やはり面倒臭い私と捻くれ者の彼とはあまりにも共通点が多すぎ…… 作:無念の非リア
恥ずかしぃ⋯⋯(///ω///)
後、前回言いそびれてましたので改めて⋯⋯あけましておめでとうごさいます!
バニラエッセンスの匂いがほのかに香る家庭科室。
勝手知ったる様子で雪ノ下さんは冷蔵庫を開くと、牛乳や卵を持ってきた。さらにその後はボウルやよく分からん調理器具に、
どうやら料理に関しても、ハイスペックみたいですね⋯⋯はい⋯⋯。
それから準備が手早く終わると、本番はここからとばかりにエプロンを着用。
由比ヶ浜さんも同様に着けるけど、コチラは気慣れてないのか、なんと言えば良いのか⋯⋯かなり無茶苦茶な感じです。
「曲がってるわ。あなた、エプロンもまともに着れないの?」
「ごめん、ありがと。⋯⋯えっ!?エプロンくらい着れるよっ!」
「そ、ならちゃんと着なさい。適当なことしてるとあの二人のように取り返しがつかないことになるわよ」
「いや⋯⋯人を躾の道具のように扱わ無いで下さい⋯⋯」
「そうだぞ⋯⋯俺達はなまはげかよ」
「初めて人の役に立てたのだから、二人とももっと喜んだらどうかしら⋯⋯ああ、
「最初から心配はしてねーよ⋯⋯。やめろよ、優しげな笑顔で俺の髪を見るなよ⋯⋯」
普段からしてかなり希少な雪ノ下さんの微笑みに対し、逃れようと生え際を抑える
そんな仲少し離れた場所にいる私の隣で、私どうように観察していた由比ヶ浜さんは、エプロンは相変わらずダラっとした状態ですがくすくすと笑い初めました。
「まだ着てないの? それともやっぱり着られないのかしら? ⋯⋯はぁ、結んであげるからこっちに来なさい」
雪ノ下さんは呆れた顔で、ちょいちょいと由比ヶ浜さんを手招きします。
「⋯⋯いいの、かな」
私や
「早く」
そんな中、雪ノ下さんは苛立っているのか、冷たい
正直いうと少しばかり怖いです。
「ごごごごめんなさい!」
そう言って勢いよく雪ノ下さんの下へ走り出す由比ヶ浜さん。なんなんだろう⋯⋯由比ヶ浜さんがどんどん幼稚園児か何かに見えて来ました。
そんな由比ヶ浜さんの後ろに回ると、雪ノ下さんはキュッと結び直します。
「なんか⋯⋯雪ノ下さん、お姉ちゃんみたいだね」
「私の妹がこんなに出来が悪いわけがないけれどね」
いや⋯⋯意外とそうでも無い気はしますけどね⋯⋯むしろ出来の悪い妹だから姉がしっかりしないとってパターンもありますから、その点で見れば雪ノ下さんと由比ヶ浜さんは確かに姉妹っぽくはありますね。
それにしても、何と言うか家庭的で⋯⋯。
まぁ裸エプロンが良いとか言い出す世の男子に言いたいんですが、むしろ、制服にエプロンこそ最高だと私は思いますね。
余りにもその光景が尊く思え、私は思わずにへらと頬が緩みます。
「あっあのさヒッキー⋯⋯」
「な、何かね?」
突然の呼び掛けに一瞬上ずった声になる
「か、家庭的な女の子って、どう思う?」
「別に嫌いじゃねぇけど。男ならそれなりに憧れるもんだろ」
「そ、そっか⋯⋯」
「よーしっ! やるぞー」
ブラウスの袖をまくり、卵を掻き混ぜた後、バターや砂糖に小麦粉とバニラエッセンスを加えて行く。
料理は詳しくない私でもわかるレベルで、由比ヶ浜さんの腕前は異常でした。
クッキーでそんな大袈裟なと思われるかもしれませんが、こういうシンプルなものだからこそ、その異常性は分かりやく、誤魔化しが効かないものでして⋯⋯。
例えば卵の殻が入ってたり⋯⋯小麦粉がダマになるなってたり⋯⋯
バターが固形のまま、砂糖の代わりに塩、バニラエッセンスが致死量になってないか心配なレベルで、しまいにはそれらが牛乳に文字通り浸かってます⋯⋯。
ふと雪ノ下さんや
「さて、と⋯⋯」
そう言って由比ヶ浜さんは突然、インスタントコーヒーを取り出します。
「コーヒーか。まぁ、飲み物があったほうが食は進むもんな」
「そうですね。確かにそこに関しては気が利いてますね」
「へ? ぜんぜん違うよ? これ隠し味だから。男子って甘いもの苦手な人多いじゃん」
由比ヶ浜さんは私達の方を見てそう言います。ですがその手は止まっておらず⋯⋯気付けばボウルの中に黒い山が⋯⋯。
「「全っ然隠れてねぇ《ません!》」」
「え? あーー。じゃあ砂糖を入れて調整するよ」
そう言って由比ヶ浜さんは、黒い山の頂上に白い山を築き上げ、そこにさらにその上から溶き卵の大津波と、地獄絵図と言うべき光景を作り上げました。
結論を言わせてもらいますと、由比ヶ浜さんは世間的には料理させちゃ行けない人種でした。これは本人に才能が有る無しの有無とか、出来るとか苦手とかの話では無く、やらしては行けない⋯⋯。
由比ヶ浜さんは大雑把で不器用⋯⋯さらに独創的と言う料理をするに向かない人種だったのです。それこそ⋯⋯下手をすれば毒物を造りかねないレベルで⋯⋯。
そして例の混沌とした物質が焼きあがった頃⋯⋯完璧に
「な、なんで?」
由比ヶ浜さんは
「理解出来ないわ⋯⋯。どうやったらアレだけのミスを重ねる事が出来るのかしら⋯⋯」
雪ノ下さんもこれに関しては我慢しきれずに漏れ出たと言いますか⋯⋯とはいえそれでも、由比ヶ浜さんに配慮してか小声で呟きます。
そんな中、由比ヶ浜さんは
「見た目はあれだけど⋯⋯食べてみないと分からないよね!」
「⋯⋯そうね。味見してくれる人達もいることだし」
「ふはははっ! 雪ノ下。お前にしては珍しい言い間違いだな」
「そうですね⋯⋯コレはもはや味見じゃなくて毒味ですよ」
「どこがどくよっ! ⋯⋯毒、うーーんやっぱり毒かなぁ?」
威勢よく突っ込んだ割には、明らかに脳が危険信号を放つ見た目から、由比ヶ浜さんは小首を傾げてから、私達に意見を求めるような目で見て来ます。
いや⋯⋯そんなの答えるまでも無いと思いますよ。私はそう思ぅ中、
「おい、これマジで食うのかよ。ジョイフル本田で売ってる、木炭みたいになってんぞ」
「食べられない原材料は使ってないから問題無いわ、たぶん。それに」
そう雪ノ下さんは言葉を切ります、そして私は脳内が真っ白になりました。
と言うのも雪ノ下さんが
あの明らかに
余りの衝撃的な光景に一瞬の出来事のはずなのに、私の脳内は数分間位の感覚でフリーズしていました。
てか空いた口が塞がりません。
「マジで? お前ひょっとしていい奴なの? それとも俺のことが好きなの?」
「⋯⋯やっぱりあなたが全部食べて死になさいよ」
「すまん、気が動転しておかしなこと口走りました」
お菓子だけにですか⋯⋯私はそんなボケを脳内で考えながら、雪ノ下さんの相変わらずの毒舌ぶりにやっと何時もの光景に戻った気がして、ホッと一息胸を撫で下ろしました。
まぁ⋯⋯目の前の
と言うか、比企谷さんがあんな事言うとか雪ノ下さん何言ったんですか? てかあんなの天然でやるとか距離感がバグってません? アレが天然だと分からない人から見たら、アザトイ系女子と見られて嫌われるまでありますって⋯⋯。
あっ実際に嫌われてましたね⋯⋯。
「私はあなたに試食をお願いしたわけで処理をお願いした訳では無いもの。それに、彼女のお願いを受けたのは私よ? 責任くらいとるわ」
そう言って雪ノ下さんは皿を自分の方に引き寄せます。
「何が問題なのかを把握しなければ正しい対処はできないのだし、知るためには危険を犯すのも致し方ないことよ」
黒曜石ですと言われても違和感が無い黒々とした
「⋯⋯死なないかしら」
「「俺《私》が聞きてぇ《たいです》よ」」
そう言いながら私と