【Part.1~とあるチャットルームにて~】
不滅の刃:
DVDで全試合を拝見させていただきました。
貴殿の豪快な剣さばきに、不覚にもときめいています。
機会があれば是非一度、お手合わせ願いたいです。
大剣の刃風:
>ときめいています。
やだ、恥ずかしい!(///∇///)
私も不滅の刃さんの試合見ましたよー(^o^)ノ
聖剣二刀流スッゴい素敵でした!(^^)b
問答無用の破壊力はやっぱり最高ですよね!(*`・ω・´)
不滅の刃:
技は力の中に有り。何はなくともやはりパワー、破壊力がなければスピードもテクニックも活きないと愚考しています。
しかし、
短所を埋めようとして中途半端になるよりは、思いきって長所を磨いた方がまだ戦力として通用すると思うのですが……。
大剣の刃風:
私も超同感ですー!O(≧∇≦)O
フルメンバーで15人いて、一人で駒複数消費する奴なんて滅多にいないんだし、もっとチーム内でバリエーション増やすべきですよね!
でもカウンター系の能力とか相手には、やっぱり分が悪いですよね、私たち……(´・ω・`)
不滅の刃:
私も覚えがあります。
そこは他の仲間に任せるか、いっその事能力ごと叩き斬るかですね。
先手必勝、斬られる前に斬れ。
これこそが我々パワー系剣士の本領でありましょう。
大剣の刃風:
不滅の刃さん、素敵! 抱いて!ヾ(o≧∀≦o)ノ゙
ところで、今度私たちのチーム同士で試合が決まったそうですよ?
不滅の刃:
はい。既に連絡が来ています。
ルールやフィールドのロケーションなど、細かい部分までは聞いておりませんが、もしもぶつかる事となった暁には、正々堂々、良い試合をしましょう。
宿題を片付けねばなりませんので、本日はこれにて落ちます。
お休みなさいませ。
大剣の刃風:
はい、その時はこちらこそよろしくお願いします!(^o^ゞ
負けませんよ~、フッフッフッ……( ̄ー+ ̄)ニヤリ
お休みなさ~い♪
宿題頑張れ~!q(*・ω・*)pファイト!
【Part.2~ゼノヴィア~】
試合当日。
ゼノヴィアは戦闘服を身にまとい、聖剣デュランダルを手に、一人佇んでいた。場所は駒王学園を模したバトルフィールド内、体育館屋上。
足下に踏み締める屋根の下では、一誠と小猫がフェニックス眷属を迎え撃っている。耳元に開かれた通信用の魔法陣から、音声のみではあるが戦況が伝わってきた。
体育館内部では、小猫が幻術を用いて自分と一誠の分身を無数に生み出していた。
どれが本物でどれが偽物か、見分けがつかない。イルとネルの双子姉妹、そして
だが、小猫は幻術に加えてもう一つの術も行使していた。それは隠形術。自分と一誠の姿を敵からは見えなくして、体育館の扉にまでコッソリと下がる。
一誠が通信用の魔法陣で、ゼノヴィアに合図を送った。
「今だ、ゼノヴィア!」
瞬間、彼女はデュランダルを無造作に複数回振った! 閃光が縦横無尽に軌跡を残して……体育館の屋根に真っ直ぐな切れ目が走る! そして轟音と共に崩れ落ちた!
一誠と小猫はすぐさま外へと避難。幻影に囲まれて体育館中央に陣取っていた四人は、雪崩落ちる瓦礫の下敷きとなった。
『ライザー・フェニックス様の
グレイフィアのアナウンスが響いた。
【Part.3~シーリス~】
フェニックス眷属が拠点としているのは、新校舎の生徒会室である。そこを目指して一誠と小猫は走っていた。途中で祐斗も合流する。
『ライザー・フェニックス様の
そこで再び、戦況を告げるアナウンスが響いた。旧校舎への奇襲を目論んだマリオン、ビュレント、シュリヤーの三人を、ロスヴァイセとギャスパーが返り討ちにしたのだ。
以前フェニックス眷属と戦った時とは違い、グレモリー眷属は誰一人としてリタイアしていない。それはすなわち、それだけ自分たちが強くなっている証拠である。新たにメンバーも増えたし、何よりも一人一人が大きく成長している。それを実感した一誠は、思わず笑みを浮かべてしまった。
運動場に辿り着くと、そこに五つの人影が待ち構えている。
戦車イザベラと騎士カーマイン。兵士の猫又姉妹リィとニィ。そして……、
「イリナぁ!?」
「やっほー♪」
驚く一誠に、紫藤イリナは相変わらずの明るさで挨拶した。
「今日はカーラマインさんからのお願いで、フェニックス眷属の助っ人として参加してるの。よろしく♪」
とてもこれから戦うとは思えない、屈託のない笑顔だ。その笑顔のまま、聖剣オートクレールを構えるイリナ。
一誠と祐斗は神器を
小猫とリィ、ニィの三人の猫耳も加わり、敵味方入り乱れての乱戦が始まった。
イザベラの剛拳が吠える。
一誠はそれを鎧の装甲で受け止めた。
カーラマインの剣が火を噴いた。
祐斗は氷の属性を持つ聖剣で対抗した。
彼の創造した騎士団は、イリナがオートクレールで薙ぎ払った。デュランダルと同等の強度と切れ味を誇るだけの事はある。
リィとニィの連携攻撃を、小猫は両の手足と二本の白い尾で上手く捌いていく。
一誠とイザベラを除くメンバーは、戦いの場を徐々に校舎のそばへと移していった。祐斗も小猫も、知らず三階建て校舎へと誘導されているのだ。
「みんな、今よ!」
イリナの合図で、リィとニィが左右から小猫を捕らえた。
カーラマインとイリナも、剣を捨てて祐斗を押さえ込む。
敵側の意図が読めない祐斗と小猫だったが、突如校舎が揺れた。
その一瞬の揺れの後、校舎全体に、横一直線の亀裂が入り、崩れ落ちて来る!
轟音と共に、彼等は校舎の下敷きとなった……!
『リアス・グレモリー様の
アナウンスが無情に鳴り響いた。
崩落した校舎の向こう側には、長い髪を頭頂部で結び、背丈ほどもある長大な剣を両手で握った、三白眼の女性がいた。
「見事だシーリス! 斬岩烈風剣、更に鋭さを増しているな!」
イザベラが女剣士に称賛を送る。
斬岩烈風剣とは、パワーを極めんとする彼女の剣技を指す、いわば流派名であった。
「味方ごと攻撃するなんて……何考えてんだッ!」
一誠は激昂して、イザベラに殴りかかる。
「決まっているだろう? ライザー様の勝利だ。お前がリアス・グレモリーの勝利を考えているようにな!」
イザベラはそのパンチをかわして、一本背負いで投げ飛ばした。一誠は龍の尻尾で体を支えて、着地する。
「ライザー様のためならば、多少の痛みなど甘んじて受けてやる。それが我等一同の意思。イリナ嬢もその想いに快く賛同してくださった」
「だからって……!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!』
一誠は連続倍加で高めた魔力を一気に放射する! 巨大なドラゴンショットが、文字通り飛龍となってイザベラに迫った。
「おおおぉぉおおおおおッッ!!」
瞬間、シーリスが吼えた!
大上段から振り下ろされた大剣から衝撃波がほとばしり、ドラゴンショットの閃光を横から大切断する!
そうやってイザベラを救ったシーリスは、剣である方向を指し示した。
生徒会室のある校舎。その屋上にライザー・フェニックスが立って、こちらを見ている。
「行け。行ってライザー様に消し炭にされてくるがいい」
イザベラは挑発的な口調でそう言う。
「ああ、戦ってやるさ……けど、その前に……」
一誠はシーリスを睨み付けて、飛びかかった。
「お前だけは許さねえ! 小猫ちゃんと木場の仇だぁぁあああっ!」
しかしその怒りの鉄拳は、巨大な剣の刃によって受け止められた。盾のようにかざされた金と青の刃が、シーリスを守ったのだ――デュランダルが。
「ゼ、ゼノヴィア! 何してんだよ!」
「こっちの台詞だ。君こそ何をしているんだ、殺すつもりか? バァル眷属戦での事を繰り返す気か?」
「だってこいつは……」
「ルールで許されている範囲でなら、どんな戦術を取ろうと責められるべきではない……ましてや、相手方が納得しているのなら尚更だ。それと……」
「それと?」
「彼女は、私の獲物だ。そして君が戦うべきはライザー・フェニックスのはず。わかったら、さっさと行ってこい!」
ゼノヴィアはデュランダルを振りかぶると、刃の腹で一誠の尻をぶっ叩いた。一誠は赤い弾丸となってライザーの元へと飛んでいく。
イザベラも主君と一誠との戦いを見届けるため、その場を離れて校舎へと向かった。ただし、主の邪魔にならぬよう遠くから見守るつもりではあったが……。
【Part.4~剛剣乱舞~】
「さて、こうして直接会うのは初めてだね。初めまして、大剣の刃風」
「こちらこそ。不滅の刃……しかし、意外だな。チャットでは、もう少し真面目でおとなしそうな感じだったが」
「顔の見えない相手だからこそ、なおのこと礼儀正しくありたくてね。そちらこそ、チャットではずいぶんと可愛らしく振る舞っていたのに……」
「カーラマインから、『男と話してるみたいだ』と言われたものでな。女の子らしさを私なりに演出していた……が、こうして直に相まみえたからには、そんな必要もない」
「そうだな。持てる力と技の全てを、存分に出し合おう。私は、リアス・グレモリーの騎士ゼノヴィア」
「私はライザー・フェニックス様の騎士、シーリス。いざ尋常に勝負!」
名乗りを上げると、二人は間合いを詰めて、互いの剣をぶつけ合った!
ゼノヴィアはデュランダルでの三連突きを放った。
シーリスが大剣で受け止めながら、後ろに大きく跳ぶ。
ゼノヴィアが地面を掠めるようにデュランダルで虚空を切り上げると、聖光が火柱となって大地を駆ける!
着地の瞬間を狙われたシーリスは、大剣を地面に突き立てた。衝撃で地面がめくれ上がり、壁を形成して盾となった。
シーリスはその大地の壁の向こうから高く跳躍して、大剣から猛烈な竜巻を発射した! それがゼノヴィアに直撃して動きを封じる!
「もらった!」
シーリスは荒れ狂う風の中を一直線に突き抜けて、ゼノヴィアへと鋭い刺突を繰り出す。
「デュランダル!」
ゼノヴィアが聖剣に呼び掛ける。デュランダルは唸り声のような音と共に、全身から聖なる光を放った。その光輝がシーリスの目をくらませる!
「はぁぁああああッッ!!」
その隙にゼノヴィアが吼えて、デュランダルを振り抜いた!
聖なるオーラがほとばしり、竜巻を吹き飛ばして掻き消す!
技を破られたシーリスは、背中から悪魔の翼を広げて空中に舞い上がった。
ゼノヴィアもそれを追って飛翔する。しかしそこへ、強烈な風が吹き荒れて少女の肢体を叩いた! シーリスが大剣を団扇のように振って、烈風を巻き起こしたのだ!
「小賢しい!」
ゼノヴィアもデュランダルで空を薙ぐ。聖光の刃が、獲物を狙う荒鷲の如くシーリスに迫る!
「斬岩烈風剣、真っ向幹竹割り!」
シーリスは逃げずに真っ正面から、その光刃を切り裂いて消滅させた。だが、ゼノヴィアの姿が視界から消えている。
気配を感じたシーリスは上を見上げた。ゼノヴィアは既に彼女の更に上空へと移動していたのだ。
「くらえ! 秘剣、稲妻重力落としぃぃぃいいいいいッッ!!」
全体重と重力加速度まで加えて放たれた稲妻の如き一撃が唸りを上げて繰り出された!
「斬岩烈風剣……」
シーリスは体を大きく捻り、大剣を振りかぶり……、
「疾風迅雷ッッ!!」
全身のバネを総動員して、横薙ぎの斬撃を放つ!
二つの剣がぶつかり合って、轟音と衝撃波を辺り一面に撒き散らす!
別の校舎の屋根に、まずはシーリスが、次いでゼノヴィアが着地した。
そして今度は、ゼノヴィアがその着地の瞬間の隙を狙われた。
「斬岩烈風剣、疾風怒涛ッッ!!」
大剣を屋根に叩き付けると、衝撃波が波となって、屋根に巨大な亀裂を走らせながらゼノヴィアを襲う!
しかしゼノヴィアはそれをデュランダルの輝く一撃で真っ向から叩き潰した。カウンターで繰り出したその一撃は、衝撃で屋根を砕いて弾丸に変えて、シーリス目掛けて弾幕を張る。
シーリスは大剣から風を巻き起こし、瓦礫の弾幕を吹き飛ばして我が身を守った。
二人の剛剣使いは時に地を駆け、時に空を飛び、場所を変えながら、何合何十合と剣戟を続ける。破壊力抜群の斬撃が、次々とフィールド内の建物を巻き添えで破壊し、地面をえぐった。
それはまるで、嵐と嵐のぶつかり合い……否、二匹の大怪獣の闘いだった。
やがて二人は、時計塔の所にまで移動する。
互いの姿が時計塔で隠れた瞬間、二人は同時にその時計塔もろともに相手を斬り伏せんと、剣を振る。
前後からの斬撃で切断された時計塔は、ゼノヴィアの側でもシーリスの側でもない、明後日の方向に倒壊した。その瞬間、
『ライザー・フェニックス様、リタイア。リアス・グレモリー様の
響いたアナウンスに、二人とも戦いを忘れて驚いた。一誠とライザーの決闘は相撃ちに終わったのか……と思う間もなく、アナウンスが続けられる。
『リアス・グレモリー様の
ゼノヴィアとシーリスは、その内容を聞いて思わず時計塔の倒れた方角を見る。時計塔は、生徒会室のある校舎の上に倒れていた……一誠とライザーが戦っていた場所に。そしてその戦いを見守るべく、リアスとアーシアが立っていた場所に。
【エピローグ~とあるチャットルームにて~】
大剣の刃風:
ライザー様に怒られた……やり過ぎだったようだ。
不滅の刃:
私も部長に怒られた。尻千叩きの刑をくらって、まだヒリヒリする。
大剣の刃風:
私はユーベルーナに縛り上げられて三日間吊るされた……あの女、マゾのくせに何であんなに縛るのが上手いんだ……!?
不滅の刃:
縛られる側だからこそ、縛るコツがわかるのかも知れないな。
大剣の刃風:
深いな。
それはそうと、一年後くらいを目安に、もう一度試合をしようという話になってるそうだ。
不滅の刃:
私も聞いた。その時は私たちは出場禁止にするらしい。解せぬ。
大剣の刃風:
解せぬ。