ダンジョンでコインを求めるのはマンマ・ミーア! 作:yourphone
その男は困っていた。かつて一度何度も死にかけたあの館を思い出すほどに。
あぁ、あの頃に戻りたい。いや、やっぱいいや。
「ふふふ……」
目の前には美女。こちらを見てニヤニヤしている。あぁ、これは浮気じゃないんだ。信じてくれ――――。
その美女の後ろに控える男性。厳めしい顔つき、男の体とは比べ物にならないくらいガチガチに鍛えられた筋肉。鋭くてそれだけでキノピオが卒倒しそうな目付き。あと人のものではない耳。
あの大魔王クッパですら倒せそうな男性がずっとこっちを見ている。ジーッと見てくる。怖い。
「もう、そんなに緊張しなくても良いでしょ?」
いえ無理です……なんて言った日には恐ろしい事になるのは目に見えている。
「ふふ……それにしても何度見ても不思議な魂ね。めらめらと燃える炎……なのに」
ツツーッとその細い指で鼻をなぞられる。
「粘着質というか……不定形というか……、消えそうなほど儚いのにリョクリョクと燃え盛る。まるでこの世界とは別の世界で産まれたみたい」
男には何を言っているのか分からない。いや、なんだかんだ聞き取れはするのだがその意味を理解しきれない。
というか何で言葉が通じるのか。……まあ、宇宙の何処でも言葉が通じるのだからそんなものだろう。言葉なんてそんなに多くても良いことはない、と言うことだ。
「
「……」
あぁ、だから睨むのはやめてよ。助けて、兄さん―――。あ、この際キノピオ隊長でも良いよ。
「えぇと……その……ファミリアへの加入方法、ですか」
「Oh yeah」
マリオは唯一入る事が出来る建物―――ギルドにてファミリアうんたらの話を聞きに来ていた。
情報収集は大事。世界を救ってきた英雄ならば当然の事だろう。……世界を救う、か。
思えば随分と遠くまで来たものだとマリオは頷く。
そもそもはただの配管工だったのに、姫を助けに行く事になって、姫に見初められ、それからは隣国へ行ったり過去に行ったり夢の中へ行ったり宿敵の腹の中へ行ったりスポーツをしたり大乱闘したり……そして宇宙である。
とはいえそんなことを真面目に言いふらしても誰一人信じないだろうが。
「―――となるので、すみませんが我々ギルドではファミリアへの推薦は出来ないんですよ。自分で売り込んでください」
「Um? ……Oh O.K.」
最後の部分しか聞いていなかったが、どうにもそのファミリアというものは自分で探さないといけないらしい。
流石のマリオもどうしたものかとしゃがみこむ。体が柔らかいからかかなり小さくなる。
なんとなくそのままヨチヨチとギルドの外へ出る。外へ出たらその場で見事なバック宙を見せる。
「むぎゅっ!?」
「神様っ!?」
が、着地を失敗してしまう。なんと誰かを踏みつけてしまったようだ。
「Sorry!」
「あたたた……誰だい神様に向かって無礼な……ってあーーーーー!」
「Uwaaoh!」
そのどこかで見た女性の大声でマリオは吹き飛ぶ。
「な、ちょ、だからなんでそんな大袈裟に吹き飛ぶのさ!」
「Ooou……」
マリオの周りに星が瞬く。……スターピースじゃないからポインターでは取れない。
「え、あの神様?」
「全くこの間といい今の事といい! なんなんだい君は!」
「Oh yeah, its Mario!」
マリオは自分の名前を伝える。そのツインテールの女性はうんうんと頷く。
「成る程成る程、君はマリオ君というのか」
「あー、えっと……僕はベルって言います。それでこっちはヘスティア様です」
「Oh yeah」
女性……ヘスティアの剣幕に見えていなかったが、白い男がその横に立っていた。白い髪、白っぽい服、そして紅い目。
「ってちがーうっ! ボクをここまでこけにした馬鹿者は君が初めてだよっ!」
「Awawawawa……」
これはまたスピンで倒すしかないのか? そう思った時、救いの手が差しのべられた。
「あの、神様? ここだと凄く目立ってるんですけど……」
「む?」
言われてみれば確かに野次馬が沢山。
「うむむ……仕方無い、まだまだ言いたい事もあるからボクたちの
となれば拠点は必須となり、つまりこの二人はなんらかのファミリア!
「Let's go!」
「なんで君が仕切るんだい!?」