魔法少女と異世界の暗殺者   作:繊月紅

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ということで、今回から無印編スタートです。
今回は文字数がなぜか8000字超えてました…、どうしてこうなった。

もうちょっと綺麗にまとめれる様に精進したいですね。



一章─無印編─
─第十一話─[魔法少女と喋るイタチ…ですか?]


 

 

 

 

 

 

────八神家────

 

 

 

 

 

 

桜の花びらが舞い散る四月、私は十四歳となり平穏な日々を過ごしていた。

ただそんな私の平穏は、ある日の夜に聞こえてきた謎の声により脆くも崩れ去った訳なのだが…。

 

 

 

それは本当に突然だった。

その日も夜の夜間訓練をしていた私の頭の中に突然…、

 

『──誰か…、──この声が聞こえますか?』

 

 

『──この声が聞こえたら、──僕に力を貸してください!』

 

等という不可思議な声が聞こえてきたのだから。

もちろん私はその声が聞こえたと同時に即座に臨戦態勢に入り、

周辺を警戒し続けたのだが、結局それ以上の事は起きずに終わった。

 

訳も分からずそのまま訓練する気にもなれず八神家に帰り、

まだ起きていたはやてとアリスに先ほどの事を話すとどうやら二人にも聞こえたらしい。

ただ個人差があるのか分からないがアリスは若干聞き取りづらく、

はやては私と同じくはっきりと聞こえたそうだ。

そんな謎の声について暫く三人で考え続けたが、

結局判断材料も少ない現状では何も分からない事には変わりなかった。

 

 

 

次の日の学校の休み時間に、私は伊織に昨夜の謎の声について何か知らないかと訪ねていた。

呪術や降霊術に詳しく、術者である伊織なら何か知っているかもしれないと思ったからだ。

 

 

「…てな事があってさ、伊織其の辺詳しいでしょ?」

 

「確かに詳しい事は詳しいけど、私にはその声は聞こえなかったわ。

 可能性として考えられるのは、一定の人に聴かせるための指向性を持った意思。

 俗に言う念話と呼ばれる力だと思う。

 私は霊力があるけど、アオイの言う謎の声は私には聞こえなかった。

 霊力とは別の力を持つものしか聞こえない念話じゃないかと推測するわ」

 

「霊力とは別の何か…ねぇ? 妖力とか魔力とかそんなやつ?」

 

 

私の言葉に頷く伊織。

妖力は兎も角、魔力に反応する念話と言うなら私とアリスに聞こえたのは納得できる。

一応私がいた世界では魔法も存在するし、魔力という概念も普通に存在してたしね。

ただそれだとはやてに聞こえたのが疑問なんだけど…。

 

簡単にではあるが暗殺者…、アサシンクロスである私でも一定の魔力反応は感じ取れる。

魔法を扱うウィザードやプリーストなら完璧に感じ取れるんだろうけどね。

まぁ何にせよ私でもある程度は感じ取れるのだが、はやてからは魔力をほとんど感じないわけだ。

だから魔力に反応する念話だと、はやてに聞こえたってのが矛盾として出てしまう。

ならば妖力に反応するのか? と言われれば私には何とも答えられない。

そもそも妖力なんて私には無い代物だしね。

 

 

「んー…、はやてにも聞こえてるっぽいから、多分魔力ではなさそうなんだけどねぇ…。

 伊織は魔力の有無とかそーいうの調べたりする事ってできるの?」

 

「一応調べることはできる…と思う。

 ただし詳しく調べる事は今はできないわ。

 詳しく調べるためには専用の道具が必要なんだけど、

 その道具は花菱家本家…つまり私の父さんの実家にあるの。

 許可をもらって持ってきてってすると半月から一ヶ月は時間をもらうことになる」

 

「そっかまぁ一応お願いしようかな…? もしこの謎の声が私達を害なす存在だったら、

 どんな手を使ってでも探し出して排除しなきゃならないだろうし」

 

 

私がそう言うと伊織は頷き、それと同時に授業が始まるチャイムが鳴ったためそこで話しを終ええる。

はやてに魔力があるのかどうか伊織に調べてもらえる事になったし、

調べてもらうまでの間に、その謎の声の主を探し出して真意を調べなきゃな…。

 

アリスには万が一を考えてはやての傍に居てもらうとして、

今夜から一応謎の声の主を探るついでに街の調査もしてみるか。

もしかしたら街全体に被害が広がる可能性もあるわけだしね。

 

授業が始まったというのに私は、授業をそっちのけで今後の対策を練り続けた。

 

 

 

学校が終わり、はやてにメールで頼まれた晩御飯の材料を買いに、

私はスーパーの方へと歩いているのだが、先程から誰かに見られている気配を感じる…。

一応警戒はしているのだけれど、どうも私を見ている奴は素人だと思う。

こっちを見てますよーって気配がダダ漏れだし…。

なんだかなー…と思いながら目についたカーブミラーを見ると、

私をつけ回していた奴の姿がチラッと見えた…。

 

てかあの姿は見たことがあるね…。

金髪逆毛、異なる虹彩異色の持ち主でそれが激しく似合っていない男の子。

花菱家の問題児である『花菱真人』が私をつけ回していたのだ。

 

名前を知った経緯はただ単に伊織が教えてくれたからだけどね…。

 

 

 

まぁ何にしても尾行している真人君は、私が気がついてないとでも思っているのだろうか?

小学生の子供の尾行なんぞ正直、ある程度勘のいい人ならすぐに気がつくものである。

だが真人君本人は、今現在も気がつかれてないと勘違いしてるのだろう。

現に真人君の顔はなんかムカつくドヤ顔してるし…。

 

どーしたものかなぁーと暫く考えて結論として、私は真人君を無視して買い物をすませる事にした。

 

正直なんでかしらないが、真人君は私の事を目の敵にしてるっぽい。

真人君と出会った入学式の日以降街中で出会ったりした時に、

私を睨みつけながら襲いかかってくる事が何度かあったからだ。

その度にどこから現れたのか知らないが、伊織や担任の薫先生が真人君を粛清して連れて帰っていた。

 

まぁ今日もそうなるだろうなと思いながら行きつけのスーパーへと到着する。

 

 

 

暫く買い物を続けながら、時間を確認して私は未だに尾行を続ける真人君を見る。

もちろん真人君には気づかれないように注意を払って…だけどね。

真人君はブツブツと独り言を喋りながら私の方をジッと見ていた…。

それを見て私は『キモイ…、いや気持ち悪すぎる』と思ってしまった。

だけどそう考えてしまうのは健全な人なら普通だよね…? 私は暗殺者だけども…。

 

 

 

買い物を終えてスーパーの袋を両手に持ち八神家へと向かう。

その背後には未だに後をつけ続ける真人君がいた…。

正直勘弁してもらいたいものなのだが、口で言っても真人君には暖簾に腕押し、馬の耳に念仏だろう。

 

仕方なく私は真人君の気が済むまで尾行させるため、

ついでに八束神社に住み着いてる子狐に会うために歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

────八束神社────

 

 

 

 

 

 

俺は転生者であろう人物の後を尾行している。

伊織姉ちゃんに教えてもらったあいつの名前は『八神アオイ』というらしい…。

八神の苗字を名乗ってることから八神家にうまく潜り込んだんだろうな。

つまりあいつは八神家ハーレムを狙ってる転生者の可能性が高い訳だ。

 

八神家はハーレムを狙う転生者にとっては最高の場所…。

じゃなきゃ八神家に転生するとか考えない…はず。

あ、リインフォース生存フラグを立てる転生者もいるか。

まぁ何にせよあいつは八神家で何かをやろうとしてるのは間違いない。

 

その証拠に伊織姉ちゃんの入学式の時に、

はやてとグレアムが仲良く一緒にいるとか訳の分からない状態になってたからな。

 

 

 

そんな風に俺が考えを巡らせながらあいつを尾行し続けると、

あいつはやたら長い石段を登り始めていた。

てか…、ここって確かジュエルシードに取り込まれた犬が出てくる神社じゃないか?

 

俺はあいつに気づかれないように慎重に石段を登り尾行を続ける…。

 

石段からすぐ横に逸れて木の陰からあいつを見ると、

神社の中にはいる階段っぽい所に座って買い物袋の中から何かを取り出していた。

目を凝らして見てみるとなんか油揚げを取り出して小さくちぎっているのが見える…。

何をする気だ? と思いながら見てると林になった場所から一匹の子狐が現れた。

 

子狐…? まさかあれってとらハに出てくる久遠…か?

そう考えながらジッとあいつの行動を監視する。

 

 

「ほら子狐、今日は油揚げ持ってきたよ。 食べ過ぎると身体に悪いから少しだけね?」

 

 

そう久遠らしき子狐に話しかけながらちぎった油揚げを少しずつ与えている。

まさかあいつとらハ勢も攻略対象として見てるのか?

油揚げをあげているあいつの姿を見ながら考えを巡らせるが、

まだあの子狐が久遠だと完全に確定している訳でもないため様子見とする。

 

 

「しかし子狐、あんたも毎回毎回飽きないね?

 私の傍なんかいても面白いことも何もないっていうのに」

 

「クゥ? …クォン!」

 

「うん、何言ってるかさっぱり分からないよ。

 まぁ子狐が傍に来てくれて私は楽しいからいいけどさ」

 

「クゥ…」

 

 

そんな風に子狐に話しかけてるあいつを見て俺は大声でツッコミたかった…。

明らかにあの子狐は人間の言葉を理解してるだろう!?

お前の言葉に反応して鳴き声出してるじゃねーか!

仮にとらハを知らない転生者だとしても人間の言葉に反応してる時点で、

誰かの使い魔とかそーいう風に考えられねぇのかよ!!!

とまぁ俺はあいつと子狐の会話に心の中でツッコミを入れる。

 

暫くあいつの行動を監視していたが、どうやらここには子狐に会いに来ただけみたいだった。

もしかしたらジュエルシードを先に回収したり、事前に罠とかそーいうの仕掛けると思ったんだが…。

結局あいつは何もしないまま子狐に別れを告げて神社の石段を降りていく。

それを見て俺はあいつの尾行をこれで止める事にした。

 

昨日ユーノの広域念話が聞こえたから、恐らく今日の夜にジュエルシードの暴走体が出るはず…。

なら俺は原作介入するため…、あいつが来たときのために準備をしておこう。

 

 

 

 

 

 

────八神家────

 

 

 

 

 

 

晩御飯を食べ終えた私はリビングではやてを膝にのせて寛いでいた。

最近のはやては私の膝の上がお気に入りらしく、ソファーに座っていると毎回ねだられるのだ。

まぁ私自身も嫌ではないのではやてを膝に乗せながら、

テレビから流れるニュースを見つつはやての頭に顎をのせてボーッとする。

取り敢えず昨日の謎の声について調べるためにも、はやてが寝るまでは大人しくしてないとね…。

 

 

「なぁアオイ姉ちゃん、もしかして昨日の声について調べに行くんか?」

 

「…ッ! …いやなんではやてはそう思ったの?」

 

 

はやてが突然そんな事を聞いてきたため、私は動揺して一瞬言葉に詰まってしまった。

そんな私の様子にはやてはため息をつきながら言葉を続けた。

 

 

「うちかて気にはなっとったからなー、そしたらアオイ姉ちゃんなんかソワソワしとるし…。

 そやからもしかしたら一人で調べに行くんちゃうかと思ったんやー」

 

「あー…、まぁ…調べには行くつもりだったけど…。

 ほら前に話したことあるでしょ? 私が異世界の人間で暗殺者やってたって」

 

 

私の言葉にはやては頷きで返す。

 

 

「まぁ職業病みたいなものよ、暗殺者とかやってると…ね?

 私達とかこの街に影響がないかどうかだけ調べて、

 もし害をなすようであれば排除ぐらいはしよーかと考えてるんだけどね」

 

「んー…確かにあの声が人様に迷惑かけるよーなもんやったら、

 原因を解決するってのは納得できるんやけど…。

 アオイ姉ちゃん…人に怪我させたりせーへん?」

 

「むぅ…それは難しいかな…? 声の主がとんでもない悪党だったら躊躇なく私は殺すよ?

 はやては優しいから私に人殺しや、人に怪我させるのを止めてほしいってのは分かるけど、

 私はこの八神家やこの街に害をなそうとする奴に容赦はしないよ」

 

 

私の言葉にはやては『むぅー』と言いながら頬を膨らませる。

まぁ少し言い過ぎたかもしれないが、相手がとんでもない悪党であるなら実際に私は躊躇しない。

元々私がいた世界ではそういう事は日常茶飯事だったのだから。

私自身はそこまで人を殺した事はないが、ある程度の人数は殺した事もある。

この世界ではまだ一人も殺した事はないけど…、必要なら殺す事も考えておくべきだろう。

 

 

「アオイ姉ちゃんが元々いた世界で人殺しした事あるんわ知っとるけど、

 それでも今おるこの世界におる間はしてほしくない…。

 うちが言っとることはアオイ姉ちゃんの世界では甘いんやろーけどなぁ…」

 

「それが甘いことだって理解できてる時点ではやては凄いよ?

 はやての歳だとそういうのが理解できないものだしね」

 

「んー…、まぁうちは色んな本とか読む機会が多かったし、そのせいちゃうかなぁ?」

 

 

とまぁ最初はちょっと暗い空気だったが、はやてが若干話を変えてくれたお陰で、

先程までの暗い空気はすっかりなくなっていた。

こういう所からもはやてが歳相応の考え方をしてないことは分かる。

幼い時に両親を亡くしたがゆえのある意味歪みに近いものかもしれないとは思うが、

それでも今まで暗くなる事なく元気に育ってくれたのはよかったかな…。

 

その後、洗い物が終わったアリスも交えて私達は他愛もない話をしながら時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

────海鳴市内────

 

 

 

 

 

 

あの後はやては街の調査に出る私に『絶対無茶せんで、ちゃんと家に帰ってくるんやで!』と言い、

アリスに連れられて自分の寝室へと入っていった。

その際にアリスにははやての護衛を頼んで私は動きやすいラフな服で街の調査に出た。

 

海鳴大学病院方面へと走り抜けながら、時折マンションの屋上などに立ち目で周囲を確認する。

例え夜であろうと暗殺者である私には関係なく、周囲に異変が起きてないか注視する。

暫くそれを続け、私は槇原動物病院がある付近で僅かだが魔力を感じ取った。

 

 

「…んー、僅かだけど魔力を感じられるかな…、もしかしてこの辺にあの声の主が潜んでる?」

 

 

とある一軒家の屋根の上で周辺を見渡しながらそう呟いた瞬間、

少し離れた槇原動物病院から轟音と共に黒い何かが飛び出してきたのが目に見えた。

 

 

「…ッ!? やっぱり声の主はとんでもない悪党だったって事かしらね!

 兎に角、すぐにあそこまで行って事態の把握とその原因の排除に移りますか…!」

 

 

そして私は槇原動物病院のすぐ近くにある、一軒家の屋根の上で身を屈めて息を殺す。

眼下に広がるのは無残にもボロボロに壊された槇原動物病院の壁と塀。

更にその付近の道路もアスファルトが凹んだり捲れ上がったりと、

普通の人間が見ても悲惨であろう光景が広がっていた。

 

 

(クッ…、これは流石に見過ごせないわね…。 明らかに被害が広がりすぎてる…!)

 

 

心の中でそう思いつつ原因になったであろう黒く蠢く謎の物体に目を向ける。

その姿は人間の生理的嫌悪感を嫌というほど沸き上がらせるぐらい、

ウネウネと蠢き尚且つ触手っぽい細長い物もその物体から生えていた。

私は息を殺しながらも周囲を注意深く探るとその物体の影に隠れて見えなかったのか、

謎の物体と対峙する小さな生き物が見えた。

 

 

(パッと見イタチっぽいけど…、なんかちょっと違うかな…?)

 

 

イタチっぽい何かが謎の物体と対峙しているのを見て私は取り敢えず様子見に徹する。

最悪あのイタチに謎の物体が攻撃を仕掛けたら、私が出てあのイタチを助けるとしよう。

そこまで考えた私はその次に起こった出来事に不覚にも唖然としてしまった。

イタチと謎の物体の対峙する現場に一人の少女が乱入してきたのだ…。

その少女は私がよく知る、高町家の末っ子である『高町なのは』であり、

目の前の光景を見てなのはちゃんは呆然と立ち尽くしていた…。

 

 

(…ッ! 呆然と様子見するなんて私はアホか!?

 兎に角なのはちゃんをこの場所から遠ざけて…って、今度は何!?)

 

 

取り敢えずこの場所からなのはちゃんを遠ざけようとした私は、

再び起きた別の出来事にもはや何が起きてるのか理解できず、その場から動かずに留まることにした。

 

 

「アハハハハ! この俺が来たからにはもう安心しろなのは!

 この花菱真人が助太刀してやるぜぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「ふ、ふぇ!? あ、なんで花菱君がここにいるの!? というかなんで空を飛んでるの!?」

 

 

現れた乱入者は何故か私を目の敵にする『花菱真人』だった。

ただその真人君は空に浮いており、おまけに金色の鎧を身に纏って変な形状の武器を手にしていた。

私は現場に来てから次々と起こる訳の分からない出来事に、唖然としながらも息を殺し続けた。

 

もはや何がなんだか分からず、今は事の成り行きを見守るしかできない私と、

現場に何故か現れたなのはちゃんと真人君にイタチと謎の黒い物体。

 

暫くなのはの驚きの声と真人君の会話が終わると次に起きたのは…。

 

 

「す、すみません! ですが今は説明している時間がありません!

 なのでどうかお願いします! …あのジュエルシードの暴走体を封印する手助けを!」

 

 

黒い物体と対峙していたイタチが突如喋り始めたのだ…。

だが私はそのイタチの声を聞いて警戒心を最大まで高めることにした。

あのイタチの声は確実に私達に聞こえたあの謎の声と同じだったからだ…。

イタチに対しての警戒レベルを最高まで高めた私はその行動の一挙一動を監視する。

 

なのはちゃんがイタチが喋った事にビックリしていたが、

その間にあの謎の黒い物体も痺れを切らしたのか、なのはちゃんやイタチに向って突進してきた。

空に浮かんでいた真人君はそれを見逃さずに、突進してきた黒い物体となのはちゃん達の間に立ち、

持ってた武器から『プロテクション』と声が聞こえた後、

薄い金色の壁らしきものを発生させて突進を止めていた。

 

 

(んー…、あの金色の壁っぽいのから魔力を感じるなぁ。

 て事はあれって私のいた世界でいうプリーストの防御スキル『キリエエレイソン』みたいなものか…?

 取り敢えずあの黒い物体の突進を止めたぐらいだからかなりの強度はありそうだね…。

 てか真人君が持ってるあの武器なんだろ? なんか声が聞こえたから多分魔剣とかそーいう類かな?)

 

 

真人君の持つ武器について考えつつ再び監視を続ける。

なのはちゃんの肩に乗ったイタチが赤い宝石をなのはちゃんに渡して何か喋ってるのが聞こえる。

イタチの説明らしき言葉を聞いてなのはちゃんが手に持った赤い宝石を空に向けると、

私でもはっきりと分かる程の膨大な魔力を迸らせながらワタワタと慌てていた。

 

 

(いや、いやいやいや! なにあの魔力!?

 下手すれば私がいた世界のハイウィザード並の魔力量…、いやそれ以上あるわよ!?)

 

 

なのはちゃんが放出した魔力量に驚愕しながらも、その次の瞬間なのはちゃんの姿が変わっていた。

赤い宝石は少し大きめの杖へと変わり来ていた服は、

聖祥大学付属小学校の指定制服に近いものに変わっている。

すでに魔力の放出は終わっているが、

内包している魔力量は完全に私の世界にいた魔術師達を超えていた…。

 

 

(元から魔法についての素質はあったにしても、この魔力量は異常としかいいようがないわよ?

 下手すれば私の世界にいた魔術師数人がかりでも太刀打ちできるかどうか…)

 

 

恐らくなのはちゃんの魔法の才能を開花させたのはあの赤い宝石だと判断する。

恭也から聞いた話ではなのはちゃんは運動が得意じゃないって聞いてたんだけど…。

もしかしたら御神流としての身体能力より、魔法の才能とかそーいった物に特化したタイプなんだろうか?

どちらにしても血は争えないということなのだろうと結論づける。

 

 

「よっしゃー! なのはは封印に集中しろ!

 その間は俺があの気持ちわりぃ奴を相手してやる!!」

 

「う、うんわかったの…。 レイジングハート…お願いね?」

 

《分かりました》

 

 

真人君が手に持った武器を使いながら黒い物体をその場に押し止める。

その間になのはちゃんが手に持ったレイジングハートという名前の杖を黒い物体に向けた。

イタチの言葉になのはちゃんは集中しながらも自分の中にある魔力を纏めていく。

 

 

(うわ…、ほんとになのはちゃんって魔法を今知ったばかりなの?

 あの魔力の収束技術なんて私の世界の魔術師でもそうそうできないわよ?)

 

 

明らかに歳相応の能力じゃない事に私は口元を若干引きつらせながら観察を続ける。

正直暗殺者である私でも分かるぐらい、なのはちゃんのやっている事は凄い事なのだ。

もしなのはちゃんが私の世界に住んでいたら、それこそ大魔術師と呼ばれかねない。

 

 

「リリカル…マジカル…、ジュエルシードシリアルⅩⅩⅠ…封印!!」

 

《シーリングモードセットアップ、スタンバイレディ…シーリング、ナンバーⅩⅩⅠ》

 

 

なのはちゃんの持つレイジングハートが音叉状に変形した後、

桃色に光る帯みたいな物を発射し黒い物体にぶつける。

真人君はその前に黒い物体から離れたらしく、周囲を何故か見渡していた。

桃色に光る帯にぶつかった黒い物体はその帯に雁字搦めに囚われ、最後には完全に消滅していった。

消滅した場所に残っていたのはイタチが言っていたジュエルシードと呼ばれる物だと思う。

 

その後、イタチと真人君と話しながら状況を確認していると、

イタチは気を失ったのかなのはちゃんの手の中でグッタリとして動かなくなった。

それと同時に遠くからサイレンの音が聞こえてきたため、

なのはちゃんと真人君はその場から急いで立ち去っていった…。

 

 

「取り敢えず私もこの場を離れてなのはちゃん達の跡をつけるかな…。

 まだこんな事になった原因も判明してないし、もしかするとあのイタチが何かやらかしかねないしね」

 

 

私はそう呟いた後、屋根から屋根へと飛び移りながら、

なのはちゃん達が走っていった方向へと急いで向かっていった…。

 

 

 

 




ここまでの読了お疲れ様でした。

という事で無印編の一話~二話の冒頭ぐらいまで進みました。
転生オリ主である真人君も原作介入で原作崩壊も少し近づいたかな?

今後なのはちゃんはどう変わっていくのか、真人君は転生オリ主としてどう動くのか。
アオイの立ち位置はどうなるのか? 其の辺をしっかりと書けたらいいなと思います。
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