車を止めろ!!急いで逃げるのだ!」
あれ?逃げるの?いや戦わないの?目的地遠くなっちゃうんだけど....。あ、ガーゴイルだけめっちゃ速く移動してる...ここに到着まで10秒ってとこか。
------10。
「急げ!急ぐんだ!」
-------9。
「速く逃げるんだ!!」
-------8。
馬車はゆっくりと方向転換を始める。
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-------6。
馬車が通ってきた道を戻り出す。
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------4。
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ガーゴイルの姿が皆にも見える距離に来た。
-----2。
「ひぃぃぃ!殺される!!」
-----1。
リーダー格依頼を放棄して逃げ始める。
ガーゴイルの一体が逃げるリーダー格に火球を放った。
------0。
「ぐわぁああああ!」
リーダー格に命中。少しスッキリしたのは秘密だ。
「グゲゲ!ガガグゲゲ」
ガーゴイルは何かを話してから一斉に俺をターゲットに絞ったようで他の奴には目もくれずに俺に突っ込んでくる。他の冒険者達は逃げ出すもの、腰を抜かすものそれぞれだが。誰一人として戦うものはいなかった。
「はぁ....」
取り合えず姫様を無事に届けなければ報酬を貰えないと思った俺は体に肉体強化の魔法をかけてもう一つ魔法を発動させる。
「clock of the prison」
時魔法の最上級魔法を詠唱破棄で発動させる。時間軸の進みが止まり俺以外の全ての時が止まった。俺は肉体強化した足に力をいれて馬車まで一瞬で移動する。馬車から姫様を出すと周りの時間が動き出す。
「きゃっ!あ、あなたは...それに...ガーゴイルがこんなにも....」
姫様は顔を青くしている。姫様の顔は初めて見たが金色に輝く腰まで伸びた綺麗な髪に見るものを吸い込んでしまうかのような美しいサファイアの瞳をもった美少女だった。
「大丈夫ですよ。雷鳴よ。我に従え、最強の矛となせ。サンダーライトニング!」
俺が魔法を唱えて右手を空に挙げると落雷がガーゴイルを襲う。巨大な落雷はガーゴイル達を包み込み全てを地に落としたが死んではいなかった。麻痺した体を少しずつ起き上がらせていく。
あと少しでデュラハンやゴーストやゴブリンもここに来るだろう。ならばいっそ一気に吹っ飛ばすか。
「あ、あなたは一体...」
右手を前方につきだし詠唱を始める。今は誰も使うことができない古代魔法を。
「命の陰り、祖は竜なり。偉大なる竜なり。天地を統べし者の力を見よ!巨大な竜星群!!(メテオリュウセイグン)」
竜の形をした高エネルギーがガーゴイルに向かって飛来する。後から来たデュラハンやゴーストやゴブリンにも飛来する。地は割れ大地の形は変化する。巨大なクレーターが出来上がり砂を落としながら起き上がる影が一つ。
「やっぱり倒せないか」
最上級悪魔である、デュラハンだけは倒せなかった。無傷ではないだろうがそこまでダメージかあるようにも見えない。
「見事だ」
「は?」
デュラハンからの賛辞。良く分かりません。てか喋れたんですね。
「私くらいになれば人の言葉くらい交わせる。良く私の兵を全滅まで追い込んだ。私も危なかったしな」
「嘘だろ。全然くらってないように見えるが?」
「それは魔力を防御に回したからだ。私が魔力を防御に回したのなんて実に300年ぶりだ。楽しめたぞ。人間」
「へー。んじゃ大人しく帰ってくれませんかね?これ以上めんどくさいのとか御免なんで」
「私としては戦ってみたいが....そうだな。報告もある。今回は退くとしよう。名を聞いてもよいか?」
「レツだ」
「そうか。強き人間レツよ。私はデュラハン。また合間見えるときを楽しみにしている」
いや御免だわ。二度と来ないでくれ。
デュラハンは持っていた巨大な剣で空間を切り裂きその中に消えていった。
「あ、あの....」
あ、完全に忘れてたわ。
「すいません。忘れてました、怪我とかありませんか?」
「忘れ.....い、いえ。ありません。助けていただきありがとうございます」
お礼を言ってくれているが何故か唇がヒクついている。まだ怖いのかな?
「さてそれでは王都まで送り届けますか」
「え、でもお一人では....」
「あー大丈夫です。一瞬で着きますから。我が求めるは力にあらず。我が求めるは居場所也。ワープ」
「へ?」
「さあ着きましたよ」
間抜けな声を出している姫様の背中を軽く押して目の前にある王宮に入るように促す。なんせ今回の依頼はこの王宮の中までの護衛だ。入ってくれないと依頼が達成出来ない。
「何故最初から今の魔法を使わなかったのだ?」
「他の冒険者達もいましたし。使えるの言い忘れてたのでめんどくさかったからです」
「めんど....はぁ....そうか」
「はい。それでは中に入ってください」
「おい確かレツと名乗っていたな」
「そうですが」
「お前、私専属の執事になれ。身の回りの世話と護衛をするのだ」
「......は?」