艦名:吹雪
年齢:
0
彼女は駆逐艦の中でも一番の被害者。
それゆえ”人間”に対しての敵意は高いと思われる、鎮守府内では一番注意すべき艦娘である。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・何で建物に入るだけでこんな疲れなきゃならんのだ・・・」
『なんだ、遅かったな』
「うるせえ!小柄なのをいいことに先に入りやがって!こちとら死ぬかと思ったわ!」
『だろうよ』
ここは俺の親父が前に勤めていた鎮守府の建物の中、外はやばいよあれ、罠だらけだよ、物資の補給とかどうしてんだこれ。
『ま、こっから先は安心していっていいぞ、私がちゃんと罠がないか確認してきてやったからな、感謝しろ』
「それは別にいいんだけどさ・・・信用できるのそれ?」
『なんだ、まだアスレチックで遊び足りないのか?』
「もう一生分遊んだんで結構です!」
『そうか』
そんな話を終え、妖精さんがぴょんと肩に飛び乗ってくる、いやぴょんじゃねえなこれ床から俺の肩までジャンプするとかやべえなバッタかよ。
『お前今失礼なこと考えただろ、キックかますぞ』
「妖精さんから受けても何も痛くなさそうだな」
『お前私を甘く見ないほうがいいぞ、薄い鉄板ぐらいだったら拳で貫通できるからな』
「なにそれこわい」
話をしながら、誰ともすれ違わないで廊下をただ歩いていく
「・・・しかし、誰もいないな、いやいるにはいるっぽいけど、姿見せてくれそうにもないし」
『当たり前だ、ここの艦娘たちはもれなく全員提督の毒牙にかかっているからな、全員処女だと思わないで接したほうがいいぞ、残念だったな』
「いや別にそういうの気にしないからいいんだけどね、ていうかさすがのクソ提督も駆逐艦にまでは手出してねえだろ」
『わからんぞ、ここの鎮守府には駆逐艦とは思えないほどの発達をしてるガキがいるらしいしな』
「それでもせいぜいちょっと大きいぐらいだろっと、ここか?執務室は」
たどり着いた扉の上には何かボロボロだけど執務室、と書かれている、間違いない。
「そんじゃあ失礼しまー・・・す?」
『うお』
そこには、明らかに執務室とは思えない散らかりよう、いや、荒れようだった、壁や天井は壊れてないが仲がひどい、家具などは全て粉々に壊されていて、ゴミなども散乱している、俺でももうちょっときれいにしてるぞ
「・・・これ、艦娘がやったのかね」
『この本棚とかみろ、明らかに斧とかそういうもので壊したものじゃないぞ、多分殴り壊してるなこれ』
「艦娘って身体能力もアップしてるのか?」
『お前はこの三日間何を聞いていたんだ?、全く、艦娘の装備というのはそもそも一般人はおろか、他の艦娘の適正がある人間にすらつけれない、その艦娘専用の装備なんだ、それをつければ装備が勝手に装備の性能に耐えれるようにその肉体を強化するんだ、外せば普通の少女に戻るが装備を付けているときは殴るだけでハンマーで殴るのと同じくらいの破壊力があるらしい、そうでもないとそもそも砲撃なんてするときに腕が吹っ飛ぶ』
「そりゃそうか・・・そういえば、今の鎮守府って誰か管理してるんだ?一応最低限の出撃ぐらいはしてるんだろ?」
『ねえお前まじでこの三日間何を聞いてたの?お前の頭には何が入ってるんだ、毛玉か?』
「そこまで言わんでも・・・」
『はぁ・・・今の鎮守府では、戦艦、正規空母、重巡洋艦、駆逐艦、潜水艦からそれぞれ代表が一名選ばれ、計5名の艦娘によって管理されているらしい』
「潜水艦はまあいいとして、駆逐艦からもか?」
『ああ、というのも、その5名の中で一番、今の鎮守府で実質的に一番権力を持っている艦娘が・・・』
「誰かいるんですか?」
「!」
扉の方から声をかけられ、そちらの方に顔を向けるとそこには
少女がいた、おそらく小学生ぐらいの年齢だと思われる、ぶっちゃけこういうのもあれかもしれないけどめっちゃタイプ。
「あ、ああすまないね、君はここの艦娘かな?俺は桐ケ崎竜也、今日ここに配属された提督だ」
「提督・・・」
「あ、といっても前の提督とは全く関係ないから安心してね!」
そう言ってなるべく笑顔で近づく、良かった、いきなり砲撃されたらどうしようかと思った、とりあえずこの子から一通りの話を・・・
『桐ケ崎!逃げろ!そいつが今実質的なこの鎮守府の最高権力者、特型駆逐艦吹雪だ!この鎮守府内で一番の危険人物だぞ!』
「え?」
思わず止まり、そして、目の前で何かが通り過ぎていった。
「・・・え?」
「っち、運のいい人ですね・・・!」
「っ!」
彼女の手に握られていたのは、ナイフだった、しかも装備を展開してやがる、つまり今のこいつの身体能力はやばい!そのままナイフを握り彼女はこちらへと突進してきた
「手荒い歓迎だな!これがここの日常なのか!?」
「っ」
何とか受け流しきれたが、本当に小学生かよ、ちょっとおされただけでもその力の強さがやばいかよくわかる、なるほど、確かに逃げたほうが良さそうだな、話も聞かなさそうだし、とはいえ扉から逃げるわけにもいかねえな、こいつ、完全に俺を殺りに来てやがる、扉の外に何人か艦娘を待機させてても不思議じゃない、だったら・・・
「妖精さん!カモン!」
『お、おう!』
こっちに飛んできた妖精さんをキャッチして、俺は思いっきり窓にタックルして窓を破る、ちょっと痛いけど死ぬよりはましだ、そして
「うおおおおおおおおお!」
『うおああああああああああああ!?』
妖精さんを思いっきり遠くに投げた。
「なっ!?」
妖精さんを投げたあとすぐに茂みに隠れ、そして近くからおどくような声が聞こえた、思ったとおり、あいつ窓の外にも艦娘を待機させてやがったな、そして、俺は妖精さんの方に注意が向いているうちに靴を急いで脱ぎもう一つの妖精さんがいない方の道に靴を投げる。
「しまった!」
「焦らないでください!地の利はこちらにあります!私たちの身体能力に一般人が敵うはずがありません、すぐに追ってください!」
「了解!」
そんな吹雪の号令の後、駆逐艦と思わしき艦娘たちが5人ぐらい頭上を飛んでいく、こんなに待機させてたのかよ・・・扉からでなくて正解だったな、あ、パンツ見えた。
そして、しばらく足音が聞こえていたが、次第に聞こえなくなっていった
「・・・ふう・・・助かった」
一応窓からそーっと執務室内を覗くが、誰もいない、良かった、殺されるかと思った。
『桐ケ崎いいいいいいいいいいい!命の恩人の私をよくも投げてくれたな!今すぐお前をあの駆逐艦たちの元に送ってやろうか!』
「それはすまんって、助かるにはそれしかなかったんだ、仮にもあいつは最高権力者なんだろ?だったら扉の外じゃなくてそもそも執務室を囲んでてもおかしくないからな、いやはや、ここの窓がちょっと高いところにあって助かった。」
『っち・・・しかし、すごい恨まれようだったな・・・どうするんだ、これ、鎮守府内じゃまず暮らせないぞ、見つかったらすぐころされちまう』
「だけど外でホテルにでもなんにでも泊まっちまえば多分街の住人が俺のことを艦娘たちに教える・・・どうすっかな、バスはあれが最後だったはずだし・・・」
とりあえず茂みから出て、靴を回収する。
「とりあえず艦娘、特に吹雪たちに気お付けながら安全な場所を探すしかねえな、見つかったら今度こそ見つかって・・・殺される」
『随分とスリル満点な鎮守府だねえ、いや、鎮守府としては正しい形なのかね?一応』
「仲間からスリルを与えられるとか嫌すぎるわ、さっさとここから離れるぞ、見つかったらやばい」
『そうか、ところで桐ケ崎、後ろ』
「後ろ?」
後ろを向くと、そこには
「・・・!」
今にも叫びそうなロングヘアーの髪飾りをつけた子が立っていた。
だから俺は
その子の口を塞ぎ茂みまで引きずり込んだ、あーくそ、こんなところ、やっぱり来なきゃ良かったなあ・・・そんな後悔を胸に、これからどうしようかとのんきに考えていた。
本名:
艦名:吹雪
年齢:
1
実質的な鎮守府の最高権力者。
5人の艦娘からなる”5艦会”の中でも一番の発言力を持っている。