ムヒョとロージーの魔法律相談事務所~幻想郷出張~   作:二色蓮赤喋

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ムヒョは霊相手なら最強です
それは頭にいれておいてもらえると助かります


無縁塚

「そういえば、お前達はスペルカードルールは知ってるか?」

 

空を飛びながら移動しているムヒョ一行。その最中、魔理沙が話しかけてきた

 

「スペルカードルール?ゲームみたいなもの?」

 

ロージーは理解が及ばない、という顔をしながら魔理沙の方を向く

 

「似たようなもんだな。霊夢が考案した決闘ルールだ。力の弱い妖精や人間でも妖怪と戦えるように、てな。幻想郷で異変を起こす奴らはこのルールに乗っ取ってる」

 

「異変を起こすのにルールに従う?妖怪が異変を起こすときにはそのルールは邪魔なんじゃないかな…?」

 

ロージーは至極単純な疑問を浮かべる

 

「あー、なんていうか、ここで異変を起こす奴らは大抵、暇潰しや好奇心、アピールのために異変を起こす事が多くてな。本気で幻想郷を転覆させようとする奴なんてほぼいないよ」

 

「でも、現れないわけじゃないよね?そのときは……」

 

「……そのときは、本気の博麗の巫女が潰しに来る。本気の博麗の巫女に勝てる妖怪は居ないからな」

 

あの少女がそこまで強いのか、とロージーは考え込む。しかし少女にそのような重荷を背負わせるのか?とも考えた

 

「まぁルールに従ってれば異変を起こしても最後は宴会で盃を交わすさ。私の知り合いは異変を起こした奴ばっかりだからな」

 

「……普通、異変なんてこと起こしたら気まずくなると思うんだけど」

 

「そんなこと気にしないのがここの奴らさ。騒いで呑んでまた騒ぐ。それが出来ればどうでもいいのさ。私も似たようなもんだが、あいつらよりはまだ常識はあるぜ」

 

自分のやって来たことを忘れたかのように振る舞う魔理沙。霊夢が聞いてたら呆れ返るだろう

 

「まぁ郷に入ったら郷に従え、てことだな。お前らも異変起こすときはルールに従えよ?…と、言ってもお前ら異変なんて起こせそうに見えないけどな」

 

ケラケラと魔理沙は笑う。ムヒョは我関せず、という態度をとっている

 

そしてロージーはまた疑問を浮かべる

 

「幻想郷のルールに従っているなら幻想郷のルールで裁くはず。なら、なぜ魔法律家を……?魔法律家のルールと幻想郷のルールは大きく異なるはず……」

 

魔法律家のルールで考えると異変を起こした霊やあやかしは罪に問われ、罰を受ける。罰の大小は様々だが、無罪放免になることはまずなかった

 

 

 

そう考えているうちに魔理沙はがロージーに声をかける

 

「ロージー、ムヒョ。着いたぜ…無縁塚だ」

 

 

 

そこは彼岸花が咲き乱れる野原と一本の桜の木が在るだけの場所だった。彼岸花の美しさに目を奪われるが、それでも危険な場所には思えない

 

「外の世界でどうかは知らんが、彼岸花に気を付けろよ。匂いで気をおかしくされるからな」

 

「わ、わかったよ!」

 

 

 

そして着陸する一向。すぐそこら辺にはなにも落ちてないが、とりあえず探すことにしたようだ

 

「そこまで広くはないとはいえ、手間だなこりゃ。いっそ焼き払うか」

 

「魔理沙ちゃん、やめて、やめて」

 

「ヒッヒ、そりゃいい。こんなのずっと眺めてたら目が痛くなるゼ」

 

「ムヒョもそんなこと言わないの!」

 

「なぁに安心しな。燃え移らないように一瞬で黒焦げにしてやるぜ!」

 

「だ、誰か止めて~!」

 

悪乗りする魔理沙とムヒョをロージーがなんとか抑える。魔理沙もムヒョも本気で焼き払おうとするつもりはない。つまりロージーをからかってるのだ

 

 

 

そのとき、別の方角から足音がした。成人した人間特有の重みのある足音だ

 

「こんなとこにくる奴っていったら…あ、やっぱり香霖か」

 

魔理沙が少し嬉しそうに言う

 

そこに現れたのは背が高く、銀髪金眼の男性だ。エンチューやヨイチと違って成人男性特有の雰囲気があった。顔も中々の美形なため、見た目だけなら女性受けするだろう

 

「魔理沙ちゃん、あの人は…?」

 

「ああ、あいつは森近霖之助、私は香霖って呼んでるよ。私の親父の弟子で、まぁ私にとっては兄貴分みたいなものさ。色々世話になってるからな。んで、今は親父から離れて寂れた店を経営してるんだ…てか香霖!気付いたなら自己紹介くらいしろよ!…なぁ、香霖?」

 

魔理沙は霖之助の様子がおかしいことに気が付いた。普段の霖之助はこんな態度じゃない。魔理沙を見て『にっこりとは微笑まない』

 

その瞬間、霖之助は顔を歪ませ、頭を抱えながら地面にうずくまる。慌てて近付く魔理沙に霖之助は叫ぶ

 

「駄目だ魔理沙!僕に近寄ってはいけない!…ッ!」

 

「おい香霖!どうしたんだ香霖!?」

 

だがすぐに立ち上がり、また『微笑む』

 

「……ごめんごめん、驚かせたね。見慣れない人がいたから驚かせようと思ったんだけど、魔理沙まで驚くなんてな」

 

「な、なんだよ。驚かせるなよ」

 

「すまないね。じゃあ、僕は少しここを散歩してるよ。一緒にくるかい?」

 

霖之助は微笑みながら手を魔理沙に差し出す

 

魔理沙も微笑みを返しながら霖之助に喋りかける

 

「ひとつだけ質問していいか?」

 

「なんだい、魔理沙?」

 

 

 

 

 

 

 

「お前、誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、魔理沙は掌から光の玉を発射する

 

光の玉をかわす霖之助

 

「ま、魔理沙。突然なにを___」

 

「やっぱお前、香霖じゃないな。香霖はそんな素直じゃないし態度もよくない。今の攻撃もかわした後に皮肉を混ぜてくるぜ」

 

魔理沙は霖之助とは長い付き合いだ。少しの異変も見逃すわけがなかった

 

 

 

「む、ムヒョ!もしかしてあれって…」

 

「ああ、おそらくあの男はとり憑かれてる。それも頭がイカれてる霊にな」

 

「なら、とり憑きの罪で執行を!___」

 

「ロージー、ここは幻想郷だ。さっき魔理沙が言ってたが、ここのルールに従って裁かなきゃならねぇ。霊であろうと、ここのルールに従ってる限り、俺達が裁く必要はない」

 

「で、でも!」

 

「ヒッヒ…従ってれば、の話だがナ」

 

 

 

魔理沙は霖之助と対峙する

 

「まぁいい。香霖も体は丈夫だし、多少は耐えるだろ。おいお前!さっさとスペルカードを___」

 

霖之助にとりついた霊は不気味に笑う

 

「グケケ…そんなルールに従うかよ!死ね、小娘!そして俺の餌になれ!」

 

霖之助の体にとりついてる霊はその体を動かして魔理沙に殴りかかる。魔理沙はとっさにかわすが、相手は成人男性。すぐに魔理沙に向き直り、今度は蹴りを当てようとする

 

また身を翻して攻撃をかわす魔理沙

 

そして一枚のカードを手にする

 

「香霖の体を借りて好き勝手やってるんじゃねえぞ…!」

 

 

 

星符「ドラゴンメテオ」!

 

 

 

魔理沙はルールに乗っ取り、スペルカードを掲げる

 

だが霖之助にとり憑いている霊はその隙を見逃すわけがなかった

 

そしてそのまま魔理沙に体当たりし、押し倒す

 

今までスペルカードルールに乗っ取って戦ってた魔理沙、そして相手が霖之助の形を取っているからか対処が遅れてしまった

 

「く、くそッ!」

 

魔理沙が苦言を吐く

 

霖之助に憑いている霊は下衆な笑い声を上げ、魔理沙の首に手をかける

 

「さぁ、俺の餌になれ!!」

 

 

 

 

 

 

 

ヒッヒ…

 

 

 

 

 

「情状酌量の余地はないナ。お前が幻想郷の(ルール)に従わないなら俺達の(ルール)で裁く」

 

その言葉と同時にひとつの影が飛び出す。ロージーだ。

 

ロージーは魔封じの筆を持ちながら霖之助にとびかかる

 

「直式魔縛りの術!!」

 

そのままロージーは魔縛りの文字を霖之助の背中に書く。すると、霖之助の動きが止まる

 

「すっかり直書きを使いこなしてるじゃねえか、ロージー」

 

ムヒョは感心したように言う。そして魔法律書を開く

 

「魔法律第881条『人体無断寄生』及び『殺人未遂』の罪により___」

 

 

 

 

 

「『冥王の晩餐』の刑に処す!!」

 

 

 

その言葉と同時に、地面に模様が浮かび上がる。いや、模様ではない。顔だ、巨大な顔が浮かび上がっていた

 

「こ、こいつら!まさか……!ま、まってくれ!助けてくれ!知らなかったんだ!幻想郷のルールなんて!助けてくれ!お願いだ!!」

 

霖之助の姿で必死に命乞いをする霊。だがムヒョはヒッヒと笑いながら言葉を返す

 

「知らなければ他人にとり憑いて、あげく殺してもいいと?随分と愉快な考え方だな。冥王に咀嚼されればそのフザけた考えも溶けてなくなるだろうナ」

 

「待て!この男と少女も巻き込むつもりか!?俺に説教しておいて同じ真似するんじゃお前も___」

 

「冥王は自分の口に合わない(生者)は吐き出す。裁かれるのはテメエだけだ」

 

「待ってくれ!せめて!せめて地獄行きだけは!」

 

なお必死になる霊。だが、ムヒョは考えを曲げない

 

「何度わめいても無駄だ。魔法律の裁きは絶対だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「罪には 罰だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして冥王の口が開く。魔理沙は咄嗟に飛び退き、そこからは脱出したが、霖之助は飲み込まれてしまった

 

「こ、香霖!おいムヒョ、てめえなにを___」

 

「魔理沙ちゃん、大丈夫。霖之助さんは生きてるよ。冥王の口に合わない物は吐き出されるんだ」

 

その言葉と同時に冥王の口から霖之助がプッと吐き出される。その衝撃で霖之助は目を覚ました

 

そしてそのまま冥王は姿を消し、元の地面が現れる

 

「ぐぅ、僕は…一体…?」

 

「香霖!よかった、無事なんだな!」

 

「魔理沙、離れるんだ!今僕には___」

 

「大丈夫、もう祓ってあります。貴方に憑いていた悪霊は魔法律の裁きのもとに地獄に送られました」

 

「魔法律…?君たちは、一体?そもそもなぜ無縁塚に?」

 

「あー、えーっとですね、それは……」

 

 

 

モヤシと少女説命中

 

 

 

「ふむ、つまりその禁書を探している…というわけだね。僕もここに無縁仏を弔いにくる『ついでに』物を拾ったりしてるんだが、そんな物騒なものは見てないな」

 

「弔い、ねぇ」

 

魔理沙はジト目で霖之助を見るが、霖之助は悪びれる様子もない

 

「そもそも悪霊にとり憑かれたのも自業自得なんじゃねえの?霊が活発化してるってのにこんな無縁塚に来るなんて」

 

魔理沙は幻想郷ではごもっともな意見を述べる

 

「僕は半人半妖だからね。霊も彼岸花もいつものように気にしてはいなかったのさ。まぁ、今回は油断しすぎたね。でも魔理沙、君も君だよ。あんな単調な攻撃に捕まるなんて、らしくないじゃないか。もう少し戦いの知識を深めた方がいい」

 

霖之助は話題を転換し、自分の非を棚に上げる

 

「香霖は目の前に知人が現れたら突然殴りかかるのか?」

 

「該当しそうな人物は目の前に居るんだけどね」

 

「なんのことかさっぱりだぜ。ここは音が遅いからな」

 

「なんだ、やっといつもの魔理沙に戻ったな」

 

「香霖こそやっといつもの香霖だな。操られてたとはいえニヤニヤ笑って手を振る香霖なんて見た日には槍が降る」

 

「おや、なら明日は槍の雨が降るのかな」

 

「香霖堂だけに槍の雨を降らせてやろうか?もちろん私特製のな」

 

止まらない言葉の投げ合い。ムヒョはまたもや我関せずを貫く

 

このままではおいてけぼりになる、そう思ったロージーは仲裁にはいる

 

ロージーは博麗神社で感じたことを思い出していた。ああ、これがデジャヴなのか、と

 

「ま、まぁとにかくここには禁書らしきものはないみたいだし。霖之助さんもなにか異常がないか確かめるためにもその、一旦家へ戻りましょう?」

 

「ふむ、僕は全く疲れてないんだけどな。とはいえ、めぼしいものはないし、君達にお礼もしたいから香霖堂に戻るとするよ」

 

「私も香霖堂で貰いたいものがあるしな。それに賛成だ」

 

「魔理沙はどうせツケだろ」

 

「乙女を殴り付けたツケは大きいぜ。今までのツケを帳消しにするなら忘れてやってもいい」

 

「それとこれは話が別、だ」

 

またもや霖之助と魔理沙のドッジボール。ロージーは大きなため息をつく

 

「ここの人たちって、みんな自己中心的なのかなぁ…」

 

あながち間違っていないロージーの呟き。そしてロージーのような生真面目な人間はその手の者達の絶好の的であり肴である

 

 

 

つまり、ロージーのため息は増える、ということである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所にて

 

 

 

 

 

____ここは、どこかしら

 

 

 

____天国かしら?地獄かしら?……大勢の人に迷惑をかけたし、地獄かもしれないわね

 

 

 

____でも、なんだか静かね。不安になる静けさじゃなくて、落ち着くような、森のなかにいるような

 

 

 

____あの人と話してるときのような

 

 

 

「やあ。目が覚めたかい?人間」

 

 




魔法律条とか調べたんですけど、かなりあやふやだったり細かく決められてなかったり…
刑法とかも調べたんですが、今いちぴんと来ません
何が言いたいかというと

*魔法律条はこれからは適当になると思います
*オリジナル執行あるかもしれません
*設定の独自解釈、絶対あります
*人によってはムヒョロジの蛇足になる展開があるかもしれません

今更言うなって?……すみません
更新遅れました

誤字訂正
租借→咀嚼
めいわく→迷惑
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