この素晴らしい世界に史上最強の弟子と風を斬る羽を! 作:1人多国籍軍
「はい。ジャイアント・トード40匹討伐の報酬が80万エリスと、そのうち18匹の肉の買取金額が9万エリス。合わせて89万エリスになります」
この肉の買い取りの18匹は、全て美羽が討伐したジャイアント・トードである。兼一の方が討伐数は多いのだが、使った技が技なので食べられる状態ではなく買取不可となったのだ。
「け、兼一さん!89万ですわ!89万!」
「み、美羽さん落ち着いて……それ全部僕等のお金になる訳じゃないですし……」
「……わ、分かってますわよ。89万を4人でですから、1人22万2500エリスですわよね」
「えっと……本当に等分でいいのか?俺とアクアは何もやってないのに」
実際、カズマとアクアは本当に何もやっていない。アクアは回復魔法を使えるが、そもそも兼一も美羽も無傷で40匹を討伐した為、回復魔法の出番は無し。
「適材適所だよ。今回はボクと美羽さんの得意分野だったってだけで、この先カズマ君とアクアさんに頼らなきゃいけない時もあるかもしれないでしょ?それに、僕等はパーティーじゃないか」
「あ、ありがとう……良かったなアク……ア?」
兼一の優しさに感動したカズマが振り返ると、そこにアクアの姿は無かった。
「……あれ?」
「すいませーん!高級しゅわしゅわと蛙の唐揚げ山盛り持ってきてー!」
「おいこら何してんだ!」
「な、なによぉ!お金が入ったんだから少しは贅沢しても良いじゃない!」
「その金はケンイチとミウさんが稼いでくれだ金なんだよ!」
「本人達が等分で良いって言ったんだからこのお金は私のなのー!」
「に、賑やかですわねぇ……」
「あ、あはは……」
苦笑しながらも、兼一と美羽もテーブル席に座って蛙の唐揚げを注文する。
「まあ、この唐揚げとっても美味しいですわよ!」
「本当ですね!でもそれだけに勿体ないことしました……」
「仕方ないですわよ。武器を使わない私たちにとって、打撃の効果が薄い相手への攻撃手段は限られていますから」
「美羽さん……そう言ってもらえると救われます……」
こうして初クエストが終わり、兼一と美羽はカズマに案内され馬小屋へと足を運んだ。
「駆け出し冒険者は馬小屋で寝泊まりするのが基本なんだ」
「僕等は慣れてるから大丈夫だよ」
「ですわ」
世直しの旅を2人で始めた当初は、野宿をする時は互いに照れまくって碌に寝れない日々が続いたが、一ヵ月も経てばそんな状況にも慣れ、添い寝しても照れないようになっていた。ただし、今でも2人は偶然手と手が触れあったりすると顔を真っ赤にするのだが……。