魔法少女と異世界の暗殺者   作:繊月紅

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実家の引越しの手伝いでちょっと書く時間がありませんでした。
まぁそれでも二週間以内だから全然問題ないですよね…?

誤字脱字・文脈の違和感などあればご報告ください。


─第十六話─[白の魔導師と金の魔導師…ですか?]

 

 

 

 

 

 

フェイトちゃんとの同盟関係になってから数日が経過した。

私はフェイトちゃんから聞いた飛行のコツと、

街中にあるかもしれないジュエルシード探索をメインに行動していた。

飛行魔法に関してはフェイトちゃんから聞いた話で、

空戦適性がどれだけあるかで上達する速さも変わるらしい。

 

そんな私の空戦適性だが…、飛行する事はできた。

ただどうやら私には空戦適性があまり高くないらしく、

フェイトちゃんの様に空を縦横無尽に駆け回るなど、

現状の私ではほぼ不可能という事が分かってしまった。

少なくとも訓練を続ければある程度の飛行速度や空中制御は出来るだろうが、

ジュエルシードを全部集めるまでにはそこまでの事はできないだろう。

 

故に私はダマスカスに飛行魔法じゃない空中戦が出来る魔法はないのかと聞いたら、

空中に足場を形成する魔法がある事を教えてくれた。

この魔法は本来戦闘用の魔法ではないらしく、

海上の空中戦で怪我した人を空中で治療するために形成する足場らしい。

足場の大きさも比較的自由に決められ使用魔力も少ないとの事。

 

なので私は早速、空戦の練習にその魔法を取り入れた。

最初はかなりきつかったが現在の所目立った問題も発生しておらず、

むしろ私の戦闘スタイル上この足場形成魔法は非常に使い勝手がいい。

空中に形成出来る足場も結構な数を作ることができるので、

万が一空中戦になってもフェイトちゃんの足を引っ張ることはないだろう…と思う。

 

 

 

ジュエルシードの探索についてはあまり成果は出ていない。

暴走前のジュエルシードの反応はフェイトちゃんでも察知するのが難しいらしく、

私が手に入れたあの時は本当に運が良かったのだろう。

 

ジュエルシード探索の別の問題として私のデバイスでは封印が出来ないということだ。

ダマスカスの登録されている魔法術式が、古代ベルカ式と呼ばれる近接戦闘型の術式らしく、

遠距離魔法や封印魔法と言った魔法は不得意なのだそうだ。

古代ベルカ式と呼ばれる術式はフェイトちゃんも知らないとの事なので、

デバイスに新たに魔法を覚えさせたりする事は不可能なのだ。

つまり現状私が使える魔法は元から登録されていた魔法のみであり、

今後魔法を登録しようとするならば一から作り上げなければならない…。

 

まぁダマスカスには最初から数種類の魔法が登録されていたので、

当面は問題ないとは思うのだが、こればかりはあまり楽観視しない方がいいだろう。

 

 

 

そして現在私はフェイトちゃんとオレンジ髪の女性『アルフ』さんと三人で集まり、

ジュエルシードの反応があった場所について話し合っていた。

 

 

「それでアオイ、アンタのデバイスに反応があった場所ってのはここでいいのかい?」

 

「地図上だとここだね、月村って人の私有地の中にある林の中かな」

 

「…私有地だとジュエルシードが暴走した時が問題だね」

 

「まぁ林の中だし人の願いに反応する事はないだろうけど、

 用心することに越した事はないか」

 

 

しかし月村って苗字どこかで聞いたんだけど、どこだったかなぁ…。

まぁ何にしてもここにジュエルシードがあるのは確定してる訳で、

問題なのはそこが私有地であり林の中とは言えど人が出入りするかどうかである。

 

人の出入りがほとんど無いのであれば秘密裏に回収してしまえばいいのだが、

もし人の出入りがある場所なのであればジュエルシードが反応して暴走する可能性もある。

 

 

「ま、どっちにしろ結界に閉じ込めてちゃっちゃと回収すれば問題ないよ!」

 

「アルフさんは楽観的だねぇ…、まぁ私もどちらかと言えばそれがいいと思うけど」

 

「じゃあ早速回収に行こうアルフ、アオイ」

 

 

フェイトちゃんの言葉に私とアルフさんは頷き、私はデバイスを起動させる。

起動すると同時に私の来ていた服は姿を変え、

私がこの世界に来た時に来ていた服装へと変わった。

 

ただし服装はそのままだが頭装備の天使の忘れ物に関しては別の物に変更しておいた。

ダマスカスやフェイトちゃん曰く、騎士甲冑のデザインはある程度自由に変える事ができるとの事なので、

今回はできる限り私とわからないように、顔を完全に覆い隠す『悪鬼の仮面』をモチーフにした物に変えた。

何故顔を隠すのかと言えばジュエルシード回収の際に恐らくだが、

なのはちゃんと一緒に真人君が来ると判断したからだ。

 

真人君がなのはちゃんと一緒に行動しているのであれば、

ジュエルシードが暴走した際に確実にその現場に来ると思う。

そうなると私を目の敵にしている真人君は十中八九私に襲いかかるはずだ。

なら余計な争いを増やさないためにも私という要素はできる限り排除した方がいいだろう。

 

 

「にしても、その仮面ホント不気味だねぇ…」

 

「…うん、少し怖い」

 

「あー、まぁこのデザインに関してはノーコメントで」

 

 

確かに悪鬼の仮面は若干不気味というか怖さがそれなりにあるが、

真人君という不安要素があるからできれば顔出しは回避したい所…。

そう考えた後、私達はジュエルシードがあると思われる月村邸へと向かった。

 

 

 

 

 

 

────月村邸・林の中────

 

 

 

 

 

 

時刻はお昼過ぎにさしかかろうとしていた。

私とフェイトちゃんは先行して月村邸上空に待機し、

アルフさんは月村邸周囲に他のジュエルシードが無いかの確認に行ってもらった。

これはフェイトちゃんの提案で月村邸の近くに別のジュエルシードがあれば、

暴走した際に連鎖反応で近くにあるジュエルシードも暴走するのを防ぐためだ。

仮にジュエルシードがあるとすれば私がアルフさんの元へ行きもう一つのジュエルシードを抑え、

その間に封印できるフェイトちゃんが月村邸のジュエルシードを封印。

そのまま私達が抑えているジュエルシードを即座に封印する手筈だ。

 

まぁもう一つジュエルシードがあるのならば月村邸とは別に反応があるはずだろうし、

今の所ここまで近づいても反応しない所をみるとそれも杞憂に終わりそうだが…。

 

 

『フェイトー、一応この付近には他のジュエルシードは無いみたいだよ!』

 

『分かった、アルフは休んでていいよ』

 

『ほんとかい? そりゃアタシとしては嬉しいけど…』

 

『大丈夫、アオイもついてるし少しの間だけでも休んでて』

 

『フェイトがそう言うならそうさせてもらうけどさぁ…。

 アオイの奴は信用できるのかぃ? 後で後ろからグサッとかやらかさないか?』

 

『あのねぇ…そういう事は本人が聞いてないところでやってくれない?』

 

『アッハッハ! ちょっとしたジョークだよアオイ!』

 

 

アルフさんからの報告を念話で聞きいてるとそんな風に言われたので、

ちょいとばかり嗜めてみたが効果はあまり無かったようだ…。

まぁこういうサバサバした感じがアルフさんの持ち味なので、私としては別に文句とかないんだけどね。

ただまぁ…できればもう少し笑えそうなジョークにしてください…。

 

 

「取り敢えず月村邸の中にあるやつ以外は無いみたいだし、

 ささっと封印してトンズラしちゃおっか?」

 

「そうですね、では行きまっ…!?」

 

 

そう私とフェイトちゃんが話をした途端、

月村邸にあるはずのジュエルシードの魔力が高まり、その魔力の光が天まで伸びていた…。

 

 

「ちょ!? このタイミングで暴走とか洒落にならないわよ!?」

 

「クッ…! 私が先行するからアオイは後ろからついて来て!」

 

 

そう言うやいなやフェイトちゃんは私がついてこれない程の速度で、

暴走しているジュエルシードの場所まで飛んでいってしまった。

私の飛行魔法は空中に足場を作るが故に空中歩行に近いので、

流石にトップスピードのフェイトちゃんに追いつけない。

 

ここはフェイトちゃんの指示通り後から合流するのがいいのだろうと判断し、

私はダマスカスに足場形成魔法を発動してもらい空を駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日私はお友達であるアリサちゃんとすずかちゃんの三人で、

すずかちゃんのお家でお茶会をしていました。

ユーノ君も連れてきているんだけど、さっきから猫さんに追いかけられて大変そうです…。

そう言えば花菱君もお茶会に来たかったそうなのですが今日は遠慮してもらいました。

だって花菱君とアリサちゃんはものすっごく仲が良くないんだもん。

学校で会うたびに花菱君がアリサちゃんやすずかちゃんに話しかけるのですが、

アリサちゃんはその度に花菱君と喧嘩になってしまいます。

 

だから今日は遠慮してもらったんだけども…。

 

 

『おーいなのはにユーノ、そっちは何かあったかー?』

 

『真人…、それ十分前にも聞いたよね?』

 

 

こんな風におよそ十分間隔で念話を飛ばしてくるのです…。

流石にこんなに念話をされると体は兎も角、気疲れしちゃうの…。

そんな私を気遣ってかユーノ君が常に花菱君に念話を返してくれます。

そんなユーノ君に私は感謝しながらアリサちゃんとすずかちゃんとお話を続けました。

 

 

 

暫く三人でお話を続けていると突然胸騒ぎみたいなのを感じ、

ユーノ君の方を見るとユーノ君も何かを感じ取ったのか私を見つめていました。

 

 

『なのは、多分だけどジュエルシードの反応があった。

 まだ反応は微弱だけど、このまま放置すればみんなを巻き込むかもしれない』

 

『うん…、何とかしてここから離れてすぐに封印しちゃおう!

 取り敢えずユーノ君はここから林の中に走っていって?

 林の中に入ったのを見た私がユーノ君を連れて帰るって二人に説明するから』

 

『わかった、じゃあ僕は先に行って封時結界を展開させておくよ。

 結界の中ならジュエルシードの暴走が起きても、被害はかなり抑えられるはずだから!』

 

 

そういうとユーノ君は林の中へと一直線に走って行きました。

 

 

「ユーノどうしたんだろ?」

 

「多分何か見つけたんだと思うけど、心配だから連れ戻してくるね?

 すぐに戻ってくるから二人はお茶会を続けてていいよ」

 

「うん、なのはちゃん気をつけてね?」

 

「ありがとうすずかちゃん! じゃあ行ってくるね!」

 

 

アリサちゃんとすずかちゃんにそう言った私は、

ユーノ君が消えた林の中へと一直線に走って行きました。

走ってる最中に私はレイジングハートを起動させてバリアジャケットを装着。

そのままユーノ君が展開した封時結界の中に入り、ユーノ君と合流したのはいいのだけど…。

 

 

「ユーノ君…、あれ…なに?」

 

「多分ネコ…かな?」

 

 

私とユーノ君の目の前にいたのはすっごく大きくなった、

すずかちゃんの家で飼われてるネコさんだった。

大きさは軽く十メートルを超えてるんじゃないかと思う。

少なくとも周りに生えてる木よりも大きいのだからその考えで間違ってないと思うけど…。

 

 

「このネコさんの大きくなりたいってお願いが叶った結果なのかな?」

 

「うん…、流石にこういう形で願いが叶うとは思わなかったけど…。

 と、兎に角早く封印して元に戻してあげようなのは!」

 

 

ユーノ君の言葉に私は頷きレイジングハートをシーリングモードに変化させる。

シーリングモードになったレイジングハートをネコさんに向け、封印魔法を使おうとしたその時だった。

 

 

『フォトンランサー』

 

 

どこからか声が聞こえたと思ったら金色の槍の様な魔法が私の横を掠め、

そのまま私の背後にいたネコさんに当たりネコさんが倒れてた…。

すぐにその魔法が撃たれたであろう場所に視線を向けるとそこには、

金髪の長い髪を左右に纏めた黒い服の女の子がいました…。

 

 

「…バルディッシュと同系列の祈祷型デバイス、ジュエルシードの探索者か」

 

「…え? あの貴女は誰なの?」

 

 

女の子の言葉に私は誰なのか訪ねたのですが、

女の子は私を一目だけ見るとすぐにネコさんに視線を移しました。

それを見た私はすぐにネコさんの前まで移動して女の子とネコさんの間にはいったの。

 

 

「…私の邪魔をするなら悪いけど、落させてもらいます。

 バルディッシュ、フォトンランサーセット…!」

 

『畏まりました、フォトンランサーセット…ファイヤ』

 

 

その言葉と同時に女の子の周囲に金色の魔力弾が展開され、

一斉に私とネコさんに向けて放たれました。

私はレイジングハートに防御魔法をお願いして全力で防御体制に入りました。

それと同時に着弾する魔力弾は次々と数を増していきます。

暫くそうやって耐えしのいでいると突然魔力弾が消え、

それに疑問に思った私は女の子のいる方へと視線をやると…。

 

 

「ハッハッハ! この俺がいる事を知らなかったのは誤算だったな!」

 

「花菱…君? なんでここにいるの?」

 

「…僕が念話を飛ばしたら一分程でこっちに来たみたい」

 

 

花菱君が繰り出す魔法から必死で逃げ回る女の子。

きっとそのせいで魔法を使えず逃げ回ることしかできなかったんだろうと思う…。

花菱君のプリズムランサーが女の子を落とそうと数多く殺到するが、

女の子はそれをギリギリで回避しながら花菱君にフォトンランサーと呼ばれる魔力弾を撃ち続ける。

 

 

「クッ…! バルディッシュ、アークセイバー!」

 

『畏まりました、アークセイバースタン…! プロテクション!!』

 

 

女の子が違う魔法を使おうとした所で花菱君は一気に加速して女の子に接近していました。

それを女の子のデバイスが察知して寸前でプロテクションを展開して防御。

花菱君の攻撃はプロテクションに防がれてしまったけど、

そのままの勢いで防御ごと女の子を吹き飛ばしてた…。

 

 

「さて…、力の差がはっきり分かった今なら分かるだろう?

 これ以上続けてもお前は俺に勝てないし、ジュエルシードも手に入らないぜ?」

 

「…ッ! それでも…私は諦めるわけには…!」

 

 

花菱君が女の子を説得してくれてると思うんだけど、

正直その説得の仕方は誰も聞いてくれないと思うのです。

説得する上でぶつかり合わなければいけないのなら仕方ないけれども、

まだそうと決まった訳じゃないんだからこちらから攻撃するのはダメだと思う…。

こちらは攻撃せずに戦闘の意志が無いことを相手に教えなきゃ、

次に出会った時にまた戦わなきゃいけなくなるよ?

 

 

「仕方ねぇな…、ちっとばかり痛いかもしれねーが我慢しろよ?

 聞き分けのない奴には痛いお仕置きが必要だっ!」

 

 

花菱君がまた魔法を使いながら女の子に攻め込もうとした時でした。

花菱君と女の子の間に別の人が間に入り花菱君を持ってた武器で吹き飛ばし、

その後女の子の横に移動して何やら女の子とお話してるようでした。

 

 

「いつつ…、おいてめぇ誰だ!?

 まさかお前もあいつと同じ転生者か!?」

 

「はぁ…転生者とか意味分かんないんですけど?

 私は訳あってこの子と同盟を組んでる者です」

 

「あの! 訳ってなんですか?

 よかったら詳しくお話を聞かせてください!」

 

 

真っ赤な仮面を被った人に私は話かけてなんとかこの場を取り繕う。

この場を逃せばきっとこの人達とこれから先、ジュエルシードを巡って争う事になるかもしれない。

そうならないためにもあの人達の事情を知ってから、

お互い納得できるように話をまとめないと…。

 

 

「ふーん、君は話が分かる子みたいだね?

 私はこの世界に元から住んでるんだけど、最近ジュエルシードとかいう迷惑なモノが出てきてさ?

 個人的にはさっさとそんなモノこの世界から持って行ってもらいたい訳。

 それでこの子が欲しがってたから同盟組んで持って行ってもらう事にしたの」

 

「そうなんですか…、でもジュエルシードはここにいるユーノ君が発掘したモノなんです」

 

「…関係ありません、私にはジュエルシードが必要なんです。

 邪魔をするなら貴女を落としてでも奪わせていただきます…!」

 

 

女の子は私を睨みつけながらそう言葉にする。

もう一人の人は私と同じこの世界で魔導師になった人なんだろう。

なんとか説得して無理やり奪うんじゃなくてお互いが納得できる結果を出さないと…。

そう考えていた私だったが、突然花菱君から膨大な魔力を感じそちらに目を向ける。

 

 

「いちいち面倒くさい説明なんかするんじゃねぇ!

 どうせてめーも転生者の一人で俺たちの邪魔をするやつなんだろうが!

 だったらここでてめーを落としてその目的を果たせなくしてやる!」

 

「…はぁ、ほんと人の話を聞かないね。

 まぁいいやかかって来な青二才、殺しはしないけど叩き伏せられる覚悟はしておきなよ?」

 

「ちょ! 真人ダメだよ!」

 

「ユーノとなのはは離れてろ! 喰らえ…プリズムランサーファランクスシフト!」

 

 

花菱君はユーノ君の静止も聞かず、女の子ともう一人の人に向けて魔法を放った。

こうして金髪の女の子と真っ赤な仮面を付けた人、

私とユーノ君と花菱君のジュエルシードを賭けた戦いが始まってしまうのでした。

 

 

 

どうして花菱君は人の話を聞いてくれないのでしょうか…?

この時の私はただただそれだけが疑問で仕方なかった。

 

 

 

 




ここまでの読了お疲れ様でした。

今回はなのはちゃんとフェイトちゃんの出会い。
そしてなのはチームVSフェイトチームのバトル直前までとなっております。
ユーノ君が若干空気なのはアルフさんがまだこの場所にいないからだよ!
そして話を聞かない真人君はいつもの事ですね。
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