これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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さてどうなることやら
 

兎が織り成す英雄譚をお楽しみください。


試練は自ら作るもの

その場が静まり返る

幼馴染みは実力の違いを理解し心配する

美しき剣士は優しい兎の獰猛さに驚く

双子の姉妹は本能に従いなにも言わない

優しき母は黙り息子の決意を見る

狡猾な神は笑いそして遊ぶ

 

そして兎と狼は睨み合う

 

「この場で殺してやろうかトマト野郎!!!」

殺気を込めベルを威嚇する

「やりますか?」

臆するも逃げせず覚悟を見せる

「べ、ベル!私は良いから!大丈夫だから!」

慌てるシャルのその横でニターっと笑うロキ

「ベートここで戦うのはやめとき」

「あぁ!?」

「名前はベル・クラネルやったか?」

「はい」

「少し時間やるわ!」

「時間……ですか?」

二人は視線をぶつけ合い話す

「そや、明日は『怪物祭』があって忙しくてな」

「それとあんたの準備期間として時間を作るんや」

「その間に強くなれと?」

「大人しそうな癖に冒険者思考やな」

ケタケタと笑うロキ

「そうや、弱者が強者に挑むときは修行してからってのが相場やねん!!」

「『怪物祭』が終わってから……4日後にしよか」

「…………わかりました」

「おいロキ!!俺はやるとは言ってねぇぞ!!」

「なんや逃げるんかベート」

「あぁ!?誰が逃げるだって!?」

「なら戦えばええやろ」

「ふざけやがって…………主神命令として受けてやる」

「おいトマト野郎!!覚悟しとけよ」

そう言うと店から出ていくベート

「ティオネベートがそこら辺で暴れないか少しだけ見た後フィンに報告してきてや」

「団長に報告してくればいいのね!!」

物凄い勢いでいなくなるティオネ

「ロキ~ほんとにいいの?」

「なにいってんねん!!こない面白い事やらずにいられるか!!」

「……ロキ」

「まぁまぁアイズたん怒らんといてや、ちょっと事情もあるんやって」

「事情?」

「そや、おもろいことや」

(あのフレイヤが気にかけてる男ちゅうことは間違いない)

(それならうちも気にかけるぐらいしてもいいやろ、今回の件はあちらさんから仕掛けてきたことやし)

ニシシと笑う

「そや!ベルとこの神は誰なんや?話とおさな」

「僕の神様はヘスティア様です」

「なっ!?ドチビの子やと!?」

「ロキ様はお知り合いなんですか?」

「知り合いも何も顔馴染みや」

(まさかこの子がドチビの子やとは……フレイヤにヘスティア、面倒なことになりそうやな)

(まぁおもろいからえっか!!ドチビの事馬鹿にしたろ!!)

「まぁ自分からも話通しておいてな?うちもドチビの事見かけたら話すわ」

「ほんなら詳しいことはまた後程」

ヒラヒラと手を振り出ていこうとする

「待ちな」

すると仁王立ちするミア

「ど、どうしたんやミアさん?」

「あんたが言ったんだろなんでもするって」

「えっ……そ、そらうちじゃなくてベートが」

「その犬っころ帰ったけど」

「……」

「……」

ガシッ

「いやや!?なんでうちがやらなあかんの!?」

「子の尻拭いは親がするもんだよ!!ジャガイモの皮剥きしていきな!!」

「嫌やーーー!?」

ズルズルキッチンに連れていかれるロキ

「私達どうしようかアイズ?」

「うーん」

「ベル!!!」

急な大声出すシャル

「ど、どうしたのシャル?」

「どうしたじゃないよ!!なんであんなことしたの!?」

「だ、だめだった?」

「ダメに決まってるでしょ!?」

感情的になりベルの服を強く掴む

「シャル……」

「なんであんなことしたの?あの人性格悪いけど確実に強いよ……今のベルじゃ……」

涙目になりながら裾をぎゅっと掴む

「ごめんねシャル」

ポンと頭に手を置きゆっくりと撫で始める

「僕は無謀だと馬鹿にされようと」

「絶対に無理だと言われようと」

「もう逃げないって決めたんだ」

優しくシャルに話しかける

「ベル……」

「シャルは僕の事守ってくれたから」

「そんなシャルを馬鹿にされて少し怒っちゃった」

えへへと可愛い笑いをする

「『女を守る理由なんて簡単でいい』」

「『大切であるならば死ぬ気で守れ』」

「それって?」

「おじいちゃんが言ってたんだ…僕は弱いし頼りないけど」

「大切な人のために戦い勇気はあるから」

ニコッと微笑み

「迷惑かけちゃうけどごめんね?」

撫でながら優しくて謝る

シャルはうつ向きながらつぶやく様に

「そんなこと言われたら応援するしかないじゃない」

「……ありがとうベル///」

「うん!!」

「よーし後半も仕事頑張ろ!!」

「そうだねベル!」

二人して元気よく動き出す!

「二人とも仲良いんだね!」

バッと二人して後ろを向き固まる

終始ティオナとアイズに見られていた事を忘れていた。

「「……///」」

「あんた達も話終わったらなら準備手伝いな!!」

「「は、はい!!」」

タイミングを見て声をかけてきたミア

「ねぇねぇアイズ!私達も手伝お!!」

「うん」

まさかの申し出に驚くベル

「えぇ!?だ、大丈夫ですよティオナさんアイズさん!?」

「でもでも人足りてないないんでしょ?」

「手伝うよベル」

「いやいやいや!!ロキファミリアの方に手伝って頂くなんて申し訳ないですよ!?」

「ロキは手伝ってるよ」

「あっ」

「諦めなよベル~」

頭をわしゃわしゃしてくるティオナ

「ぼ、僕ではなくミアお母さんに聞いてください!!///」

ジーーーー

「アイズ?」

アイズは自分の手とベルの頭交互に見る

「アイズも撫でたいの?」

コクッ

「えぇ!?い、いや恥ずかしくて無理ですよ!?」

そんなことをしているとティオナとベルの間に割ってはいるシャル

「さっきからベルにベタベタし過ぎですそこの人!!」

「えぇ~良いじゃん!!」

「さっさとしな!!!!!」

「「「「はい!」」」」

騒動もミアの一喝で終わる。

 

最終的にアイズもティオナも作業に加わる形となった。

後半戦もかなりの混み具合になった。

「ロキ!サボってないで皮剥きな!!!」

「無理や!?なんやねんこの殺伐とした作業は!?」

「ロキ遅い」

アイズはコツを掴み高速でジャガイモの皮を剥く

「ふふ~ん」

ティオナは最初は皮剥きをしてたのだが不器用過ぎで

ジャガイモ自体が潰れてしまうので買い出しなど力仕事全般をやっている。

「ベルさん!追加お願いします!」

「ベル!用意してたストックそろそろなくなるニャ!?」

「も、もうですか!?」

「シャルちゃんー!私と一緒にジャガイモほぐす作業手伝って!」

「わかりましたルノアさん!」

「クロエ買い出しに行きましょう」

「わかったニャ!」

バタバタと忙しさが続く

「忙し過ぎて死んでしまうわ!!!???」

神ロキは心の底から嘆いたのだ。

 

そして最後のお客を捌き終わり本日終了

午後の部  売り上げ個数 15.000個

      売り上げ額  3,000,000ヴァリス

 

合計    売り上げ個数 23,000個

      売り上げ額  4,600,000ヴァリス

この売り上げは『兎印のじゃが丸くん』の人気もあるが

『怪物祭』前日という売り時に販売をしたためでもある。

街中では『怪物祭』前日にも祭がやっている勘違いされるほど人気と知名度が出たほどであった。

 

「今日も売り切ったね!!よしこれから盛大に打ち上げやるよ!!」

「打ち上げなんてやるんかいな!!可愛い子もいっぱい……最高や!!!」

地面に倒れ込んでいたロキが元気よく立ち上がる

「ベルとあたしとキッチン組は料理作るよ!!」

「他は片付けと平行して準備しな!!」

「今日は酒も好きなだけ飲みな!!!」

「「「「はい(ニャ)!!」」」」

皆仕事の疲れも忘れ元気よく準備し始める。

「ロキファミリアは休んでな!客としてもてなしてやるよ!」

「よっしゃーーーー!!!リヴェリアに内緒で酒飲めるで!!!」

「ベルお疲れ様」

「アイズさんもお疲れ様でした!ジャガイモの皮剥きありがとうございました!」

「ベルお願いがあるんだけど」

「お願いですか?」

「じゃが丸くん作ってくれない?」

「えっそんな事でいいんですか?」

「そんな事じゃないもん」

ぷくーと少しだけ拗ねる顔を見せるアイズ

「っんな!?」

(か、可愛すぎる!?こ、ここに女神がいる……)

「す、すみませんでした///!!じゃが丸くんいっぱい作りますね///!!!」

返事をした後スゴい勢いでキッチンに逃げる。

「あっ」

「また逃げちゃった……」

頭を撫でようと構えていたので少ししょんぼりするアイズ

「アイズ~ベルと何話してたの?」

後ろから抱きつくティオナ

「ベルにじゃが丸くんお願いしたの」

「やった!!!わたしも貰お!!」

ぴょんぴょんと喜ぶティオナ

「なんや楽しそうやな二人とも」

「ミアさんとの話はもういいのロキ?」

「心配すなティオナ…どんだけ食べても良いで!!」

「やった!!っじゃなくて!」

「……ベートさんとベルの決闘の話」

「なんやそっちの話か……ミアはなんも言わんかったな」

「なんにも?」

「そや、ベルの意思を尊重したんやろな」

「ロキ、本当にベートさんと戦わせるの?」

「まぁハンデぐらいわつける」

「でも」

「あの子から言い出したことや、説得するならベルを説得し」

ポンと頭撫でる

「とりあえず今は楽しく飯食べようや!」

「……うん」

 

そんなこんなで話しているうち準備も終わり、料理が次々と運ばれてくる。

「旨そうな料理ばっかりやな!!!」

「美味しそう!!」

「じ、じゃが丸くんが山になってる……」

三人とも興奮気味で料理を見る

「さて、料理も運び終わったし乾杯するよ!!」

「ベル!あんたが一言いいな!」

「えぇ!?ぼ、僕ですか!?」

「なにうじうじしてんだい!!」

「ごめんなさい!?」

「ふふっベルさん落ち着いてください」

隣に座るシル

「はやくしなさいよベル」

その反対側に座るシャル

(よく考えたら男僕しかいないじゃん!?)

(余計に緊張してきた……)

「じれったいね!乾杯だけでいいからいいな!」

「は、はい!!」

「きゃんぱい!!」

シーン

(噛んだーーー!!///)

どっと笑いが起きる

「さすが息子だよ!そら乾杯しな!!」

「「「「乾杯(ニャ)!!」」」」

皆が好きなように飲み食いし話始める。

 

席も先ほど変わり自由に座り、現在ミアに捕まっている。

「いやーベル様様だよほんと!!」

わしゃわしゃと頭を撫で褒めに褒めまくるミア

「ミ、ミアお母さんくすぐったいですよ~」

「なんだい褒めてるんだからもっと喜びな!」

ドンッと背中を叩かれる

「ぐぉっ!?」

「ほんといい息子貰ったよ!!」

大声で笑うミア

なぜかキョトンとミアの顔を見るベル

「本当ですか?」

「なにいってんだい!!婿に出したくないぐらい可愛いさ!!」

わしゃわしゃと頭撫でる

「ありがとうミアお母さん///」

「なんだい照れてるのかいベル、ほんといい子だよ」

強引ではなく優しく撫でるミア

「///」

「なんやなんやお二人さん仲いいな」

その様子を見ていたロキがニヤニヤと近づいてくる

「なに親子だからね」

笑いながらもすぐ答えてくれる、思わず嬉しくてにやけてしまうベル。

「幸せわけてもろうたわ~ならうちは酒わけたるわ!!」

「なら注いでくれるかいロキ」

「おっミアと飲めるなんて貴重やな!!」

「ほんならベルはうちの注いでや!!」

「わ、わかりました!!」

ロキとミアはお酒、ベルはジュースで再度乾杯する

「ぷはー!料理も最高やし酒もうまい!!」

「そらそうさベルが料理作ってるんだからね!」

「ほんま家庭男子やな!!」

「一応冒険者なんですけど……」

「そやベルのじゃが丸くん持ってきてや!!」

「わ、わかりました!!」

急いで取りに行くベル

「ミア、あの子狙われとるで」

「ふんっ知ってるよ、大丈夫だよあの子は強い」

「元団長が太鼓判押すならそうなんやろな」

一瞬不穏な空気が流れる。

「ロキ様お待たせしました!!」

ベルが来たことにより何もなかったかのように動き出す。

「ありがとうな!」

「おっ!しかもわざわざ盛り付けまでしてくれたん?」

「はい!神様に食べて頂くので///」

「……ベルはいい子やな」

泣く振りをするロキ

「えぇ!?た、大した事はしてないですよ!?」

「ほんと心遣いが半端ないなベルは」

「そ、そうですか?僕の神様……ヘスティア様にもいつも通りの事してますよ?」

「そりゃあんだけノロケ話も出るわけや」

「えっ?」

「いや気にせんでええで!!」

「ロキ」

「なんやミアせっかく食べよう思ったん」

「先に言っておくよ、ベルは将来うちで働くんだからね」

「はぁ?そないことどうでもええわ!!」

「そうかい……言質はとったからね」

スッと酒を飲み始めるミア

「なんやようわからんな……」

「そしてベル、そない期待した目で見られると恥ずかしくてしゃあないわ」

「ご、ごめんなさい///」

「うんそれでよろしい!ほないただきます!!」

パクっ モグモグ ゴックン

「…………」

「なんやこれわ!?!!!!!!?????」

ロキの大声に思わず皆びっくりする

「ロ、ロキ様?」

「これはじゃが丸くんなんか!?いやじゃが丸くんなんやけど、こう根本が段違いなんや!!!」

「上手く言葉に表せへん……神失格や」

両膝を地面につき驚愕している

「ロキ様大丈夫ですか!?」

「いや……強いて言うならまさに」

「神の食物や」

スッと立ち上がりベルに歩み寄る

「ベル」

肩に手をおき

「は、はい?」

「うちのファミリア入らへん?」

「へっ?」




まさかのロキファミリアに!?

では次回も兎が織り成す英雄譚お楽しみに!
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