ダンジョンでコインを求めるのはマンマ・ミーア! 作:yourphone
「うーん……ベル君が低すぎるのかマリオ君が高すぎるのか……。いや、明らかにマリオ君がおかしいな」
とある
ベルはいい。駆け出しならばあのぐらいだろう。特別なスキルは無いし魔法も無い。それにほとんどのステータスは最低のI。スピードだけは他と比べて発達していたが目を見張るほどではない。
だがマリオはどうだ? 流れで眷属としてしまったがあのステータスならばもっと大きな、ちょっと悔しいけどロキの所に居た方がよほどしっくりくるようなステータスだ。
「はぁ……」
ヘスティアはステータスを書いた紙をまた見る。何度見ても、そこに書かれたステータスは変わらないのだが。
マリオ
Lv:1
力:F 311
耐久:I 1
器用:I 20
敏捷:F 352
魔力:I 1
《魔法》
超短文詠唱。『HOT』
手から火の玉を出す。同時に二個まで存在可能。
《スキル》
回転運動により様々な行動に
敏捷に
「レベル1のステータスじゃ無いし既にスキル二つ持ちってなんなのさ!」
教会にヘスティアの声がむなしく響いた―――
「うわぁ……ここがダンジョンかぁ……」
「Waaao」
一方その頃、マリオとベルはダンジョンの中へと足を踏み入れていた。一目見て分かるほど典型的な洞窟で、入り口付近だからかまだ人通りは多い。
「Let's go」
「そうですね、行きましょうマリオさん」
そうして二人は進む。ベルは最低限の防具と短剣を身に付けて、マリオは着の身着のまま……ではなく、ハンマーを担いで。どれもギルドから借りたものだ。
彼らとすれ違う冒険者たちはほとんど同じ反応を見せる。
まず、
直後にベルの肩ほどの身長のマリオを見つけ色々と驚く。
そしてベルをまじまじと見つめる。あの最近噂の赤いやつと、どうして一緒に居るのかと。
そんな視線を向けられている本人はというと。
「う、うわ、ゴブリンッ!?」
キシャーッ
醜い顔を見せたゴブリンに面食らっていた。ベルは小さい頃にゴブリンに襲われた事があり、トラウマとなっていた。
だがここオラリオでは、このダンジョンにおいてはゴブリンはとてもとても弱い存在だ。初心者でも倒せる敵だ。
(怖い……。でも越えなくちゃ……! じゃなきゃハーレムなんて夢のまた夢だ!)
ベルが覚悟を決め、短剣を構える。そしてジリジリと動き距離を詰める。
「てあぁぁぁっ!」
ベルが飛び出し、ゴブリンへと短剣を突き出す。
……だが。
ギシャッ!
(っ、かわされた!?)
一撃で決めようと突っ込んだのが間違いだった。今のベルの体勢は崩れて、隙だらけだ。
「しまっ―――」
「Ya!」
ポコン、と場違いな音とともにゴブリンが叩かれる。
その一撃で魔石が壊れたのか、ゴブリンは塵となって消えた。
「あ……マリオさんありがとうございます」
「Oh yeah」
(そうだ。レイナさんに口酸っぱく言われたんだった。『冒険者は冒険しちゃいけない』んだよね)
マリオのおかげで一命を取りとめたベルは、今度こそ冷静に戦わなきゃ、と気を引きしめるのだった。