〜パールス視点〜
「アレンさん、おはようございます」
「やぁ、パールス君。おはよう。昨日はよく眠ってたね。疲れはちゃんと取れたかい?」
「はい。もう大丈夫です。昨日は、ご迷惑をお掛けしました……」
僕が謝ると、アレンさんは笑って鷹揚に手を振った。少し困ったような顔で「いいよ」と言い、僕達二人は、早速寮の中にある食堂へと向かった。その道中、アレンさんは僕に基本的なことを教えてくれた。
この異能力者教習学校・通称アカデミーは、全寮制の場所。全ての
そこまで話した時には既に食堂に着き、僕はアレンさんに説明されながらメニューを選んで席に着いた。食べながら話していると。
「危ない! 避けて!」
「へ?」
急に女の人の声が聞こえてきた。僕が右を向いた時にはもう、目の前に何かが飛んできていた。
《ぶつかる……っ!!》
そう思って目を閉じたけれど、痛みも何もない。恐る恐る目を開けると。
目の前では、カップが宙に浮いて止まっていた。
「な、何で……?」
「大丈夫だよ、パールス君」
僕の向かい側に座っていたアレンさんが、ニッコリと優しく笑う。いつの間にか眼鏡を外したその目は、柔らかくて青い光を放っている。
「僕の能力で止めたんだ。これでもう心配ないよ」
そう言うと、スイ、と視線を動かして女性の方へとカップを運ぶ。カップがその動きと同じように移動し、無事に女性の手の中へと戻っていった。
女性は何度もアレンさんに頭を下げてお礼を言い、トレイにカップを載せて返却口へと向かっていった。
「あの、アレンさん。あなたの能力は……」
言いかけると、眼鏡を掛け直したアレンさんはキチンと問いに答えてくれた。
「僕の能力はサイコキネシス、いわゆる念力だよ。普段は眼鏡型の
「は、はい」
僕はポケットからメモ用紙を取り出して、必死でアレンさんから伝えられた内容をメモする。書き終えてチラリとアレンさんを見ると、彼は僕の意図を読み取ったらしく、静かに笑って頷いた。
僕はメモ用紙に目を向けて、暫くジッとそれを見つめる。すると、頭の奥がジーンと熱くなって、メモの内容がスルスルと頭の中に入っていく感覚を覚えた。
全ての内容を記憶して、僕は疲れが出て眉間を押さえた。まだ、この能力の使い方をうまくできなくて慣れていないせいかもしれない。
「さぁ、早く食べて、一日頑張ろう」
「……はい!」
僕は大きく頷いて、朝ご飯を口に運んでいく。アレンさんも、バターのいい匂いが漂うトーストを