武蔵のポジに合うキャラいなかった。
一夏たちゲッターチームが恐竜帝国と遭遇して一カ月。
恐竜帝国は大きな動きを見せる様子はなく、一夏たちは平穏な日常を送っていた。
早乙女研究所 一夏&箒の部屋
「一夏さん、あなた宛てにお手紙です。」
「俺宛てに?」
一夏は、クロエから手紙を受け取る。
「誰からなんだ一夏?」
「えっと・・・・・・・おぉ!北海道の弾からだ!」
一夏は懐かしそうに言う。
「えっと・・・・・誰だそれ?」
「憶えてねえか?小学校の頃、俺たちと同じクラスで赤髪の・・・・」
「あぁ!一緒に遊んでいた奴か!確か妹もいたな!」
箒も納得したかのように言う。
「久しぶりなもんだな~。なんせ、中学に上がるとき家が夜盗にが入って燃えちまったから新天地として北海道で新しく店を開くって言って別れたっきりだからな~。」
一夏は、手紙の内容を読み始める。
「え~っと、何々・・・・『よっ!一夏!元気にしているか?俺の方もいろいろ苦労しているけどようやく落ち着いたところだ。久しぶりの手紙で何だが衝撃な出来事が起きやがった。』ハハハ・・・・・弾の奴、また蘭に尻敷かれたか?」
一夏は笑いながら言う。
「一夏、さっさと続きを呼んでくれ。気になって仕方ない。」
「そう慌てるなよ。えっと、『蘭の奴に好きな人ができたんだ。』だってさ!ハハハハ・・・・・・・マジでかよ!?」
北海道 大雪山ろく
雨が降る中、一台の軽トラックが山道を走っていた。
「いやな雨だなぁ。」
運転している大柄な男性は雨が滴り落ちる窓を見ながら言う。
「全くさ、ここんところずっと降りっぱなしだもんな。」
相方の小柄な男性も皮肉そうに答える。
「しかし、大した降りじゃねえがこう連日降り続けると嫌になるぜ。」
「あぁ・・・・」
二人はそんな会話をしながらトラックを進める。
「見落とし利かねえからって事故なんか起こすなよ?」
「心配すんなって。めったに人が通らねえ大雪山だ。逆に事故を起こす方が難しいもんだってんだ。」
「そりゃあそうだな、アハハハハハ。」
「次の配達で今日の仕事も終わりだ。えっと、次の届け先は『五反田』・・・・あぁ!!」
次の届け先を確認しようとしたところ、目の前に何かが飛び出してきた。
「危ねえ!!」
トラックは急ブレーキをかける。突然の急ブレーキと雨水で滑りやすくなっていた道ではあったがどうにか止まった。
「ばっきゃろ~!死にてえのか・・・・・・えっ!?」
頭にきた運転手は、飛び出してきた者に文句を言おうとしたがその直前、目の前にいたものに唖然とした。
「はっ、はっ、はっ。」
目の前にいたのは人というよりもサル・・・・・・と言うかどっちでもないような存在だった。
「ヒイィ!?」
「な、なんだ!?ありゃあ!?」
思わず二人は、体を寄せあいながら人(?)を見る。一応服を着ているのだから人間だったというのは確かだ。体つきは人間というよりもサルかゴリラに近く見える。
「た、た、す・・・・・・」
人(?)はゆっくりとトラックに近づいてくる。二人の男はその姿をガタガタ震えながら見る。
「たす、けて・・・・・」
「「ヒィ!!」」
「助けて!」
そう叫ぶと人(?)は目の前で倒れてしまった。
「ふう!・・・・今なんか言ったぜ?助けてくれとか?」
「人間なのか?」
二人は落ち着くと外に出て倒れた人(?)を見る。しかし、どう見ても人間には見えない。
「サルみたいだぜ?」
「でも、今言葉を話した・・・・・ん?」
小柄の男が人(?)の目の前に落ちている手帳を拾う。
「身分証明書だ。」
「どれどれ・・・・・」
二人は身分証明書を見る。確認する限りだとこの人(?)はここから近い分校の教師らしい。
「先生だとよ。」
「なんだ、最近のへき地の分校ではサルが先生をやっとるのか?」
「んなこと知るか。」
二人は倒れている人(?)を見る。
「とりあえず、近くの病院に連れて行こう。」
「それにしても本当に気味が悪いな。」
二人はひとまず近くの町の病院へと運ぶ。
病院に運び終えると二人は警察にこのことを報告、警察はその町の様子を確認するため、重要参考人である二人に警官二人を同行させ、町へと向かわせた。
丁度二日前、その村の近くにある登山のハイキングコースへ下見に行っていた中学の女子生徒数人が教師と共に行方不明になっていた。
大雪山ろく 近くの村
「ダメです。分校の方は愚か、村の至る所にも猫の子一匹確認できません。」
雨が降り続ける中、二人の内の若い警官が報告する。
「本当に誰もいなかったのかね?」
「はい、電話線も電線もみんな切れてしまっています。村の入り口方面も土砂が崩れて塞がれています。完全に孤立状態です。」
若い警官の報告を聞き、中年の眼鏡をかけた警官は首を傾げた。
「んん・・・・・全く、どうしたというんだ?この村は。北海道では生えないはずの熱帯植物は生えているわ、いくら人口が少ないとはいえ住民は一人もいなくなるわで。」
彼が言うのはもっともだった。この村には何故か各住宅の床や屋根を突き破り、北海道では生えないはずの熱帯植物が生えていてまるでジャングルと化していたのだ。
「この村の荒れようではただ事ではありませんよ?ここは本署に応援を頼んでもっと詳しい調査をした方がええではないでしょうか?」
「うむ、そうしてくれ。長年いろんな事件にかかわってきたがこんな事態では説明がつかん。」
そう言われると若い警官は、少し離れたところに停めたパトカーへと走って行く。周辺がジャングルと化しているため行くのも一苦労だった。
「へえ、へえ・・・・。参ったな。」
若い警官は早速通信機で連絡を取り始める。
その背後で何かが近づいていることも気づかずに。
「あっ、はい。そうです。そういう訳なんです。」
その何かはふらりと木から飛び降りる。
「では、手配の方をよろしくおね・・・・・がっ!?」
若い警官は背後から何かに叩かれ、意識が途絶えた。
そして、随分経った頃
「遅いですね、あのお巡りさん。」
需要参考人として同行していたトラックの運転手二人組は、若い警官が歩いて行った方角を見ながら言う。
「う~ん、もう戻ってきてもいいはずなんだがな・・・・」
中年の警官も流石におかしいと思いながら答える。
「あの・・・・」
「なんだね?」
「わしら重要参考人はもう帰ってもええでしょうか?」
「・・・・うむ。構わんよ。」
中年の警官がそう言うと二人は去ろうとする。
「気をつけてな。」
「「はい。」」
そのとき、何かが近くの家の屋根から飛び降りた。
「「ぎゃあぁ!!」」
二人は瞬く間に警官の前で惨殺された。目の前に現れた存在に警官も度肝を抜かれる。
「ひゃあぁ!!何だこいつらは!?」
目の前に現れたのは人よりも巨大なサルのような物だった。ここで詳しい学者がいれば恐らく原人とでも言うだろう。
警官は腰に付けている警棒で原人を追い払おうとするが背後からも仲間が現れ、首から噛みつかれ、喰いちぎられる。
「うわあぁぁぁ!!!」
原人たちは、三人を喰いちぎって惨殺し終えるとサルの如くその場を去って行った。
その様子を少し離れた雑木林から二つの人影が見ていた。一人は大量の荷物が入ったリュックサックを背負った大柄な少年でもう一人は、所々が破けてしまった制服を着た赤髪の少女だった。
「なんだ、こりゃあ?」
少年は、原人たちの行動を終始見たうえで答えた。
「一昨日に蘭ちゃんがボロボロの格好で俺んところに来て、帰すのとついでに買い足しで近くの村に来てみりゃあこの様だ。驚いたぜ、北海道で熱帯とはよ・・・・・・」
武蔵のすぐ隣にいる蘭と呼ばれた少女は、震えながら武蔵の手を掴んでいた。それに気づくと武蔵は蘭を落ち着かせるように言う。
「蘭ちゃん、心配すんなよ。俺がちゃんと家まで送り届けてやっからよ。五反田の奴もきっと心配しているからな。」
「は、はい。」
蘭は、震えた声で返事をした。余程のことがあったのだろう。
二人は、別の町を目指して歩き始める。
「とにかく一刻もみんなにこのことを知らせた方がよさそうだ。」
武蔵は蘭が離れないようにしっかりと手を握る。
「ん?」
茂みから物音がし始めた。それもかなりの数で。
「せ、先輩・・・・・・・」
蘭は、泣き顔で後ろを振り向くと数人の原人たちが木の棒を持って二人に襲い掛かってきた。
「あっ!」
武蔵が叫んだと同時に原人の木の棒が彼の頭に命中した。
「武蔵先輩!!」
蘭は思わず武蔵の顔を見るが驚いていたのは原人たちの方だった。
武蔵の頭が頑丈だったのか木の棒は逆に真っ二つに折れてしまったのだ。
「この野郎!蘭ちゃんを怖がらせやがって!!」
武蔵は原人の一人を捕まえると振り回して高く放り投げる。
「伊達に半年も大雪山に籠って体を鍛えたんじゃねえぞ!!」
原人は地面に落下すると目を回した。
「東葉高校、柔道部主将。巴武蔵を舐めるな!!必殺技大雪山おろしを見せてやるから覚悟しやがれ!!!」
早乙女研究所
「おい、簪。なんだよ、このなんか気が抜けたような女は?」
一夏はイーグル号を整備しながら聞く。簪の脇にはなんか抜けている様な少女がくっついていた。
「・・・・・・・・私の専属のメイド。別の意味で言えば私の幼馴染。」
「初めまして~。私は布仏本音といいまぁ~す。気軽にのほほんさんと言ってもいいよ~。」
本音と名乗った少女はどうもいまいち気が抜けたような挨拶をする。
「ま、まさかそいつをゲットマシンに乗せるつもりじゃ・・・・・・」
「本音はこう見えてメカニック関係の仕事には強いの。だから、お姉ちゃんからお目付け役兼メカニック担当として呼び戻した。」
「いや~かんちゃんが私を追い出した時はもう駄目だと思ったけど本当によかったよ~。危ない集団から抜けてくれて。」
「まあ、こっちは別な意味で危ないけどな。」
「何言ってんのよ。私たちがやることは世界を守ることにもなるのよ?」
ミチルにツッコまれながらも一夏は、イーグルの整備に戻る。
そこへ束が子供をおんぶしてやってきた。
「いっく~ん。ちょっといいかな?」
「ん?」
一夏は、イーグル号の下から顔を出す。
「なんすか?」
「イーグル号の整備が終わったら箒ちゃんと一緒に北海道に飛んで行ってくれない?」
「北海道?どうしていきなり?」
「実は、奇妙な情報が入ってね・・・・・・・・・こらこら、ミユキちゃん。ママが持っている紙引っ張っちゃダメ。」
「やだぁ~。」
「後で遊んであげるから、ね?」
ミユキの悪戯に手を焼きながらも束は話を続ける。
「北海道で人間とサルの中間の人種・・・・・簡単に言えば北京原人みたいな奴かな?詳しいことはわからないんだけど解剖を担当した医者がまるで人間が退化した姿だって言っていたんだよ。」
「なんだって!?」
一夏は思わず動揺する。
「私が行く。」
「あら、簪ちゃんじゃまだ無理があるわ。私が・・・・・」
「ミチルちゃんはコマンドマシンのテスト飛行。」
「あらら・・・・・・」
束に言われてミチルは思わず滑る。
「わかった。行けばいいんだろう?」
「うん、もしかしたらあの『恐竜帝国』の作戦かもしれないからね。気をつけてね。」
「あぁ、それよりも束さんはミユキちゃんの遊び相手をちゃんとやっておいた方がいいぜ?ここんところ部屋に籠りっぱなしだったから所長室の壁がミユキちゃんの落書きだらけになっちまっているって清掃員が嘆いていたぜ?」
「いいの!大事なミユキちゃんの力作の数々なんだから!」
「ママー。」
ミユキは、小さな手で束の白衣の端っこを引っ張る。
「何~?ミユキちゃん?」
「キョウリューテートクって何?」
「う~んとね、テレビに出てくる強いお姉さんたちの上の偉い人の一人だよ~。」
「そーなんだー。」
ミユキは納得したかのように言う。
「・・・・・・・姉さん。それ、きっと違う。」
その後、イーグル号は、一夏と箒を乗せて北海道を目指して発進していった。
「・・・・・・・何事もなければいいが。」
北海道大雪山に到着したイーグル号。
しかし、そこは既に恐竜帝国の秘密基地となっていた!
敵の攻撃に撃ち落されたイーグル号。
果たして一夏と箒の運命はいかに。
次回、インフィニット・ゲッターロボ
「大雪山の地獄」
さあ、君もチェーンジッ!ゲッター!!