「行くぜ!!恐竜の化け物!!」
ゲッター1は、モンスターに向かって強烈な蹴りを入れるとすかさず恐竜の頭をもぎ取る。
「すげえぇ・・・・・・とんでもねえパワーだ・・・・」
敵を圧倒するゲッター1に一夏は歓喜する。
『一夏さん、パイロットの更識さんの精神が不安定です。一機にかたを付けてください。ゲッター1の装備は腹部のゲッタービーム砲と肩に搭載されているゲッタートマホークです。』
「わかった!」
一夏は武装のボタンを押す。するとゲッター1の肩から斧のような武器が飛び出てくる。
「うおぉぉぉぉ!!ゲッタートマホークで叩きのめしてやるぜぇ!!!」
ゲッター1はゲッタートマホークを装備するとモンスターに向かって行く。
「まずコイツはこの間の研究所の人たちの分だ!」
ゲッター1は、モンスターのブースター部分を叩き斬る。更に逃げられぬように残った方の頭部を押さえる。
「コイツは、更識の仲間の分!」
残った頭部のトマホークで切断する。最早モンスターは戦闘能力を失っていた。
「止めは・・・・・・何!?」
その瞬間、機械の頭部が飛び出して、高速で逃げて行った。
「逃がすか!」
ゲッター1は再びマントを展開し、上空へと飛ぶ。
『いっくん、奴を逃がしちゃダメだよ!』
「あぁ!奴はきっと仲間がいるはずだ!その中に千冬姉を殺した奴がきっと・・・・・・」
ゲッター1は、高速で後を追う。
ゲッター1は、逃走した敵を追い続ける。
「くそ~!逃げ足の速い奴だ。だが、逃がす気はないぜ。どこまでも追いかけて行ってやる!」
しかし、ゲッター1のスピードは少しずつではあるが落ち始めていた。
『・・・・一夏さん。』
「クロエさん?」
『先ほどからジャガー号の更識さんの体調が悪化しているようです。少し様子を見てください。』
そういうクロエの顔色も悪く見えた。
「く、クロエさん。貴方も顔色が良くないですよ?あなたの方が・・・・・」
『心配することはありません。まだ培養カプセルから出て間もないせいで体が馴染んでいないだけです。私は体がダメになっても変わりはいくらでも・・・・・ブッ!』
言いかけたとき、クロエは口から血を吐き出す。
「おいおい、クロエさんよ!大丈夫かよ!?」
「こうも体調不良の多いんじゃこれ以上追跡するのは無理だ。一旦体勢を立て直した方が・・・・・・」
箒が心配そうに言うとクロエは首を横に振る。
『いけません。やっと追い詰めたのです。連中が戻る先に何があるのかを確認しなくては・・・・・・』
「クロエさん・・・・・」
『やっと・・・・・やっと束様の願い続けていたことに近づこうとしているのです・・・・・・ご友人の仇を取るための・・・・・』
「で、でもよ・・・・・・」
『私のことよりも更識さんの方を!スピードが落ちてきています!』
一夏はモニターでジャガー号の中を確認する。
『おええぇぇぇえ!!』
『簪ちゃん!大丈夫!?』
簪は激しく嘔吐していて、楯無は彼女の背中を必死に擦っていた。
「あらあら、こっちもこのスピードには無理があったみたいだな・・・・。」
一同がそうしているうちに敵は海中へと潜った。
『敵が海中に潜りました。こちらも潜って追跡しましょう・・・・。』
「無茶言うなよ!こんな面子で行ったら大変なことになるぞ!?敵の基地なんてあったらひとたまりもないぞ!」
『構いません!急いで!』
「ったく、どうなっても知らねえからな!」
ゲッター1は勢いよく海中へと突入した。海中はかなり濁っており、視界は悪かった。
「やけに濁っていやがるな・・・・。」
「最近の環境汚染のせいでこんな沖まで汚れてしまったのか?」
『いえ、いくら何でもそれはおかしいです。』
クロエも不思議そうに言う。
『ハア・・・・ハア・・・・こ、これって・・・・・・・・古代の海?』
やっと落ち着いた簪はさりげなく言う。
海中は簪の言う通り、海中は、絶滅したはずの生物に溢れていた。
古代に生息していた巨大な原生クラゲ。
化石ではよく見られる三葉虫。
イカと貝の特徴が合わさったような姿をしたチョッカクガイ。
現代ではシーラカンス以外は化石でしか見られない数々の古代魚・・・・・。
そう、まさにかつて海中で栄えた古代の生物たちの世界が目の前に広がっているのだ。
『こ、ここまで奴らの侵略が進んでいるとは・・・・これでは束様の予測通り日本の海は全てこの姿になってしまっている。何とかしなければ世界中の海も・・・・・・・』
一夏たちが動揺していると海中の岩が動き出し、巨大な魚のような要塞がゲッター1の目の前に現れる。
「うわぁ!?なんだぁ、このバカでかい魚のバケモンは!?」
「ま、まさかこれが敵の基地じゃ・・・・・」
『一夏さん、距離を取ってください!敵が巨大すぎて今のゲッターでは力負けしてしまいます!』
要塞の目はゲッター1を睨むように光る。
「いや、待て!何かが出てくる!?」
要塞の目の前に何かが集まり一つの形へと変わっていく。
『フフフフ・・・・・・・』
やがて、その物体は巨大なコブラの胴に人の顔を付けたような怪物へとなる。
『ようこそ、一夏君、箒君、更識君、クロエ君。私は地底魔王ゴール!宇宙にある全生物の支配者だ!』
怪物は名乗りを上げる。
「「ち、地底魔王?」」
『ご、ゴール?』
『全生物の支配者?』
ゴールの発言に一同は唖然としていた。
『人類よ!武器を捨て私に従え!お前たちの繁栄の時はもう終わったのだ!!』
「なによぉ!?」
『地球は新しい時代を迎える。新しい生物の時代・・・・・・ハチュウ人類の時代が訪れるのだ!!』
「何がハチュウ人類だ!この化け物め、一気に握り潰してやるぜ!!」
ゲッター1はゴールに向かって腕を動かす。しかし、その瞬間、ゴールは崩れるように避けられてしまう。
「えい!くそ!」
『フフフフ、バカめ。サルに毛が生えたぐらいの貴様らに私を倒せるものか。』
「一体どうなっているんだ?ゲッター1の手はアイツを捕らえているはずなのに?」
箒は何度も元通りに戻るゴールを見て言う。
『おそらく、アレは本人ではなくアメーバの一種を利用して作っている映像のような物だと思います。」
『ほう、どうやら人類の中にも少しはできる奴がいるようだな。そういう輩なら我々の力の強さが理解できるだろう?』
クロエの推理に関心をしながらもゴールは態度を崩すことなく言い張る。
『あなた方の強さは理解しました。しかし、あなた方は一体何者なのですか?それにその力を以て人類に対して何をしようというのですか?』
『何をしようとだと?』
クロエの質問にゴールは反応する。
『フッハハハハハハ!!サル共に我々の行動が分かってなるものか。』
「さ、サル!?」
「てめえ!黙っていれば人のことをサル呼ばわりしやがって!てめらだってトカゲの化け物じゃねえか!!」
『我々は元々地球の先住生物なのだ。』
「「『『『せ、先住生物!?』』』」」
ゴールの発言に一同は衝撃を受ける。
『そう!貴様ら人類が誕生するはるか昔、地上は我々ハチュウ人類が一大帝国を築き上げていたのだ!気温の変化によって体内構造が変化していく爬虫類にとって、この地球は最適の星なのだ。だから我々の進化のスピードも驚異的に進んだ。人類の進化とは比べ物にならないくらいの速さでな。科学も、芸術も、急速な発展を遂げた。』
ゴールは感慨深そうに話をし始める。
「へっ、大ぼら吹きやがって!だったらどうしてその証拠が残っていない!?」
「一夏の言う通りだ!人類の歴史とてその痕跡は必ず発見される。それに比べて貴様らはどうだ?貴様らの地上にいた痕跡などどこにもないんだぞ!」
『それは宇宙線のせいじゃ!』
「宇宙線?」
『ある日突然、その宇宙線は地球に降り注いだ。太陽の黒点の変化によって生じたその未知の宇宙線は、爬虫類にとってまさに見せぬ敵だった。皮膚が弱かった我々の同族は次々とその宇宙線によって死んでいった・・・・・。生き残った我が先祖たちは科学力のすべてを注ぎ、宇宙線の届かぬ地底へと逃げ、生き延びた。だが、ほとんどのものは逃げ遅れ死んだ。しかし、どういう事かその宇宙線を浴びて進化した生物がいた。それがサルだ!つまり、貴様ら人類は我々が地下に逃げ延びている間に地上を乗っ取った侵略者なのだ!!』
「侵略者だと!?」
『地上は我々ハチュウ人類のものだ!!宇宙線に対抗できる力を手にした今、再び地上に君臨するのだ!!人類は我々に従え!さもなくば絶滅させるだけだ!!』
「言いたいことばかり言いやがって!誰がてめえらのようなトカゲ人間どもに従うか!こっちにはゲッターロボって言う強い味方がいるんだぜ!」
『何を小賢しい。そんな玩具で我々の相手になると思っていたのか?』
ゴールは傲慢な態度で言う。これには箒に制止させられている一夏でも頭にきた。
「玩具だと!?このトカゲ野郎!!てめえらの言う玩具の力がどんなものか見せてやる!!」
ゲッター1は要塞に向かって突っ込んでいく。
『うわあぁぁぁ!?』
『一夏さん、落ち着いてください!今の私たちでは分が悪すぎます!』
「うおぉぉぉぉぉ!!」
ゲッター1は要塞の口に突入すると牙にあたるところを掴み、へし折ろうとする。
『愚か者めが、貴様らの力で壊せるものか!』
要塞の牙は逆にゲッター1を噛み壊そうとする。
「ぬうぅぅ!!フルパワーだ!!」
ゲッター1は、最大出力で動くが空いている口が閉じる一方でこのままでは押し潰されるのも時間の問題だった。
『ハハハハハ!!無様なものだ!たかがそんなちっぽけな玩具で挑んだばかりに無駄死にするとはな!十年前のあのサルのことを思い出すわ!!』
「十年前!?」
ゴールの言った一言に一夏は動揺する。
『くっくくく・・・・・・冥途の土産に教えてやる。思い出せば十年前、我々が地上偵察を開始し始めたころだ。諜報員からサル共が驚異的な兵器を作ったという情報を聞いてな、近辺を偵察していたメカザウルスたちを現場に向かわせたのだ。』
ゴールは面白そうに話す。
『そう、それは空中を飛行した白い鎧を纏ったようなものだった。』
十年前 ???
「束、聞こえるか?」
『はいはい、聞こえるよちーちゃん。」
ミサイルを撃墜し終えた白騎士は帰投している中、搭乗者の千冬は束と連絡を取っていた。
「ミサイルは全て撃墜した。これより帰投する。」
『お疲れ、いやあ~ありがとうね。これでISの性能を世界に見せつけることができたよ。』
束は満足そうだった。そんな束に対して千冬は少し不満そうだった。
「しかし、あんなのでいいのか?あれではむしろ兵器としての価値観しか見られないような気がするが・・・・・」
『まあ、そこはそこで以降の機体の改良も含めながら考えるよ。白騎士は飽くまでも第一世代だからね。兵器としての一面もアピールしないと開発援助してもらえないんだよ。』
「研究するための予算を確保したかったというわけか。」
『ははは・・・・じゃあ、通信を切るね。帰還ルートは言った通りだから。』
「あぁ。」
千冬はそう言うと通信を終える。
「早く一夏の所へ帰らないとな。」
思えば、遅くても明日には帰ると伝えていたが自分以外の家族がいない一夏のことだ。きっと心配して待っているだろう。そう考えながら千冬は帰還ルートへと方向を変える。
「ん?センサーに反応?」
そのとき、白騎士のセンサーが大きな反応をキャッチした。反応しているのは明らかに飛行機などではない。
「こっちに近づいてくる!?」
白騎士は、周囲を確認する。束の情報ではこの辺りを飛行する飛行機はもういないはずだ。すると巨大な翼を持った何かが白騎士を襲った。
「な、なんだコイツは!?」
相手の正体がわからないため、白騎士はコースから大きく外れて逃走する。しかし、反応はこちらを追い続けていた。
「あの形状・・・・・明らかに生物だ。しかし、白騎士のスピードについて来れる生物なんて・・・・・・!?」
考え過ぎていたせいか千冬は目の前にある何かに気づかなかった。目の前には巨大な恐竜のような生物が口を開いて待ち構えていた。
「くっ!」
千冬は急速上昇する。恐竜は口から火を吐いて白騎士の装甲を焦がした。
「火を吐く!?有り得ん!生物が火を吐くなんて・・・・・うわあぁ!?」
そのとき、白騎士の背後から何かが飛んできて命中した。
「ミサイル!?」
被弾した白騎士はバランスを崩して落下していく。
「ミサイル迎撃の時でエネルギーを使い過ぎた・・・・・・このままでは!!」
ミサイルは次々と白騎士に命中し、残されたわずかなシールドエネルギーを削って行く。
「束!応答してくれ!こちら、白騎士!未知の敵に・・・・!!」
束と連絡を取ろうとした瞬間、何かが白騎士の体に喰いついた。その牙は白騎士の装甲を噛み砕いて、千冬の体に喰い込んだ。
「こ、こんなことが・・・・・・」
千冬は口から血を吐き出し、意識が薄れていく。
「い、一夏・・・・・・すまない・・・・・・どうやら帰れそうにない様だ・・・・・・ごめ・・・・」
千冬の体は、食い千切られた。同時に白騎士のシールドエネルギーが切れ、待機状態へ戻り千切られた右腕と共に落ちて行った。
『こちら、メカザウルス・ズー。予定通り、兵器は破壊しました。』
『ご苦労であった。バド、サキと共に帰還しろ。』
『了解。』
白騎士を襲った三体の怪物はひっそりとその場を後にした。残された千冬の右腕はその後、束が現場に来るまでの間、雨に打たれ続けていた・・・・・・・。
「・・・・・・・・そうか、てめえらが千冬姉を殺しやがったのか。」
一夏は顔を下に向けたまま言う。
『ほう、あの時のサルは貴様の姉弟だったのか。ならば、姉のところへ行けるのだから本望だろう。』
「一夏・・・・・・・」
箒は心配そうに一夏の後姿を見る。
顔を上げると一夏の顔は涙で濡れていた。
「・・・・・・・・・てめえらだけは・・・・・・・・てめえらだけは絶対に許させねえぇ!!!」
叫ぶと同時にゲッター1の目が光り、要塞の顎を開き始める。
『何!?まだそんな力が・・・・』
「許さねえぞゴール!!てめえだけは・・・・・・・てめえらだけは俺が死んでもぶっ殺してやる!!!」
ゲッター1はトマホークを出すと牙を叩き斬る。
「ゲッタ―――――――ビイィィィィィムウゥゥゥ!!!!」
ゲッター1の腹部からゲッタービーム砲が現れ、要塞に発射される。水中のせいなのか威力が弱かったが要塞は爆発し、所々が誘爆し始める。
『ば、バカな!?あんなロボットにこんな力が・・・・・』
「人間舐めるんじゃねえぇぇぇぇえええ!!!」
ゲッター1はトマホークを構えると要塞内部まで入ろうとする。
『恐るべしゲッターロボ・・・・・』
『ゴール様!このままでは我が要塞が完全に破壊されるのも時間の問題です!!』
『先ほどの攻撃でメガザウルスの発進口が破壊されました!このままでは!!』
『止むを得ん!ハリケーンを出せ!!奴が外に追い出された瞬間、撤退する!!』
要塞の中から衝撃波が放たれ、ゲッター1は要塞の外へと追い出される。
「うわあぁぁ!?」
ゲッター1は岩にぶつかる。
「あっ!いない!」
起き上がると要塞は既にそこにはいなかった。
「ゴール!!出てきやがれ!!尻尾を巻いて逃げる気か!!」
『勘違いするな!今日のところは貴様らの力を認めて引き上げるだけだ!だが、貴様ら人類に明日はない!それだけはよく覚えておけ!フハハハハハハハハ!!!!』
「ふざけるなあぁぁぁぁぁ!!!」
ゲッター1は見境なくトマホークで周辺の岩を破壊しながら探し始める。
『一夏さん、もう敵はいません。私たちも撤退を・・・・・・』
「うるせえぇ!!千冬姉の・・・・・・・千冬姉の仇がいたんだ!!」
『しかし・・・・地中に潜られたのでは追跡は・・・・』
「うぅ・・・・・・・千冬姉・・・・・・すまねえ・・・・・・・」
一夏は、悔しそうに泣く。
「一夏・・・・・・・」
そんな一夏を箒はそっと抱きしめた。
やっと見つけた姉の仇を逃がしたのだ。
一夏には、それが悔しくて悔しくて仕方がなかった。
『・・・・・・クロエさん・・・・・でしたよね?』
今まで混乱していた簪はようやく落ち着いたのか口を開いた。
『何でしょう?』
『ゲッターには地中に潜るための装備はないのですか?』
『・・・・・答えてもいいのですが答えたら乗ってくれるのですか?』
『・・・・・・』
簪は黙ってうなずく。
『簪ちゃん!?』
『私が選ばれたからにはきっと私にしかできないことがある。なら、私は進んでやる。』
『・・・・・・どうやら覚悟ができた様ですね。ゲッターは、万能にできています。しかし、現在の状態では万全ではありません。今日のところは私たちも撤退して体勢を立て直しましょう。』
ゲッター1は水中を進みながら戻って行く。
「・・・・・・」
一夏は黙って操縦する。
「・・・・・一夏、千冬さんのことは・・・・・」
「わかってるさ、さっきはつい感情が昂ぶっちまったんだ。すまねえな。」
「・・・・分かっているならいいんだ。でも、これだけは約束してくれ。」
「ん?」
「一夏の後ろにはいつも私がいる。だから、一人で背負わず私にも頼ってくれ。その・・・・・・・何でもできるわけじゃないけど。」
「フン、ありがとよ!」
敵「恐竜帝国」の存在を知り、千冬の死の真相を知った一夏。
姉の仇を討つには強大な敵を撃たねばならない!
がんばれ!一夏!
がんばれ!ゲッターロボ!!
簪を仲間に加えたゲッターチーム。
残りのメンバー一人を探そうとする中、北海道大雪山ろくの近くの村で異変が起きていた。
それを恐竜帝国の仕業と見た束は一夏たちを向かわせる。
起こった異変とは一体!?
次回、インフィニット・ゲッターロボ
「大雪山の異変」
さあ、君もチェーンジッ!ゲッター!!