ロリコン提督と鎮守府再興物語   作:粒餡

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本名:
艦名:金剛
年齢:

金剛型の一番艦、長女としての責任を感じていて、前の提督からは積極的に妹たちをかばっていた。


file.5 心配性なあの子の場合(後編)

「ん・・・あーくそ、眠い、二度寝しようか・・・な・・・」

『よいしょー』

「うおああああああ!?」

俺が珍しくひとりで起きると、上では妖精さんが俺にめがけて目覚まし時計を落とそうとしていた。

『お、なんだ桐ケ崎珍しいな、お前から起きるなんて」

「てめえなんのつもりだ!」

『なんのつもりだ、と言われてもこう言うつもりだとしか・・・』

「殺す気か!」

『大丈夫だ、改造はちょこっとしかしてない』

「してるじゃねえか!」

『それよりお前昨日はだいぶ遅かったじゃねえか、あれか?幼女大好きーとか言いながらやっぱり幼馴染という属性には勝てなくてヤっちまったか?』

「ちげえよ!新メニューの開発をしてただけだ、別に何も変なことはしてない」

『っち、つまんねえやつ、おら、さっさと着替えろ、私は腹が減ったぞ、その新メニューとやら、誰も頼まなかったら比叡の奴も寂しいだろうからな、私が食ってやるから』

「何言ってんだ、俺も食うに決まってんだろ」

『お前こそ何言ってんの?如月のやつはどうすんだよ、確かあの食堂、おかわり自体はできたが他のメニューを頼むことできなかったはずだが』

「へ?如月のって・・・あ」

『あってお前・・・まさか忘れてたのか?』

「・・・どうしよう」

『お前はどうせ昨日たらふく試作品食わされたんだろ?だったら如月のやつ食ってやれよ』

「そうするしかねえか・・・はぁ、比叡のやつにはあとで謝らねえとなあ・・・後出てけ」

『へいへい』

妖精さんが出て行った後、俺は着替えを終え、重い足取りで食堂まで向かい、扉を開けた。

「・・・あれ、何か今日は静まり返んない?・・・いや、静かになってはいるけど喋ってはいるし・・・」

「提督さん、おはよう」

「おはよう古鷹、今日はなんだかみんな俺が入ってきても静かになんないけど、どうしたんだ?」

「あー、多分、昨日の比叡さんとのやりとりじゃないですかね?比叡さん、結構塞ぎ込んでたんで、新しい提督さんに対してもこりゃダメかなーって思ってたんですけど、何か普通に話しかけてたんで、結構普通の人なんじゃ、とみんな思ってるんじゃないですかね」

「そうか・・・また、比叡のやつにいうことが増えたなあ・・・」

「?」

「いや、こっちの話だ」

そして、俺はとうとうカウンターまでたどり着いてしまった。

「あ、提督さん、今日のメニューはどうします?」

「えっと・・・如月のメニューってどれだ?」

ちなみにこの食事当番も、間宮と伊良湖がカレー、和食セット、洋食セットとそれぞれ作っていて、後の三人がそれぞれのメニューを一品、余裕があれば二品作るというものである。

「如月ちゃんのメニューですか?如月ちゃんのは、パンケーキセットですね」

「じゃあそれで」

「あれ?提督さんは比叡さんのじゃないんですか?」

「如月のを食べる約束すっかり忘れててな・・・まさか今日だとは・・・」

「そうなんですか・・・じゃあ私は比叡さんので」

『私も比叡ので頼むぞ』

「はい、野菜カレーですね」

「野菜カレー・・・ヘルシー?・・・」

「なるべく女性ウケするようなメニューを目指してみた、かなり美味しいぞ」

「はい、私も味見してみたんですけど、美味しかったですよ」

「そうなんですか、楽しみだなあ」

「はい、提督さん、パンケーキセットと野菜カレー、古鷹さんもどうぞ」

「ありがとう間宮さん!」

「ありがとな、間宮さん」

「はい、ごゆっくりどうぞ」

そして、俺たちは加賀と長門の元へと向かう。

「おはようございます、兄様・・・あら、兄様、今日はカレーじゃないんですね」

「お前と同じ料理とは・・・」

「お前パンケーキセット頼んだのか・・・」

「チョコで猫の顔が描かれているんだぞ!?頼まないわけにはいかん!」

「そうですか・・・そんじゃ、いただきまーす、あむ・・・あー、辛いのもいいけど甘いのもいいなやっぱ・・・」

「貴様は雑食なのだな、てっきり辛いのだけで甘いのとかは苦手だと思ってたんだが」

「別に相当のゲテモノでもない限りは大体いける」

『お代わり行ってくる、連れてけ』

「俺まだパンケーキ食い終わってねえよ」

「私が連れて行きます、妖精さん、行きましょ」

『よろしく頼むわ』

「提督さん!このカレー美味しいですよ!」

「ぐぬぬ・・・二品頼めればなあ・・・」

「・・・え、えっと、提督さん」

「なんだ?」

「あ、あーん」

そう言って、古鷹は俺の目の前までカレーを乗せたスプーンを突き出してくる。

「・・・あむ、ふむ、やっぱりうまいな」

「!」(あたふた)

「自分からやっておいてあたふたしてるんじゃねえよ・・・」

「だ、だって!、うぅ・・・やらなきゃよかった・・・」

「・・・はぁ、モテるな、お前は」

「どうせなら俺は小学生にモテたい」

「贅沢言いやがって・・・」

そんな長門の視線を浴びながら、俺はパンケーキセットを完食し、ほとんどの艦娘が自分の今日の担当に行き始めた頃。

「それじゃ、提督さん、もうそろそろ執務室に戻ろ?」

「あー。それなんだけど、悪い、今日の午前の秘書官はやらなくていいぞ、代表としての仕事に専念してくれ」

「え?」

「勘違いしないで欲しいんだが、決して嫌いになったとかではないからな?ただ、比叡に謝りたいし、どうせならと思ってな」

「そうですか・・・分かりました」

「悪いな、それじゃ」

「はい、今日のお仕事も頑張ってくださいね」

「おう」

古鷹と別れ、俺は厨房の方へと向かう。ちょうど比叡が金剛と出てきているところだった。

「いやー、しかし今日はびっくりしました、まさか比叡があんなに料理が上手だとは・・・」

「そりゃあ金剛お姉さまのために猛特訓をしましたからね!」

「いやあ、私は妹に愛されて幸せなお姉ちゃんですネー!」

「おーい、比叡」

「っ!」

「あ、に・・・司令、どうかしたんですか?」

「たしかお前今日午前は出撃とかなかったよな?」

「まあ、ありませんけど」

「じゃあ急で悪いんだが、午前だけ秘書官頼めないか?今日お前のカレー頼めなかったし、お礼とかしたいからさ」

「まあ、別に構いませんが・・・」

「ダメです」

「え?」

「・・・金剛、何か不満でもあるのか?」

「大アリです、執務室に比叡を連れ込んで何をする気なんですか?」

「金剛御姉様、この人は・・・」

「比叡は黙っててください」

「うっ・・・」

「・・・別に何もしねえよ、それに、秘書官はもうひとり、如月がつくし妖精さんだっているから」

「それがなんだって言うんですか?別に執務の途中ずっと執務室に閉じこもってるわけじゃないでしょう?どこかに行く時にでも比叡を連れ込んで・・・それに、如月ちゃんもあなたの虜のようですしね、あなたが多少なにかしても目を瞑るんじゃないですか?妖精さんだってあなたの味方ですし」

「金剛、俺のことを疑うのは別に構わない、だが、仲間を疑うのは関心しないな」

「・・・それについては謝ります、ですが、それでも比叡を秘書官にする理由はないと思います、いつも如月ちゃんと古鷹さん、長門さんに加賀さんが秘書官がついているでしょう?それでいいじゃないですか」

「将来的には秘書官への負担を考え、ローテーションで回したいと思っている、そのための練習みたいなもんだ」

「気楽に言いますね、あなたの秘書官になんて誰がなりたがるんですか、どうせあの四人も何か脅しをかけたりしてるんでしょう?」

「してねえよ」

「分からないじゃないですか、あなたたちはそうやって私たちを信頼させて、どうせまたあいつのように私たちを傷つけるつもりなんでしょ!」

「お、お姉さま・・・」

「比叡は黙ってて!」

「っ」

「・・・っは」

「何ですか」

「いや、何でも?」

「言いたいことがあるならはっきり言えばいいじゃないですか」

「じゃあ言うわ、あいつのように私たちを傷つける?いい冗談言うな、艦娘よりお笑い芸人の方が向いてるんじゃねえの?」

「は?」

「今のお前と前の提督、何が違うの?そんな怖い顔させて妹を怖がらせて」

「何言って・・・比叡?」

「・・・」

比叡は青い顔をして震えて怯えている、そして、その怯えの対象は、金剛に対してだった。こっちから話しかけたとはいえやられっぱなしは性に合わない。

「怖い怖い、チビっちゃいそうだぜ、もうちょっと顔を緩めなよ、お姉ちゃん?今のお前と俺、どっちが悪者かと聞かれれば多分お前の方が悪者だって言われるぜ?」

「あんたのせいだろうが!」

「責任転嫁はやめてくれよ」

「あんたが私たちに話しかけてくるから!私たちは部屋に戻って、お喋りして、午後から出撃して、それだけだったはずなのにあんたが関わるから!」

「俺が関わっただけで壊れる姉妹関係とは、何とも脆い関係なんでしょうねえ?」

「お前なんかが分かったような口を聞くんじゃない!」

そういって胸元を掴まれる、そして、その騒ぎは少なからず食堂に残っていた艦娘たちの目に映っていた、そして、その目には、あの時医務室で如月の目に映っていた・・・ああやっぱり、そう語っていたような気がしていた。

「お前なんかが!お前なんかが!」

「金剛お姉さま!もうやめてください!」

「比叡・・・」

「お願いです・・・」

「・・・分かりました」

俺を離す金剛。

「けほっけほっ・・・たく、あんま乱暴に扱わんでくれよ・・・」

「お前なんかが私たちのことを分かったような口調で語るからでしょうが・・・お前なんかに分かるはずないですよね、お前は・・・提督はきっと、周りをうまくごまかして適当に交友関係を作り、親しい関係を作らずに寂しく過ごしてきたんでしょうからね」

「よくわかったな、お前やっぱりお笑い芸人より探偵が向いてるんじゃね?」

「・・・同類の匂いがしただけですよ、わかりますか?・・・そんななか、唯一信頼した相手から裏切られ、暴力を振るわれ、無理やり初めてを奪われたときの絶望感、分かります?・・・分かんないでしょうね、あなたには・・・」

 

「・・・確かに、信頼する相手から暴力を受けたことはねえよ」

「でしょうね」

冷めた目線で俺を見てくる金剛、その目をみて、分かった、俺が何故ここまでイライラし、金剛に対し俺らしくもなく説得でもなければただの口喧嘩を挑んだのかが・・・なるほど、同類ね、確かにそうだ。

「・・・腐った目してんなあ、お前」

「は?」

「・・・確かに、信頼された相手から暴力を受けたことはない、だけど、ひどいことはされたことはある」

「どうせくだらないことでしょ「父親を殺された」・・・え?」

「え?」

「もう一度言ってやろうか?父親を殺されたんだよ、唯一俺自身の力だけで作った友達に、父親を、しかも・・・」

 

『あはは、竜也さん、私、殺っちゃった☆』

 

「・・・いや、何でもない、家族同然のものだけを信頼し、唯一それ以外で信頼した相手に裏切られる、なるほど、確かに同類だ」

「・・・」

「後な、金剛」

「・・・何ですか」

「はっきり言えと言われたし言っておく、お前の目、見てるとイライラしてくる、半年前の俺を見てるようでな」

「半年前って・・・最近じゃないですか・・・よくそんな状態で提督業なんてやる気になりましたネー」

「何かやってないと落ち着かなかったんだよ・・・やっぱり古鷹に頼むわ、邪魔して悪かったな」

「あ・・・」

「・・・待ってください、提督」

「何だ?」

「いいですよ、比叡を連れってても、その代わり、条件があります」

「別にそこまで連れてきたいってわけでもないんだけどな・・・何だ?」

「私も一緒に秘書官をさせてください」

「そんぐらいなら別にいいぞ・・・如月、いるんだろ?そういうことだ、すまんな、今日は皐月と遊んでてくれ」

「・・・分かりました」

「それじゃ、行くぞ、金剛、場所はわかるよな?」

「ええ、何度も行きましたからね」

「ああそうかい」

「(え?この空気の中執務を行わなくちゃいけないんですか?)」

「どうした?比叡、早く来いよ」

「比叡?」

「ひ、ひええええ・・・」

 

「・・・金剛」

「ん・・・は、比叡」

「は、はい・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・え、えっと、私お茶入れてきます、私、お茶入れるのも得意なんですよ!司令、お姉さま!」

「そうか、ありがとな」

「ありがとうございます、比叡」

「それじゃあ入れてきますね・・・」

そう言い残して足早に執務室を去る比叡。

「・・・どうすんだよ、あれ明らかにこの空気に困ってんじゃねえか比叡、妖精さんも比叡の肩に乗って行っちまったし」

「提督が悪いデース、もうちょっとジョークとか言えばいいんですよ」

「お前こそイギリスジョークとか言えよ」

「・・・2人の猟師が森を歩いていたところ、1人が倒れ」

「誰がブラックジョーク言えっつたよ」

「提督の中身よりは黒くないデース」

「HAHAHA、中々面白いことを言うじゃないか」

「でしょう?」

「だけどでも俺の中身もお前のどす黒い目には負けるよ」

「ははは、おもしろいジョークですね、提督」

「だろ?」

「ええ、とってもおもしろいデース」

「(・・・くそ、陸奥が全部仕事やって暇だから執務室で仕事手伝ってやろうと思ってきたのに何だこの空気は!)」

「・・・なあ、こうしていがみ合うのやめね?」

「・・・そうですね、で、比叡がいないから聞きますけど、あなたと比叡の関係はなんですか?あの比叡が新しい提督にあそこまで懐くなんてありえません」

「だろうな、ただの幼馴染だよ」

「幼馴染?」

「ああ、あいつんとこの居酒屋に幼い頃から毎日オヤジに連れてかれてなあ・・・」

「・・・お父さん、本当に死んだんですね」

「なんだ、信じてなかったのか?」

「半分信じて半分は疑ってましたが、今の顔見て分かりましたよ・・・ねえ、提督」

「なんだ?」

「お父さんがいるって、どういう感じなんですか?私、小さい頃にお父さんが死んじゃって、ずっとお母さんが育ててくれてたから、お父さんっていうのがよくわかんないんデース」

「つっても俺も小さい頃に母さん死んでるしなあ・・・」

「・・・私たち、本当に似てますね」

「だろ?だけど何でかねえ、お前のこと、どうにも好きになれない」

「ええ、私もですよ、提督」

「こういうのなんて言うんだっけなあ・・・」

「ああ、それなら」

「「同族嫌悪」」

「・・・ごめんな、金剛」

「何ですか急に、気持ち悪い」

「今日の一日の予定台無しにして」

「今更デース、それに、こうして執務してると、あいつがまだ優しかった頃を思い出せマース」

「・・・それ辛くないのか?」

「豹変したあとのあいつは嫌いですけど、優しかった頃のあいつは好きです、なんというか・・・お父さんがいたら、あんな感じなんだろうなあって」

「へー・・・」

「本当に優しくて、私たちのことを大事にしてくれて、ああ、この人なら大丈夫だって、そう思ってたのに・・・何で、こんなことになっちゃたんでしょうかね?」

「知らねえよ・・・だけど、変わったあとのそいつを思い出すよか、その頃のそいつを思い出したほうがいいんじゃねえの?」

「・・・そう、ですね」

「だろ?」

「・・・ごめんなさい、提督」

「なんだよ急に、気持ち悪い」

「あなたは、きっと、あの人とは違うんでしょうね・・・最初の頃の提督のようにみんなに寄り添うような提督でもなければ、変わった頃の提督のようにみんなに暴力を振るわず・・・ただ、艦娘たちの相談を聞くだけ・・・そんな提督も、きっといいと思いマース」

「そうかい」

「・・・提督」

「何だ」

「改めて、英国で産まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!」

「・・・桐ケ崎竜也、ここに着任したばかりの新米提督だよ、よろしく」

「はい」

「んじゃ、仕事すんぞー、あいつがまた戻ってきたとき、あんな空気出してたら入りにくいだろうしな・・・ていうか長門、お前いつまでそこにいるつもりだ?」

「き、気付いていたのか・・・」

「むしろそんな扉の隙間からこっちをガン見してよく気付かれないと思ったな・・・仕事、手伝いに来てくれたのか?」

「・・・ああ」

「んじゃ、よろしく」

「司令ー!お姉さまー!お茶を入れてきましたよ!って、あれ、長門さんなんでいるんですか?」

「ああいや、手伝いにな」

「そうですか、じゃあまたお茶入れてきますね、長門さんこれ持っててください、では!」

「あ、別に行かなくても・・・行ってしまったか、しょうがない、ほれ、桐ケ崎、金剛、茶だ」

「サンキュー」

「ありがとうございマース」

しばらくして戻ってきた比叡を加え、俺たちは午前の執務を終え、そのまま昼は比叡のカレーを食べ、夜は間宮さんのカレーを食い、そのまま夜の執務に入った。

「・・・なあ、比叡、何でいるんだ?寝てていいんだぞ?」

「いえ!午前はあんまりできていなかったのでその分です!」

「そうか・・・」

『コイツの作ったクッキーやべえよ・・・腹いてえ・・・」

「あ、あれ?」

「またお前唐辛子いれまくったな・・・」

「だ、だって兄さんが唐辛子は神の調味料だって・・・」

「それは俺限定の話だ、大丈夫か?妖精さん」

『だ、大丈夫だ・・・が、トイレ行ってくる・・・ぐおお・・・』

「つ、連れて行きましょうか?」

『大丈夫、ひとりでいける・・・じゃあな』

姿を消す妖精さん、あれ便利だよなあ・・・

「・・・あ、そうだ、薫、ちょうどいいや、今ここで謝らせてくれ」

「へ?何をですか?」

「朝お前のカレー食えなかったこと」

「あはは、別にいいのに、昼に食べてくれたから気にしてませんよ?」

「そうか?」

「でも・・・そうですね・・・兄さん、その、謝りたい・・・ですか?」

「まあ、できればな」

「え、えっと、じゃあ、その・・・」

「何だ?まさか土下座しろとでも言うつもりか?」

「い、言いませんよ!、その、わ、私のお願い、聞いてもらってもいいでしょうか?」

「別にいいけど・・・何だ?土下座か?それとも焼き土下座か?」

「違います!えっと・・・そのー・・・」

「なんだよ、言いたいんならはっきり言え」

「こ、この戦争が終わったら・・・」

「終わったら?」

「わ、私と・・・うちの店で一緒にカレーを作ってください!」

ひええええと顔を真っ赤にしながら顔を伏せる薫、なんだこいつ・・・

「別にそんぐらいなら構わないけど・・・本当にそんなんでいいのか?」

「いいんですか!?」

「お、おう・・・」

俺に背中を見せ、ガッツポーズする薫・・・本当に大丈夫か?こいつ

「(こ、これはつまりあれですよね、ぷ、プロポーズをおっけーしてくれたってことですよね・・・!)」

「?」←比叡を妹としか認識してないのでそもそも自分が恋愛対象にされるとは夢にも思ってない男。

「は、だけどこれは死亡フラグというやつでわ!?だ、だけど比叡は、比叡は・・・!」

「あ、そうだ、薫、ちょっと仕事任せちゃっていいか?」

「いいですよ!そんぐらいバッチコイです!」

「何か気合入ってるな・・・それじゃあちょっと行ってくるわ、この時間なら多分まだいるだろ・・・」

執務室に薫を残し、厨房に行くと、案の定中には間宮さんがいた。

「ううん・・・」

「間宮さーん」

「ひゃっ!?て、提督さん、どうかしましたか?」

「いや、やっぱりここにいたなーって」

「えっと、私に何か用ですか?」

「ああ、そのために、ちょっと席に座っててくんない?」

「え?」

「いいからいいから」

「は、はあ・・・」

無理やり間宮さんを席に座らせ、厨房に立つ、料理をすんのは久しぶりだが、まあ大丈夫だろ、俺は脳内でレシピを確認しながらそのとおりに料理をしていき、そして完成させる、うむ、我ながらいい出来だ。

「間宮さん、お待たせしました、どうぞ」

「えっと・・・これは?」

「いつものお礼です、こんな時間でもないと作っても食べる時間がないなーと思って・・・」

「そんな、別にいいのに」

「それに、間宮さんには比叡の件でお世話になりましたからねー」

「・・・で、これですか」

「あ、卵焼きそんな好きじゃありませんでした?」

「い、いえ、ただ提督さんのことだからカレーとかつくりそうだなーって・・・」

「流石に女性に夜にカレーは作りませんよ、実は卵焼きって俺が初めて作った料理なんですよねー」

「そうなんですか?」

「はい、オヤジにせがまれて仕方なく」

 

『ほれ、オヤジ、作ってやったぞ、感謝しろ』

『おー、どれどれ・・・うん、まずい!』

『もうちょっとオブラートに言えよ!多感な時期なんだぞ小学生は!』

『それを自分で言える時点でもう大丈夫だよ、しかし本当にまずいなこれ・・・お前本当に母さんの子どもか?』

『俺が母さんの子どもじゃないならオヤジが浮気したことになるんだけど・・・』

『がっはっはっは!ありえんな!あんな美人な母さんがいるのに浮気するなんて!やっぱりお前は母さんの子どもだ!』

『あーはいはいそうですか・・・』

『・・・よし、おい竜也!今から桜咲のところ行くぞ!』

『は?まだ昼だぞ、あそこ夜からだろ』

『んなもん知るか!お前に料理の修行をさせる!探偵っつうのは何ができても損しねえんだ!ほら行くぞ!善は急げ急がば突っ切れ明日やろうはバカ野郎輝かしい未来が俺たちを待ってるぜ!』

『何言ってって、やめろ!ついてくから肩車はやめろ!怖い!おいばか!やめろ!窓から降りるのやめろ!ぎゃあああああああ!?』

『がーはっはっは!喚け!叫べ!泣き叫べええええええええ!』

 

「・・・クソオヤジめ」

「急にどうしたんですか提督さん?・・・」

「いえ、何でもありません、それでは、どうぞ」

「はい・・・あ、美味しい」

「そりゃよかった」

黙々と食べ進める間宮さん、と言っても、所詮卵焼きだからご飯一杯で済んじゃうからだいぶ早いけどね。

「・・・ごちそうさまでした、とても美味しかったです、ありがとうございます、提督さん」

「いえ、このぐらいいつもの間宮さんの苦労に比べれば平気ですよ」

「・・・その、提督さん」

「何です?」

「・・・たまにでいいので、またこうして料理を作ってもらえないでしょうか」

「別にいいですけど、伊良湖ちゃんに作ってもらえばいいんじゃ?」

「あの子夜弱くて・・・」

「それ料理人としては致命的な気がするんですけど・・・」

「その・・・やっぱりダメですか?」

「いえ、大丈夫です、じゃあ毎週木曜日っていうのはどうでしょう」

「じゃあ、それで」

「それじゃ、俺は片付けしちゃって寝ちゃいますね、間宮さんも多分寝るところだったんでしょう?戸締りとかは俺がやっておくんで、もう行っちゃていいですよ」

「それじゃ、お言葉に甘えて」

「はいさーい」

さてと、さっさと片付け終えて寝るか・・・そう意気込んで厨房に入ろうとしたとき。

「あの・・・提督さん」

「はい?」

「・・・この鎮守府に来てくださって、本当に、ありがとうございました」

そう言って、笑顔で俺にお礼を言ってくれた。

「・・・どういたしまして」

「それじゃあ、提督さん、お休みなさい」

「おやすみ、間宮さん」

「・・・さてと、片付けしちゃいますか」

さっさと片付けを終え、戸締りもちゃんと確認して執務室に戻ると、そこには全て終わったであろう資料と、比叡が椅子に座ったまま寝ていた。

「・・・たく、相変わらず手間のかかる妹だな、さて、今日最後のお仕事行きますか・・・めんどくせえし横抱きでいいか」

よいしょと比叡を所謂お姫様抱っこをして金剛の部屋まで連れて行って寝た、ちなみに金剛からは怪しまれるような目をされました、まじふざけんなあいつ。




本名:橙坂 忍(だいだいざか しのぶ)
艦名:間宮
年齢:24歳

実は日本有数の財閥、橙坂財閥のひとり娘。
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