個性:空間転移   作:白桜兎

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ヨロシャス(0ω0)!


最初の一歩

ちょっと前では考えられなかった、超能力とも呼べる力である「個性」が一般的となった現代。

公務員として「英雄(ヒーロー)」と呼ばれる存在が生まれた。

既存の警察機構では対応できなくなってしまった、個性を使う犯罪者が生まれてしまったためである。

人々は個性を使う犯罪者を「(ヴィラン)」と呼んだ。

 

 

 

Age3

 

「ハーッハッハッハ!もう大丈夫!何故って?私が来た!」

 

夕焼けに染まる都会の一角、日本一高い電波塔のてっぺん。立ち入り禁止区域もいいところであるそんな場所に一人の大男……と、年端もいかない子供がいた。

 

「うわああああああああん!」

 

大人一人がそこにいるだけのスペースしかなく、命綱の一切もない。決して子供がいていい場所ではない。

子供はしゃがみ込んで泣き止まず、そこにいる大男の声も聞こえていない。

なぜこんな場所に子供がいるのか。それは個性の発現に伴う能力の暴走。

親と一緒に電波塔の観光に来ていた子供に移動系の能力が発現してしまったのである。

 

眼下の景色に興奮してはしゃいでいた子供が急に消えてしまったと、子供の親がスタッフに訴えた。そしてスタッフが監視カメラを確認していたところ、てっぺんが範囲ぎりぎり映るところにあったカメラが、泣いている子供の映像を捉えた。そして偶然騒ぎを聞きつけたヒーローが、子供の救出に向かったわけである。

 

「よーしよし、怖かったな!でももう大丈夫だぞ!」

 

大丈夫、その言葉を繰り返しながら、ヒョイと子供を抱き上げる大男(ヒーロー)

 

「うえええええええ!うええええぇぇ・・・えぅん・・・ぐすっ」

 

移動中に暴れられてしまうと困るため、その場でヒーローがあやし続けた甲斐あって、子供はじきに泣き止んだ。

 

「うん!いい子だ!さて、君はどうしてこんなところに来ちゃったのかな?」

 

腕の中の子供に微笑みながら子供に話しかける。

個性は発動系、変形系、異形系の3つに分かれており、異形系以外の二つは使おうという意思に反応して発動する。そして移動系の能力は、意思によって発動する発動系に入るだろう。ヒーローは、どんな思いで子供がここまで来てしまったのかをなんとなく聞いた。

 

「ぐすっ・・・えっとね、てんぼーだいでね、下を見てたの。でね、ぼくね、もっとね、高いところから見たらどんなかなって思ったらね、ここにいたの」

 

つっかえつっかえ、子供らしい言い方で説明する。

 

「ハッハッハ!なるほど!もっと高いところからの景色が見たかったのか!それなら見たまえ、これが君の見たがった景色だ!」

 

腕を揺すり、子供に周りを見るように促す。

 

「・・・わぁ、すごい!ちょー遠くまで見えるよ!」

 

「うむ、私も初めて来たが、なかなかいい眺めだな。・・・さて、そろそろお父さんとお母さんのところに戻ろうな!きっと心配しているぞ!」

 

「うん!」

 

 

 

「「シュン!」」

 

子供の両親が、展望室に戻ってきた二人に駆け寄る。

 

「お父さん、お母さん!」

 

ヒーローの腕の中で子供が両親を呼ぶ。子供が浮かべる笑顔に、両親は安堵した。あぁ、無事でよかった、と。

 

「あっはっは!そういえば名前を聞いていなかったね!落ち着かせるための手だというのにうっかりしていたよ!シュン君だね、さぁご両親、シュン君をお返ししましょう、大丈夫、元気なもんですよ!」

 

「ありがとうございます、オールマイト!」

 

「いえいえ、当然のことをしたまでです、困ってる人を助けてこそのヒーロですからね!」

 

「おじさんオールマイトっていうんだ!助けてくれてありがとう!」

 

「そうさ、私の名前はオールマイト、ヒーロだよ、応援よろしくな、シュン君!」

 

そういって、ヒーローオールマイトは母親の腕の中に移動した子供、シュンの頭をやさしく撫でる。

 

「うん、ぼくオールマイト応援する!ねーオールマイト、ぼくもヒーローになれるかな!」

 

「あぁ、たぶん君の個性は移動系だろうからね。きっと、なれるさ!」

 

「じゃあ、ぼくも大きくなったらヒーローになる!」

 

「なら、私はその時を楽しみに待っているよ。ただ・・・」

 

オールマイトは言うべきか、言わないべきか、子供に対する言葉を選び、思案する。

 

「・・・うむ、ただ、一つだけ覚えておいて欲しい。今はわからなくてもいい。個性の使い方を間違えてはいけないよ、それだけ、覚えておいてくれ!」

 

「うん、わかった、ぼく忘れないよ!」

 

「あぁ、オールマイトとの約束だぞ!ではシュン君、今度は画面越しに、また会おう!さらばだ!」

 

最後にシュンにサムズアップをし、颯爽とオールマイトが走り去る。展望エレベーターは使わずに、階段を使って。

 

「本物のオールマイト、かっけーなぁ」

 

「私も初めて本物見たわ。よかったわね、シュン、オールマイトに助けて貰えて」

 

「まったく、危ない目にあったとはいえ、ちょっと羨ましいな。それはともかく、だ。今度またソラがどっか行っちゃわないように、うちに帰ったら個性の練習しないとな」

 

「ほんとに、心配したんだからね、シュン」

 

「うん、ぼく頑張って個性練習する!」

 

両親は笑顔で子供を撫で、子供も笑顔でそれを享受する。一人のヒーローによって守られた家族の笑顔。ヒーローに助けられた子供は、助けてくれたヒーローに憧れ、ヒーローを目指す。

 

これはヒーローを目指す一人の少年、空間・瞬(くうま・しゅん)の、初めの物語。

 




短すぎて笑える。
読みにくいけど、これからもよろしくお願いします。
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