この素晴らしい世界に史上最強の弟子と風を斬る羽を! 作:1人多国籍軍
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
ギルドの端にあるテーブル席。カズマパーティーの5人の間には微妙な空気が流れていた。
「……まあ、あれだな。めぐみんは緊急時以外は爆裂魔法禁止な」
「そうですわね。それが良いと思いますわ」
「使えません」
「え?」
めぐみん以外の4人の「え?」が重なった。
「私は爆裂魔法以外の魔法は使えません」
「……な、何故?」
「私は爆発系統の魔法が好きなのではないのです!爆裂魔法だけが好きなのです!他の魔法も覚えれば楽に冒険ができるでしょう……でも駄目なのです!私は爆裂魔法を覚える為だけに、アークウィザードの道を選んだのですから!」
沈黙。その沈黙の原因を作り出しためぐみんに対する目線はそれぞれ違う。冷めた目のカズマ、キラキラした目のアクア、生暖かい目の美羽と兼一である。
「素晴らしい!素晴らしいわ!非効率ながらも、ロマンを追い求める姿に私は感動したわ!」
「ヤバい……なあケンイチ、この魔法使いは駄目な系だと思うんだが」
「……」
「よりにもよってアクアが同調してるのがその証拠だ」
「……ま、まあでもあの破壊力は驚異的だし……パーティーに入れてあげてもいいんじゃないかな?」
「ん~……でもなぁ……アクアに続いて2人も問題児を抱えるのは……」
「でも、もし魔法でしか倒せないようなモンスターが出て来た場合、私と兼一さんの方がお荷物になってしまいますわよ。そうなった場合、めぐみんちゃんのあの破壊力はとても貴重ですわ」
「……はぁ、仕方ねえなぁ」
結局、最大戦力である2人の意見に押し切られる形でめぐみんはパーティーに加入することを許された。
めぐみんのパーティー加入が決まった翌日。
「修行?」
「あぁ、アクアから教えてもらったんだが、この世界で修行してもレベルは上がらないらしいが、ステータスは上がるらしいんだ。ケンイチとミウは武術の達人なんだろ?俺に修行付けてくれないか?」
「ん~……ん~……達人の修行は厳しいよ?」
「大丈夫だ。別に本気で達人目指す訳じゃなくて、俺の鈍った体を普通レベルまで叩き直してくれればそれでいいからさ」
「そういうことなら……でも、ボクは人に教えたことはないし……自然と師匠達に近くなるかもしれないけど……」
「あぁ……兼一さんも人に教える段階まで来たんですわね……お爺様達にも見せてあげたかったですわ」
「じぇろにもおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
その日、平原からギルドまで届くような奇声と悲鳴が響き渡った。