やはり面倒臭い私と捻くれ者の彼とはあまりにも共通点が多すぎ…… 作:無念の非リア
「遅い」
彼の手に残ったスポルトップとカフェオレ二本、恐らくカフェオレは由比ヶ浜さんと、私なんだろうなぁと思いつつも、出来れば私もスポルトップが良かったなと言う気持ちを飲み込んで、受け取りました。
「⋯⋯はい」
由比ヶ浜さんはそう言うと、ポシェットのような小銭入れから100円玉を取り出しました。
へ〜〜アホの子だとか、以外とチャラそうだとか思ってましたが、以外とこう言う所は礼儀正しいんですね⋯⋯。
私は比企谷さんと由比ヶ浜さんがお金を受け取り拒否して少し問答になってる中、さっきの傍若無人な振る舞いをしていた雪ノ下さんをチラリと見てから、少し沈鬱な気分になりました。
「ほらよ」
「あっありがとうございます?」
比企谷さんはそう言うと私にカフェオレを前に突き出して来たので、私は咄嗟に受け取ります数俊ほど沈鬱気味で周りが見えてなかった事もあり、お礼も生返事な感じになってしまいました⋯⋯恥ずかしい⋯⋯。
「話は終わったのか?」
「ええ、あなたがいないおかげでスムーズに話は進んだわ。ありがとう」
わぁお⋯⋯こんな時でも気にせず平常運転で毒が吐けるんですね⋯⋯多分彼の中では、俺史における最低の感謝の言葉じゃね? とか思ってそうですよ⋯⋯。
「⋯⋯そいつはよかった。で、何すんの?」
「家庭科室に行くわ。
「家庭科室?」
「何すんの?」
まぁ⋯⋯比企谷さんの不貞腐れたその言葉に、行きたくないって気持ちがしっかり伝わります⋯⋯。
確かに体育、遠足と並ぶ三大トラウマスポットの一つとか好き好んで行きたいとは私も思えませんし。
あんな、イチャイチャするような連中が集まってする、私達にとって針山地獄とかす教室、包丁やガスコンロとかあるしで、危険だから本当に規制して欲しいでよ規制。
だいたい楽しくお喋りし合う中に、私が口出した瞬間一気に沈黙しだすアレとか、ほんとその沈黙で傷つくこちらの気持ち考えた事ありますって問い質したい⋯⋯まぁ実際の所⋯⋯そんな事言った所で何の得も無いので言いませんが⋯⋯。
「クッキー⋯⋯クッキー焼くの」
「はぁ、クッキーを」
「手作りクッキーを上げたい人が居るらしいですよ⋯⋯自身が無いから手伝いのお願いらしいです⋯⋯」
そう言うと私はとても沈黙な気分に再び沈みこむ⋯⋯。
対する
「なんで俺たちがそんなこと⋯⋯、それこそ友達に頼めよ」
「う⋯⋯、そ、それはその⋯⋯、あんまり知られたくないし、こういうことしてるの知られたらたぶん馬鹿にされるし⋯⋯。こういうマジっぽい雰囲気、友達とは合わない、から」
由比ヶ浜さんは視線を泳がしながら答えました。
対する私と比企谷さんはお互いにふぅ、とため息を吐きだします⋯⋯
本当になんで私達が他人の恋路の為に協力しなきゃいけないんですかねぇ⋯⋯だいたいこんな個人的にクッキー作って渡したいとか十中八九異性案件かそんなでしょ⋯⋯こんな事してる位なら、古典の内容でも暗記してる方がよっぽど有意義だと思いますし、ましてや手伝いなんて論外⋯⋯本当に恋バナなんて犬でも食わない案件だと思える程に興味が無い⋯⋯。
わざわざ奉仕部内で唯一の男性である
「「はっ」」
思わず比企谷さんと同時に鼻で笑ってしまうと、由比ヶ浜さんは私と
「あ、あう⋯⋯」
由比ヶ浜さんは何か言おうにも、言葉が喉から出ないのか、少し肩を震わせ俯きながらスカートの裾をキュッと握りしめます。
「あ、あははーー、へ、変だよねーー。あたしみたいなのが手作りクッキーとかなに
「あなたがそう言うのなら私は別に構わないのだけれど⋯⋯。──ああ、この二人のことは気にしなくてもいいわ。人権はないから強制的に手伝わせるし」
どうやら私と
「いやーいいのいいの! だって、あたしに似合わないし、おかしいよ⋯⋯。
そう言って由比ヶ浜さんはチラリと私と
「⋯⋯そうね。確かに貴方のような派手に見える女の子がやりそうな事ではないわね」
「だ、だよねーー。変だよね⋯⋯」
たはは、と人の顔色を
「「⋯⋯いや《いえ》別に変《です》とかキャラじゃない《です》とか似合わない《です》とか、柄でもない《です》とかそう言う事が言いたいんじゃなくてだな《ですね》、純粋に興味がねぇんだ《ないんです》」」
わぁ⋯⋯何か長文至るまで全部ハモっちゃいましたよ⋯⋯あはは息ぴったりですね⋯⋯はぁ⋯⋯私は少し現実逃避気味に目を逸らす。
「もっと酷いよ!」
由比ヶ浜さんは
「ヒッキーもヒキタンも、マジありえないし! あーー腹立ってきた。あたし、やればできる子なんだからねっ!」
「それは自分で言う事じゃねぇぞ。母ちゃんとかがしみじみ潤んだ目でこっち見ながら言うもんだ」
「えぇ⋯⋯かねがね同意ですね⋯⋯ちなみにどん感じかと言うと『あんたもやればできる子だと思ってたんだけどねぇ⋯⋯』みたいな感じですね」
「あんたたちのママ、もう諦めちゃってるじゃん⋯⋯」
「妥当な判断ね」
雪ノ下さんはうんうんと大きく頷き、由比ヶ浜さんはブワッと目に涙を溜めながら、お互いに何か言ってきました。
正直言って余計なお世話なのでほっといて欲しいです。
ですが⋯⋯確かに由比ヶ浜さんがやる気を出してる中で水を差すのも、諦めるのも何か悲しくはありますし悪い気がしてきましたね。それに勝負のこともありますし⋯⋯。
これは渋々ですが協力を申し出るしかなさそうですね⋯⋯。
「まぁ⋯⋯カレーくらいしか作れねーーが手伝うよ」
「同じく⋯⋯市販のシチューとかしか作れませんがそれでよろしければ⋯⋯」
「あ⋯⋯ありがと」
由比ヶ浜さんはほっと胸を撫で下ろします。
「別にあなた達の料理の腕に期待はしてないわ。味見して感想をくれればいいのよ」
雪ノ下の言うように複数人からの意見を述べようということであれば、私や
それに
⋯⋯あれ? それって結局役に立たないんじゃ⋯⋯。