ソードアート・オンライン~スコープの先にある未来へ~   作:人民の敵

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 よくわからないですね笑
 さて、今回で74層が攻略され、次回からSAO最終章に入っていきます。
 残り少ないデスゲームでの日々を生きていく少年少女達の姿を、是非最後まで見届けてやって下さい!!


《第34話》3つのユニークスキル

 俺達はモンスターを蹴散らしつつボス部屋へ急いだ。ようやくボス部屋手前の通路にたどり着き、俺達は一旦武器を納めた。

 

「ひょっとしてもう結晶で帰っちまったんじゃねぇか?」

 

 刀を鞘に納めたクラインが言う。

 

「そうは思えない。恐らくギルドに指示で攻略に来た連中が俺達の忠告程度で撤退するわけがない」

 

「どっちにしろ、急がないといけないのは同じだ」

 

 キリトがそう言った刹那。

 

「あぁぁぁぁぁ………」

 

 それは悲鳴だった。

 

 俺とキリトは目を見合わせた。

 

 そして、俺達は、風の如く疾駆し始める。

 

 俺達の後ろを追いかけていた《風林火山》メンバーは、モンスターに道を塞がれていた。

 

「俺達だけで行くぞ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

やがて、彼方にあの大扉が出現した。

 

すでに左右に大きく開いている。

 

「チッ!!」

 

「バカ野郎!!」

 

「「バカッ……」」

 

 俺達は、思わず叫んでしまった。

 

 俺達は、扉の手前で急激な制動をかけ、入り口ギリギリで停止した。

 

「大丈夫か?!」

 

 俺は、扉の手前に到着したのと同時に叫ぶ。

 

 部屋の内部は、地獄絵図だった。

 

 部屋の奥で必死に逃げ回っている人影を発見した。

 

 軍の部隊だ。

 

 陣形がバラバラになっており統制も何もあったものではない。

 

 咄嗟に人数を確認するが、二人足りない。

 

 こうしている間にも軍の部隊は、青い悪魔の攻撃を受けている。

 

 なぜ、転移結晶を使わない?!

 

 俺は、転移結晶を使えと叫んだ。

 

「何をしている!! 早く転移結晶を使え!!」

 

一人の男がこちらに顔を向けると絶望の表情で叫び返してきた。

 

「だめだ……!! けっ……結晶が使えない!!」

 

 このボス部屋は《結晶無効化空間》なのか。

 

 今までのボス部屋には無かったトラップだ。

 

 これでは、迂闊に助けに入れない。

 

 その時、一人のプレイヤーが剣を高く掲げ、怒号を上げた。

 

 コーバッツであった。

 

「何を言うか……ッ!!我々解放軍に撤退の二文字は有り得ない!!戦え!!戦うんだ!!」

 

「あの馬鹿野郎…!!」

 

 俺は思わず叫んでいた。

 

 結晶無効化空間で二人居なくなっているということは“死んだ”つまり消滅したということだ。

 

 ようやくクライン達六人が追い付いてきた。

 

「おい、どうなっているんだ!?」

 

 俺は手早く事態を伝える。 クラインの顔が歪む。

 

「な……、何とかできないのかよ……」

 

 俺達が斬り込んで連中の退路を拓くことは出来るかもしれない。

 

 だが、緊急脱出不可能なこの空間での戦闘は危険すぎる。

 

 こちらに死者が出る可能性は捨てきれない。

 

 あまりにも人数が少なすぎる。

 

 俺が逡巡している内、部隊を立て直したらしいコーバッツの声が響いた。 

 

「全員……突撃……!!」

 

 10人の内、2人は瀕死状態だ。

 

 残る8人を4人ずつの横列に並べ、その中央に立ったコーバッツが剣をかざして突進を始めた。

 

 まるで旧帝国陸軍の万歳突撃だ。

 

「やめろ……っ!!」

 

 俺の叫びは届かない。

 

 余りに無謀な攻撃だった。

 

 8人一斉に飛び掛かっても、まともな攻撃ができるわけでもなく、数ドットしか青い悪魔のHPバーを削ることしか出来ていなかったのだ。

 

 青い悪魔は、口から眩い噴気を撒き散らした。

 

 この攻撃を受けて軍の部隊は壊滅状況まで陥った。

 

 どうやらあの息にもダメージ判定があるらしい。

 

 その時、部隊の1人がすくい上げられる様に斬り飛ばされ、青い悪魔の頭上を越えて俺達の眼前の床に激しく落下した。

 

 その人物は、コーバッツだった。

 

 自分の身に起きたことが理解出来ないという表情で口がゆっくりと動いた『有り得ない』と。

 

 直後、コーバッツの体はポリゴンを四散させた。

 

 余りにあっけない消滅だった。

 

 奥には、喚き声を上げるながら逃げ惑う、軍のパーティーメンバー。

 

 すでに全員のHPが半分を割り込んでいる。

 

「だめだよ…………もう」

 

 絞り出すようなユウキの声。

 

 ヤバい、と思いユウキの腕を掴もうとする。

 

 だが一瞬遅かった。

 

「だめッ!!」

 

 絶叫と共に駈け出した。

 

 空中で抜いた剣と共に、一筋の閃光となり青い悪魔に突っ込んでいく。

 

「…… 行くぞッ!! キリト、アスナ」

 

「「了解!!」」

 

 俺達は、抜剣してユウキの後を追った。

 

「どうとでもなりやがれ!!」

 

 クライン達も追随してくる。

 

 ユウキの攻撃によりこちらに誘導することに成功したが、グリームアイズは、ユウキに向けて斬馬刀を振り下ろした。

 

 ユウキは咄嗟にステップでかわしたが、完全には避けきれず余波を受けて地面に倒れ込んだ。

 

「ユウキーーーーー!!」

 

 俺は、斬馬刀の間に潜り込み、ぎりぎりのタイミングで攻撃の軌道を逸らす。

 

「レイっ………」

 

「無茶するな、下がれ!!」

 

「……うん」

 

 俺の言葉によってユウキは、後ろに飛び後退した。

 

 グリームアイズが斬馬刀を大きく振りかぶり、俺の頭上目掛けて振り下ろした。

 

 俺は、右手に装備している片手剣で受けた。

 

 HPがじわじわと減少していく。

 

「「レイ(君)スイッチ!!」」

 

 この言葉と同時に俺は、無理やり斬馬刀を撥ね上げ二人と入れ替わる。

 

 キリトは、片手剣4連撃ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を放つ。

 

 アスナは、細剣ソードスキル《リニアー》を放つ。

 

 俺は、その間にハイポーションを口の中に流し込みHPを全快にさせる。

 

 俺の隣までユウキがやって来た。

 

 ユウキもハイポーションでHPを全快にしたようだ。

 

「いけるか」

 

「うん」

 

「「スイッチ!!」」

 

 二人は、グリームアイズの斬馬刀を左に受け流し、俺とユウキが入れるスペースを作る。

 

 俺は、片手剣ソードスキル単発重攻撃《ヴォーパル・ストライク》を放つ。

 

 ユウキは、片手剣4連撃ソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を放つ。

 

 俺は、グリームアイズのHPを見た。

 

 グリームアイズのHPバーは、減少こそしていたが微々たるものだった。

 

 《風林火山》メンバーは、倒れた軍のプレイヤーを部屋の外に連れ出そうとするが、俺達が中央で戦闘をしているため、その動きは遅々として進まない。

 

 次の瞬間、斬馬刀がユウキを捉えた。しかし、俺はギリギリのタイミングで彼女を庇い、斬撃を受ける。

 

 痺れるような衝撃が俺を襲った。

 

 HPバーが今の攻撃で半分削られた。

 

 俺の装備とスキル構成は壁仕様(タンク)ではないのだ。

 

 このことは、キリト、ユウキ、アスナにも当てはまる。

 

 俺とユウキ、キリトは攻撃特化型。 アスナは、速度特化型。

 

 その為、グリームアイズの一撃が当たれば致命傷に近いダメージになる。

 

 このままでは、じり貧だ。

 

 最早離脱する余裕は無い。

 

 残された選択肢は一つだけだ。

 

 攻撃特化仕様(ダメージディーラー)たる俺達の全てを以て立ち向うしかない。

 

 だが、俺だけでは火力が足りない。

 

 そう思った瞬間―――

 

「兄さん!!」

 

 迷宮区側の扉からボス部屋に入ってくる人影が見えた。ふとそちらを見やる。

 

「アズサ……!!」

 

 入って来たのは、アズサ率いるRSPのメンバーだった。アズサの他にスメラギやレイン、ラン、セブンもいる。

 

「兄さん、これは………」

 

「細かいことは後で話す!とにかく、手伝ってくれ!!」

 

「「「「「分かった!!」」」」」。

 

 5人は剣を抜き、俺達に走り寄る

 

「十秒持ちこたえてくれ!!」

 

「「「わかった(よ)」」」

 

 瞬間火力が高いアズサとレイン、スメラギが応える。ランとセブンは軍のメンバーを退避させている。

 

 俺は、キリトと一緒に斬馬刀を撥ね上げる。

 

 後ろからアズサ達が飛び込んできて応戦する。

 

 アズサは片手斧7連撃ソードスキル《アーク・スピリッツ》を放ち、スメラギとレインは片手剣6連撃ソードスキル《ルーン・スティング》を放つ。

 

 高い瞬間火力を誇る3人の同時攻撃に、さしものグリームアイズも僅かに怯む。

 

 キリトは、隣でスキルを変更の操作をしていた、ユウキを見る。

 

 ユウキは、頷いた。

 

 スキルの変更が完了したということだろう。

 

 3人は、グリームアイズの斬馬刀にソードスキルを当て、俺とユウキ、そしてキリトが入れる間合いを作りだした。

 

 

「「「スイッチ!!」」」

 

 俺達は、タイミングを逃さず叫ぶと、グリームアイズの正面に飛び込んだ。

 

 グリームアイズは、斬馬刀を構え直し大きく振りかぶる。

 

 振り下ろされた斬馬刀を右手に装備しているティルウィングで弾き返すと、間髪入れず左手を背に回してライフルの柄を握った。

 

 抜き様の一撃をグリームアイズの胴に見舞う。

 

「グォォォォ!!」

 

 憤怒の叫びを洩らしながら、グリームアイズは上段斬り下ろし攻撃を放ってきた。

 

 キリトと俺は、剣を交差して斬馬刀を受け止め押し返す。

 

 これにより、グリームアイズは態勢を崩す。

 

「キリト、頼んだ!!」

 

 キリトは“二刀流”上位剣技《スターバースト・ストリーム》を放つ。

 

「うぉぉぉぉあああ!!」

 

 キリトは絶叫しながら、システムアシストをも上回ろうかという速度で攻撃を放ち続ける。

 

「…………あぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 キリトが雄叫びと共に放った最後の16撃目が、グリームアイズの胸の中央を貫いた。

 

 そして、間髪入れずに俺は飛び込む。

 

「せぃやぁぁ!!!」

 

 敏捷力の限界ギリギリで跳躍した俺は、ティルウィングを構え、片手剣7連撃ソードスキル《デッドリー・シンズ》を放つ。

 

シュンシュンシュンシュッシュシュシュンッ!!

 

「まだまだぁ!!」

 

 そして、空中でマガジン1本分の弾倉をフルオート射撃しその反作用で僅かに高度を上げ、今度はライフルの銃剣を構える。ヒュンッとエフェクトが光り、ソードスキルを発動する。

 

 ”狙剣一体”6連撃ソードスキル《サイン・ブレイン》。

 

ザスッザスッシュッシュッシュンッシュッ!!

 

「まだ…………行ける!!」

 

 俺はティルウィングとライフルを構え、今度は同時にソードスキルを発動させる。

 

 ”狙剣一体”6連撃ソードスキル《シンフル・ヒードラン》

 

 更に俺はグリームアイズの体を踏みつけ、跳躍。ライフルに銃弾を装填(リロード)し、フルオート射撃を行う。そしてまたティルウィングを構える。

 

 片手直剣重単発突撃ソードスキル《ヴォーパルストライク》。

 

「せやぁ………!!」

 

 ティルウィングが、グリームアイズの脳天を貫いた。

 

「ゴガァァァァァアァァァァ!!!!!!!!」

 

 俺とキリトの連携攻撃は、グリームアイズの体力を大きく削り取った。しかし、まだ最後のゲージが残っている。

 

 俺とキリトは、大技の硬直で動けない。

 

「ユウキ、頼んだ!!」

 

 その瞬間、ユウキが俺の後ろから飛び出してきた。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 “紫憐剣”最上位剣技《マザーズ・ロザリオ》を放つ。

 

 グリームアイズは、フィニッシュの一番強烈な11撃目の突きを受け、青い欠片となって爆散した。

 

「終わった……な?」

 

「終わった……のか?」

 

 俺とキリトは、自分のHPバーを確認する。

 

 赤いラインが、数ドットの幅で残っているだけであった。

 

 隣で、剣を杖にしながら片膝を付いているユウキも同じだろうな。

 

 俺も、銃を杖にしながら片膝を付けた。

 

 こうして青い悪魔との戦闘は終了した。




 キリトのユニークスキル”二刀流”とレイのユニークスキル”狙撃”の上位スキル”狙剣一体”がお披露目です。
 途中レイがやっていたのは原作ではキリトがALOで編み出した剣技連携(スキルコネクト)ですが、キリトのものとは仕組みが違っていて、キリトはソードスキルの終わりのモーションを次のソードスキルの初動として連携させていたのですが、レイは”片手剣”ソードスキルと”狙剣一体”ソードスキルを交互に放つことで”同じスキルカテゴリではないソードスキルは連続して出すことが出来る”というシステムの抜け穴を利用したものです。それと、途中で銃をフルオート射撃していたのは少しでも高度を稼ぐためと硬直をキャンセルするためです。
 また、”狙剣一体”には”二刀流”のようなソードスキルも存在しますが、如何せん銃での射撃を根本とするスキルなので攻撃力は二刀流ソードスキルの半分程度しかないです。なので、狙剣一体が二刀流のお株を奪うことはないかと。
 次は戦後処理からですね次回も早く投稿できたらいいな(願望)
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