(言い訳乙)
千葉中央病院
窓から見える満開の桜が温かい日差しを受けている。
今、私はある資料に休憩室で目を通している。
モザイク・オーガン・オペレーション (M・O手術)
火星を探索するために肉体を強引に改造する手術だ。
簡単に言うとそういうことだが、おかしい。
なぜ、力をつけるか?能力をつけるか?
・・・まあ、いいか。
この資料は世界の腕利きの医者にしか渡されていない、しかも情報が漏れたら関係者を
牢屋にぶち込む。
そう聞かされているということは実力が認められたということだろう。
満足、満足。
しかし、この依頼は・・・
貴殿の病院に訪れたすべての人の細胞を以下のところへお送り下さい。
国連航空宇宙局(U-NASA)・火星探索チーム
無茶苦茶だ。それをしてどうするんだ。
しかし、断ったらどうなることやら・・・
やるしか、ないんだよな・・
コンコンコンコン
4回・・
「入れ」
何があったんだ。ただでさえ気が滅入っているのに。
「失礼します」
外科医の小森か。
「なんだ」
「只今、連絡がありまして、こちらに車に轢かれた男子高校生が運ばれてきます」
「どんな状態だ」
切り替えますかねえ。
「恐らく、重要部位以外の骨折部位だということです。本人は意識があり、必要ない、と
救急隊から逃げようとしたところに鎮静剤を打ったところです。これがその写真です」
スクリーンに映し出される血まみれの男子。
普通ならこれだけでは損傷部位を判断できないのだが・・・
「・・・今から言うことを記録しろ。終わったらすぐに手術の準備だ。5人用意しとけ」
「はい、誠先生」
比企谷八幡
妹と二人暮らし・今は貯金で生活している
・・・どんな人生してんだよ。
にしても・・長かった。
手術してないところのほうが少ないんじゃねーかぐらいに。
今日の分の細胞送らないと・・・
1か月後
U-NASA本部
七星さんからの呼び出しだ。
艦長は大変だな。
ことあるごとに情報が漏れないよう直接伝える為にここまで来ないといけないのは。
長い廊下の正面には[第0会議室]
ここだ。
ノックは6回
コンコンコンコンコンコン
扉が鉄だから痛い
「どうぞ」
重々しい扉の向こうから聞こえる男の声。
「失礼します」
そういい少し間をおいて扉のボタンを押す。
「お久しぶりです、七星さん」
「何度もすみません、小町艦長」
お辞儀をしてソファーに腰を掛ける。
「要件とは何ですか」
七星さんの兄に似た男らしい顔が一層、強ばる。
思わず息をのんでしまう。
「この資料をご覧ください」
そう言われて目の前の資料手に取るとそこには・・・
「比企谷八幡・・・日本人ですか」
「彼は日本で二人目の2種類の生物の能力を使えるようになる可能性が非常に高いです」
「しかし、適合ベースが・・」
「もし、成功すれば重要な戦力となります、そこでです・・・」
総武高校アメフト部更衣室
「はあー、憂鬱だ」
俺は昨日、奉仕部への依頼としてアメフトの大会に出ることになり今はその練習し行くところだ。
「八幡君」
「なんだ」
ゴリr、剛力が話しかけてきた。昨日はなんか興奮してたけど・・・
「君は中マッチョだね」
「だから何だよ」
「服の上からはまったく見えないけれど着やせするんだね」
「・・・お前はアメフト選手らしいな」
ニヤついてやがる・・
「いやー、褒めても何も出ないよー」
「あと、確認だが」
俺の依頼の解釈はあっているのだろうか。
昨日は変な勢いにまかせて暴走しちまったが・・
「ん?」
「試合の影響でアメフト部を守るんだよな?」
剛力がこっちを向いて答える。
「そうだよ」
その目は、俺には似合わないほどまっすぐだった。
グラウンド
「どうしたの、ヒッキー?私たちをこんな隅に呼んで」
「作戦、かしら?」
「まあ、そんなところだ」
俺に二人に伝えたいことがあって呼び出した。
「まず、アメフト部の目標の全国制覇」
当たり前のこと言っている俺に困惑する二人。
「正直言ってかなりキツイ」
「どうしてそんなこと言うの!わかんないじゃん!」
「落ち着いて、由比ヶ浜さん。彼の言う通りよ」
雪ノ下が由比ヶ浜を諭す。由比ヶ浜は優しいな。
「雪ノ下、なんでそう思う」
「昨日、帰ってからいろいろ調べたのよ」
勉強熱心だこと・・
「千葉はアメフト強豪校の塊、地区大会でも全国レベルの試合らしいわ」
「で、でも・・」
現実なんだよ、由比ヶ浜。
「もう1つ、奉仕部の目的はなんだ」
「アメフト部が全国制覇できるようにサポートすること!!」
「表面上は・・な」
「どういうことかしら」
「いや、だってほら、だったら廃部の危機の件はいらんだろ。理由にしてもリアルすぎるし」
「じゃ、じゃあ本当の依頼って?」
「アメフト部の試合の影響による廃部の回避だ。剛力に確認してある」
「それじゃ、勝てばいいじゃん」
「それが難しいのよ」
「じゃあ、すごい試合をすれば・・」
おお、よくひらめいたな。
「そうだ。見ている人が印象に残るような試合をして、認められればおのずと有名になり廃部は一時的に回避できる。幸い、俺らの1試合目はでかいスタジアムで、しかも客や記者でパンパンになるぞ」
「なぜかしら?注目されているチームなのかしら」
ここが重要だ。今までより気持ちを込めて。
「一人、怪物がいる。」
「どういうこと?すごい人ならいっぱいいるけど・・」
「1回戦は私立幕張学園、去年、一昨日の全国制覇校よ」
「え、ええぇぇぇぇぇ!!!!」
まあ、そりゃそうなるわな。
「それじゃあ、勝ち目ないじゃん・・」
「これを見ろ」
昨日、徹夜して見つけた幕張のプレー。
二人が俺のスマホの画面を見る。そこには・・・
幕張の攻撃
セーーーーーーーーット・・・ハット!!
掛け声とともにぶつかり合うライン
正確には無双する一人のラインマンと後ろをついていくランニングバック
怪物は目の前の敵を一撃でフィールド外に弾き飛ばしランニングバックとの差を一瞬で
30ヤードほど離す。
「ちなみにこれは一昨年の決勝で、相手が棄権した。こいつは1年生だ」
二人の顔はおびえているように見える。
「次が幕張の守備で、相手が棄権した去年の決勝だ」
セーーーーーーーーット・・ハット!!
掛け声がかかるや否や人を超えたスピードで飛び込む。
敵のラインは反応が間に合わずそのままフィールド外に弾き飛ばされ、クォーターバックはボールを捨てる前に文字通り破壊された。
「やられた奴は全員骨折だとよ。」
「ど、ど、どうするの・・」
二人の顔には恐怖が刻まれていた。
「どうって・・こいつに勝つしかないだろ。50メートル平均4.0、瞬間最大速度秒速20メートル、ベンチプレス320㎏超のこいつに」
「それは、人間なのかしら」
「さあ?」
なんて言われるだろうか。
「昨日の練習に参加して思いついた唯一の対策がある」
二人が顔を向ける。何かを察して。
「俺が1対1でやr」
「ダメ!!!」「却下よ」
最後まで言ってねえよ・・・
「そもそもあなたはそこに立つべきではないでしょう?」
「具体的な策もあるから説得する。こいつさえ止められれば勝てる。周りが頼りっぱなしだからな」
「それができないのでしょう・・」
「いや、だから俺g」
「ダメ!!!」「却下よ」
・・・・・
「あなたは自分の大切なものが傷ついて悲しくないのかしら」
「人の気持ちを考えて、とまでは言わないけど自分を大切にしてよ」
「・・俺だってやだよ。」
「じゃあ、なんで・・」
「剛力にとってアメフト部は大切なものだと思う。それがなくなりそうになってるのに自分が大切だからと言って見ぬふりをするのは違うと思うんだよ。お前らが本気で反対するなら依頼は取り消す」
静寂。
前とは違う、正面からの話し合い。
「じゃあ、条件として」
由比ヶ浜・・
「終わってからヒッキー、悲しんじゃダメ!!!」
んだよ、それ。
「当たり前だ。これで俺の充実したボッチライフが崩れてたまるか」
「約束だよ!!」
こいつは、何も考えずに言ってんのか?
「比企谷君」
雪ノ下・・
「格の違いを見せてあげなさい」
さっきビビってただろうが・・
「じゃあ、俺よりスペックの高いお前はなんだよ・・」
長い黒髪をかきあげ、一言。
「奉仕部、部長よ」
変わんねーな・・
よかった。これで動ける。
「まあ、その条件は守るわ」
長かった・・(いろいろ)
これからもよろしくお願いします。