魔法少女と異世界の暗殺者   作:繊月紅

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さてさてまだ無印だと序盤もいい所ですかね?
話のスピード的には早いのか遅いのか判断が難しい所…。
まぁ無駄に加速させるよりはしっかり書き込む方がいいんですけどね。

誤字脱字・文脈の違和感等あればご報告下さい。


─第十五話─[同盟結成…ですか?]

 

 

 

 

 

 

────海鳴臨海公園────

 

 

 

 

 

 

私と金髪少女の戦闘が発生して丸一日が経過した。

帰宅後にはやてとアリスに腕の治療をしてもらい、

一体何があったのか根掘り葉掘り色々喋ることになった。

その際に私の武器である『ダマスカス』もはやて達に見せると…。

 

 

「へぇー…魔法を使うための杖なんかぁ…。

 どう見ても短剣にしか見えへんのやけど、そこんとこどないなん?」

 

《形状が問題なのではありません、使用者の意図に応じて私達の形もまた数多くあるのです。

 後は私達デバイスを使用者がいかにうまく扱えるか、それだけの事なのです》

 

「なんかご主人様のデバイスさんは話方が硬いですねぇ…。

 もっとこうフレンドリーにお話してもらってもいいんですよー?」

 

《いえ、私は意思疎通はできますが成長というものがありません。

 故に話方などは変える事はできませんし、私は我が主の剣となり盾となれればそれで満足です》

 

「なんやこの子の話方は執事みたいやねー。

 アリス姉ちゃんがメイドさんで、デバイスのこの子は執事…。

 あかん、いつの間にか家がお金持ちの家みたいになってもーとる!」

 

《発言の意味が解りません》

 

「安心していいよダマスカス、はやての意味不明な発言は何時もの事だから」

 

 

とまぁ概ね私のデバイスであるダマスカスは八神家には受け入れられていた。

しかしデバイスの執事ねぇ…。

なんか四六時中監視されてるみたいで個人的には勘弁してもらいたいのだが…。

兎に角デバイスについては八神家では特に問題になることはなかった。

 

 

 

そんな私のデバイスであるダマスカスは現在、

剣十字型のアクセサリーがついたチョーカーとして私の首に装着してある。

金髪少女に教えてもらった事なのだが、デバイスというのは待機状態という形になる事ができるらしい。

その待機状態から魔法の種類によって適切な形状に変化させて使用するとの事。

まぁ確かに短剣型のままのダマスカスを街中で持ち歩くのは流石にマズイから、

この機能を真っ先に教えてくれた金髪少女には感謝である。

 

ちなみにダマスカスの形状変化は待機状態を含めて現在は二種類しかなく、

待機状態は剣十字型のアクセサリーがついたチョーカータイプ。

そして黒い穴から出てきた際の短剣型の二種類である。

金髪少女から聞いた話では形状変化は大体三~四種類前後が一般的らしい。

使用する魔法に応じて残りの形状を決めるのが一番無難なところだろうか?

形状変化はデバイスの容量を結構使うらしいし、使える魔法はしっかり考えないとね…。

 

 

 

海鳴臨海公園にあるベンチでそんな風に一人考えていると、遠くから金髪少女が歩いてくるのが見えた。

私は手を上げて自分がいる場所を伝えようとすると、

その前に私に気がついたのか金髪少女は少しだけ小走りでこちらに向かってきた。

 

 

「すみません、お待たせしました」

 

「別に気にしなくていいよ、色々考えることもあったしね」

 

「…そうですか、では早速話し合いを始めますか?」

 

「その前に、お互いする事があるでしょ?」

 

 

金髪少女は何の事か分からず首を傾げて可愛らしい顔でこちらを見つめる。

…戦った時はあんなに凛々しい感じだったのに、素はこっちの天然っぽい感じの方かな?

そんな金髪少女の姿にクスリと笑みを浮かべ私は金髪少女に伝える。

 

 

「お互いの自己紹介がまだでしょ? いつまでも『君』とか『貴女』だと言いづらいでしょうに」

 

「…あ、…そうですね。 じゃあ私から…、私はフェイト・テスタロッサ。

 ロストロギアであるジュエルシードの回収に来た魔導師です」

 

「ん、私は八神アオイ、この海鳴市に住む元暗殺者…。

 現在は平穏な日々を過ごす学生の身だよ」

 

 

互の自己紹介が終わり早速フェイトちゃんからこの世界とは別の世界の話と、

ロストロギアと呼ばれるジュエルシードについての説明を受ける。

 

 

「つまりは滅亡した別の世界の技術の結晶…みたいなのがロストロギアって事か」

 

「…そうですね、基本的にはそれで間違いないはずです。

 ただし失われた世界の技術のため下手に破壊するよりは、

 封印した方が被害が少なくてすみます。

 破壊すればその際に溜め込んだ魔力を暴走させたりもしますし、

 最悪その世界一つを丸々滅ぼす事もありえます…」

 

「なるほど…、今回落ちてきたジュエルシードもそれに近い性質がある訳か…。

 対処法は封印以外に今のところは無いと思った方がいいんだよね?」

 

 

私の言葉にフェイトちゃんは首を縦に振り肯定する。

それを見た私は自分の考えに没頭することにする。

 

まず始めに管理世界、管理外世界についてだろうか。

管理世界はそのまま時空管理局と呼ばれる組織が管理する魔法文化のある世界の事で、

そこでは魔法や科学技術など多種多様による発展をとげている世界である。

こういった世界がその技術を使って暴走しないようにしているのが時空管理局…。

次元世界をまとめて管理する警察と裁判所がくっついた巨大組織とフェイトちゃんが話してくれた。

 

何にせよその時空管理局が直接的に関与はしないが、

管理の対象となっているのが管理外世界である。

管理外世界はその世界の技術で別の次元世界へ渡ることのできない世界を指すらしい。

また万が一その管理外世界に魔導師が悪事を働こうとした場合は時空管理局が直接動くとのこと。

魔法技術があったとしても次元を渡る事が出来ないのであれば、

それも管理外世界に該当するらしい。

 

そしてロストロギア…今回の件で言えばジュエルシードの事である。

滅びた文明、またはその世界其の物が残した超技術の結晶。

まったくの無害だが使用方法の分からないモノから、

それ一つで一つの世界…または複数個の世界を滅ぼしかねない危険なモノ。

その数は多種多様であり、暴走したときの被害もまた多種多様なものなのだ。

 

今回のジュエルシードについてはフェイトちゃんも詳しくは分からないそうだが、

正しい手順で使用しなければ持ち主または付近に存在する生命の願いや願望を、

歪んだ形で叶え最後には暴走するという扱いの難しいロストロギアとの事。

しかも暴走してしまえば次元震や次元断層を引き起こしかねない代物らしい。

 

実際に私とフェイトちゃんが戦った際にもあの黒い穴が発生しているのだ。

あれが次元断層と呼ばれるものなのか、はたまた別の何かなのかは定かではない。

私のいた世界でもあんなものは確認された事はなかったのだ。

次元震一つでもその世界にかなりの影響を与えるらしいから、

ジュエルシードは見つけ次第無力化して封印処理するのが最善だろう。

 

 

「ジュエルシードについては封印した上での厳重な管理が最善か…。

 えっとたしか時空管理局だっけ?

 そっちはジュエルシードっていうかロストロギアの管理もしてるんでしょ?」

 

「…はい、暴走していた場合は最優先事項で動くと思います。」

 

「…その割には未だに姿が見えないって事はまだ来てないって事?

 それとももうすでに到着してて秘密裏に回収してるって事かな?」

 

 

私の言葉に若干苦悶の表情を浮かべたフェイトちゃんだったが、

すぐに元の表情に戻して説明してくれた。

 

 

「少なくとも現在はこの世界に到着はしていないはず…です。

 暴走したと言ってもまだ次元震や次元断層が発生した訳でもないので、

 管理局がジュエルシードの存在に気がつくまでにはまだ時間がかかる…はず」

 

「ふーん…、て事はフェイトちゃんは時空管理局に所属してるって訳じゃないのか」

 

 

私の言葉に目を白黒させて驚きの表情で私を見つめるフェイトちゃん。

まぁ大体ここまで話せばフェイトちゃんがその時空管理局に所属していないのは大体分かる。

 

まず始めにジュエルシードを回収に来たというフェイトちゃんの言葉だ。

これが確かであるならフェイトちゃんは時空管理局に所属している人であり、

時空管理局がジュエルシードの探索、及びその回収の任を与えたと考えるのがいいだろう。

 

だがフェイトちゃんは単独…一応前回出会ったオレンジ髪の女性もいるが、

その二人だけでロストロギアと呼ばれる危険な代物を回収しに来るだろうか?

その答えは否である。

 

仮に人材不足で向かわせられる人間が少ないと言っても、

ロストロギアはそれ一つで世界を滅ぼせる程の代物だとフェイトちゃんが言ってるのだ。

それ故に単独、または少数人数での探索など有り得ない。

こういう案件に関しての組織の動きは大規模人数での即時封印回収が普通だろう。

まぁ私は時空管理局についてはフェイトちゃんから聞いた事しかしらないのだが、

それでもこの考えは間違いではないはずだ。

 

となるとフェイトちゃんは時空管理局に所属しておらず、

まったく別の目的でジュエルシードの封印回収に来ているという考えになる。

事実フェイトちゃんは時空管理局の動きを把握していない所か、

ジュエルシードの存在に気がつくまでには時間がかかるとまで言ってるのだ。

フェイトちゃんの発言内容から推察すれば、

恐らくこのジュエルシードを回収するために時空管理局とは別の組織…、

または個人の依頼によりフェイトちゃんが動いてると考えられるだろう。

 

そうなればフェイトちゃんが二人で行動しているのも分かるし、

また時空管理局の動きを把握していない理由にもなる。

問題はフェイトちゃんに依頼した組織または個人が、

このジュエルシードをどういう目的で回収しようとしてるのかだが…。

 

 

「…という風に考えられるんだけど、ここまでで何か間違いとかある?」

 

「…貴女は、…アオイは一体何者ですか?」

 

「私は元暗殺者だからね、少ない情報で裏の裏まで読み取れなきゃ生きていけない世界なのよ。

 故にフェイトちゃんからの言葉の裏を読み取ればこういう考えになるって訳」

 

「…確かに私は管理局所属の魔導師ではありません。

 私の目的はこのジュエルシードをある人の元へ持っていくこと、これも間違ってない…。

 でもアオイが私の邪魔をすると言うなら…、私は貴女を倒してでも進む」

 

「ふぅ…、安心してもいいよ…って言っても信じてはもらえないだろうね。

 少なくともフェイトちゃんと敵対する事は今の所ないよ」

 

「…………」

 

 

無言で私の顔を見つめ続けるフェイトちゃん。

取り敢えずはフェイトちゃんがジュエルシードを使って何かしようとしてる訳ではなさそうだけど…。

問題はその背後にいる依頼主だろう。

 

この依頼主がジュエルシードを使ってこの世界で何かしらの悪事を働こうとしているのであれば、

最悪フェイトちゃんと依頼主を暗殺してでも止めなければならない。

まぁ…この世界に悪影響を与えない上で別の世界でやってくれるのであれば、

私はこれに関して一切口出しするつもりはないのだけどね…。

 

こんな危険物がまだこの世界に残っており、それをどこかの世界に持ち去ってくれるのであれば、

時空管理局だろうがフェイトちゃんであろうがどっちでも構わない。

私が望むのはこの世界の今ある生活と幸せ…ただそれだけなのだ。

 

ただ問題なのはジュエルシードによってあの黒い穴が発生した事だろう。

ジュエルシードを調べる事によってもしかすれば元の世界に戻れるかもしれないのだ。

元の世界に戻る事を諦めた訳ではないので調べてはみたいのだが…、

少なくとも扱い方を間違えれば暴走する代物なんぞ持っていたくはない。

そのせいで八神家だけでなくこの世界に迷惑をかけるなんて事は望んでいないのだ。

 

 

「ま、少なくとも私はジュエルシードを封印回収するのはフェイトちゃんでも、

 時空管理局であろうと関係ないんだよね。

 こんな危険物はさっさと持ち帰ってもらって、平穏を過ごせればそれでいいんだもの」

 

「…その言葉を今は信じます」

 

「ん、まぁこの世界でそのジュエルシードを使って悪事を働くつもりなら…」

 

 

私はひと呼吸置いてからフェイトちゃんの目を見て告げる。

 

 

「例え子供であろうと躊躇なく依頼主諸共…『殺す』よ?」

 

「…っ!?」

 

 

ありったけの殺気を込めてフェイトちゃんを睨みつける。

私の殺気に無意識のうちに身体が反応したであろうフェイトちゃんは、

私からかなり離れた位置まで移動した上にデバイスを展開し私を警戒していた。

それを見て私は殺気を引っ込め手招きをしてフェイトちゃんを呼ぶ。

手招きする私をフェイトちゃんは警戒しつつも元の場所まで戻ってきた。

 

 

「あはは、ごめんね? 一応釘だけは刺しておかないとね…?」

 

「…いえ、アオイの行動はこの世界に住む人として正しいと思います」

 

「ま、そう言ってもらえれば私も少しは安心できるかな…。

 それよりこれからどうするつもりなの?」

 

「引き続きジュエルシードの探索及び発見次第封印回収します。

 アオイは元の生活に戻ってもらって大丈夫です」

 

 

フェイトちゃんの言葉に少しだけ考える。

多分あのオレンジ髪の女性と二人だけで探索を続けるのだろう。

ジュエルシードを発見次第、即座に封印回収してくれる分にはありがたいのだが、

二人だけであるならその効率は考えるまでもなく悪いだろう。

最悪全部回収するまでに数ヶ月もかかる可能性がある。

フェイトちゃん本人は悪い子ではなさそうなのは話してみて分かっているのだが…。

 

私としてはさっさとジュエルシードを回収して、

この世界に影響がないようにしてもらいたい気持ちがある。

まぁ有り体に言えばジュエルシード回収してさっさとこの世界から去れという事だ。

だが二人だけなら探す時間や効率面から見ても時間がかかるのは目に見えてわかっている。

 

なら私がするべき事は回収の手伝いをしてさっさとジュエルシードと一緒に去ってもらう。

これが一番手っ取り早くて尚且つ平穏を過ごすために必要な事だろう。

ちょっとばかり早計に考えすぎかと思うが私の頭じゃこれぐらいしか思いつかない。

 

そこまで考えた私はフェイトちゃんにこう提案した。

 

 

「んじゃフェイトちゃん、私と同盟組まない?」

 

「同盟…ですか?」

 

 

私の言葉にぽかんとするフェイトちゃん。

そんなフェイトちゃんに私が先ほどまで考えた事を説明し、

同盟する上でのメリットをきっちり伝える。

 

同盟する上でのメリットは私の存在による戦力アップと、

ジュエルシードを探索する上での人員増加だ。

フェイトちゃんにとっては現地の住民による協力が得られる訳で、

上手くいけば封印回収の時間短縮にも繋がるし無駄な消費も抑えられる。

そして私が求めているのはこの世界の平穏であり、

ジュエルシードはどうでもいいというのがお互いの利害が一致してる点もある。

 

 

 

デメリットとしては私が時空管理局に見つかるとマズイという事だろうか。

恐らくだが時空管理局側からすればフェイトちゃんの行動は犯罪になるのだろう。

詳しくは知らないためハッキリとは言えないが、

話を聞く限りでは違法スレスレか完全な違法行為な可能性が高いのだ。

 

故に私が時空管理局に見つかるか捕まるかすれば、

フェイトちゃんがしている行為に対して時空管理局が本格的に動く可能性が出てくる。

そうなればフェイトちゃんの動きも制限されてくるし、

最悪ジュエルシードを時空管理局から奪い返すというリスクの高い事までしなくてはいけない。

 

 

「…分かりました、アオイと同盟を組みます。

 ジュエルシードが全部見つかるまでの間だけどよろしく…」

 

「うん、こっちこそよろしくねフェイトちゃん」

 

 

お互いが納得した上での同盟。

それに同意したフェイトちゃんと私は握手をして今後について話す事にした。

 

こうして私はフェイトちゃんと同盟を組む事になった訳だが、

なのはちゃんとあのイタチ、そして真人君はどうしてるのだろうか…?

多分だけどなのはちゃん達もジュエルシードを回収してるんだと思う。

 

ただまぁ真人君がなのはちゃん側にいるのであれば、

私がなのはちゃん達に協力するってのは出来ないだろう。

なんたって真人君は私の事を敵視してる訳だしね…。

 

まぁこの事についてもきちんとフェイトちゃんに説明しておこう。

説明しないまま後々不信感を顕にされたくもないしね。

 

魔法についても色々とダマスカスと相談しておきますか…。

せめて自由に空を飛べる様にしておかないとフェイトちゃんの足を引っ張りかねない。

そのためにはフェイトちゃんに空を飛ぶ時のコツとかも聞いておかなければ。

 

 

 

こうして私はこの街と八神家の平穏のためにフェイトちゃんと同盟を組む事にした。

ただこの時の私は、まだ事態を楽観視していたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

このジュエルシード事件を切っ掛けに…。

世界の運命の歯車は狂ったようにグルグルと動き出していた。

 

 

 

 

 

 

 




ここまでの読了お疲れ様でした。

今回はフェイトちゃんとの同盟話が中心でした。
なのはちゃんとの協力関係もよかったのですが、あっちには真人君がいますからね。
真人君とアオイの関係上、協力関係が組めないが故にこうなりました。

今後なのはちゃん組とフェイトちゃん組でどうなるのか…。
そこら辺をしっかり書ければいいなと思います。
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