異世界では子供も戦うそうです(仮題) 作:はつかねずみ
では本編どうぞ。
透き通った青空、倒壊したビル、苔むした瓦礫、日光で熱され陽炎の揺らぐアスファルト、硝子もタイヤもなく骨組みだけとなった車、伸び放題の雑草。
そんな荒廃した場所には不釣り合いな、澄んだ美しい歌声が廃墟の中を響き渡り始める。
その歌声は、廃墟の一部になる前であれば道行く人の目を引いたであろう、豪邸のバルコニーから発せられていた。
その豪邸は他の廃墟とは違い窓が破れていなければ、壁が蔦で覆われていることも無い、ただ日に焼け色褪せた色であった。
日焼けしたレンガ造りのバルコニーで、歌を歌っていた人物は美しい女だった。
まるで、月光を溶かしこんだ様なプラチナブロンドの髪は、肩口に切りそろえている。鼻筋の通った美しい顔は春の柔らかな日差しに照らされ、磨き抜かれた黒曜石の様な瞳は、太陽の光を反射しきらきらと輝いている。
彼女の着ている若草色のワンピースは、腹の部分が妊婦特有の美しい曲線を描いていた。
彼女は暫くの間歌い、歌い終わると愛おしそうに膨らんだ腹をなでた。
◇◇◇◇◇
気がつくと俺は暗い場所にいた。どれだけ暴れても出ることの出来ない狭く暗い空間。
手足を満足に伸ばすことの出来ないこの空間に、ストレスが半端でないですことよ。
しかし気になるのがなぜ俺が死んでもいないかである。
俺は恐らく死んだはずである。ファミレスで謎の爆発に巻き込まれ左半身が吹き飛び死んだ……と思う。
実は死んでいなかったという可能性も、なくにはない。だが流石にあの状態から生き延びれるほど、医療は発展していなかったはずである。
しかし俺は確かに意識を持ってここにいる。
これが死後の世界と言うのであれば、なかなかに悪趣味である。
人は狭い空間に居続けると発狂するってネットスレでみたことあるぞ。
……とりあえず発狂する前に出たいと思う。
その為にもまずは今いる場所をなんとなくでも把握することから始めよう。
ーー主人公現状把握中ーー
あーあ、もう滅茶苦茶だよ。
分かった事といえば、謎の空間は無重力に近く、手足を伸ばせば柔らかい壁に当たること。
そして俺の腹、細かく言うのであれば臍に当たる場所に柔らかなチューブが付いている。
以上のことから俺は転生した可能性が大きいと推理する。
だってさ、もうほぼお母さんのお腹の中だよね。そうだよね?
このチューブ的なの臍の緒だよね?
まぁ現段階では、猿人とか獣人とかに転生した可能性は残るのだけれども。
これ大丈夫かな? 俺、神様に会っていないけれど、転生特典とか貰えてるのだろうか。
ちなみに俺は転生しても地球とか、人間が食料となっている星とか、すぐ子供を生贄にしようとかする世界なんかに、産まれないことを祈っている。
まぁ、とりあえずはやることもないから寝るとしょう。
もしかしたら起きた時に、状況が改善されているかもしれないしね。
あぁ、一人称なんて書けへんのやぁ ⊂( ⊂ _ω_ )⊃ というか、小説書くにあたって自分の語彙力の低さを嘆く日々。前期の単位全落ちしたのを嘆く日々orz