康一「なんでこいつがここに!?」
承太郎「バイクのバッテリーだ!あそこに潜んでいたんだ!」
R・H・C・P「空条承太郎!お前もいずれ俺が始末してやる!」
留美「(何かよう分からんけど、敵やって事だけは分かった)」
私はスタンドを出し、敵に殴り込んだ
しかし…
R・H・C・P「へっ!そんなトロイ攻撃が当たるかよ!」
敵は私の攻撃を何でもないかのように避け、バイクに跨り走り去ってしまった
億泰「逃げんじゃねぇ!ダボがぁ!」
次の瞬間、億泰がスタンドで空中から空中へ瞬間移動しながらバイクにあっという間に追いついた
留美「早っ!?」
仗助「なるほど!億泰の野郎考えたじゃねぇか!」
何が起こったのか呑み込めず、再びバイクの方へ視線を戻した時には、河童みたいなスタンドは地に伏し、地面にいくつもの穴が開いていた
留美「今の一瞬で何があったんや!?」
仗助「あいつのスタンドは右手で空間や物を削り取る。それを応用して敵との距離を縮めたんだ」
留美「何気にすごい事するんやなぁ…」
承太郎「億泰、もういい!そいつを殺したら弓矢の場所が分からなくなる!」
億泰「で、でもよぉ…こいつまだ生きてるぜ?」
仗助「もう電力が尽きてそいつに何かする力は残っていない!心配することはないぜ!」
何を危惧しているのか、三人は億泰の方へ急いで駆け寄ろうと走り出した
私も三人について行く道中で、敵スタンドと億泰が何かを話しているのがチラッと見えたかと思うと、突然億泰が叫び出して敵スタンドの下半身を削り取った
仗助「グ、グレートだぜ…これで弓矢を探すのが少し面倒になっちまいましたね…」
承太郎「いや、やはり敵は何か企んでいたみたいだ……!億泰!そこから離れろ!」
何に気が付いたのか、承太郎さんが億泰に向かって叫んだ
億泰「きゅ、急にどうしたんだぁ?敵はもう…なっ!?」
億泰の言葉は途中で遮られた
留美「えっ…」
なんと、先程億泰のスタンドに削り取られたはずである敵スタンドが元気ハツラツという具合で立っていたのだ
康一「な、なんで敵スタンドが!?さっき億泰君がやっつけたはずじゃ!?」
仗助「地面に電線が埋まってたんだ!だから億泰の野郎を挑発して自分諸共地面を削り取らせやがったんだ!」
億泰「チッ!今度こそおめぇを跡形も無く削り取ってやるぜぇ!」
R・H・C・P「おせぇ…眠っちまいそうなくらいおせぇよ!」
次の瞬間には、億泰の右腕が吹っ飛んで、電線内に引きずり込まれてしまった
康一「億泰君!?」
康一が現場へ走って行ったが、既にそこには億泰の姿はなかった
承太郎「敵はかなり頭の切れる奴らしい…俺も完全に油断していたぜ」
仗助「ええ、あいつぁグレートですぜ」
康一「あんたら何言ってんだよ!億泰君が死んじゃったって時に敵の事なんか!」
留美「え?心配する事なんかないやん…」
康一「え?なんで?…」
留美「いや、仗助の能力使って億泰の右腕直したら億泰戻ってくるやん…」
仗助「ああ、その通りだぜ留美さんよ」
承太郎「まあ、あんまりチンタラしてると億泰が黒焦げになっちまうかもしれねぇから、早く治してやれ」
仗助「えぇ、クレイジーD!」
承太郎さんにせかされ、仗助のスタンドが億泰の右腕に触れると、電線内から億泰が出現し、右腕も元通り治った
というか、仗助のスタンド、クレイジーDって名前やったんやな
康一「億泰君が…戻ったぁー!」
承太郎「感動の再会っていきたいとこだが、ちょいとヤベー事になりやがった…港へ急ぐぞ!」
仗助「ああ!」
承太郎「億泰、兄貴の恨みはあるだろうが、あまり迂闊な行動はとるな。わかったな?」
億泰「わかったぜ…」
承太郎「ところで留美、お前はどうする?あの惨状を見てもまだついてくる気か?」
留美「もちろんついて行くで!あんたらについてったらおもろい事起こりそうやもん!」
承太郎「ハァ…仗助もメンドクセー女をつれてきたもんだぜ…」
そう言いながら承太郎さんは私達をSPW財団とかいう会社の車に乗せて港まで急がせた
港
承太郎「ジジイの乗った客船はあと2~30分でここへ着く。いまのところR・H・C・Pは船へ向かってないようだが、俺らが船に向かい始めればアイツも動くだろう」
仗助「船のバッテリーにはアイツは潜んでねぇぜ。この船は安全みたいだ」
承太郎「仗助、船へは俺と億泰で行く。お前は康一君と陸でジジイを守れ、留美の方は…お前も邪魔だから陸へ残っとけ」
留美「了解や。邪魔やって言うならそうなんやろ(康一ってどっかで聞いた気がする名前やな…どこやっけ?)」
私の返事を聞くと承太郎さんは船に乗り、全速力で客船へと船を走らせた
???「やっぱり、空条承太郎は頭が切れるぜ!俺の計画がまるっきり見透かされてるじゃねえか!」
直後、後ろに積んであったコンテナの影から一人の男が出てきた
仗助「テメェがR・H・C・Pの本体か!」
男性「イエース!おれがR・H・C・Pの本体、音石明!このギターは…まあ、気にしないでくれ!」
留美「(なんか変なテンションの奴出てきおったなぁ…)」
明「だが、俺のラジコンは5分ありゃジョースターの乗った客船に着く、対し承太郎達の船は10分はかかるだろうなぁ!つまりだ…お前らを5分足らずで倒せば余裕で追い越せるってわけさ!」
留美「そうこう言ってるうちにもう1分経ってるけどな」
明「なっ!?ちょっとした誤算だぜ!R・H・C・P!」
すると、あのスタンドがとてつもないスピードで仗助に殴りかかり、直前で地面に消えた
仗助「どこに行きやがった!?…チッ!こうなったら本体を!」
目の前から消えた敵に戸惑った仗助だったが、すぐに冷静さを取り戻し明へ直接攻撃を仕掛けた
仗助「ドラァ!!…何っ!?」
だが、クレイジーDの拳は空を切った
仗助「スタンドが速ぇのは分かる!だが、なんで本体がこんな動きを!?」
康一「本体が動いたんじゃない!君が動かされたんだ!」
そう。動いたのは敵ではなく仗助の方だったのだ
留美「一瞬だけ地面の隙間から敵スタンドが出てきて、アンタの体を回転させよったんや!」
あんな速さで動かれたのでは対処のしようがない
留美「やばいな…あんな動きされたら攻撃でけへん…」
康一「このままじゃ、本当に仗助君がやられちゃう!」
留美「康一くんとか言ったな?あのスタンドの弱点とか、パワーの源みたいなん知らへんか?」
康一「きゅ、急にそんな事言われても…あのスタンドが電気で力をつけてるって事くらいしか…」
その言葉を聞いた瞬間、私はニヤリとした
留美「電気が力の源なんやな?」
康一「そ、そうですけど…」
留美「じゃあ康一君、このコンクリブロックから離れときぃや!」
康一「な、何をするつもりですか!?」
留美「見てれば分かるで!」
私はストッパーを出し、コンクリートの地面に触れさせた
留美「まず、コンクリートの『高い耐久性』をロック!」
すると、留美が軽く叩いただけでコンクリートが欠けた
康一「こ、こんな簡単に…」
留美「よし、このまま掘り進めば…あった!」
思いの外すぐ電線が見つかった
留美「さあ、ここからが正念場やで!」
私は電線を持ち歩いているカッターで切り、ストッパーの残ったもう片方の手で電線を触らせた
留美「グッ…電線の『導電性』をロック!」
スタンドが感電するのを必死に耐えつつ、能力を使った
直後、向こうの方で叫び声が聞こえた
明「な、なぜR・H・C・Pが電線に入れない!?」
おそらく私が電線の機能を停止させたから電線に忍び込めなくなったのだろう
とりあえず壊したコンクリは後で仗助に直してもらう事にして、私は地上へ這いあがった
すると、思った通りの事が起きていた
仗助「やっと捕まえたぜR・H・C・P!」
留美「5分経ったで?明とかいう兄ちゃんよ?」
明「くっ!テメェ、電線に何か細工しやがったな!?」
仗助「さぁて、お仕置きの時間だぜ?」
クレイジーDに頭を鷲掴みにされ、本体の方も苦しそうである
明「ちょ、ちょっと待てよ仗助ぇ…ちょっとふざけ過ぎただけじゃねぇかよ…今後悪い事はしねぇって誓うから、今回は見逃してくれねぇか?」
明は一気に弱気な態度を示して許しを請うてきた
仗助「いいやだめだ!おめぇのしてきた事はふざけたで済まされるような事じゃぁねぇ…警察に突き出されるか、ここで俺か、戻ってきた億泰にぶっ殺されるか選べ!」
明「ヒィッ!!警察で!警察でお願いします!」
仗助は返答を聞くとクレイジーDで明の顔面に拳を一発叩き込んだ
そのまま明は吹っ飛ばされ、コンテナに当たって失神した
留美「どっちにせよシバき倒すんかいな…」
仗助「殺さなかっただけ上出来だと言ってもらいたいぜ」
そういう仗助の目には怒りが浮かんでいた
本人の言った通り、理性を失えば本当に殺してしまいかねないだろう
一方、客船は…
承太郎「よし、客船に着いたぞ」
億泰「今んとこあいつは来てねぇいみたいだな」
承太郎「いや、まだ油断しない方がいい。もしかしたらこの船で俺らごと始末するために潜んでるかもしれん。慎重に行こう」
港で敵はやられているなどと知っている訳もない為、二人は慎重にジョセフのいる部屋へと向かって行った
承太郎「おいジジイ!くたばってねぇだろうな!」
ジョセフ「おぉ…承太郎じゃぁないか。そんなに焦ってどうしたんじゃ?」
そこに居たのは、腰は曲がり、何処を見ているのか定まっていない無気力な目をした老人だった
億泰「この爺さんがジョセフなのか?」
承太郎「あぁ、こいつが仗助の父親、ジョセフ・ジョースターだ。そんな事より、早く俺らの船へ来い。敵スタンド来るかもしれん」
ジョセフ「おいおい、ちょっと待っておくれよ…儂の杖は何処じゃ?」
億泰「杖なら目の前にあるじゃねぇかよ」
ジョセフ「おぉ、あったあった…」
自分の命が狙われているという時に暢気なものだ
乗組員「ちょっと待ってください。今、港から連絡がありました!」
承太郎「誰からだ?」
乗組員「仗助とかいう子供のようですが…」
承太郎「分かった。代わってくれ」
そう言って承太郎は乗組員から無線を受け取った
承太郎「なんだ仗助。敵スタンドがこっちに向かってるのか?」
仗助「いや、港で敵を捕獲しました。なんで、急いで帰ってこなくても大丈夫っすよ」
承太郎「倒せたのか?…わかった。あと10分程でそちらへ着く予定だ」
仗助「了解っす」
承太郎「だそうだジジイ。もう少しソファで座っておくといい」
ジョセフ「そうさせてもらうよ」
十数分後
康一「あっ!あれじゃないかな?」
留美「爺さん一人乗ってるだけやのに、えらい大きな船使ってるんやなぁ…」
留美の言うとおり、港へ向かってきた客船は乗客が一人乗る物としては大きすぎる物だった
仗助「来た…か(生まれてから一度も会った事ない爺さんを親父だなんて言われても、どう接しればいいんだよ…)」
仗助の困惑をよそに客船は港についてしまった
承太郎「おいジジイ、早く歩け。日が暮れちまうぜ」
ジョセフ「お前は相変わらず儂にちょいとキツくないか?少しは老体を労っておくれよ…」
承太郎「いい歳こいて他所に女作るような元気な奴に労りが必要か?ガキこさえる気力があったなら継続的に上半身も鍛えておくんだったな」
船の中から承太郎さんに軽く罵られながら老人が出てきた
ジョセフ「君が…仗助君かね?」
仗助「えぇ、アンタが俺の親父…やっぱり呼びにくいな…ジョースターさん」
少し他人行儀だが、初対面なのだ、当たり前だろう
留美「(そういえばこの爺さん、敵スタンドを見つけるためにここに来たんやなかったっけ?)」
車の中で聞かせてもらった話を思い出し、今更だが敵スタンドをさっき倒したため、爺さんの出番がなくなってしまった事に気が付いた
承太郎さんもその事には気づいていたようで
承太郎「まあ、せっかく来たんだ。少しの間この町でゆっくりするといい。家に帰ったらスージーQお婆ちゃんに殺されるかもしれんしな」
そう言われ、腰が曲がってただでさえ小さくなっている爺さんが項垂れてさらに小さくなった(とはいっても、腰を伸ばしたら180㎝位ありそうだが)
承太郎「それにしても、敵スタンドを倒せるとは思っていなかったから、良い誤算だったな」
仗助「あー…いや、実言うと俺だけの力じゃなかったんすよね」
承太郎「康一君も戦ってくれたのか?」
康一「い、いや、違いますよ!僕のスタンドは戦えるような強さじゃないですし…」
承太郎「となると…留美か」
留美「まあ、戦ったというより、能力使って電線から引きずり出したってだけやけどな」
承太郎「そうか…俺はお前を少し見くびってたみてぇだな」
留美「気にせんでええで。私も良い体験できたし♪」
承太郎「下手すりゃ殺されてたかもしれねぇ体験を良い体験と言えるお前の感覚が分からん…」
To Be Continued
レッチリの撃破に一役かった留美に承太郎は認識を改めたものの、相変わらずの留美の感性には呆れ果てるばかりであった
次回『トリッキー・フォックス』