俺達はヒーローになれなかった。   作:名は体を表す

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アル中じゃヒーローになれない。

 

道を間違えたのはいつだろう。

 

雄英の入試に落ちた時だろうか。

 

家の近くってだけで無名中学に進学した時だろうか。

 

両親が死んで親戚の家をたらい回しにされた結果、小学生にして一人暮らしを始めた時だろうか。

 

 

こんな個性を持って生まれた時だろうか。

 

 

社会は理不尽だ。

 

現実は不公平だ。

 

未来は不透明だ。

 

いつだって、ソレを乗り越えられるだけのチカラを持たない者は世界から弾かれる。

 

それが

 

 

(よわい)15歳にして、酒を飲みながら適当に考えた社会の現実である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい呑兵衛(のんべえ)。お前模試判定どうだった?」

「あー・・・B判定だった。」

「マジか!!だったらマジで雄英ワンチャンあるんじゃね!?」

「えー宵執(よいどれ)君雄英受けんの!?」

過去の記憶。辛うじてヒーローに憧れを抱いていた時の記憶。

 

「ギャハハ!試験会場に缶ビール持って来てるアホが居るぜ!」

「馬鹿じゃねえのお前!未成年で酒飲むとかヒーロー以前に終わってるじゃねえか!」

ヒーロー志望という名の暴力振るいたいだけのクズ。

 

「ごめんなさい、私がヒーローになる為に踏み台となってください!」

「ふざけるな!こんな妨害行為が許されるか!雄英が黙ってる訳が・・・!」

「で、でもどうせ貴男も記念受験組でしょう?だったらせめて私の為になってくださいよ!『他の人と一緒に私の為に働いてください!』」

目的の為に手段と犠牲を厭わないクズ。

 

「・・・なにも、出来なかった。」

『やあ宵執君。その様子だと試験はイマイチだったようだネ!』

「っ!うるせえ!」

『そう邪険にすんなヨ!ボクと宵執君の仲じゃないカ!』

「テメエなんかと仲良くなったつもりはねえよ!」

『おいおい。君みたいなカワイイ男の子が今まで無事に暮らせてたのはボクが影からずぅぅっと見守ってたからなんだヨ!』

「テメエがずっと付け回してるだけじゃねえかクソヴィラン!」

『YESヴィラン!!でもサ、今日の事でヒーローなんてモノに幻滅したんじゃない?』

「ふざけるな!誰が・・・」

『試験中もずぅぅっと見守ってたのに雄英の奴らだぁれもボクに気が付かなかったみたいだし!』

「っ!!」

『こうしてホラ!か弱い一般中学生がヴィランに絡まれてるのに、ヒーローは助けになんか来てくれないし!』

「・・・」

『君をバカにした男子中学生二人も、君を利用した女子中学生も、()()()()()()()()()()()()ってのにヒーロー共は動かないし!』

「っ!?お、お前っ…!!」

『アッハハ~!雄英の試験に行った子供が帰ってこないって分かった親はどう思うんだろうねェェ!!』

『でもヒーローって所詮ただの人間なんだよねェェ!!通報も無いのに行方不明になってる子供の事なんて分かんないよねェェ!!』

『ねえねえどんな気持ち!!君の事をバカにしたクズが!君を踏み台にしたロクデナシが!今どんな惨い事になってるか想像した気持ちを教えてヨ!!』

「ふ、ざけるな・・・お、俺は・・・」

この時の気持ちはぐちゃぐちゃで。

 

凄く、嬉しかったんだ。

 

「俺は・・・おれ・・・は・・・」

俺を見てくれているという気持ち。

俺を守ってくれたという気持ち。

 

ヒーローじゃない。大量殺人鬼のコイツだけが俺を分かって(救って)くれる気持ち。

 

この時の俺はきっと、笑っていたんだろう。

 

『・・・そう泣かないでくれヨ、思わず欲情しちゃうじゃないカ。』ペロペロ

「っ!??や、止めろ汚ぇな!」

『宵執君の涙おいしーネ!どんな高級ワインよりも芳醇な味だヨ!』

「ふざけんな・・・!死ねっ!」

『死なん!おっほほほ、そんな腰の入ってないパンチじゃ骨も砕けんヨ!』

 

『ねえ宵執君、良い機会だろウ?ヒーローを目指すのは、もう止めにしようヨ。』

『君が目指す絶対の正義なんてモノ、そんな物はマヤカシなのサ。』

『ボクを御覧よ。たった一回のミスで此処まで堕ちちゃったんだから。ヒーローなんて結局は人気取りの商売でしかないノ。だから・・・』

 

「・・・ああ、そうだな。」

 

「・・・ふぇ?」

「俺が目指した英雄(ヒーロー)なんて、結局は手の届かない幻だったんだろう。」

「・・・え、つまり?」

「俺は、例え社会からどう思われようがやりたい様にやる。その結果、ヴィランと呼ばれようとも・・・な。」

「っ!そ、それって!」

「・・・お前、口調が素に戻ってるぞ・・・。」

「あ!ん、ん”ん”っ!!」

 

『ふっふふふフ!ついに君もコッチの世界を歩んでくれる気になったカ!苦節10年!漸く君を悪の世界へ引きずり込めたヨ!今日は祝い酒だネ!早速君のおてぃんてぃんから直接お酒を・・・』

「ふざけんな!止めろ!死ねアル中(アルコール中毒者)!!」

「NO!!止めないよアル中(アルコール中学生)!!」

 

 

道を間違えたのはいつだろう。

 

こんな個性を持ったせいで、変な奴に目を付けられた時だろうか。

 

小学生の一人暮らしのせいで、家に簡単に忍び込まれたときだろうか。

 

両親を殺したヴィランを変な奴が縛った状態で俺の前に放り投げた時だろうか。

 

 

復讐の為に変な奴から渡された()()()()()()()()()を、正しい用途で使った時だろうか。

 

 

社会は理不尽だ。

 

現実は不公平だ。

 

未来は不透明だ。

 

いつだって、ソレを乗り越えられるだけのチカラを持たない者は世界から弾かれる。

 

ならば、変えよう。

 

俺のような理不尽に遭う者が生まれぬように、社会を変えよう。

 

不公平に嘆く者が現れぬように、現実を変えよう。

 

不透明な未来に絶望する者が無くなるよう、未来を変えよう。

 

世界を守るヒーローはもう、要らない。

 

世界を変えるナニカが、必要だ。

 

その為ならば(ヴィラン)にだってなってやろう。

 

景気づけに、とても苦いビールを呑んだ。

 

 

 

 

これは一人の少年

宵執(よいどれ)呑兵衛(のんべえ)』が敵名(ヴィランネーム)『酒呑童子』と呼ばれ

堕ちた英雄『コークハイ・ガール』と共に世界に革命を起こす。

 

そんな、物語。

 




宵執(よいどれ)呑兵衛(のんべえ)

15歳 男

個性:アルコール体質

 お酒を飲むと色々パワーアップする個性。その代わりアルコールが無いと生きられない。
 お酒を飲む事で様々な強化がされる。強化されるものは呑んだお酒の種類によって変わる。ビールを呑んだら筋力10倍。ワインだったら五感超強化等。
 ただし体質的に、水の様にお酒が必要な身体に変わってるので未成年飲酒で補導されることが間々あった。そして体液が極上のお酒になるので変な人に(以下略


おさけおいしいれす^p^
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