薙芝留美は冒険したい   作:フリッカ・ウィスタリア

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ストッパーと名付けた少女の力を使って留美は大学で悪戯をして楽しんでいた
そんなある日、留美はあの男子高生に出会うことが出来て…


スタンド使い

あれから数日経ち、暇を見つけてはストッパーの能力を使って密かに遊んでいた私は、だんだんストッパーの扱いに慣れていき、今では自由に動かす事ができるようになっていた

留美「そうや…ちょっと教授に悪戯したろ♪」

大学へ行く途中に私は幾つか悪戯を考えつき、教室に着くなり細工をした

 

1時限目

教授「~というわけでこうなる訳だけど、図に表すと…あれ?」

生徒A「どうかしたんですか?」

教授「チョークが書けない…誰か濡らしたのかしら?」

教授は仕方なく他のチョークを使って図を書こうとしたが、7本あるうち4本が書けず、5本目でようやく書くことができた

留美「(ククッ、教授めっちゃ戸惑っとるな…でも、あの人の戸惑い方ツボやわぁ…)」

教授側からすれば迷惑以外の何物でもないのだが、私は内心爆笑していた

その後も大学内で法に触れない程度の軽い物に限るが私は悪戯をして回った

しかも、ストッパーは他の人には見えていない為、講義中だろうが人混みだろうが堂々と悪戯ができるのだ

留美「誰にも見えてへんから悪戯し放題やって反面、ストッパーが見えてる人おったらって思うこの緊迫感ええわぁ…」

ここまで来るともうSなのかMなのか分からへんな

 

放課後

留美「あー、おもろかった!でも、あんまやり過ぎたらボロ出そうやし程々にせんとな」

今日一日で鏡をガラスにしたり、カゴ車のタイヤを回らなくしたりと、我ながら陰湿な悪戯をしたものだと思う

留美「あれ?あそこにおる子って…」

ふと前の方を見ると、以前コンビニ強盗をシバいた男子高生が友人と思しき二人と一緒に下校している途中だった

留美「(連れの二人、片方ガラ悪そうやねぇ…もう片方は大人しそうやけど)」

だが、再びあの高校生に出会えたのは運が良い

色々と聞きたい事もある為、私は三人をつけた

留美「自分で言うのもなんやけど、私もう犯罪者予備軍ちゃうんか?」

だが、私の座右の銘は『やらずに後悔するより、やって後悔する』だ。やめる気はさらさらない

 

数分後

男子B「じゃあ仗助君、またね」

仗助「あぁ、またな」

男子C「またゲームしようぜ。今度はF-ZEROとかよぉ」

仗助「億泰はレースゲー強ぇもんな。まあ、また今度な」

そう言って男子高生は家の中に入って行った

留美「今たしかあの子、『仗助』って呼ばれてたやんな?苗字は…『東方』、とうほう?ひがしかた?どっちなんや?」

流石に呼び出してまで話をするのは失礼だと思うので、日を改める事にした

 

土曜日

留美「よし、ちょっと早いかもやけど、仗助とかいう子の家行こか」

現在午前10時、出かける準備を手早く済ませて私は仗助って子の家(あの日の後、調べてみると苗字はひがしかただった)へ向かった

 

数分後

留美「ここやね」

東方家前へ着いた私は、少し緊張しながらインターホンを鳴らした

ピンポーン

朋子「はーい、今出ますよーっと」

少し待つと、若い女性が出てきた

留美「おはようございます」

朋子「お、おはよう…えっと、うちに何か用かしら?」

留美「ちょっと仗助君と話をさせてもろても大丈夫ですかね?」

朋子「仗助?もしかしてアイツ誰かまた殴ったの?」

留美「あっ、いえ、そないな話じゃあらへんので安心してください」

朋子「そうなの?まあ、入って。すぐ仗助起こすから(それにしても方言キツい子ね…)」

とりあえず家の中に入れてもらう事は出来た

朋子「仗助ー!友達来てるわよー!」

え?私友達ちゃうんやけど…

母親に呼ばれて一つの部屋から仗助が出てきた

仗助「友達?今日は誰も来る予定ないはずだぜ?」

留美「仗助!遊びに来たで!」

仗助「えっ?アンタ誰?」

留美「私の事忘れるなんてつれへんわぁ!」

私は強引に仗助の手を掴んで仗助君が出てきた部屋に引きずり込んだ

朋子「あらあらぁ?もしかして仗助にも春が来たのかしらぁ?ニヤニヤ ☕(^∀^ )」

 

仗助の部屋

仗助「え?ちょっと待ってくれよ!本当にアンタ誰だ!?全然思い出せねぇぜ」

留美「ごめんな。アンタの母さんに友達と間違われてたみたいやから、勢いで通してもうた。やから私とアンタは実質初対面やね。あっ、私の名前は薙芝留美」

仗助「あぁ良かったぁ…俺の勘違いじゃなかったんだな…ん?ちょっと待てよ?じゃあなんで俺の名前知ってたんだ?」

留美「あぁ、それもアンタの母さんが言ってたから(本当は友達が呼んでたのを盗み聞いたからやけど)やで」

仗助「へ、へぇ…で?俺に何の用だ?もしかして、アンタの彼氏かなんか俺が殴っちまったか?」

留美「いや、違うで(というより、自分でもすぐ思い至る位って、どんだけ気ぃ短いねん…)」

仗助「じゃあなんで家に来たんだ?」

留美「これや」

そう言って私はストッパーを出現させた

すると、仗助は急に私から距離を取った

仗助「まさか、新手のスタンド使いだったとは…」

留美「スタンド使い?何の事や?」

仗助「しらばっくれんな!その後ろに出てんのはスタンドだろうが!」

留美「あぁ、これスタンドっちゅうんか」

仗助「そんな事も知らなかったのか?」

留美「そないな事言っても、私少し前に出せるようになって、誰にも説明されへんかったしなぁ…」

朋子「仗助ー、なんか騒がしいけど喧嘩すんじゃないわよー」

下の階から仗助の母親の声が聞こえた

仗助「分かってるよ。安心しな」

留美「うるそうし過ぎたみたいやな」

仗助「何が目的だ」

留美「目的?」

仗助「俺の命か?」

なるほど、日頃からあんな事しとったら逆恨みされとってもおかしくないわな

ちょっとおもろそうやし、乗ってみようかな

留美「フッ、確かに私のストッパーの能力を使えば5分も経たずアンタをお釈迦に出来るかもしれへんなぁ」

仗助「グ、グレートだぜ!だが俺も、はいそうですかと殺られるわけにゃいかないんだよ!」

すると、仗助の方もスタンドとか言うのを出し殴りかかって来た

留美「え!?ちょっと待って!?」

咄嗟に私はストッパーで仗助のスタンドの腕を殴って横へ受け流した

すると、ずらした先の床に小さな穴が開いた

留美「ヒェ…おっそろしいパワーやねぇ…」

仗助「まだスタンドを使い慣れてないみてぇだな…パンチに重みがねぇぜ?」

すると、今度は間髪入れずに仗助本人が殴りかかってきた

留美「ちょっと待ちぃや!冗談や!ちょっとふざけただけやて!敵意はあらへん!」

そう言うと、仗助の手が私の目前数㎝の所で止まった

仗助「…本当に敵意は無いのか?」

留美「もしあるんやったら闇討ちでも何でもして殺った方が確実やろ?」

仗助「…まあ、そうかもな」

ようやく冷静になってくれた

仗助「それで?本当は何の用で家に来たんだ?」

留美「用っちゅうか、聞きたい事やな」

仗助「聞きたい事?」

留美「先々週の月曜日にアンタ、、コンビニ強盗をそのスタンドとかいう奴でシバいたやろ?」

仗助「コンビニ強盗?…あぁ、俺の髪型馬鹿にしやがった奴か」

留美「ああそうや。で、あの時、私にはアンタのスタンドは見えてたんやけど、周りの人には見えてんかった。これってつまり、さっき言ってたスタンド使いってのだけがお互いのスタンドが見えるって事やんな?」

仗助「あぁそうだな」

留美「という事は、私はその時点でスタンド使いやったっちゅうわけや。でも、私がストッパーを出せるようになったんは、つい1週間位前や」

仗助「何が言いたいんだ?」

留美「実はな、コンビニ強盗の事件を野次馬してた前日、私は不思議な体験をしたんや」

仗助「不思議な体験?…!まさか、あそこにある廃墟に行ったのか?」

そう言って指さした方を見ると、確かにあの廃墟があった

留美「な、なんでわかったんや?まあ、目の前通りかかっただけなんやけど…」

仗助「なるほど、すべてに合点がいったぜ」

留美「どういう事や?」

仗助「アンタ、その時矢みたいなもので射抜かれたろ」

留美「そ、そやね。夢やなかったらやけど」

仗助「億泰んとこの兄貴が無差別にスタンド使いにしたうちの一人だったのか…」

留美「やっぱりあれは夢やなかったんやね!」

仗助「なんでテンション上がってんだよ…」

留美「だっておもろそうやもん!」

仗助「ハァ…この町の女はなーんでこうもまあタフなのかねぇ…」

なぜか呆れられた

仗助「とりあえず壊れちまったもん直さねえとな…あれ?」

留美「どうしたんや?」

仗助「能力が使えねぇ…なんでだ?」

おそらく修復能力の事だろう

だが、すぐに私は理由が分かった

おそらくストッパーの能力だろう。多分私がさっき受け流した時に発動したのだろう

留美「あっ、これが原因やね」

私が能力を解くと仗助のスタンドは物が直せるようになった

留美「ストッパーの能力でアンタのスタンド能力を封じてもうてたみたいやね」

仗助「スタンド能力を封じてた?」

留美「たぶんこの子の能力なんやろうけど、触ったもんの機能とか特性とかを一つ封じる事ができるねん」

私は立ち上がり、机の上に置いてあったシャーペンからシャーペンの芯を少しだし、ストッパーに触れさせた

留美「これでなんか書いてみ?」

言われた通り仗助は紙に文字を書こうとするが、芯が出てるのにもかかわらず紙には文字が書けなかった

留美「書けへんやろ?でもな…」

先程と同じように能力を解くと

普通に文字が書けるようになった

仗助「すっごいショボいように見えて使いようでは人殺しも出来ますってか?」

留美「試した事はもちろんあらへんけど、私の予想では出来るんちゃうんかなって思ってる」

仗助「おぉ、怖ぇー怖ぇー」

とりあえず敵ではないという事はわかってもらえたようだ

仗助「だが、アンタを完全に信用したわけじゃぁねぇからな」

留美「それは分かっとる。ほぼ初対面で信用しろ言う方が無理な話やしな。警戒するもんは長生きするって言うし、ええ事や」

仗助「(普通、信用してないって面と向かって言われてここまであっけらかんとしてられるか?…何か掴み所の無い奴だぜ…)」

留美「(警戒されるのは想定内や。さてと、こっからどうするかで今後会いに来れるかが決まりそうやな)」

個人的には少し悪戯を交えつつ話を進めたかったが、これ以上ちょっかいを出そうものなら追い出されるのはもちろんの事、スタンドでシバき倒されそうだ

仗助「ところで、アンタ何処の学校の奴なんだ?うちの学校じゃ見た事無いけど…」

留美「そりゃそうやろ。私は大学生やで?」

仗助「え?アンタ大学生なの?」

留美「そやでぇ?なんや、もっと若い思ってたんか?嬉しいわぁ」

仗助「そ、そうだな(どっかの中坊か、よくてタメかと思ってたぜ…)」

なんか複雑そうな顔してるけど、何かあったんやろか?

留美「まあ、聞きたい事は大方聞けたし、私はそろそろお暇させてもらうわ。急に押しかけてすまへんかったな」

仗助「あぁ、さっきは急に殴り掛かってすまなかった…」

留美「気にせんでええで。元を正せば私がふざけたのが原因なんやし」

ふざけた事で仗助にシバかれそうになったけど、結果的に印象が悪くなってる感じはしないので良しとしよう

東方家を後にした私は、矢で射られたあの廃墟を訪れた

留美「私の事を矢で射抜いた奴が居るのはここやんな?」

鉄扉を押し開け敷地内に入ると、家の中から何処かで見た気がする人が出てきた

億泰「なんだぁ?家になんか用かよ」

思い出した。確か仗助と少し前に一緒に帰っていた友人だ

留美「ちょっとアンタの兄ちゃんに会わせてもらえへんやろか?」

億泰「兄ちゃん?兄貴の事か?…んなこと無理に決まってんだろ」

留美「なんでや?今留守にしてんのか?」

億泰「兄貴なら…少し前に死んだぜ」

あっ、地雷踏んでもうた…

留美「す、すまん!無神経な事聞いてもたな…」

億泰「いや、別に構わねぇよ…兄貴は死ぬべくして死んだ。こっちもそれで納得してるからよ」

この口振りから察するに、事故や病気ではなさそうやな…スタンド関連か?

億泰「まあ、兄貴に聞きたい事があったみてぇだけどよ、俺は兄貴がスタンド使いを増やして何をしたかったのかほとんど何も知らねぇからアンタの力にゃなれそうもねぇ。時間の無駄になるだろうから帰った方がいいぜ」

見た目はガラ悪そうだが、会話をしてる感じでは自分の能力を過信していない、しっかりとした所があった。少なくとも会話位なら地雷を踏まない限り大丈夫だろう

留美「そう…わかった。こんな時間にすまんかったな」

廃墟(今は億泰とかいう子が住んでるみたいやけど)から自分の家に帰った私は少し早めの昼食を摂りながら考え事をしていた

留美「あの億泰って子、十中八九スタンド使いやんな。兄弟がスタンド使いを増やすって言いだしたら普通は気ぃ狂ったんかと思って相手にせえへんやろうし…」

そもそも、私はスタンドの話を聞きたいなどとは一言も言っていない。なのに真っ先にスタンドの事を頭に思い浮かべるという事は、あそこの兄はスタンド使いを増やすという行為を中心に生活していたのだろう

留美「あの弟、うっかり屋な所あるんやなぁ…まあ、別に何するわけでもあらへんけどな」

今日半日だけで2人もスタンド使いに出会う事が出来た

留美「もしかしたら、この町にはもっとスタンド使いが居るんかもしれへんなぁ…」

いつも退屈だった土日の時間を潰す良い手段を見つける事が出来て思わず頬が緩んでしまった

 

To Be Continued




玩具を買ってもらった子供のようにはしゃいでいる留美は休日にスタンド使いを探そうと決心する。
しかし、そう簡単にスタンド使いは見つかるのだろうか?
次回『止め具は錠より強し』
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