ダンジョンでコインを求めるのはマンマ・ミーア! 作:yourphone
胸ぐらを掴まれた。反撃をしようと腕を振り上げ……ようとした瞬間に地面に叩き付けられる。
肺から空気が押し出され、反動で体は若干浮き上がる。
その一瞬さえあれば、男には充分。
縮尺を間違えたかのような大きな拳でアッパーが繰り出される。
布に包まれた鋼鉄に殴られたような、そんな感覚を与える。
吹き飛ばされるが、だがこのふざけた男から距離を取れるのならまだ安い。
―――そう、思っていた。
二発。
三発。
四発。
体は思うように動かず、アッパーは正確無慈悲に襲ってくる。その衝撃によって体は浮き上がっていき、余計に動けなくなる。
更に数発アッパーが放たれ―――
男が、跳ぶ。
空中でチラリと見えた男の顔は、キリリと引き締まっていた。
サマーソルト
サマーソルト
そして
スーパーマリオジャンプ
サムズアップのアピールも忘れない。
「すげーーー!」
「これで十人抜きだぁーーーっ!」
「おい、今のやられた奴何処のファミリアの奴だ?」
「えっと……ちっこいとこのレベル1だね」
「あれでファミリア所属してないんだろ?」
「うむ……出来ればうちに来てほしいものだ」
世界の中心、オラリオ。その一角で人だかりが出来ていた。
ただの喧嘩騒ぎだ。だが、その人物のうち片方は今オラリオで話題となっている人だった。
その名はマリオ。おひげがダンディーな男だ。
オラリオに来た初日にその驚異のジャンプ力を見せつけ。
次の日には神を体当たりで転ばせるという英雄も悪人も行わないような前代未聞の所業を見せる。
そんなマリオは喧嘩が始まる少し前、町を探索していた。スターやらスターピースやらコインやらが落ちているかも知れなかったからだ。壁キックや三段ジャンプ、スピンジャンプを駆使して行ける場所は全て回った。怪しい地面はヒップドロップをした。
しかし、何も見つけられなかった。
周囲の人たちの話を立ち聞きした結果、『ファミリア』に所属していれば『ダンジョン』に入る事が出来るようだった。
その『ダンジョン』とは入る事の出来なかったあの場所だろう。そう言えば『ギルド』と言う場所でも『ファミリア』や『冒険者』といった単語が出てきていた。
そんなマリオが次にするべき行動を考えていたら後ろからチンピラに絡まれた、それが喧嘩騒ぎの顛末であった。
「Fuuu……」
マリオは息をつく。いつも通りスピンからの踏みつけで倒しても良かったのだが、脳内にかつて戦ったとあるファイターの顔が浮かんだのだ。
そのファイターはどうやら元の世界ではいつでも何処でもこのような喧嘩が起きていたらしい。とても強かったのを覚えている。
だから、とっさに大乱闘の動きをしてしまった。
「Uuuum……」
怒られはしないだろうか。マリオは少しドキドキしながら、忍び足でその場を去る事にした。
スマブラの新作が出ます。マリオも参戦です(当然)。
そして、なんか書いちゃったから投稿。
残念ながら続きませんのであしからず。