ソードアート・オンライン~スコープの先にある未来へ~ 作:人民の敵
俺はどこで狂ったのか。答えはすでに分かっている。しかし、理解はしない。それは自らに対する冒瀆になるから。
「……時間か」
俺は1人呟いた。あの作戦から1週間近く経つ。そろそろユウキたちが怪しむ頃だろう。そして、俺の目的はほぼ達せられた。
「どうやって帰るか……」
ピロンッ!
「なんだ……?」
俺はメッセを開いた。
「…………あいつか」
―――――――――
「なんだ、アルゴ」
俺は情報屋《鼠》のアルゴに言った。
「いや、レー君に1つ、言伝を頼まれたもんでナ」
「それは?」
「セーちゃんからサ」
「!!」
セブンが……!?
「内容は、『早くホームに帰って来て』だそうダ」
「はぁ……アルゴは俺の立場を分かっているだろ。今更どの面下げてアイツらに会えばいいんだよ」
俺は言った。確かにホームに帰りたい、が……
「俺は犯罪者撃滅の為に既に多くのプレイヤーをこの手で殺した。すでに呪われた人間なんだよ」
「だろうナ。でも、ユーちゃんやセーちゃんの気持ちを考えてみナ、レー君がいないのは凄く心細いんじゃないのカ」
俺は歯ぎしりした。セブンは事情を分かってくれてるだろうが、ユウキは俺の過去を分かっていない。彼女の性格なら衝動的に俺を探しに来るかもしれないことは想像できる。
「俺の任務は終わった。だが帰るわけにはいかない………」
「いいんじゃないカ?」
「は?」
俺はアルゴの言葉に首を傾げた。
「レー君が無慈悲な殺戮を繰り返したのならまだしも、レー君が殺したのは
「人の感情ってのは千差万別なんだよ。お前はそう感じるかも知れないが、あいつらがどう感じるかは知らない」
俺は言った。俺の本性を知ってるのはセブンとスメラギくらいだが、この分じゃ他の連中が知ってもおかしくはない。
「とにかく、一回帰って見たらどうダ?このまま雲隠れするのはカッコ悪いゾ」
「…………分かった」
俺は頷いた。万一の時には、な。
「あともう一つあるんだガ、いいカ?」
「そっちが本題か?」
「まあナ。それで、依頼だが、第38層を拠点に暗躍してるオレンジプレイヤーを狩ってほしいそうダ。プレイヤーネームは《オブライエン》。まあコードネームだそうだがナ。引き受けてくれるカ?」
オブライエン、か。『1984年』を思い出すな。
「分かった。これが最後だ」
俺は言った。その俺の返答を聞くと、アルゴは出ていった。