では本編、どうぞ。
「‥‥‥辛い」
突如として口(?)を開いたAC。
辛い、という言葉には単純なようで異様な重みを成しているようである。
彼、警備隊長は常に頭を抱えながら書務をしている。
だいたいの原因がここ第七佐世保鎮守府の提督、主任なのだが。
だがそんな彼の手伝いをしている艦娘が二人。
「辛いのはわかるよー。だって実際辛そうだし」
「北上さんの言う通りです。貴方このまま誰かに頼らないと本当に死んじゃいますよ?」
「わかってはいる‥‥‥んだが、あの主任の事だ。困り果てる私を見てバカ笑いしているのだろう」
「だよねー。君はちょっと無理し過ぎだよー?まぁ私も大井っちに振り回されてるけど」
「ひどいですよ北上さん‥‥‥」
彼女ら北上、大井は警備隊長の元にこうして手伝いという名目で遊びにくる。
ただ、ここの大井はかなり特殊である。
通常、大井と言えば『北上に対してかなりの好意を持っている』のが普通、らしい。
だが、ここの大井はと言うと。
「でもさー、大井っちも物好きだよねー。警備隊長さんみたいな堅物相手に私と同じような態度取れてるもん」
「いやいや北上さん、確かに私は北上さんの事が大好きです。ですがね、警備隊長の事も好きですよ?」
「私がいったい何をした?まったく覚えがないのだが?」
「え、全然覚えてないんですか?」
「あぁ、まったく。お前のようなレズに好かれるような事をした覚えは無い」
「失敬な!!私は確かに北上さんが大好きですが警備隊長さん、貴方にもあてはまるんですよ!?」
「‥‥‥?」
首をかしげつつ作業を進める警備隊長殿。
そんな彼をよそに、大井が語り始める。
「そう、あれは私達二人がここ第七佐世保鎮守府に配属して五日‥‥‥あの時は深海棲艦の排除任務にあたっていました」
「あー、懐かしいねー。確か五、六ヶ月くらい前の話だっけか」
「そうです。あの時私達二人を含めた艦隊はみんな中破‥‥‥あと一撃くらえば大破していました」
「そうそう。しかもなんかよくわからない敵も出てきたしねー」
「よくわからない敵?」
「うん。なんか私達の方に近づいていきなり自爆するヤツとか、エネルギー攻撃仕掛けてくる小さなヤツとか。あとはなんか棒みたいな物のスリットから生きたミサイルみたいなのが飛んできたし」
「未確認生命体か‥‥‥主任め」
「いやぁ、あのあと聞いてみたんだけどさ、提督は身に覚えが無いーって言ってたんだよ」
「ふぅむ‥‥‥」
「ちょっと北上さん警備隊長さん、聞いてます!?」
北上から得た情報から、警備隊長はいくつか予測を立てる。
一つ目は主任の仕業。だが主任は身に覚えが無いらしい。
二つ目は自然発生したか。だが、自然発生したならある程度情報が開示されるはず。
なら、三つ目。
彼ら以外の第三者の手によるものか。
「(あくまで最悪の事態を考えて、だが)」
「そして私達が絶体絶命の瞬間に颯爽と現れたのが貴方ですよ」
「‥‥‥あぁ、そういえばそんな事もあったな」
「その時のカッコ良さと言ったらもう、もう最高ですよ!!偶然とはいえ私を抱きかかえて狙撃砲を撃つ様と言ったらもう!!」
「‥‥‥北上」
「警備隊長さんが言いたい事はよーくわかるよー。大井っちって一見レズっぽく見えるけど実はバイだからー」
「そう!!つまり私は北上さんと警備隊長さんを同時に愛せる特殊な艦娘ですよ!!」
「‥‥‥胃が痛い」
「はいこれ、胃薬」
「すまん助かる」
「ちょっと、無視しないでくださいよ」
「無視しているつもりは無いのだが」
やはり今日も胃に穴が開きそうな警備隊長殿だった。
もはや異常が正常みたいな物である。
・警備隊長
→マッハで胃に穴が開きそうなかわいそうな人。
何故か大井に好かれている。
・北上
→ただ話すだけでは掴み所の無い艦娘。
警備隊長の良い相談相手。
・大井
→北上&警備隊長LOVEな艦娘。
怒らせたらヤバい艦娘ベスト5(主任談)。
では、次回の更新で。
感想等お待ちしてます。
ではでは(´・ω・`)ノシ