魔法少女と異世界の暗殺者   作:繊月紅

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という訳で無印前、最後のお話である幕間です。
内容はオリ主である彼が中心となってります。

では誤字脱字、文脈のおかしな所がありましたらご報告お願いいたします。



─幕間─[俺が…俺こそが転生者だっ!…ですか?]

 

 

 

 

 

 

どこを見ても真っ白に続く不可思議な空間に一人の人影があった。

そこにいたのは見た目、十八歳前後の青年であり周囲をキョロキョロと見渡していた。

その様子はまるでこの次に何が起こるのか、それが分かっているかのようだった…。

暫くしてその青年の目の前に現れたのは真っ白な布を身体に巻きつけ、

背中には神々しいと思わせるほどの純白の翼を六対も持った男性だった。

 

男性が姿を現したと同時に青年は、

『きた! メイン転生きた! これでかつる!』

等と訳のわからぬ言葉の羅列を並べ、翼を持つ男性の周囲を走り回っている。

その青年の様子を全く表情を変えることもなく見つめる男性。

暫くして青年も落ち着いたのか息を整えながら男性の目の前に立つ。

それを確認した男性は青年に対し言葉を告げた。

 

 

「貴様は死んだ、我らが神の一柱の手違いにより…な。

 それを知った最高神様は哀れな子羊である貴様にチャンスを与えようと、

 死した貴様の魂をこの場所に呼び寄せた。」

 

「うんうん、転生テンプレ物なら日常茶飯事の出来事だな!

 で、その流れからすると俺は別世界に転生するんだろ? だよな!?」

 

 

男性の言葉に興奮気味に答える青年と、口元を吊り上げて笑みを浮かべる男性。

その男性の顔は明らかに不自然そのものだったが、青年はその様子にまったく気がつくことはない。

 

 

「そうだな、話が早くてこちらとしても助かるところだ。

 哀れな子羊である貴様に、最高神様は別世界に転生させようと恩情をかけてくださった。

 この様な事は滅多にないことなのだ、最高神様には最大限の感謝をするがいい。

 そして別世界では貴様の生きていた世界とは違い異能の力が存在する。

 故に我々の力で叶えられる範囲で貴様にも異能の力を授けようと思うが…、

 我々が叶えられる異能の力は三つまでだ。」

 

「ヒュ~…、ここまでは完璧なテンプレですね、わかります。

 しかし三つまでか…、おまけに叶えられる範囲もあるとしたらこりゃしっかり考えないとな」

 

 

叶えてもらうための異能の力を考えているのだろう。

青年は男性に見向きもせず俯きながら顎に手をあて思考を巡らせているようだった。

その様子に男性は笑みを浮かべることもなく、無言で青年の言葉を待つ。

どれほどの時間が経過したかは分からないが、どうやら青年の願いは決まったらしく、

男性に対して一応確認のため転生先の別世界について訪ねている所だった。

 

 

「願いは大体決まったけど、俺が転生する先の別世界って何処なんだ?

 それによっては能力も考え直さなきゃなんねーんだけど?」

 

「ふむ…、貴様が転生する先の別世界は貴様の世界でアニメというモノになった、

 『魔法少女リリカルなのは』と呼ばれる世界だな。

 最高神様がお決めになられた転生先であるが故、貴様には拒否権はない」

 

「リリなのの世界か…、だったらあの能力じゃなくてこっちのがいいか…?

 あ、もうちょっとだけ待ってね! すぐに能力決めるから!」

 

 

男性から聞かされたリリカルなのはの世界に転生するとの言葉に、

青年は先程まで決めていた異能の力を一部変更するようだった。

男性は文句を言うまでもなく青年の異能の力が決まるまで黙って待っていた。

 

 

「よし…決まったぜ!」

 

「決まったか、では貴様が我々に望む異能の力を申してみるがいい。

 我々に叶えられる物であれば叶えてやるが、無理な物についてはもう一度考えてもらう」

 

 

男性の言葉に頷きながら決めた異能の力を語る青年。

 

 

「まず一つ目は魔力量を原作のなのはより多くしてくれ!

 んでもって二つ目は武術とかの才能が欲しい!

 三つ目は…英雄王ギルガメッシュが持つゲート・オブ・バビロンを中身の財宝込みで!」

 

「ふむ…、意外と無難なところを望んだな。

 最後の願いに関しては出来なくもないが…乖離剣エアに関しては無理だな。

 その代わりに天地開闢の力は無いが同じ名前のデバイスをやろう」

 

「え…、いいのか? 願い事三つ以上になっちゃってるけど?」

 

「別にデバイスを与えるぐらいは願いの範疇にはいらぬよ。

 では一つ、『魔力量を原作なのはより多く』これは大体SSランクぐらいでいいだろう。

 二つ、『武術の才能』…武具の扱いもこの才に含まれる故に安心するがいい。

 三つ、『英雄王の持つゲート・オブ・バビロンとその財』ただし乖離剣は無しだ。

 貴様の願いは以上で間違いはないか?」

 

 

その男性の言葉に青年は頷く事で肯定する。

 

 

「そうかならば転生先の生まれについてだが、現地住民の子供として生まれてくる事になる。

 容姿などはお前が決めて構わんが、記憶については一定の年齢に達するまで封印させてもらう」

 

「其の辺はまぁ納得だけど記憶の封印はいつまででその理由はなんだ?」

 

「生まれてすぐの人間の脳にそこまでの記憶容量がある訳なかろうが。

 無理にそれをすれば生まれてすぐに廃人…、もしくは死ぬだろうな。

 まぁ記憶の封印に関しては五歳前後ぐらいで解けるはずだ」

 

 

男性の言葉に顔を真っ青にしながらコクコクと頷く青年。

その様子に男性は口元を吊り上げ笑みを浮かべる。

 

 

「と、取り敢えず容姿はギルガメッシュみたいな金髪でよろしく…。

 目に関しては赤と群青色の虹彩異色で頼む」

 

 

諸々の話し合いがすんだ後、男性が掌を突き出すように青年の前へ出す。

男性の手が青白く光りだすと次の瞬間、青年の背後にグニャグニャと歪んだ空間の裂け目が現れた。

その様子を見ていた青年は顔を引きつらせながらその空間の裂け目を見ている。

 

 

「その中に入りその先を抜ければ貴様の転生は完了だ。

 次にここの事を思い出すのは五歳頃になるだろうな。

 では短い間ではあったが達者に暮らすがいい」

 

「…なんか色々ありがとな! テンプレ神様にしては親切だったし、アンタの事は絶対忘れねえ!」

 

 

それだけ言うと青年はグニャグニャと歪む空間の裂け目へと飛び込んでいった。

青年が飛び込んだ後、空間の裂け目は音もなく消え去り、

この真っ白な空間に残されたのは六対の翼を持つ男性ただ一人になった。

 

しばらく青年が消えた場所を見続けた男性が口を弧に歪め笑い出した。

 

 

「ク…、クカカカカカカ…、人間と言うのはどうも簡単に騙されてくれるモノだ。

 精々二度目の人生とやらを楽しむがいい…。

 そして出来るならばあの世界にいる冒険者の人間…、『アオイ』とやらを消してくれよ?

 ヴァルキリーに祝福されし冒険者がいると、

 我らと主が簡単にそちらの世界に行くことが出来ぬのでな…?」

 

 

そう語る男性の姿が徐々に変貌していき、完全に変わったその姿はまるで堕天使のような姿だった。

上半身には主要部分に鎧を身に付け、背中には漆黒の一対の翼が見える。

顔を覆い隠すヘルムから見えるのは弧を描いた口だけであった。

 

 

「しかし魔王モロク様が復活を果たしたのはいいが…、

 復活直後の魔王モロク様のためにと周辺の魔力を固めていた場所に、

 忌々しき戦乙女であるヴァルキリーの祝福を受けた冒険者がいたとは…な。

 おかげで魔王モロク様に捧げる魔力はヴァルキリーの祝福を受けた者の魔力も混じり、

 まったくもって想定外の結果になってしまった」

 

 

男性はため息を付きつつもその顔からは笑みが消えることがなかった。

 

 

「だがそのおかげで我々が行き着くことの出来なかった、新たな異界への道が出来た…。

 その点だけはあの冒険者には感謝しておこう。

 あの異界ではヴァルキリーも干渉するのは難しいはずだ」

 

 

そう語った男性の姿と薄くなり、真っ白な空間には歪なヒビが入り始めていた。

 

 

「む…? そろそろこの異界を維持するのも難しくなってきたか。

 まぁ魔王モロク様の力を授かっているとはいえ、私にでできるのはここまでだな。

 別世界の人間の魂を捕らえあの世界に送り込み能力を与えたのはいいが、

 そのために授かった力の九割近くを失ってしまった…。

 まったく忌々しき人間よ…、だがその力は必ずやあの冒険者を殺すのに役立つであろうな」

 

 

クックックッと笑いながらも、姿はもう目を凝らさねば見えないほどにまで薄くなっている。

男性はその姿を消す前に、誰もいない真っ白な空間で一人呟いた。

 

 

「さぁ愚かな人間よ、その力を持ってヴァルキリーの祝福を受けし者を討ち果たすがいい。

 仮に討ち果たすことなく、彼奴の仲間になろうとも問題はない。

 すでに貴様が通った次元の歪みは固定化され、我々がその世界に行くための楔となった。

 いずれ時が来れば我々がそちらの世界を滅ぼしに向かうとしよう。

 それまで残された時を悠々と過ごすがいい」

 

 

それだけ呟いた男性は完全に姿を消し、真っ白な空間もそれと同時に崩壊していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────花菱家────

 

 

 

 

 

 

呪術を筆頭に降霊術など裏の世界でその力を使う花菱家。

 

長男である『花菱薫』は呪術などの適性がなく、代わりに武術に秀でた才能があった。

長女である『花菱伊織』は両親の教育もあり、

花菱家歴代最強とも言えるほどの呪術と降霊術の才能を開花させた。

ただし本人の元からの正確なのか両親の教育方針が間違っていたのかは定かではないが、

どうも変な方向へと性格がブッ飛んでいた。

もちろんこれは長男である薫にも言える事なのではあるが…。

 

そして五年ほど前に生まれた次男である『花菱真人』は、

そんな変人の巣窟である花菱家の中でも、取り分け変人と言える人物だった。

それもそのはずである、真人は神と名乗る者の手により転生を果たした人間なのだから。

 

だがそんな事を知らない花菱家の人達は真人の扱いに非常に困っていた。

 

言葉を話し始めるぐらいの歳から言動があからさまにおかしく、

五歳になった頃になるとその言動は更におかしくなっていったのだ。

両親は早々に息子の言動に不干渉を決め込み何も言わなくなったが、

兄妹の二人はそうもいかなかった。

 

長男の薫は『こんな阿呆が俺の弟だと思われたくない』と言い、

妙な言動をする度に教育的制裁という名の粛清を繰り返してきた。

 

長女である伊織は『…キモイ、生理的に受け付けない。腐ってやがる…早すぎたんだ…』と言い、

おかしな行動をする真人を、物理的に精神的に真人間に戻そうと呪術の特訓に参加させていた。

もちろん伊織が扱う呪術の特訓相手としてなのは言うまでもない。

 

だがそんな二人の教育的指導?も未だに実を結ぶことはなかった。

それどころか前まで以上に訳の分からない言動をするようになった。

もっとも分かりやすいのは聖祥大学付属小学校に通うようになった時の事だろう。

 

 

 

その日もいつも通り平和な学校だったのだが、とある休憩時間に喧嘩騒ぎがあったのだ。

そしてその喧嘩騒動を起こした中心人物が花菱真人本人だったのだ。

 

アリサ・バニングスと月村すずかの二人の喧嘩が始まり、

それを目撃した高町なのはが二人の喧嘩を止めに入ったのだ。

冷静に話を聞いた高町なのはの言葉により二人の喧嘩が収まったのだが、

あろうことかそこに花菱真人が突如乱入。

 

『なんでそんな感じで喧嘩が終わるんだよ! こんなの原作に無かったぞ!

 なのはがアリサの頬を叩いて、あの名台詞を言わなきゃダメじゃないか!』

 

等と訳も分からぬ言葉を言った真人に、先程まで喧嘩していたアリサ・バニングスが怒り、

真人に対して強烈な平手打ちをしてぶっ飛ばしたのだ。

ヒートアップしたアリサ・バニングスと訳の分からぬ言動をする真人の言い合いは、

他の生徒が先生を呼びに行って止めに入るまでずっと続いていた。

 

その後、真人は保護者として両親の変わりに学校へ訪れた伊織の手で土下座させられ、

真人本人は顔面蒼白でブルブルと震えながら、三人とその保護者へ謝罪して事なきを得た。

 

もちろん真人のおかしな言動はそれだけに留まらず、

事ある事に高町なのは、アリサ・バニングス、月村すずかへと執着し、

妙な言動をしてはアリサ・バニングスに平手打ちをされぶっ飛ばされ、

呼び出された伊織の手で三人に土下座させられるといった感じで日々を過ごしてきた。

 

そして伊織が中学に進学した時についに真人は出会うことになる。

 

 

 

 

 

 

────私立聖祥大学付属中学校・校門────

 

 

 

 

 

 

あの神様が俺を転生させてくれてから七年近く時間が経過した訳なんだが、

俺が転生した影響からか若干の原作崩壊が見られたんだよな。

その筆頭がなのはとアリサ、すずかの喧嘩後の友達フラグだ。

原作ではなのはがアリサの頬を叩いて、名台詞を言って最後には友達になる…。

そんな感じで進むはずだったのに、蓋を開けてみればなのははアリサを宥めた後、

冷静に話を聞いてアリサの間違ってる部分を指摘し、アリサとすずかの喧嘩を止めたのだ。

 

俺の記憶の封印が解除された五歳すぎの頃に、

なのはの孤独フラグの状態を確認しようと探し回ったけど、

俺が見たのは仲良く歩くなのはと美由希の姿だった。

 

この時はなのはの孤独イベントは起こった後で、俺に介入する術はないと勘違いしていたのだが…。

 

友達フラグの件で俺は確信した。

確実に俺以外の転生者がいて、俺より先に原作キャラ達に介入していると。

そして俺はあの日ついに俺以外の転生者を見つけた…。

 

伊織ねーちゃんの入学式が終わって校舎の中をブラブラ探索していた。

ある程度の時間を潰した後、そろそろ伊織ねーちゃんも出てくるだろうと思って、

校門の前まで行った瞬間俺は我が目を疑った。

 

校門の近くにいたのは原作キャラの八神はやて…。

そして何故かはやての傍にいる、本来なら地球にいるはずのないギル・グレアム…。

はやてとグレアムは仲良く話をしており、その光景を見た俺の脳内は物凄く混乱していた。

原作ではこの段階での物理的な接触はなかったはずで、

おまけに小学校ではなく中学のこの場所に来ているのか?

その謎を解くためにも俺ははやて達に話しかけていたのだが、

はやてが俺の後ろを見て手を振って、笑顔で『ここやでー』と声をかけていた…。

 

そして俺はこの原作崩壊の原因を作り上げたそいつと出会った…。

 

白銀に輝く長い髪を揺らめかせ、赤く鋭い目でこちらに向かって歩いてくる女…。

何かの武術を学んでるのか知らないが女の動きに隙はなく、

鍛錬を重ねた俺の目で見ても明らかに格上だった。

 

 

 

その後、俺はこの女が転生者かどうかの確認をしようとしたのだが、

運悪くその女から答えを聞く前に伊織ねーちゃんが登場…。

なのは達の友達フラグの時に味わった、伊織ねーちゃんの殺気に身体が固まりそのまま気絶してしまった。

目覚めた俺は今日出会った転生者と思われる女の姿を、絶対忘れないように心に刻み込む。

次に出会うのはきっと原作開始後…、ジュエルシードが海鳴に落ちてきたときだ…。

 

そう考えを纏めた俺は神様から貰った自分の力を更に磨き続けた。

ゲート・オブ・バビロンの中にある宝具を使って鍛錬を繰り返す。

武術の才能を願ったおかげで武具の使い方や効果的な動きが大体分かる。

おまけに鍛えれば鍛えるほど、俺の動きは無駄がなくなっていく。

 

ある程度鍛錬を重ねてから、魔力コントロールとマルチタスクをデバイスのアドバイスに従い鍛える。

神様から乖離剣の代わりにもらったデバイスは『エア』と名付けた。

エアはアームドデバイスなのだがある程度の意思はあるらしく、一応受け答えはできるようになっていた。

エアのお陰で魔法に関してもかなり上達したが、これ以上に鍛えた方がいいかもしれない。

あの女の実力は未だに不明なのだから用心に越したことはないだろう…。

 

 

 

原作開始まであと少ししか時間はない…。

原作に介入する俺とあの女が戦うのは恐らく確実だろうな。

だが俺は負けねぇ…、せっかくこの世界に転生したんだ。

この世界に俺以外の転生者なんていらない…、ここでは俺が主人公なんだからな…。

 

こうして俺は貪欲に鍛錬を続ける。

全ては俺が望むように原作が進むため…、そのためにもあの女だけは排除しなければ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────時空管理局・本局────

 

 

 

 

 

 

「え? アオイに私達、魔導師の事と今の闇の書の事を打ち明けるんですか!?」

 

「あぁ、闇の書に関する資料、文献、歴史…。

 私が自分に出来る事を諦めずに、最後まで足掻いて集めた情報…。

 だがそれだけでは一歩…、後一歩が足りないのだよアリア、ロッテ」

 

 

時空管理局本局内にあるグレアムの私室でグレアムはアリアとロッテにそう告げる。

 

グレアムの権限で集められる闇の書に関する情報、それは膨大な量に及んだ。

その情報の中には闇の書の…否、夜天の魔導書に関する設計図らしきものもあった。

しかしその設計図は保存状態が悪かったらしく、おまけに古代ベルカ語で書かれていたため、

どの様な内容が書かれているのかグレアムには理解できなかった。

 

資料や情報を集める中、アオイの学校の事を話し合った日にアオイから話された異世界の話。

 

もしかすると彼女が知りうる知識を合わせれば、

現在の闇の書をどうにかできるかもしれないとグレアムは考えたのだ。

 

 

「父様がそうしたいのでしたら、私達から何も言いませんが…。

 もし彼女が力になってくれたとしても、…闇の書に対処できなかったらどうするんですか?」

 

「その時はその時だよアリア。 私は決めたのだ…。

 最後の最後まで諦めないと…、希望という名の糸をこの手につかみたいのだ。

 それが私を諭してくれた、彼女に対する私なりの礼儀なのだよ」

 

 

グレアムはそう言うと目の前に映るウィンドウに目を向ける。

幸せそうな日々を過ごす八神家の様子を見て、グレアムの顔に笑みが浮かぶ。

 

 

「私達だけでなく彼女も…、いや八神家全員でこの問題を解決したい…。

 だからこそ私は彼女達に魔導師の事、そして闇の書の事を打ち明けるつもりだ。

 打ち明ける時期は…、闇の書が覚醒し守護騎士達が現れた時…」

 

 

グレアムの決意を知りリーゼ姉妹はため息をつきながらグレアムの肩に手を置く。

 

 

「分かりました父様、父様の願いは私達の願い…、

 闇の書が覚醒した時に守護騎士も交えて闇の書の対策を考えましょう?」

 

「最悪守護騎士達に警戒されるだろうけど…、

 それでも私達が出来る事を全部やりきらないとね?」

 

「アリア…、ロッテ…、すまんな苦労をかける」

 

 

グレアムの言葉に微笑みながら頷くリーゼ姉妹。

こうしてグレアム達は自分達の事、そして現在はやてを蝕んでいる闇の書の事を明かす決意をする。

アオイに教えられた『自分が出来る事を全部考えついてから行動しろ』の言葉通り、

自分に出来る事全部をやり遂げるために八神家のアオイへ助力を請うことにする。

 

 

 

グレアム達がアオイ達の元へ闇の書の事を告げに、八神家へ向かう時まで…あと少し。

 

 

 

 

 

 

こうして物語は転生者である彼が知る原作と乖離していく。

それが良い方向に進むのか? はたまた最悪の方向へと進むのか…。

それを知る者は誰もいない…。

 

 

 

 




ここまでの読了お疲れ様でした。

今回はオリ主君が変な方向に暴走したり、まぁ転生オリ主っぽく考えたりと…。
ある意味かませ犬っぽいですが、そうなるか否かは私の腕次第ですね。
なお冒頭にでてきた神様っぽいのはラグナロクオンラインで登場する、
魔王モロクの取り巻きの一匹、モロクの現身(天使型)と呼ばれるモンスターです。
モンスターなのに喋るのは私の独自設定です。

ちなみに終わりの方ではグレアムさんが微妙にまた何かのフラグ立ててます。
これがどういう結果になるのかは物語が進めば分かる事でしょう…、多分。
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