いつの間にか一話投稿できる分だけ書きあがってしまったでござるの巻。
今回の話は若干短い上にもしかすると文脈がおかしかったりするかもしれません。
誤字脱字、文脈の不自然な点などございましたらご一報を…。
────八神家────
恭也の父親である士郎さんが大怪我をした事を知ったあの日から、時間は進みもう四年半が過ぎた。
あれから半年程して士郎さんは意識が戻り、その後リハビリを重ね半年で退院したらしい。
それまでは恭也に頼まれてたまに翠屋の手伝いや、なのはちゃんの面倒を見たりしていたが、
士郎さんが目覚めてからはヘルプに呼ばれる事も無くなった。
ただ士郎さんは退院後リハビリを続けていたが、以前までのように動くことが困難らしく、
御神流の後継者の座を恭也に譲り、自分は翠屋のオーナーとして今後過ごすと言っていた。
ただ恭也が無茶な鍛錬をしないために、今後も鍛錬には付き合うらしい。
もちろん私と恭也の模擬戦も未だに継続中なのだが、そこに一人新たな人物が追加された。
高町家の長女である『高町美由希』さんだ。
以前に話してた通り、父親が目覚め退院した時に私と模擬戦がしたいと伝えたそうだ。
士郎さんはそれを快諾し、現在では恭也と美由希さんの二人と模擬戦を繰り返している。
戦績は恭也に対して私は五割、美由希さんに関しては八割の勝率をキープしている。
恭也との模擬戦では正直、引き分けに持っていくので精一杯かなぁ…?
神速と呼ばれる歩法を恭也が使わなければ、お互いの力は拮抗しているのだ。
…神速を使われたら正直どう対処していいのかさっぱり思いつかない。
美由希さんはまだ神速を使いこなせてないのもあるが、
まだまだ技術的にも荒削りであり将来的にはどうなるか分からない。
戦ってみて分かったのは、美由希さんって絶対に天武の才を持ってる。
模擬戦を繰り返す度に少しずつだけど確実に力をつけていってるし…。
なのはちゃんとは面倒を見てあげた時以来一度も会っていない。
正直、高町家に行くこともまず無いし、こればかりは仕方ないだろう。
まぁ恭也や士郎さん美由希さんからは様子を聞かされるので、
それほど心配はしてないんだけどね。
どうやら恭也に言った私の言葉のおかげかどうかは定かではないが、
家族にちゃんと甘えてるし、自己主張もし、悩み事があれば家族に相談をしているとの事。
…正直、士郎さん以外の高町家の三人がなのはちゃんをそのままにしてたら、
今頃きっと家族に甘える事なく、自己主張もあまりしなくて、
悩み事は自分で解決しようとしたんじゃないだろうか?
それこそ恭也があの時に言ってた『良い子』というものに縛られてたと思う…。
まぁそれも今となっては『IF』の話であり、今のなのはちゃんはそんな危うさはないだろう。
そして現在私は十三歳になり昨年から通信教育を止め、私立聖祥大学付属中学校に通っている。
なぜ中学校に通うことにしたかと言うと、実は十歳の頃に突然グレアムさんが八神家を訪ねてきて、
その際に中学校はどうするかとの話になったのだ。
その時はやては五歳だったが、私が中学校に入る頃には七歳ぐらいの歳になる。
グレアムさんの援助もあって生活自体は安定している…どころか、
両親の遺産を含めれば私たち三人が大人になるまでは十分に遊んで暮らせる程あるのだ。
なので今後はアリスの仕事を減らしはやての面倒を見つつ、
アリアさんやロッテさんもアリスが仕事の日に、
どちらかが都合をつけてはやての面倒を見てくれると言ってくれた。
だから中学からはちゃんと学校に通って友人を作りなさいとグレアムさんに言われたのだ…。
グレアムさんの言葉に最初は難色を示した私だったが、
はやてから『アオイ姉ちゃんはうちら家族と、グレアムおじさん達の事…信用できへんの?』と言われ、
私は二つ返事で中学校に通うことをグレアムさんに伝えた。
まさかはやてからあんな言葉を言われるなんて想像もしてなかったのだが、
はやてはここ最近アリスに料理を習ったり家事のやり方を学んでいた。
本当にはやては五歳なのか…?と疑問に思った事もあったが、
恐らく早くに両親が亡くなったのもあり精神的に早熟したのだろう。
故に私は中学校に通うようになり、車椅子生活のはやては通信教育という形で、
私立聖祥大学付属小学校に籍を置くことにしたのだ。
ちなみにはやてとグレアムさんにはその時に、私とアリスが異世界の人間だと伝えた。
はやては『ファンタジーの世界の人やったんかー』と笑顔で話していたが、
グレアムさんは少し悩むような仕草をした後、納得がいったという感じで頷いていた。
正直グレアムさんの態度には少し疑問を感じたが、
まぁ多分グレアムさんの態度が世間一般の普通の態度なのだと自己完結させる。
グレアムさんが帰り際に私だけに聞こえるように、
『いつか君の力を借りる時が来るかもしれない…、その時はどうか私に力を貸して欲しい』
と、何やら決意した感じで話していたのが印象的だったかな…?
まぁそんな経緯もあり私は中学校生活を開始してる訳なのだが、
中学へ通い始めた初日の自己紹介には少し参った。
少しばかりその時の光景を思いだしなんとも言えない顔になる…。
たしかあの時はこんな感じだったか…。
────私立聖祥大学付属中学校────
入学式と呼ばれる式典が終わり各々に割り振られた教室へと足を進める。
入学式にはアリスやはやて、そしてグレアムさん達が見に来てくれた。
一応私が帰る時間まで校門前で待ってくれるそうなので、
あまり待たせたくないなと頭で考えつつ、私に割り振れられた教室へと入る。
席は出席番号の順番で座ればいいらしく、
私の後ろには誰もいないため廊下側の一番後ろの席に座る。
暫くして私のクラスを受け持つ担任が入室し挨拶をする。
「あー、はじめまして今日からお前らの担任になる『花菱薫』だ。
基本的に俺はお前たち生徒の自主性を尊重するが…、
在学中に俺に迷惑をかけた奴は容赦なく制裁を加えるから覚えとけ」
正直ここまで無気力な人は見たことがない…。
というか無気力に喋ってるのに言ってる内容がかなり物騒だ。
実際に担任の言葉に周囲のクラスメイトはザワザワと動揺を隠せないみたいだった。
「まぁ基本的にお前らが何も問題を起こさなきゃ、自由にやれって言ってんだ。
難しく考えねぇで悔いのない学校生活を送ってくれや。
じゃあまぁ軽くお前らの自己紹介タイムと行くか…。
順番は出席番号順でいいだろ…、ほれお前からだよ」
担任に言われ慌てて自己紹介を始める女子生徒。
半分ぐらいの人が自己紹介を終えた後、次の女子生徒の自己紹介が始まるのだが、
こいつがこのクラスの超問題児だという事を知ってしまった。
「はじめまして、聖祥大学付属小学校から進学した『花菱伊織』です。
苗字で分かる通りそこの無気力教師の妹です。
無気力教師の苦情等は一切受け付けませんので皆さん諦めてください。
また私自身人と関わるのが嫌いでして、基本的に話しかけてくれなくて結構です。
特技は呪術ですので呪い殺したい人がいればお気軽にどうぞ。
クラスメイト価格で特別に割引させていただきますので」
それだけ言うと無言で座る花菱伊織と名乗る女子生徒。
私を除くクラス中の人間が唖然とする中、担任の花菱薫がため息をつく。
「おぃ伊織、さっきも俺が言ったように問題を起こすなっつったろ。
まぁ今回は大目に見るが次からは容赦しねぇからな…?
ほれ次の奴、ボーッとしてねぇで自己紹介続けねぇか」
その担任の言葉に慌てて自己紹介を始めるクラスメイトたち。
あまりにも花菱伊織の自己紹介のインパクトがありすぎて、
彼女の後に自己紹介をするクラスメイトは若干涙目だった…。
そしてついに最後…つまり私の自己紹介となった。
「はじめまして、八神アオイといいます。
小学校は通信教育で済ませていたので、ちゃんと学校に通うのはこの聖祥大学付属中学校が初めてです。
理由としては長くなるのでここでは割愛させてもらいますが、
楽しい学校生活を送るために皆さん仲良くしてください。
特技は武術…ですかね? これから卒業までの間、皆さんよろしくお願いします」
無難に自己紹介を済ませ席に座る私を見て、担任は手を叩きながら話を始める。
「これで全員の自己紹介は済んだな、んじゃ後の時間なんだが…。
めんどくさいからチャイムが鳴るまでお前らで適当に何かしとけ。
小学校からの付き合いのある奴と駄弁るのもいいし、
中学に上がった機会に新しい人間関係を構築するのでも構わん。
という訳で俺は後ろで寝るから勝手に始めてろ」
結局担任はそれだけ言うと本当に教室の後ろに椅子を置き寝始めた。
暫くは迷っていたクラスメイト達も各々が担任に迷惑をかけないよう、
小学校から付き合いのある人と話したり、
始めてあう人と詳しい自己紹介したりと自由に行動し始めた。
まぁ私は適当に無難な回答をしながら、チャイムがなるまで大人しくしてたんだけどね。
まぁそんな感じの学校初日だったなぁ。
後、学校初日と言えばあの日帰るときに皆が待ってる校門まで行くと、
皆が見たこともない男の子と喋っていたな…。
『え? えぇぇぇぇ!? なんでこの二人がここに…。
はっ!? もしかして俺が存在する事で原作崩壊が始まってるのか…!?』
なんて訳の分からん事を喋りまくってて、正直気持ち悪かった…、いやキモかった。
おまけに私を見た瞬間その男の子は、
『まさか貴様は転生者なのか!! こうなったら俺の力で…!』
そこまで言葉にした後、その男の子は顔面蒼白になりながら私の背後を見ていたっけ。
私の背後にいたのは強烈な自己紹介をした花菱伊織だった。
花菱伊織を見たその男の子はガタガタと震えながら、
『ね、姉ちゃん話せば分かる! 違うんだ…これは…その…ほら! あれだよ、あれ!』
等と発言したかと思うと金縛りになったみたいにピクリとも動かなくなって、
最終的には泡を吹いてバタンと背後から倒れてしまった。
その時に花菱伊織からその男の子について教えられたんだけど、
どうやらこの男の子は、はやてと同い年らしくおまけに花菱伊織さんの弟さんらしい。
つまりは花菱家は三兄弟揃って曲者ぞろいだという事を深く心に刻みつけたなぁ…。
刻みつけたくもない出来事だったけど。
結局それが切っ掛けになったのかあれ以来、花菱伊織から話しかけられる事が多くなった。
個人的にはできればお近づきになりたくはなかったけど…。
まぁなんだかんだで仲良くはさせてもらっている。
ちなみに次の日担任から『あのバカはこっちで粛清しておいた。 身内が迷惑をかけたな』と、
昼食の時間に言われ罪滅しかどうかは不明だがお茶を奢ってもらった。
しかし本当にあの男の子はなんだったのだろうか?
はやてとグレアムさんの事を知ってるっぽかったし、
原作崩壊だとか転生者だの訳の分からん事を言ってたけど…。
はやてはまず知らないだろうから、グレアムさんに男の子について聞いてみたが知らないらしい。
私自身もあの男の子は見たことないし謎は深まるばかりだ…。
まぁ取り敢えずあの男の子に対して私から言えるのは、
黒髪の花菱兄妹と似ても似つかない金髪逆毛で、虹彩異色の目が途轍もなく似合っていなかった事だろう。
ついでに言えばその言動が姿と相まって、かなりキモかった事ぐらいかな。
こうして私たちの生活はあっという間に過ぎ去っていき一年が過ぎた。
グレアムさんもたまの休みの日に八神家に来ては、たまにお泊りもするようになった。
まぁお泊りははやてのわがままを聞いてもらった結果なのだが…。
恭也と士郎さんそして美由希さんの三人で模擬戦と戦闘訓練もずっと続けている。
最近恭也にはすごく美人な彼女が出来たらしく、たまに美由希からその事で愚痴を聞かされる。
しかし未だに後遺症の残る士郎さんに一太刀も入れられない…。
本当に士郎さんは人間のカテゴリーに分類されているのだろうか?
花菱伊織とは一応良好?な関係は続いている。
近頃はお互いに名前で呼び合うようになり、伊織の特技についても詳しく教えてもらえるようになった。
なんでも呪術だけじゃなく、降霊術も得意としているらしい。
まぁ私にはまったくもって理解できない事なので軽く流しているけどね。
そんな楽しい毎日が続き、私はこれから先もずっとこんな幸せな毎日が続くと信じていた…。
しかしそんな日常も、ある日の夜を境に音を立てて崩れていくことになる。
その出来事を切っ掛けに私を含め、八神家を巻き込む激動の日々が始まったのだ。
切っ掛けは頭に突然聞こえてきた謎の声…。
『──誰か…、──この声が聞こえますか?』
『──この声が聞こえたら、──僕に力を貸してください!』
これが私と八神家が日常から非日常へと足を踏み入れる出来事となる…。
────繋がった。
────だが未だ向こうへと越えられない。
────力が足りぬ。
────今は力を蓄える時期。
────いずれ到達して見せようぞ。
ここまでの読了お疲れ様でした。
という訳で少しというかかなりの速度で時間をすっ飛ばしました。
細かく書いてもよかったのですがそれだと、
もう四~五話分ぐらい続いてしまいそうだったのであえてバッサリ切りました。
グレアムさんにアオイが異世界の人間であると教える所は、
もう少し詳しく書いてもよかったかもしれませんね。
そして今回からオリ主君が登場(笑)
彼自身の詳しいお話は一応この次の番外編にて予定しております。
番外編を投稿したらその次から無印編ですので、
更新は早くて一週間に一回、通常で二週間に一回、遅くても一ヶ月に一回と考えてます。
お待たせすることになると思いますが、
寛大な心でお待ちいただけますようお願い申し上げます。