「うおぉ!!」
ゲッター3はスクラップと化したバルをギロに向かって放り投げる。いきなりの出来事に驚いていたギロだったがすぐに目の前の戦闘に集中し直し、高くジャンプし避ける。更に追撃を仕掛けようと腕を伸ばすゲッター3の腕を避け、スピードを上げ、周りを徘徊する。
「な、何をする気だ!?」
ギロのスピードはとうとうギロ本体が確認できないほどに上がりゲッター3は回転しながら宙を回った。
「「「「「う、うわあぁぁぁぁ!?」」」」」
宙を回るゲッター3に一夏たちは動揺する。
「なんてスピードだ!」
「あまりのスピードで竜巻が起こっている・・・・・奴は自分の体で人工的に竜巻を作っているんだ!」
簪が言うと同時にギロはゲッター3を捕らえ、地面へと叩きつける。
「むむむぅ・・・・・・敵はどうやらこれを繰り返して私たちを弱らせていく作戦のようだね。」
「呑気に推測している場合かよぉ!?こんなもん連続で喰らっちまったらまいちっまうぜ!」
そんなことを言っている間にもギロは同じ戦法を繰り出そうとする。
「キ、キ、キ!」
「来た!」
ギロはまた周囲を回り、真空を作り出そうとする。
「ここはゲッター2で行くよ!」
束の指示でゲッター3は分離する。そして、ギロの回った軌道を利用して再合体する。その姿は腕にドリルを付けた地上専用の機体だった。
「チェーンジッ!ゲッターツー!!」
簪が言うと同時に合体したゲッター2はギロの後を追う。
「グオッ!?」
自分にスピードについてくるゲッター2を見てギロは動揺する。
ゲッターロボの他の形態に変形する姿を基地から見ていたゴール達は唖然としていた。
「ぬぬ・・・・・ゲッターにあのような変形機能が備わっていたとは・・・・・恐ろしや!!メカザウルスの中でスピードを一、二を誇るギロに勝るとも劣らぬ。」
ゲッター2のスピードに遅れ始めたギロはこれでもかとミサイルを発射する。しかし、ゲッター2は既にギロの背後に回り込んでいた。
「キ、キィ!?」
「こっちの方がスピードが上なの。」
ゲッター2のドリルは容赦なくギロの頭部を貫く。
「やった~!ざまあぁ見やがれ!!」
一夏たちは、今まで苦戦していた敵を見ながら言う。
「ふう、ゲッター2は、地上戦での機動力はマッハ以上で動けるんです。」
ギロまでやられてしまった様子を見て基地の兵士たちは呆然とした。無論、ゴールも含めてである。
「・・・・くう!爆破じゃ!ギロ諸共ゲッターを爆破しろ!」
「はっ!」
兵士は早速自爆スイッチを押す。
するとギロは光を発し始める。
「な、なんだぁ!?」
驚いた束の間、ギロは大爆発してしまい、ゲッター2もその爆発の中へと消えて行った。
「やったぁ!」
その様子を見てゴールは勝利を確信する。
「やったぞ、ゲッターを!!これで地上は我々ハチュウ人類のものだ!!ついに我々の地上を取り戻す時が来たのだ!!」
同時に人工太陽の出力を上げさせる。
「マグマ熱を上げろ!!北海道と言わず日本全土を焼き尽くせ!!」
人工太陽は巨大化し、周囲のあらゆるものを焼き尽くしていく。
「ウハハ!人類共よ!お前たちはもはやこの灼熱地獄から逃げられん。滅びよ!愚かな種族よ!!」
ゴールの笑いは止まらない。
最早あの頭の上のたんこぶともいえるゲッターロボを倒した今、自分たちの野望を阻むものがいないのだ。
ついにかつての故郷を取り戻す日が来たのだ。
「ワハハハハハハハハ!!!!」
「ん!?ゴール様、地中から何か近づいてきます!」
「何!?」
一人の兵士の言葉にゴールの笑いは止まる。
「これは・・・・・機械音です!」
「まさか、ゲッターが・・・・・・」
ゴールの予感は的中した。
ギロと共に消えたと思われていたゲッター2は、ドリルで掘り進んで大雪山地下にある基地へと近づいていた。
「ふう・・・・・流石にさっきには危なかったな。」
箒はホッとしたように言う。
「フフフ、ゲッター2のマッハのスピードで地中に逃げればあのぐらいの爆発何ともないよ!」
「よおし、このまま敵陣へ突入して千冬姉と弾たちの弔い合戦だ!!」
ゲッター2はどんどん基地へと近づいて行く。
「間違いありません!こちらに向かってきます!」
「地中魚雷を撃て!基地に一歩たりとも近づけてはならん!!」
兵士たちは急いで魚雷発射口に弾頭をセットする。
「急げ急げ!」
「第一弾、発射!!」
地中魚雷はゲッター2に向かって発射される。
「フフ、来た来た。」
簪は、反応を見ながら言う。
「連中も必死のようだね。」
「そりゃあそうだろうぜ。せっかく作った怪物を三匹もやられて、その上基地もやられたら大損害だからな。」
「かんちゃん、ゲッタービームを発射して。」
「えっ?そんな機能ありました?」
「昨日取り付けました~。左から二番目のボタンを押せば出るよ。ゲッター1みたいな出力は出せないけど魚雷くらいなら余裕で落とせるよ。」
「わ、分かりました・・・・(仕事早い・・・・)」
簪は言われたボタンを押す。するとゲッター2の目からビームが発射され魚雷を破壊する。魚雷の反応がなくなりゴールは動揺する。
「やったか!?」
「ダメです!エンジン音はますますこちらへ近づいています!!」
「ありったけの魚雷を撃ち込め!!」
「「「はっ!!」」」
兵士たちはありったけの魚雷を集めて発射口に装填する。
「ゲッターがすぐそこまで来てい・・・・・」
魚雷発射口を破壊して、ゲッター2が基地の中へと入りこんだ。
「うわぁぁぁ!?」
「で、でたぁあ!?」
兵士たちは一目散に逃げだす。
「ハハハハッ!ゲッターの力を見たか!今度はこっちがてめえらを叩き潰す番だ!!貴様らの基地を潰してやるぜ!!」
「ええど、ええど!!五反田たちの仇取ってやれ!!」
ゲッター2は基地の中を破壊しながら突き進んでいく。兵士たちは蟻のように踏み潰されたり、瓦礫の下敷きになる。
「おのれ、ゲッターめ!覚えておれ!!」
ゴールは蜘蛛の子散らすように逃げていく。
「逃がさない。」
簪はゲッター2の腕で魚雷を掴み、ゴールに向かって投げる。魚雷は落下した瞬間大爆発する。
「やったぁ!!」
「いや、どうやら外れたみたいだよ。」
煙の中からメカザウルス・ボアが現れる。どうやらゴールの盾になって防いだようだ。
「フフフ・・・・・ゲッター、ここから先は通さんぞ!」
「何だてめえは!?ゴールの野郎はどこだ!?」
「ゴール様は貴様ら如き虫けらの相手はせん。その代わり、このキャプテン・ランバが相手になってやる。」
「そんな小さなサイズでゲッターに勝てると思っているの?」
ゲッター2は、ボアにドリルを向ける。
「おっと、動くなゲッターロボ。このメカザウルス・ボアの足元をよく見ろ。」
「何・・・・・・!?こ、これは!?」
一夏たちは、ボアの足元を見て愕然とする。足元には、原人は愚か中途半端なものもいれば猿人に見える人々がいた。それどころか周囲を見ると解剖された者や頭だけにされアルコール漬けのようになっているものが多くあった。
「フフフ・・・・ここ大雪山基地はな、人間虐殺研究所でな。いかにシドのようにしたら人間を簡単に滅ぼすことができるかを研究しているのだ。異常気象やお前たちが見たサルなどを作り出したのもこの施設よ。フフ。」
「・・・・・・あっ!あれは!?」
蘭はベアー号のモニターでモルモットにされている人間たちが入れられているカプセルを見る。
「先生!みんなも!!」
「何だって!?」
「さあ、女や子供を殺してまで先に進むかね?こんな姿でもこいつらは人間だ。この人間たちを蹴散らしてでもこのランバと戦うかね?」
「な、なんてひどいことを!」
「グハハハハ!!ここで私と戦えば当然此処の人間どもが死ぬことになるぞ!」
挑発するようにランバは言う。そんな様子を見て簪一人は黙っていた。
「・・・・・・・ぶち殺す。」
「待て、簪!まずは蘭の同級生たちとかを救出する方が先だ!!」
「何を甘いことを言っているの、一夏?あいつらは私たちの心の隙を付け込んでいるんだよ?それにあれはもう人とは言えない。」
「しかし・・・・」
「今この基地を壊さないと更に犠牲者が増えるだけだよ!一夏のお姉さんやその子の家族みたいに!!」
「待って、かんちゃん!」
束は攻撃しようとする簪を止める。
「束さんも、ここが奴らの研究所だとわかったら、壊すのが惜しくなったよ。できれば無傷で手に入れたいんだよ。それに研究所ならそれなりの重要機密も握っているからね。」
「しかし、博士・・・・・」
「その代わり一発勝負だよ。ゲッター2には奴を一息で息の根を一発で止める武器があるんだからね。」
「・・・・・あれですか?でも、失敗は許されませんよ。」
そう言うと簪はゲッター2を後ろに向けさせる。これにはキャプテン・ランバも笑わずにはいられなかった。
「イッヒヒヒヒ!大人しく引き上げろ!!人間愛とは悲しいものよの。敵を目の前にして引かねばならんのだからな!!」
ゲッター2は慎重に時を窺う。
「ワハハハッ!!まともに戦ったら、とても手におえぬゲッターが私に背を見せて逃げるぞ!!」
キャプテン・ランバは完全に油断していた。引き上げると見せかけたゲッター2はボアに向かってドリルを向ける。
「ドリルロック!」
ゲッター2の腕のドリルが飛ばされ、ボアの腹部を貫く。
「何!?」
更に動揺するランバに動かす隙を与えず、ゲッター2は残った右腕でボアの頭部を握り潰す。
「ば、バカな!?」
ランバはゲッター2に握り潰されて行く。
「こ、こんなことが・・・・・・グワアァァァァァアア!!!!」
操縦者を失ったボアは完全に機能を停止し、その場に立ち尽くす。
「やりぃ!!」
「あの、お願いします!!先生と私の友達を・・・・」
蘭が言おうとした瞬間、突然基地が崩れ始める。
「なっ!?」
基地全体が爆発しはじめ、モルモットにされた人々もそれに巻き込まれて吹き飛ばされて行く。
「まずい!早く脱出しないと!!」
ゲッター2は止むを得ず基地から脱出を開始する。
『フッハハハハ!!人間どもに我々ハチュウ人類の秘密を渡してなるものか!!』
どこかからゴールの笑い声が聞こえたがゲッターはそれに構っている時間はなかった。
ゲッター2はドリルを取り付け直すと基地から脱出していった。
夕方 五反田食堂跡地
ゲッターは基地から脱出した後、蘭の家へ向かった。しかし、そこには最早何も残っておらず燃え尽きた瓦礫が散乱しているだけだった。
「・・・・・・・・お母さん・・・・・おじいちゃん・・・・・お兄ぃ・・・・・」
蘭は、何もなくなってしまった我が家を見て立ち尽くす。
「蘭ちゃん・・・・・」
武蔵は心配そうに蘭の肩に手を置く。
「あぁあ・・・・・・・ああああああ!!!」
蘭は、友を・・・・・・・かけがえのない家族を失った悲しみのあまりに泣き叫ぶ。武蔵はそんな彼女を見て切なくなる。
その後ろでは一夏たちが立っている。
「・・・・・ねえ、ママ。あのお姉ちゃん、どうして泣いているの?」
まだ幼いミユキはよくわからなそうに束に聞くが束は何も言わずにミユキを抱きかかえて強く抱きしめた。
「ミユキちゃんもいつか経験する大事なことだよ。」
「・・・・・・・・弾。」
一夏は悔しさのあまり、拳を強く握り、血を流した。
また、失ってしまった。
姉に続いて今度は友を。
そして、助けることができなかった。
その妹の友達も。
「・・・・・・・俺は、一体何のために戦っているんだ・・・・・・」
「一夏・・・・・」
箒は何とも言えない顔で一夏の手をそっと握る。
「一夏、どちらにしても基地のことはどうしようもなかったと思う。今の医学では治療することができなかっただろうし。」
「私もかんちゃんと同じ意見だよ。モルモットにされた人たちは死なせた方がよかったのかもしれないよ。生きていたとしても苦しむだけだったし。」
「でも・・・・・・弾は・・・・・・弾は死ぬことはなかったはずだ!!」
一夏は、地面に拳を打ちつけて言う。
「帝王ゴール・・・・・・・俺は、俺は絶対にこの手で、てめえを!!」
一夏は空に向かって叫ぶ。
「絶対に許さんぞおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ゲッターにより基地を失った恐竜帝国。
だが、帝王ゴールは科学者ガリレイ長官に新たなメカザウルスを開発させる。
その頃、友の仇を討つため、そしてゲッターに惚れ込んだ武蔵が何とかパイロットになろうとする。
メカザウルスの正体とは!?
次回、インフィニット・ゲッターロボ
「誕生!驚異の生物兵器!」
さあ、君もチェーンジッ!ゲッター!!