俺達はヒーローになれなかった。   作:名は体を表す

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「あー今日も暇だなー。なんか面白い小説ないかなー」←二次創作者の屑
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最近は何でもあるんすねぇ(遠い目


俺達はヒーローじゃない。

 

 午前6時23分

 

 外に鳴り響く爆音に叩き起こされ起床。

 カーテンを開け、防護ガラス越しにお天道さんの寝起き顔を拝んでやろうと思ったが、真っ黒な雲に覆われて見えやしない。

 締めきった窓から外を見れば、眼下にはモビルスーツの様な物がガッシャガッシャと歩き、自転車サイズの戦車が並んで道を行った。

 

 ああ、今日も良い日だ。

 

 今の時間なら、辛うじて残っている無線局があちらこちらの『世界』を観測し、視聴者に()の情報を届けているだろう。マスゴミとか言ってごめんなさい。

 

 ふと、目を閉じて息を吸い込む。どこからか火薬の匂いがする。

 

 実に、良い日だ。

 

 

 

 

 社会という『枠』が崩壊し、世界が終わりに向かって行っている。何もかもが最悪へと転がり落ちていく。そんな世の中で、()()()()()()()()()()()()()()()だけで、今日は良い日なのだから。

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 少し前までは「なんに使えばいいんだ」と思う程に余っていた大金全てを使って手に入れた『核シェルター』の住み心地は快適と言えよう。

 都心の一軒家程度の広さは最初、無駄に広いな。と思っていたがいざ実際に使ってみると、成程中々ストレスフリーだった。予め家具類を入れておいたのが功を奏し、あらゆる最新保護機能がシェルター内部を守る。エーテルの風だってへっちゃら。

 

 ……さて、現実逃避はここまでにして。何故俺がこんなシェルターに居るのかの説明をしなければならないな。

 始まりは……きっと、色々な要因があった。だが、あえて一つ。全ての始まりの出来事を言うとすれば。

 

 『魔神』と呼ばれたヴィランの登場。

 

 元々中東のどっかに潜んでいたらしい、『超人社会黎明期の悪魔』と括られるヴィランだった。”個性”が人類に発現し、世界がパニックに陥っていた頃に自らの欲望を満たすため、世界をグチャグチャに掻きまわしていった人間(ヴィラン)だったそうだ。そいつその物か、そのヴィランの二世かは分からんが、とにかくそいつはその悪魔的”個性”を持って日本にやってきて、その”悪意(個性)”を存分に振るった。

 

 個性:新人類創造

 

 その”個性”は、余りにも人間離れしていた。人の身でありながら、正に神の所業であった。ひらりと手を翳せば、そこから人間(バケモノ)が生まれ出てくる。そしてその人間(バケモノ)は”個性”を持っていた。

 火を吹く人間(バケモノ)。雷を操る人間(バケモノ)。身体を流体に変える人間(バケモノ)。筋肉量が異常な人間(バケモノ)。ありと、あらゆる人間(バケモノ)を創造し、日本を蹂躙していった。

 日本のヒーロー達や警察も黙って見ている訳では無かった。だが、圧倒的物量に押し潰され、残った()()()()()()()はオールマイトを筆頭に、もう数えるほどしか居なかった。

 だが日本はまだ潰れていない。

 圧倒的物量には、圧倒的物量をぶつけるしかない。

 『魔神』の居る所に現れたのは、()()()()()()()と呼ばれる者達だった。

 それは、ただの学生だった。

 それは、ただの会社人だった。

 それは、ただの老人だった。

 それは、ただの主婦だった。

 かれらは、ただの人間だった。

 唯一、普通の人とは違うのは、全身をサポートアイテムで包んでいた事だった。

 

 武力には武力を。

 数には数を。

 速度には速度を。

 悪意には正義を。

 恐怖には勇気を。

 

 彼らはただ、日常を守る為にその勇気ある一歩を踏み出した。

 

 だが、話はそれで終わらない。話は今も続いている。話は、いつまでも続いている。

 

 今日も、誰かが死んだ。これは世界の何処かの話じゃない。

 今日も、誰かが死んだ。これは自分の知らない誰かの話じゃない。

 今日も、誰かが死んだ。これは常に身近にある話。

 今日も、誰かが死んだ。これは常に名前の知っている話。

 

 今日も、『誰か』が死んだ。

 

 『誰か』は、貴方の上司かもしれない。

 『誰か』は、貴方の部下かもしれない。

 『誰か』は、貴方の隣人かもしれない。

 『誰か』は、貴方の友人かもしれない。

 『誰か』は、貴方の両親かもしれない。

 『誰か』は、貴方の兄弟かもしれない。

 『誰か』は、貴方の恋人かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『誰か』は、貴方自身かもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は、ヒーロー(英雄)じゃない。漫画みたいに、勧善懲悪の主人公なんかじゃない。奪われたら、奪いかえすような格好いいヒール(悪役)じゃない。誰かを守る為に世界に立ち向かうようなブレイブ(勇者)じゃない。

 俺達は、ただのモブ(弱者)。斬って、掃いて捨てられるだけの、ただの背景。

 だから、何を奪われても憤慨してはいけない。何をされても立ち向かってはいけない。何を失っても決意してはいけない。

 

 

 恋人(残った全て)を奪われても、こうして部屋の隅に蹲っているのが正しい在り方の、ただのモブ(弱者)なのだから。

 

 

 結局俺は、友よりも、親よりも、兄弟よりも、恋人よりも。

 自分の事しか頭に無いモブ(弱者)でしか無かった。

 写真や指輪(記録)も、家や言葉(記憶)も、何もかもを失っても、何の価値も無い自分の命一つ守る為にこんなシェルターに籠っているだけ。

 なんで、俺は生きているんだろう。

 涙も枯れ果てた目は、がらんどうな中身そのもので。

 社会が崩れたその日に、どうして恋人と共に死ななかったのかを後悔し続ける。

 

 死ぬまで、永遠に。

 






さて、最終章が始まりましたわよ。
今までのヒーロー候補、極悪ヴィラン、全員集合ですわ。
何時ぞやの感想返信の嘘ネタバレが嘘じゃなくなってキマシタワー。


本編と前書き後書きの温度差が酷い?風邪にはお気をつけあそばせ(インフル感
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