魔法少女と異世界の暗殺者   作:繊月紅

15 / 19
今回も早めにストックが出来たので投稿しました。
誤字脱字・文脈の違和感などあればご報告ください。

※8/9追記:サブタイトルに『…ですか?』がついてなかったので追加しました。


─第十三話─[金髪の少女と暗殺者の邂逅…ですか?]

 

 

 

 

 

────八束神社────

 

 

 

 

 

 

あの日、真人君に負けてから数日が経過した。

私はその日から学校帰りに街の探索と、なのはちゃんとの接触を試みていた。

街の探索についてはこれといって成果は上がらず、

なのはちゃんとの接触に関しては、何故かなのはちゃんと出会うことすら出来ていなかった。

最悪、恭也に頼んでなのはちゃんと会う約束を取り付ける…、という方向も考えておかないとね。

 

そんな風に考えていた私は、街中を探索しつつ休憩がてらに八束神社に来ていた。

いつも通りの場所に腰をかけてふと神社の雰囲気が若干おかしい事に気がつく。

 

 

「…ん、なんだろ? 空気中の魔力が若干不安定になってる…?」

 

 

私はそう呟きながら周辺の魔力を調べてみるが原因は解らなかった。

魔力探知はできるが流石に魔力探知が専門ではないためどうしようもない。

魔力が不安定になっている原因は解らないが、少なくともここで何かあったのは確かだろう。

もしかすると数日前にあったジュエルシードとか言う宝石みたいなのがここにもあって、

それが数日前と同じく暴れまわったのかもしれない…。

 

私が何故ジュエルシードがまだあると思ったのかと言えば答えは簡単である。

あの時あの黒い物体をなのはちゃんが使った魔法で倒した時、

『ジュエルシードシリアルⅩⅩⅠ』となのはちゃんとあの杖が言っていたからだ。

二十一と言うことは最低でも二十一個のジュエルシードがあると推測できる。

となるとこの街だけかどうかは分からないが、最低でも数個はこの街にあると考えていいだろう。

故に私はまだあるかもしれないジュエルシードと言う宝石を、街の探索ついでに探していたのだ。

 

もしここであの黒い物体っぽい何かが暴れていたのであれば、

この神社周辺の魔力が不安定になってるのも納得はできるかな?

 

何にしてもこの神社で何かがあったのは確かだろうし、

恐らくこの街でまだあのジュエルシードとやらの暴走体が暴れる可能性はある。

その暴走体があの時の規模ぐらいの災害ですむのか、

それ以上の規模の災害を撒き散らすのかは分からないが…。

少なくともロクなことにはなりはしないだろうと思う。

 

兎に角私に今できるのはそのジュエルシードを早く探しだして粉々に砕くか、

なのはちゃんと一緒にいるであろうあのイタチから詳しい話を聞き出すぐらいか。

恐らく真人君もなのはちゃんと一緒に行動している可能性はあるし、

もしかするとまた話も聞かずに戦う羽目になるかもしれない。

 

その光景が目に浮かんだ私は深いため息を付きつつ神社を後にした…。

 

 

 

 

 

 

────聖祥大学付属小学校(夜)────

 

 

 

 

 

 

八神家で晩御飯を食べ終わった後いつもなら鍛錬に出かける私だったが、

ここ数日はジュエルシードの探索にその時間を割いていた。

街を探索をしていて気がついたのはあの神社の他にも、

少し離れたプール施設でも周辺の魔力が不安定になっていたのだ。

 

恐らくだがそこでもジュエルシードの暴走体が暴れたのだろうと推測はしたのだが、

神社とプール施設の両方に共通してるのが被害がほとんど出ていないことだった。

 

最初にジュエルシードの暴走体を目撃した槇原動物病院の周辺はボロボロになり、

今現在も壁や周辺の道路の補修工事が続いているのだ。

それを考えると、どうして神社とプール施設ではそういう被害が出ていないのか気になるのだが…。

 

兎に角被害が出ていないのであれば問題は無いが、それでも危険物に変わりはない。

故に探索を今日も続けていた私は聖祥大学付属小学校へと歩を進めていた。

 

小学校の校門前まで来た私は辺りを見渡し、誰もいない事を確認してから中に侵入した。

校舎内や中庭などを調べた後、グラウンドまで歩を進めてふとその場で立ち止まる。

グラウンドの隅の方で何かが光ったのが見えたため光が見えた周囲を注意深く見る。

 

 

「この辺で確かに光ったよね…?」

 

 

雑草などが生えてる辺りを重点的に見ていると、キラリと月明かりに反射した何かが見える。

近くまで近寄りその何かを手にした瞬間、これが何なのかようやく分かった。

私が見つけたのはジュエルシードでシリアルナンバーはⅩⅩ。

暴走体になっていない所を見ると暴走する前になんとか確保できたという所かな?

取り敢えず暴走してないのであれば、この場で破壊するのが一番いいと思うんだけど…。

 

 

「これの暴走する条件が分からない事には下手に扱えないかな。

 仮に破壊しようとして、それが切っ掛けで暴走するなんて事もありえる訳だし…。

 となると暫くは所持して暴走条件が分かり次第、即時破壊がベストか」

 

 

そう結論づけた私は取り敢えずジュエルシードをポケットに入れてその場を離れる事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私がジュエルシードの暴走体を始めて封印してから数日が過ぎたある夜の事でした。

花菱君から発動前のジュエルシードかもしれない反応があると念話で教えられ、

私とユーノ君、そして途中で合流した花菱君の三人で、

私と花菱君が通う聖祥大学付属小学校にやって来ました。

まだ発動していないため花菱君も細かい場所が分からないらしく、

三人で暫く色んな場所を探してみましたが一向に見つかる気配がありませんでした。

 

どこにあるんだろうと考えていると、突然花菱君が大きな声を出して驚いてました。

 

 

「突然大きな声を出してどうしたの真人?」

 

「いや…、確かに感じたはずの暴走前のジュエルシードの反応が無くなってる…。

 暴走した形跡も無いし、封印された様な痕跡すらないぞ…どうなってんだ?」

 

「うーん…もしかすると発動前に原生生物に持ち去られた可能性があるね」

 

 

暫く続くユーノ君と花菱君の会話を私なりに考えてみる。

多分花菱君は発動前のジュエルシードをちゃんと見つけていたんだと思うの。

神社やプールにあったジュエルシードの存在を一番最初に気がついたのは花菱君だし、

ユーノ君が言うには魔力察知とかそーいうのが得意なんだと思うって言ってたし。

 

だから花菱君が言ってた発動前のジュエルシードはここにあったはず…。

だとしたらユーノ君が言うように動物さんが持っていった可能性は十分あると思うけど…。

私はそこまで考えてふと別の可能性を思いついてしまった。

 

 

 

もしかすると私が魔法少女になったあの夜に出会ったあのお姉さん…。

あの人も実はジュエルシードを集めているとしたら、

発動前のジュエルシードを発見して取り敢えず持ち帰った可能性もあるかも。

 

花菱君があのお姉さんはデバイスを持ってなかったって言ってたし、

もし花菱君が言ってた事が本当だとするなら、

デバイスを持っていないお姉さんはジュエルシードを封印できないから、

そのまま封印せずに持ち帰ったって考えられるんだけど…。

 

 

「ユーノ君、もし人がジュエルシードを発動させたらどうなるの?」

 

「え…? えっとその場合だと通常の動植物と違って人間はもっと明確な願いを持ってるから、

 もし人間が発動させてしまうと動植物が発動させるよりももっと酷い被害が起こると思う…」

 

 

ユーノ君の言葉を聞いて私は更に思考を没頭させる。

あのお姉さんがジュエルシードを持っていったと仮定して考えると、

いつ爆発するかも分からない爆弾をあのお姉さんは知らずに持ち歩いている事になる。

尚且つ爆発してしまえばあのお姉さんと、その周囲にいる人にも被害が及ぶはずだ。

 

そこまで考えていると花菱君も何か考えているのか、ブツブツと独り言を呟いていた。

少しその内容が気になり花菱君の独り言に耳を澄ませてみたが、

正直花菱君が何を言ってるのか理解出来なかった。

『あいつは今動けないはず…』とか『まさか他にも転生者が?』だとか…。

普段の学校でもそうだけど、花菱君が何を考えているのかさっぱり理解できない。

 

まぁ悪い子じゃないんだろうけど、花菱君は私達じゃなくて別の何かを見てるような気がする。

まるで物語を読んでる人みたいな感じかな…?

目の前の人じゃなくて物語の登場人物に話しかけてるみたいな…そんな感じ。

 

 

「ここにあったはずのジュエルシードの行方は俺が探しておくぜ。

 なのはとユーノは別のジュエルシードの探索を続けてくれ」

 

「うん、分かったの」

 

 

花菱君の言葉に若干上の空だったけど取り敢えず返事をしておく。

そんな私の態度にユーノ君は気がついたみたいだったけど、

花菱君は気がつくことなく笑顔で頷いていた。

取り敢えず今日のジュエルシードの探索はこれぐらいにしておかないと、

疲れが溜まって正常な考えが出来なくなるかもしれない。

そうなったら最悪、被害がもっと大きくなっちゃうかもしれないしね。

 

そして私と花菱君は学校で別れ、明日に備えて家へと帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨晩ジュエルシードを一つ見つけた私は、そのジュエルシードを肌身は出さず持ち歩くことにした。

ついでに学校に関しては家の事情との理由で暫く休むことにしている。

これなら最悪私が持ち歩いてる間に暴走しても、学校の人達には迷惑をかけることはないだろうし、

暴走したらしたで人気のないところで完全に破壊してしまえば問題ないだろう。

 

もちろん学校を暫く休む事ははやてにはきちんと説明してある。

おかげで私はジュエルシード探索に大半の時間を費やすことができる。

アリスには引き続きはやての護衛をしてもらうことにした。

 

 

 

家を出て日曜日で人がごった返す街中を散策しつつ周辺を注意深く観察する。

流石に昨日の今日でジュエルシードがまた見つかるとは思っていないが、

何もしないよりは絶対にマシだろうと思う。

取り敢えずお昼前までは街中を中心に調べて、お昼過ぎからは市外の方へ足を伸ばすとしますか。

 

 

「んでアオイ姉ちゃん、そのジュエルシードとかいう宝石は見つかったんか?」

 

 

朝からお昼前まで街中をずっと探索していた私は一旦帰宅した訳なのだが、

ご飯の用意をしてくれていたはやてにそんな事を聞かれた。

 

 

「んや、ぜーんぜん見つからないわ…。

 まぁ暴走してなかったらほんと普通の宝石と変わりがないしね」

 

「そーですねぇ…、実際魔力もほとんど感じませんし。

 これを暴走前に探すのはかなり苦労しますよご主人様?」

 

「アオイ姉ちゃんあんま無茶したらあかんよ? ただでさえ結構無茶しよーねんから」

 

 

という感じでアリスは兎も角、はやてからは小言を言われた訳で。

小学校三年生のはやてに小言を言われるほど、私って無茶してるのだろうか…?

アリスとはやてに聞いてみたい気持ちはあるが、

聞いたら最後、私の尊厳やその他諸々が地の底まで落ちそうな気がする…。

 

 

 

お昼御飯を食べ終わった後、のんびりはやて達と過ごしている時だった。

電灯の紐がユラユラ揺れ始めたかと思った次の瞬間…、突如として家全体が大きく揺れ始めた。

 

 

「ふわ!? ア、アオイ姉ちゃん地震や!! おでこに頭巾つけて防御するんや!?」

 

「はわわわわわ…、ご、ご主人様ーーー!? グラグラ揺れて…うぷっ…」

 

「ちょ…、二人共落ち着いて!? 取り敢えずアリスははやてを机の下に避難させる!

 揺れて気持ち悪くなってるんだろうけど、そこはキビキビ動きなさい!!」

 

 

はやては今までに経験した事のない大きな地震に右往左往しており、

おまけに頭巾をおでこにつけろだとか訳のわからない事を口走っている。

アリスに至ってはあまりの揺れにどうやら即効で気分が悪くなったらしく、

顔を真っ青にしながらフラフラと揺れていた。

 

そんな二人を落ち着けさせすぐにはやてを机の下に避難させる。

その際にアリスにははやてのすぐ隣にいてもらい何があっても対処してもらおうと思ったのだが…。

 

 

「うぷっ…、だ、大丈夫ですよー…。 私の…うっ…、私の傍にいればー…」

 

 

もう完全に虚ろな眼差しであさっての方向を見ているアリスがはやての傍にいた。

この状態のアリスはどう考えても役に立たないと即座に判断し、

地震が収まるまで私ははやての傍にいることに決めた。

 

もしこの地震がジュエルシードの暴走した影響だとしたら、

即座に破壊しに行きたかったのだが…、流石にこんな状態の家族を放置するなんぞ出来るはずもない。

ジュエルシードの暴走であるならあの日の夜の様に、なのはちゃんが封印してくれる事を祈るとしよう。

 

 

 

 

 

 

暫くして地震も収まり散らかった家の中を整理しつつ、

外の様子を見るために私は落ち着いたアリスにはやてを任せ外へ出た。

街の様子はそれは酷い状態でアスファルトの道路は何かが這いずったかのようにボロボロになり、

家の塀や壁などが壊されている場所などもあった。

街の惨状を確認しつつ、ふと恭也の事が気になった私は翠屋まで歩を進めた…。

 

 

「…ん? アオイか、どうしたんだ?」

 

「いやさっきの地震で翠屋は大丈夫だったのかなって思ってさ。

 外の道路とか壁とかがボロボロになってたし…」

 

 

翠屋までたどり着いた私の姿を、店の前にいた恭也が気がつき話しかけてきた。

私は取り敢えずお店が大丈夫なのかどうか確認したのだが…。

 

 

「まぁ取り敢えずは店の被害は皆無だったな。

 食器とか崩れそうになったが、俺と美由希で落ちて割れる前に回収したし」

 

「…あぁそうですか。 そーいえば恭也達は人外な速度で移動できたね…うん」

 

「…む、人外とは心外だな。 それよりアオイの家は無事なのか?」

 

「食器とかそこそこ落ちて割れたけど、そこまで被害は出てないよ」

 

 

当たり障りのない会話をしつつ周囲を見渡すが、どうやらなのはちゃんはいないようだった。

そんな私の様子に恭也は気がつき、『どうした?』と聞いてきたが、

私は『何でもない』と苦笑混じりに返す。

暫く恭也と色々会話をした後、私は八神家へ帰ることにした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠屋から八神家へのその帰り道で、私は一人の少女と女性に出会った…。

 

 

「貴女が持っている青い宝石…、ジュエルシードを渡してください」

 

「大人しくした方が身のためだよ!」

 

 

金髪の長髪を左右で束ね、黒いレオタードみたいな衣装とマントを身に纏い、

鎌のような形状をした長物を手に持った少女と、

動きやすい軽装な服を身につけたオレンジの長髪の女性…。

オレンジ髪の女性の頭には犬耳らしき物があり、お尻には尻尾がユラユラと揺れていた。

 

 

「あー…、取り敢えず君ら誰?」

 

「…………」

 

「ごちゃごちゃ言ってないでさっさとジュエルシードを渡せばいいんだよ!」

 

 

私の質問に金髪の少女は無言を貫き、オレンジ髪の女性はなぜか喧嘩越しだった。

まぁ取り敢えずこの子達の目的とかなんでジュエルシードが欲しいのか知りたいんだけど…。

 

 

「…渡してくれないのだったら、力尽くでも奪わせてもらいます!」

 

「素直に渡さなかった事を後悔するんだね!」

 

「あー…、なんか最近こんな感じで話を聞かない奴が多すぎる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして私は突然現れた金髪の少女と、オレンジ髪の犬耳女性の二人に襲われる事になってしまった。

取り敢えずはこの二人の動きを止めて話し合いの場をなんとか作らないとね…。

 

多分…この子もなのはちゃんと同じ魔法を使うんだと思う。

だとしたら…あの夜に真人君に無様に負けたみたいになるのだけは避けなければ。

私が負けたらその時点で話し合いも何もあったもんじゃないしね。

それにもしこの子がジュエルシードの事を知ってるなら、なおさら負けられないってもんだ!

 

 

 

私は油断なく構え二人を迎え撃つ事にした…。

 

この戦闘に勝ってジュエルシードについて知るために…。

 

 

 

 




ここまでの読了、お疲れ様でした。
という訳で、アオイがジュエルシードを一個獲得しました。
そして原作で言うところの大木事件が発生し、
はやてを守るために現場に行くことなく事件終了しました。

おまけに帰り道でフェイトちゃんに襲われるという、
アオイにとっては踏んだり蹴ったりな状態です。

おまけにまた微妙に恭也君がフラグを立てた気がします…。
いや、これはむしろアオイがフラグを立てたの…か?

では次回でお会いしましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。