7月16日
直子「おーい、留美さんや。いつまで家に居座ってるつもりだい?私は大学行かないといけないんだから、早く出て行っておくれよー?」
留美「ごめんごめん、いつも講義がない日は昼まで寝とるから寝坊してもたわ」
とはいっても、まだ朝っぱらの8時過ぎだが
留美「…よし、忘れもんはないし、私は帰るわ。またダベろなー」
直子「そうね。次は丸一日話せるといいわね」
それは流石に勘弁願いたい
私は直子の家を出た後、すぐある人へ電話を掛けた
prrr…prrr…ピッ
露伴「はい、岸部です」
この応対の仕方から見て私の電話番号を登録して無かったのだろう
留美「あっ、薙芝やけど?」
露伴「薙芝?…あぁ、昨日の女か…で?何の用だ?」
留美「昨日言ってたサラリーマンの男、やっぱり黒や」
露伴「ほう…根拠は?」
留美「昨日の晩、あの男にあったんや」
露伴「何!?君はあいつと知り合いだったのか?」
留美「ちゃうちゃう。殺人現場に出くわしてもたんや。あの男、スタンドを使って殺人しとった」
露伴「現場を見てよく見つからなかったな…」
留美「いや、普通に見つかったで?命辛々逃げおおせたってだけ」
露伴「何から何まで運の良い奴だね…君は…」
留美「普段の行いがええからやな!」
露伴「ハァ…まあいい。杜王町の中央区にあるペプシの看板はわかるかい?」
留美「ペプシの看板?あぁ、分かるで」
露伴「そうか。それなら話が早い。その近くに赤紫の車が停めてあるから、そこまできてくれ」ピッ
留美「えっ?えぇ…」
一方的に切られてしまった…
留美「自分勝手やなぁ…」
まあ、グチグチ言っていてもしょうがない、文句は指定された場所まで行って直接言うとしよう
杜王町 中央区
留美「ペプシの看板は…あっ、あれやな。となると、その近くに赤紫の車が停めてあるはずなんやけど…あれか?」
中央区に来てから数分後、ペプシの看板前まで来た私は、近くに赤紫色の車が止まっていないか見渡し、一つだけ該当する車を見つける事が出来た
道を横断すると、露伴と思しき青年が昨日私と会った少年と喋っていた
留美「おったおった」
早速文句を言ってやろうと近づいていくと、突如露伴が慌てた様子で振り向いた
露伴「薙芝!早く逃げろ!」
なぜか意味がさっぱり分からず戸惑っていると、目の前で露伴が爆発して消えてしまった
留美「えっ…えぇ!?」
目の前で起こった事が自分の理解の範疇を大きく超えており、結論がさっぱり纏まらなかった
しかし、目の前で起こった現象に既視感を覚え、一つの結論に思い至った
留美「(昨日の男!まさか、もう露伴と接触しとったんか!?)」
目の前で人が死んだというのに我ながら冷静なものだと思ったが、今はそんな事を考えている暇ではない
どこかにあの男がいるはずだと思い、ビルの壁や物陰などを探したが見つからなかった
留美「…そうや!あの子に聞けば何か分かるかもしれへん!」
急いで車まで戻って来てみたが、あの少年もいつの間にかいなくなっており、完全に八方塞がりになってしまった
その後、露伴と一緒にいた少年も行方不明となり、連続殺人鬼はいまだに捕まっていない
7月16日(二回目)
留美「ペプシの看板は…あっ、あれやな。となると、その近くに赤紫の車が停めてあるはずなんやけど…あれか?」
中央区に来てから数分後、ペプシの看板前まで来た私は、近くに赤紫色の車が止まっていないか見渡し、一つだけ該当する車を見つける事が出来た
車に近付いて行くと、途中の曲がり角で見覚えのある少年がいた
留美「あれ?アンタは…昨日の子やないか!無事やったんやな!」
早人「!?…昨日のお姉さんか...」
後ろから話しかけたのがいけなかったのか、予想以上に驚かれてしまった
留美「ずっと露伴の事見とるみたいやけど、なんかあったんか?」
早人「え!?お姉さん露伴の事知ってるの!?」
留美「まあ、一応知り合いやけど…」
そんな会話をしていると突然、少年の顔半分が本のように変化した
留美「え?」
早人「僕は露伴から見えない所に居るのに、なんで!?」
今の口振りから察するに露伴のスタンドを体験したことがあるのだろう
だが、この少年は露伴と全く接点がなかったはずだ
留美「アンタ…なんで露伴のスタンドの事知っとるんや?」
早人「そ、それは…」
少年は口籠った
留美「(やっぱり知り合いとかそういうんではなさそうやな…何か隠しとる雰囲気や)」
私がさらに問いただそうとした時、向こうの方で爆発音が響いてきた
音の正体を確認するため、周りを見渡してみると、何と爆発していたのは露伴だった
留美「まさか…あの男が接触してきたんか!?」
急いで露伴の元へ走り寄ろうとしたが、私が辿り着く前に露伴は跡形もなく消えてしまった
留美「何処や!?アイツはどこに隠れとるんや!」
露伴が爆破されてから数秒しか経っていないため、まだあの男がいるはずである
しかし、何処を探してもあの男の姿は見つからなかった
早人「なん…で?僕は…今回露伴に会ってないのに…何で爆発を…」
すこしおぼつかない足取りで少年がフラフラとこちらへ歩いてきた
留美「今回?ちょっと待ち、アンタなんか知っとるんか!?」
私がふと、そんな質問を投げかけると、少年はしまったといった風の表情を浮かべた
留美「お願いや!何か知っとる事があるんやったら教えて!」
昨日の時点であの男の危険性は重々理解している
これ以上被害者を増やす訳にはいかない為、私も必死である
しかし、少年は涙目で首を横に振るだけで答えてくれる感じがしない
そんなやり取りをしていると…
康一「あれ?留美さん、何やってるんですか?」
留美「あっ、康一君に承太郎さんやないか!」
承太郎「お前、こんなとこで何やってんだ?」
留美「露伴に呼び出されたんや。それよりも大変なんや!」
康一「ど、どうしたんですか?」
留美「露伴が殺されてしもた!」
承太郎「露伴が…殺された?」
早人サイド
お姉さんが必死に二人に先程までの説明をしているうちに、僕は逃げようと試みていた
しかし、走り出した直後、タイミング悪く来た高校生二人にぶつかってしまい逃げる事は叶わなかった
仗助「おっとボウズ、ちゃんと前見て歩かなきゃ危ねーぜ?承太郎さんすみません、寝坊しちまったみてーだ」
億泰「露伴は何処に居るんだ?車はあるみてーだけどよ」
早人「(この二人もあいつの事を調べに…)」
康一「川尻早人君だよね?僕達ちょっと君に聞きたい事があるんだ」
早人「(ど、どうにかしてこの場をやり過ごさなきゃ…)」
康一「この写真、写ってるのは君のパパと君だよね?」
そう言って康一が見せたのはカメラを持って出社途中の父親を物陰から撮影している自分の姿だった
早人「それ以上聞かないで!」
叫んだ直後、僕は後悔した
早人「(そんな事言ったら、何か隠してるって言ってるようなもんじゃないか!)」
だが、言ってしまった今ではもう遅く、5人は全員僕に注意を向けてしまっている
仗助「聞かないでくれ?それは何か隠してるって事だよな?なぜ俺達に隠す事があるんだ?」
早人「そ、それは…」
まずい。その一言が頭の中を駆け巡り、離れない
早人「(もう、これしか…)」
僕は5人に背を向け、鞄の中からカッターを取り出し、喉へ向けた
早人「(僕が死ねば…この人達は死なずに済む。そうすれば、必ずあいつを倒してくれる…)」
覚悟を決め、思いっきりカッターを喉へ突きたてた
留美サイド
承太郎「ちょっと待て、何か様子が変だ。ずっと蹲ってるぞ」
承太郎さんは少年の異変に気が付いたようだ
仗助「どうしたボウズ、腹でもイテェのか?」
仗助が少年をこちらへ向き直らせると、その場にいた5人は目を疑った
早人「な、なんで!?カッターの刃が…刺さらない!?」
なんと、少年は自分の首にカッターの刃を向けており、その刃を寸前で食い止めていたのは、極小サイズのキラークイーンだったのだ
仗助「キ、キラークイーン!?テメェ!」ドラァ!
KQ「もう遅い!我がキラークイーンが見えたという事は、キラークイーンは既に君たちの目の中に居る!そして、起爆スイッチも既に押されている!」カチッ
その言葉が聞こえたかと思うと、その場にいたスタンド使い5人は跡形も無く消し飛んでしまった
早人「あ、あぁ…あああ!!!」
7月16日(三回目)
留美「ペプシの看板は…あっ、あれやな。となると、その近くに赤紫の車が停めてあるはずなんやけど…あれか?」
中央区に来てから数分後、ペプシの看板前まで来た私は、近くに赤紫色の車が止まっていないか見渡し、一つだけ該当する車を見つける事が出来た
留美「おったおった」
回り込んでみると、露伴の姿があった
留美「露伴、もうちょっと話の順序ってもんをやなぁ…」
露伴「僕は忙しいんだよ。君とちんたら電話してるほど暇じゃないんだ」
自分勝手な…
露伴「とりあえず、昨日の夜あった事を話してくれるかい?出来るだけ手短にね」
要するに、要点をかいつまんで話せという事だろう
露伴の不遜な態度に多少イラっとしながら昨日の事を話していると、康一君と承太郎さんが来た
露伴「やぁ康一君、承太郎さん、時間ピッタリだね。あの二人と違って」
あいつらと言うのはおそらく仗助と億泰の事だろう
承太郎「留美も露伴に呼ばれたのか」
留美「せやね。しかも、耳寄りな情報を持ってきたで!」
康一「耳寄りな情報?」
留美「この写真の男、こいつは黒や!なんやったっけ?吉良やったか?そいつに間違いないで!」
承太郎「またえらく自信たっぷりだな」
留美「だって、昨日こいつにあって、スタンドも確認したしな」
承太郎「お前は本当に人間か?ジジイが昔言ってた究極生命体とかいうのじゃないだろうな…」
留美「私は強いからな!」
康一「(色んな意味で強かな人だ…)」
その時、後方から爆発音が響いてきた
露伴「なんだ、今の爆発音は!?」
承太郎「吉良がスタンドを使ったのかもしれん。行くぞ」
数分後
先程の音だけを頼りに現場へ向かって行くと、ある家の前に救急車と消防車が来ていた
康一「さっきの爆発があったのはこの家ですよ!」
承太郎「ただのガス爆発という可能性もあるが…」
康一「あっ!あの人、怪我してますよ!」
吉良「な、何だと…空条承太郎達も来てしまっただと!?」
早人「ここに居る正義の心に比べたら…お前の力なんてちっぽけなもんなんだ!」
全く状況が呑み込めないが、昨日会った少年が吉良と思しき男(なぜか白髪オールバック)に啖呵を切っていた
承太郎「お前が川尻浩作…いや、吉良吉影と言った方が良いか?」
吉良「ゆ、夢だ…私が追いつめられるなんてありえない…」
留美「私らが待っとる間、もうすでに戦いは始まってたんか…」
女隊員「ここに怪我人がいます!担架を持ってきて!」
ボロボロになった吉良に救急隊員の女性が近づいてきた
女隊員「この指、何本に見えますか?」
吉良は女隊員の手を掴んだ
女隊員「きゅ、急にどうしたんですか!?」
早人「しまった!あの女性が爆弾に変えられてしまった!」
仗助「爆弾にして人質ってわけかよ!やってみろってんだ!俺がまた爆破した瞬間に治してやる!」
早人「違うんだ!人質なんて甘っちょろい物じゃないんだ!あいつには隠された能力があるんだ!」
仗助「か、隠された能力だと?」
早人「バイツァ・ダストって言う時間をぶっ飛ばす能力を持ってるんだ!」
仗助「なんだと!?」
少年のセリフを聞くか聞かないかという所で承太郎さんが走り出した
仗助も走り出そうとするが、戦闘中におったとみられる負傷が重く、その場に這いつくばっていた
仗助「承太郎さん!時を止めろ!キラークイーンのスイッチを押させるなぁ!」
吉良「いいや限界だ!押すね!」
まだ承太郎さんは吉良から10mは離れている
留美「(間に合わへん!)」
私がそう思った時…
???「3FREEZE!」
吉良「なにぃ!?」
康一「よし!成功したぞ!」
どうやら今の声は康一君のスタンドのようだ(というか、康一君のスタンドも喋るんやな)
承太郎「よくやった康一君!」
吉良「この…クソカスどもがァーッ!!」
承太郎「スタープラチナ・ザ・ワールド!」
承太郎さんがそう宣言した直後、吉良とキラークイーンの右手があらぬ方向へ折れ曲がり、後方へ吹っ飛んで行った
吉良「押して…やる…スイッチを…押してやるぞ…」
露伴「なんて執念深い奴だ…」
もうこの状態では何もできはしないだろう
その場にいたスタンド使い6人と早人はそう安心しきっていた
女隊員「止めて!救急車を止めてちょうだい!」
なんと、救急車が吉良に気付かずどんどんバックしてきたのだ
女隊員が必死に運転手に静止を呼び掛けたが遅かったようだ
バキッ!ボキボキボキグチャッ!
救急車の後輪に吉良の頭が潰されてしまった
康一「死ん…だ…吉良吉影の最後は事故死なのか…」
露伴「いや、吉良は法では決して裁けない…これが一番良かったんだ…」
留美「うわぁ…エグッ…完全に頭が潰れてペシャンコになっとるやないか…」
承太郎「女がそんなもん見るんじゃない。向こうへ行きな」
男隊員「貴方も早くテープの外へ出てください!」
こうして、連続殺人鬼吉良吉影が車に引き殺されるという形で幕を下ろした
次の日
仗助「それじゃあ承太郎さん、ジョースターさん、お元気で」
承太郎「ああ、お前も元気でな」
ジョセフ「お母さんによろしくなぁ」
留美「また暇ができたら、杜王町にきいや!」
承太郎「ここに来ても、お前とはあまりつるみたくねぇな…お前は何かやりずらい」
留美「酷い言い草やな!ヽ(`Д´)ノ」
承太郎「…まあ、お前も元気にやれ。生物に興味があるのなら、俺の所に来るといい。俺も生物専攻だからな。お前は大物になるぜ、色んな意味でな」
多少の憎まれ口をたたきながら、承太郎さんとジョースターさんは船に乗って行き、杜王町を後にした
留美「(大学を卒業したら、働きながらスタンド使い探しってのも楽しそうかもな…)」
今まで趣味らしい趣味を見いだせなかったが、この数か月の間、スタンドという物だけは全く飽きずに探求することができた
生物学者になれば世界中を飛び回れる。承太郎さんもこの数か月間だけで幾つも面白い情報を私に与えてくれた
留美「(私の暇潰しの為にも、学者の勉強頑張ろかな!)」
手段と目標が入れ替わってる気がするが、やる事は同じなのだ、問題ないだろう
こうして、私は奇妙な冒険をする為に学者への道を歩き出したのだった
The End
不思議な体験を求めて留美は学者への道を志した
数年後、自分の所へ本当に留美が現れるとは、承太郎はこの時、思ってもいなかったが、それはまた、別の話だ