やはり俺の能力は似合いすぎている。   作:中林(弟)

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前置きなので巻いていきます


6 試合開始

いよいよだ。

 

控室で作戦の確認をしている。やはり、緊張の色がみられるが大丈夫だろう。

 

案の定、観客席は満席で記者もたくさんいる。

 

どうやら、どちらも全校応援のようだ。

 

え、そうなの?あったの?なんで誰も言ってくんないの?

 

しかし、気になることがある。

 

アップの時、奴は現れなかった。まぁ、これはいいとして。

 

俺は今、絶賛ステルスヒッキー中なのだが、(え?誰が年中だって?)お構いなしに見てくる2つの視線。

 

好気的な視線ではなく、品定めのような。

 

もう1つ。

 

なぜ、俺は参加できた、ということだ。選手登録は、一週間前では間に合わないはずだ。

 

秋の風が、プロテクターをすり抜け、肌寒い。

 

 

 

 

 

試合前の最終ミーティングを終え、選手入場。

 

走ってくる相手の中には奴に姿がない。前と同じか。

 

剛力と相手のキャプテン、審判が中央に集まり攻撃権を決める。

 

不正が無いよう、その様子が特大スクリーンに映される。

 

一人は緊張、一人は余裕。

 

先行か。よし。

 

剛力が戻ってきたところで円陣を作った。雰囲気にのまれたら話にならん。

 

「作戦通り行くぞ」

 

そう、作戦通りいけば、戦える。

 

「おう!!」

 

熱いのか、頼もしいのかよくわからん奴らだ。

 

しかし、よくついてきたもんだ。俺ならきつすぎて夜逃げするレベル。

 

両チームがコートに入ると観客が沸いた。

 

ベンチから、佐々木、雪ノ下、由比ヶ浜の不安げな視線。

 

そして、2つの視線はそのままだった。

 

 

 

 

 

やはりいないか。

 

相手が一列になりキックの体制をとってきた。

 

俺たちは、深めに位置取る。準備OK。

 

 

 

ピーーーーー!!

 

ホイッスルとともに、蹴られるボール。

 

蹴った瞬間に作戦。

 

{フィールドクラッシュ}

 

俺がボールを取りに行きほかの奴らは敵に張り付く。基礎をやってきた賜物だ。

 

しっかり抱え、押さえた。相手陣地まで残り90ヤード地点。いける。

 

俺が前を向いた瞬間、ほかの奴らは・・・・転ぶ。

 

故意でだが、究極に自然で、確実に相手を巻き込むように。

 

その、隙に一気に相手のエンドゾーンまで運ぶ。

 

残り50ヤード

 

前に出てきたやつは、足止めを喰らっていたからただ走っているだけで抜けた。

 

だが、たかが一瞬。なんとも無いように立て直す深い位置にいる選手。

 

相手は、油断している。だから、行ける。

 

 

 

あと5人。

 

横からのタックル。一瞬の加速で置き去り。

 

 

 

あと4人。

 

正面で構えている2人。伸ばしてきた右の奴の腕を引き、左を巻き込み突破。

 

 

 

あと2人。

 

斜めに走り、2人と距離を離し、実質的には突破。

 

エンドゾーンまで残り15ヤード。問題なし。タッチダウン(6点)だ。

 

 

 

ピーーーー!!

 

ホイッスルとともにスクリーンの総武の得点欄に6が入ったことを確認。

 

まあ、こんなもんだろ。てか、うるさすぎんよ観客・・

 

こっからだ。

 

駆け足で自陣へ戻る。ステルスヒッキーはデフォルトだが、今は無意味。だが、悪くはない。

 

不思議と足取りは軽かった。

 

「うおおおおぉぉぉ!!!」

 

やっぱし、来たか・・その元気、もつんかねぇ・・

 

集まってきたのなら好都合。そのまま、次の作戦。行動は読めている。

 

 

 

 

 

エクストラ・ポイント(タッチダウン後に1点をキックによって追加できること)を決め、7対0。

 

俺らからのキックによって、試合が再開された。

 

俺らの陣地まで65ヤード地点で止めた。そして・・・

 

 

 

 

ピーーー!相手選手交代の知らせだ。

 

風が強くなる。鳥肌が立つ。顔が強ばる。観客が沸く。

 

コート外にいる2メートル越え、ユニフォームの上からわかるほどの筋肉の持ち主に全視線がいった。

 

ここに来た奴らは、こいつを見に来たのだ。

 

 

「審判、タイムアウト(両チーム1・2と3・4クォーターに3回ずつ使える1分30秒の休憩)」

 

そう告げ、審判は笛を吹き、腕で合図をした。最終確認だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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