一夏と箒は尾行者がいるのも気づかないまま、簪が在学しているという高校に到着する。
「ここが簪が通っている学校か。」
「不良校って言っていたもんだからぼろいと思っていたけど思っていたよりもきれいなんだな。」
目の前に見える校舎を見て、二人は言う。
「さて、問題はその『闇の更識校しゃ』がどこにあるかってわけだ。」
一夏は、校舎の窓が開いていることに目を付け、声をかける。
「おーい、そこの学生!『闇の更識校しゃ』ってどっちなんだ?」
一夏の声を聞いて、校舎の中にいた生徒たちは驚いた様子で二人を見る。
「な、何か私たちを注目しているぞ!?」
「こっち?ちょっと聞いただけなのにそんなに俺たち珍しいのか?」
よく見ると校舎にいるほとんどの人間が一夏と箒を見ていた。
「えっと・・・・こっちの校舎かな?」
一夏の問いに答えることなく校舎の生徒たちは怯えるように窓を閉めてしまった。その後、少しの間だけ二人は、沈黙する。
「なんだ!?ここの学生は!?礼儀って奴を知らねえのかよ!」
「一夏、そんなこと言ったらお前も言えないぞ?」
「俺はいいんだ・・・・・ん?」
箒のツッコミを他所に一夏は、反対側の廃校舎から生徒たちが重傷を負った生徒を運び出しているのに目につく。
「・・・・・なるほどな。察するにここが『闇の更識校しゃ』か。」
一夏は、廃校舎の方へと歩いて行く。
「い、一夏・・・・」
箒は、少しビビりながらもついて行く。
「なんだ貴様?」
運んでいた生徒の一人が一夏に気づく。
「雑魚には用はねえ。俺が会いてえのは更識簪って奴だ。」
「何!?」
生徒たちは一夏と箒を取り囲む。
「一夏。」
「簪に会うには、この取り巻き共を捻じ伏せなきゃならねってわけか。まあ、予定通りだな。」
「何だと貴様!」
生徒たちは、一斉に一夏に襲い掛かる。
「遅いんだよ!」
一夏は持っていた傘で生徒の一人を叩きつける。
「ぐえっ!?」
「この!」
「うわあぁぁぁあ!?」
「へぶっ!?」
もう一人の生徒が一夏を背後から襲うがこちらはガムシャラに殴り掛かった箒の一撃で倒れてしまった。
「邪魔するぜ。」
一夏たち二人は校舎の中へと入る。生徒たちが校舎の中で身構えている中、校舎の奥からひと際、異彩を放った少女がふらっと歩いてくる。
「・・・・・・」
「アンタが簪か。」
「誰だ貴様は!」
生徒たちは一夏と箒に警戒しながら言う。
「・・・・・流石は束の野郎が選んだだけのことはあっていい目つきをしていやがる。これならあの化け物どもと戦うのにぴったりだぜ。」
「貴様!」
生徒たちのことを無視して一夏は話を続ける。
「俺はある奴から頼まれてアンタを迎えに来たんだ。大人しくついてきてもらうぜ?簪さんよ。」
「「貴様!簪さんに向かって!!」」
生徒の一部が一夏に向かって襲い掛かる。
「雑魚は引っ込んでいやがれ!!」
そんな生徒たちに対して、一夏は容赦なく傘で叩き返すと一人の生徒の手に傘の先端を突き刺した。
「ぎいぃやああああぁぁぁ!?」
「アンタだっていつまでもこんなガキどもと革命ごっこでもあるまい。だまされたと思ってついて来いよ?あんたにもっとぴったりの戦場があ・・・・・」
「いいえ、そんなものは必要ないわ!」
「あぁ?」
会話の途中で割り込まれた一夏が後ろを振り向くとそこには簪と少し似た女性がいた。
「・・・・・更識楯無。」
簪は、面白くないような顔で彼女の名を言った。そんな簪に対して楯無は、護衛を引き連れて校舎の中へ入ってくる。
「更識家の連中だ!全員、武器を取れ!」
生徒たちは一斉に隠し持っていた武器を取り、構える。そんなこともお構いなしに楯無は、護衛を待機させ二人の前に来る。
「何だよてめえは!?突然割り込んできやがって。」
「やっと、見つけたわよ。簪ちゃん。前の高校を勝手に退学していたから探すのに手間がかかったわ。」
「・・・・・・何の用?」
簪は、楯無を睨みつけながら言う。
「もうお家へ帰りましょう。貴方は、こんなところにいる必要なんてないわ。」
「ふん、またあの居場所のない牢獄に私を閉じ込めておくの?」
楯無の言葉に対して、簪は冷たい態度で彼女に言い返す。
「貴方は自分が何をしようとしているのかわかるの?」
「今の社会の一部を壊すだけ。それが何か?」
「貴方は犯罪に手を染めようとしているのよ!?やめてそんなことは!」
楯無は、簪の肩に手を置く。
「私は、犯罪に手を染めるあなたを見たくないの。昔の簪ちゃんに戻って、そして、一緒にお家に帰りましょう?お父さんもお母さんもあなたのことを・・・・・」
「うるさい。」
「!?」
説得しようとする楯無の顔に向かって簪は長い爪で引っ掻こうとする。何とか避けたものの、その隙に応じて簪は彼女の腹に向かって強烈な蹴りを入れる。楯無は、後ろに吹き飛ばされて倒れる。
「お嬢様!」
近くにいた女性は慌てて楯無を起こす。
「何を言われても私は帰る気はない。あんなところに帰ってもまたあなたと比べられるだけ。」
「か、簪ちゃん・・・・・・」
「帰って、お姉ちゃん。」
「・・・・・」
「だとよ。嫌われてんな、アンタ。」
簪の冷徹な言葉に楯無は言葉を失う。簪は、再び一夏に視線を戻す。
「貴方も誰に頼まれたかは知らないけど随分この校舎で暴れてくれたのね。(私の校舎を騒がせたらタダでは済まさない・・・・)」
「・・・・・やるか?」
簪の目を見て一夏は身構える。
「俺は元々口で言うのは苦手なんでな!どうしても嫌だって言うなら力づくで連れて行くまでだ!コイツでてめえののびた体を引きずって行ってやるぜ!」
一夏は腕を振るいながら言う。
「ひっ。」
「!?」
「シャアァァァァァァ!!!」
一瞬怯えたと思いきや簪は一夏に目にも見えない速さで爪を顔に近づける。一夏は避けようとしたが、頬に僅かに掠り、血が出る。
「オリャ――――――――!!」
一夏は、再び接近する簪の顔に向かって下から蹴りを入れ、距離を取るが簪は怯まず彼の背後に回る。
「空手ね・・・・」
「何ィ!?」
「キャアァァア!!」
「くっ!?」
今度は脇腹を掠めた。
簪は更に追撃を仕掛ける。
それに対抗するために一夏は一回伏せる。
「そうはいかねえぜ!!」
逆立ちするように足を上げ、簪の腹に向かって強烈なキックを繰り出す。強烈な一撃に簪は腹を押さえながらも態勢を整えながら着地する。
「フフフ。」
「並の人間と動きが違う・・・・・・それにタフだ。俺の蹴りを喰らってるってんのに。コイツはできるぜ。」
「ひっ!ひっ!」
簪は、息を荒くしながらも一夏と向かい合う。
「コイツは一筋縄ではいかねえな・・・・・」
「お願い、簪ちゃん!もうこれい・・・・」
「簪さん!!」
「「「!?」」」
上からの悲鳴に三人は階段の方を見る。
「簪さん・・・簪さぁん・・・・・」
何と上から右腕がない生徒が助けを求めるように降りて来たのだ。生徒は倒れると簪は慌てて生徒を起こす。
「どうしたの杉山!?その腕は?」
杉山は怯え怯え簪の顔を見る。
「く、喰われちまった・・・・・・・」
「えっ?」
「明日の準備をしていたら・・・・・・化け物が窓から入ってきて・・・・・・俺の腕を喰っちまったんだアァァぁぁぁぁぁぁァ!!」
「!!誰か、コイツの止血お願い!」
簪は、杉山から手を離すと上階へと上がって行く。
「待て!簪!!」
一夏は追いかけようとする。
「もしかしたら奴らかもしれねえ・・・・・そうだ!きっと、奴らだ!!」
「簪ちゃん、どこ行くの!?」
「誰か、その二人を押さえて!!」
簪の命令で複数の生徒が一夏たちを取り押さえる。簪はその間に一人で向かって行く。
「待て、簪!てめえもやられちまうぞ・・・・・・ああ!!どけ、チンピラ共!!」
簪は一人上階の教室へと向かった。
「うっ!」
彼女の目の前に生徒の首が転がっていた。
「安田!!」
簪は恐る恐る教室の中へと入って行く。
中は、地獄絵図の如く大量の生徒の死体が転がっていた。それも無残に食い荒らされたような状態で。
「!?」
簪は教室の奥を見る。
ガリ、ガリ、くちゃくちゃ・・・・・・・
「ひっ!」
そこには翼の生えた人のような体をしたトカゲが生徒の死体を貪り食っていた。怪物は簪に気づくと喰いかけの腕を捨て、近づいてくる。
「げっ!!」
簪は、黒板の方に下がるが黒板の方から彼女が気付かないようにカメレオンのような怪人が待ち構えている。
「こりゃあ、面白いもんが見れそうだ。簪と怪物の戦いが見物だな。」
「何言ってんのよ!早く簪ちゃんを助けて!!」
教室の影では、一夏たちがこっそり見ていた。ようやく後ろに何かいると感づいた簪は、恐怖に震える。
「ひっ!ひゃあっ!げっえ、げっ!」
目の前の怪物は涎を流し、カメレオンの怪人は彼女のすぐ脇に両手を出している。
「グワアァ!」
「キャ!!」
背後から襲ってくるカメレオンの怪人の攻撃を避け、簪はその顔を掴む。
「ケ――――!!」
そして、その顔から眼玉を抉りだすと顔に容赦なく攻撃を加える。
「キィ――――――――――――――――!!」
「うわあぁ―――――――!!!」
更に襲い掛かってくる怪物に向かって、簪は攻撃中のカメレオンの怪人を投げつけ、教室の後ろにぶつけた。
「くくっ。」
「ウグ・・・・」
しかし、怪物たちは起き上がってくる。
「あ、あぁ・・・・・」
「キィ―――――――――――――――!!!!」
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
簪は、近くにあった鉄パイプを取るや怪物の口に向かって突き出す。鉄パイプは怪物の口に入るとすぐさま貫通し、先端は怪物の頭の後ろに飛び出す。
「はあ!はあ!」
「・・・・・・・(ニヤリ)」
「!?」
怪物は笑うと簪の顔に向かって両手を前に出そうとする。簪は恐怖のあまりに何も考えられなかった。
「ゲッ!?」
その時、怪物の背中に椅子が投げつけられた。怪物が振り向くとそこには一夏が拍手をしながら壁に寄りかかっていた。
「やんや、やんや。流石、簪さん。その怪物どもを始めて相手したわりにゃあ中々の戦いっぷりだったぜ。これならゲッターロボの乗組員にぴったりだ。」
「貴方、私の妹になんてこ・・・」
「だがな、こいつらを相手にするんだったら普通のやり方じゃダメだ。」
一夏が傘の持ち手のボタンを押すと先端が刃物に変化する。
「こいつら爬虫類の化け物はしぶといんでな。目玉を抉ろうが、穴を開けようが生きていやがる。そして、すぐに元通りに治っちまう。」
「クワ―――――――――――!!」
一夏が説明している間に傷が治ったのか、怪物は一夏にめがけて襲い掛かってくる。しかし、一夏は怪物の方を見るなり傘の先端を向ける。
そして
「しぶとい奴は基から絶たなきゃダメなんだぁぁ!!」
怪物の首を一瞬にして切断した。すかさず切断された胴体に突き刺し、電流を流し完全に殺す。
「簪の部下はあっさり殺せても俺たちは違うぜ!!」
「キッ、キエッ!?」
カメレオンの怪人は、状況がヤバいと判断したのか窓から飛び逃げようとする。
「おっと、逃がすもんか!箒!」
一夏は箒にビニールが取れてしまった傘を渡す。
「分かった!」
箒は、カメレオンの怪人に向かって傘を向けると持ち手のボタンを押す。
「これでも喰らえ!!」
すると、傘の骨の部分が銛状になって、発射されカメレオンの怪人の体を貫いた。
「ギッ、ギッ、ギエェェェ!!!」
カメレオンの怪人は窓から下へと堕ちて行った。
「ナイスショット!」
「流石姉さんが作った対爬虫類用の武器だな・・・。人間に向けたら絶対危ない代物だぞ・・・・。」
「まあ、こうでもしなきゃ奴らくたばらねえからな。ハハハッ。」
「・・・・・・・・」
一夏たちが笑っている中、簪の顔は冷や汗でびしょ濡れだった。
「簪、さっきの元気はどうした?顔が引きつっちゃってよ、へへ・・・・・・ん?」
一夏は簪のことを見る。よく見るとあまりの恐怖に失禁していた。
「・・・・・・・・ま、まあ無理もねえな。何せ今まで怖いものなしの不良集団の親玉だったんだからな。こんな化け物見たらだれでも腰が抜けるさ。」
一夏は、最早傘ではなくなった傘を箒から受け取ると先ほど切断した化け物の首を突き刺して見せる。
「これからは束の野郎がおめえに怪物どものことを教育してくれるよ。」
「そんな必要はないわ!簪ちゃんはこれから家に帰るの!もう、こんな化け物たちとやり合う必要なんてないの!」
簪を庇うように楯無が一夏の前に来る。
「おいおい、まだそんな甘ちゃんなことを言うのかよ?」
「こんなもの見せられて妹を『はい、どうぞ。』って渡す人間がどこにいるのよ!!それにあんなに怯えていたのに助けもしないなんて・・・・・・アンタたち人間としてどうかしているわ!」
「へえぇ・・・・・そうくるかい。でもよ、決めるのは簪だぜ?なんでてめえが決めるんだよ?」
「いいの!簪ちゃんは何も危ないことしなくて!私が代わりに・・・・・」
「それが一番やっちゃいけなかったんじゃねえのか?」
「えっ?」
一夏の言葉に楯無は思わず動揺した。
「俺にも姉貴がいた。てめえと同じように兄妹を大事にした姉貴がな。もういねえが姉貴だったらきっとこういう選択をさせるとき俺に選ばせる。だが、てめえはどうだ?簪が言う前に自分で決めようとする。それが本当に兄弟を愛していると言えるのか?そこは本人に決めさせるのが筋ってもんじゃねえのか?」
「う、うぅ・・・・」
「どういう生き方をしてきたのかは知らねえがてめえのやっていることはアイツにとっちゃかえって毒にしかならねえ。なんかの家のご当主なんだろ?だったらさっさと家に帰って仕事しな!」
「・・・・・・・」
楯無に対して一夏が言った直後、簪は先ほど落とした鉄パイプを拾って一夏に向ける。
「むっ!?てめえ!」
しかし、簪は鉄パイプを一夏の後ろへと投げた。後ろの机の山にぶつかると観察していたのか先ほどの化け物と同じものが飛び出して窓から逃げて行った。
「野郎!まだ生き残っていやがったのか!!」
一夏は窓の外を見る。上空には巨大な長い首の恐竜の頭部を二つ持った巨大な飛行物体が浮遊していた。
「こりゃあ、まずいぜ!箒、簪!急いでここから出るぞ!あんな奴が襲ってきたらこんな学校一瞬で終わりだ!」
一夏は箒の手を繋ぐと急いで教室から出る。簪は混乱している楯無を引っ張ると教室から出て行った。
グワアァァァァ!!!
ギャアオォォォォ!!!
ギギッ!!
恐竜のようなモンスターは校舎を破壊し始める。
「・・・・・・・・とうとう現れたようだね。」
少し離れたところから束が双眼鏡を見て言う。
「・・・・・束様。」
「どうやら怪物たちはゲッターロボが動くのを恐れていっくんたちを先に始末しようと考えたんだ。クーちゃん、急いでいっくんたちを助けるよ!」
「かしこまりました。」
三台の大型トレーラーが学校を目指して進む。
「いっくん、箒ちゃん、えぇっと・・・・・かんちゃん!待っててね!束さんがとっておきのプレゼントを持っていくよ!!」
トレーラーの荷台が開くと三機の戦闘機が姿を現す。
『こちら第一トレーラー、イーグル号、発進準備完了!』
『こちら第二トレーラー、ジャガー号、発進準備完了!』
『こちら第三トレーラー、ベアー号、発進準備完了!パイロット、“クロエ・クロニクル”ナンバー28を搭乗させます!』
「ゲッターロボ、発進用意!!」
「ギャアァァァ!!!!」
モンスターの攻撃により、学校は倒壊していき、落石が一夏たちを襲う!
「うわぁぁあ!?」
「一夏!」
「うっ!」
その中の一つが簪に命中する。
「簪ちゃん!」
楯無は、倒れてしまった簪に肩を貸して担いで行く。
「ヒイィ!」
「ぎゃあぁ!!」
生徒たちも次々と犠牲になり、被害は大きくなっていく。
「一夏・・・・・」
箒は、一夏に抱き付きながら言う。
「とても手に負える相手じゃねえ・・・・・・くそ!束は、何もたついているんだ!このままじゃ俺たちも奴の餌食だ。」
一方で学校を目指して走っているトレーラー。
「ベアー号、発進準備OK!」
「よし!そのままクロエさんはそのまま待ってください!」
『了解。』
戦闘機の一台が発進しようとしていた。
「風速は13メートル!」
「ゲッターエネルギー、チャージOK!」
「第一ロケット、点火!」
「発進!!」
黄色い機体色のベアー号はロケットを点火し、上空へと飛び立った。
「グルルルォォオ!!!」
「うおぉ!?」
モンスターの攻撃を一夏はどうにか避ける。
「箒、大丈夫か!?」
「何とか、でも・・・・・・・・」
箒は後ろを見せる。
「スカートの後ろが持っていかれた・・・・・」
「馬鹿野郎!?こんな時にこんなもん見せるな!!このままだとあっちの二人も含めて喰われちまう!」
そんなところへベアー号が飛んでくる。
「おっ!やっと来やがったか!」
ベアー号はミサイルを発射し、モンスターを怯ませる。
『一夏さん、聞こえますか?』
一夏の腕時計からクロエの声が聞こえる。
「その声はクロエか!?」
『まもなくゲットマシンがそちらに届きます。到着し次第、妹様と共にご搭乗してください。』
一夏は前の方を見る、前方には二台の大型トレーラーが待機していた。
「あれか!」
一夏はすぐさま箒を抱きかかえると急ぐ。
「おい、お二人さん!急いでこっちへ来い!」
四人が到着するとゲットマシン二台は既に発進準備が整えられていた。
「コイツをジャガー号に乗せるんだ!」
「私をどうするの!?」
「うるせえ!黙って言われたとおりにしろ!お前の仲間の仇打ちだ!!」
「うっ!」
一夏は所員たちと強引に簪をコックピットに乗せると機器だらけのヘルメットを被せる。
「ちょっと何するの!」
妹を訳の分からん戦闘機に乗せられて楯無は動揺する。
「いいか?てめえはこのマシンについちゃあ、ズブの素人だ。だから何もしなくていい。頭にくっつけたその電子頭脳がすべてやってくれる。ゲッターロボの動きを体で覚えるんだ。」
「い、嫌だぁ・・・・・・」
簪は怯えた声で答える。
「なんで私がこんなことをしなくちゃいけないの!?」
「うるせえ!俺もお前も束の野郎に見込まれたんだ!!運命だと思って覚悟を決めろ!」
一夏はそう言うと簪は何も言い返せなかった。
「怖いのはてめえだけじゃねえ。何度か訓練を受けた俺と箒だって怖いんだ・・・・・」
一夏はそう言うとジャガー号から降りる。
「ジャガー号を発進!ベアー号に誘導を任せろ!!」
「あっ!ちょっと!私も乗るから待ちなさい!」
「ジャガー号、発進!」
「「きゃああぁ!!」」
楯無が無理矢理乗るとジャガー号は勢いよく発進する。
「ハハハ!簪、腰抜かすなよ!怖いのはこれからだ!」
一夏は箒が待っているイーグル号に乗り込む。
「一夏、急いで!」
「わかってらぁ!イーグル号も発進だ!!」
しかし、その直後、モンスターの頭部がイーグル号を乗せたトレーラーにぶつかる。トレーラーは回転し、イーグル号も放り出された。
「うわああぁぁぁ!?」
「一夏!!」
あまりの怖さに箒は一夏にしがみついた。イーグル号は何とか上昇する。
「危ねえ、危ねえ。行くぜ、怪物よ。今までよくも好き勝手に暴れてくれたな!!たっぷり、礼をさせてもらうぜ!!そして・・・・・千冬姉の仇を討つ!!」
一方、ジャガー号は混乱状態だった。
「いやだっ!!」
「か、簪ちゃん!?」
「私は怖い・・・・・・ここから出してえぇ!!なんで私がこんなものに乗らなきゃならないの!?」
そんな簪のジャガー号にお構いなしに一夏はイーグル号でモンスターに近づく。
「よし!まずは腕試しだ!!」
イーグル号は、モンスターに向かってミサイルを発射する。しかし、モンスターは反撃するように無数のミサイルを発射してきた。イーグル号のミサイルを破壊すると残りのミサイルは、イーグル号に向かい後部に命中する。
「うわぁ!?」
イーグル号は被弾するが軽傷で済んだ。
「ひゅう~!やられたかと思ったぜ・・・・」
『いっくん!!』
「ビクッ!?」
モニターに束の姿が写る。どうやら外から連絡しているらしい。
『一人で無茶なことをしちゃダメでしょ!コックピットに当たっていたら危なかったんだよ!』
「はあぁい、すみませんでした~。」
『ゲッターロボの操縦は、チームワークなんだよ!!一人で勝手な真似をしちゃダメ!メッ!』
束が怒っている合間にモンスターは飛行をし始める。
『怪物が飛行を始めました。』
「逃げるつもりか!?」
しかし、モンスターは全身のミサイル発射口から無数のミサイルを三機に向かって発射した。
『上昇します!!』
「いや、このまま突っ込む!下手に機体の方向を変えない方がいい!」
一夏は、ミサイルを回避しながらも突き進む。
「簪、俺と合体しろ!!」
『ゲッター1への合体を開始します。』
クロエは遠隔操作用の合体ボタンを押す。
するベアー号がとジャガー号の後部に合体する。
するとジャガー号の両側面から骨組みのような物が現れると細かい装甲が展開し、巨大な腕を形成、ベアー号の後部から巨大な足が二本出現する。
イーグル号も変形し、二本の角が特徴のロボットの頭部へと変形する。
「チェーンジッ!!」
機体は上昇し、三機は合体する。するとゲットマシン三機は一体のロボットへとなった。
「ゲッタ―――――――――!!!!ワン!!」
ゲッター1は、マントを展開するとモンスターに向かって落下していく。
ついに完成したゲッターロボ。
敵を倒したのも束の間、一夏たちは真の敵「恐竜帝国」と遭遇する。
彼らの目的とは!?
そして、姉の仇を目の前にした一夏はいかに!?
次回、インフィニット・ゲッターロボ
「姉の仇!その名は恐竜帝国」
さあ、君もチェーンジッ!ゲッター!!