英雄飄々譚   作:朽葉周

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えっと、なんだったか。

そう、総合取得得点が105点で、スーツの性能が拡張されたとか何とか。

キャナルに詳細を尋ねたところ、実際に装着してみたほうが早いと言われた。

 

そこで、近所のWHM支所を訪ね、訓練施設を利用させてもらう事に。

WHMは基本的に無償で様々な施設を利用させてくれる。当然所属者限定だが。

 

というわけで、俺もこの施設に来て、訓練用の体育館を一つ借りてみた。

今日は偶々人が少ない日だったらしく、俺は受付のお嬢さんの好意(と言う名のおせっかい)により、何故か空いていた大運動場を利用する事になってしまった。

因みに大運動場といっても、バスケットコート一つ入る体育館レベルの規模だ。それも地下。

個人で借りられる規模では最大、という意味らしい。

 

さて、そういうわけで実際に変身してみたのだが。

なんというか、性能が朝鮮版ナノスーツになってた。要するに劣化量産版ナノスーツ。わお。

説明しておくと、スーツ自体は特殊な宇宙開発素材で出来ており、組み込まれたチップにより、ナノマシンを操作することが出来る。

ナノマシンはスーツを操作することで、装着者のダメージを軽減させたり、傷を居った場合与圧して出血を抑えてくれたり、ナノマシン自体を装着者に投与する事で反射神経を刺激したり。そのほかにも一時的に光学迷彩を起動させたり、超高温、超低温環境にも対応できたりと、まさに万能戦闘服といった有様だ。弱点は空を飛べないことと、一つの特化機能を使うとそれ以外の機能の稼働率がおちてしまうこと。

 

確認したところ、スピード、ストレング、アーマー、クロークと一通りは使えるみたいだ。

デザイン的にはヘルメット以外普及型のナノスーツモドキっぽい形で、ヘルメットにはいかにも狙撃用という感じのバイザーが追加されていた。

 

安全性重視で遠距離からの射撃戦ばっかりこなしていた所為だろうか。

まぁ、このスーツならばそう簡単にくたばる事は無いと思う。元ネタもFPSだったし。

 

というわけで、せっかくなので早速訓練に挑んでみた。

といっても体術をするわけではなく、動く的に向かってエナジーガンを撃ちまくる簡単な訓練だ。訓練と言うよりは射的だ。

 

結果は、素人にしてはまずまずの点数だったと記しておく。

 

 

さて、そんな風に訓練をしていたら、その最中にいきなり乱入してきた馬鹿がいた。

なんでも金持ちの息子らしく、金とコネにモノをいわせて、褒賞得点ではなくクレジットでスーツを強化したらしい。

何か知らんが、俺以外はいってくるはずのない運動スペースも、金に物を言わせて割り込んできたのだそうだ。

此処で俺の無意味に意地を張る悪癖が出た。

なんとも鬱陶しい金持ちのボンボンだ。出て行けといわれてそう素直に出て行けるかと言うのだ。

おかげでボンボンと一戦やらかす羽目に。

 

取り巻きに見守られる中、スピードで回避しながらエナジーガンを連射して、なんとか勝利することが出来た。

未だ一次変化しか経ていないだろうそのスーツは、しかしソレにしては妙にごってりと大量の武装を装備した、重装甲重火力型のヘビーアーマーだった。

勝てたのは奇跡だろう。技量の差なんて、あることは有るだろうが、若干程度しかない。キャナルの誘導がなければ危なかった。

 

俺の勝利後、ボンボンは名前を置き捨てに訓練場から逃げるように走り去って言った。

うむ。面倒くさいな。

もう関わる事は無いだろうが、とりあえず名前はメモしておく。

確か ミドリカワ ユタカとか名乗ってた。

 

 

で、面倒くさいのが帰った後、訓練用施設の中に面白い訓練装置があるのを見つけた。折角なのでちょっと訓練してみた。

その名もサイキックトレーナー。ベタだ。

で、訓練の結果念力とアクセルを覚えた。

念力はベターなやつで、物体に対して干渉できる能力。アクセルは――クロックアップだ。

超能力系はスーツ依存ではなく、あくまで俺個人の保有する能力。スーツで補助は出来るらしいがな。

面白い力を習得できたという事で、今日は満足。

 

取得点数:0点

既得点数:53点

使用点数:0点

合計点数:53点

装備品:デバイスver.1.1(カードケース型)、エナジーガン(D) 成長型自立支援AI、マルチセンサーシステム。

※成長型自立支援AI――ユーザーの特性に合わせて成長するAI。

※マルチセンサーシステム――光学、熱源、音源、動体反応など、様々なセンサー系を実装する。




※ナノスーツ
全身を覆う合成繊維系強化スーツ。スーツ自体が一種の情報系システムになっており、スーツから分泌されるナノマシンによりユーザーの強化や治療を行える。
スーツの代表的な能力は4種類。ストリングス、スピード、クローク、アーマー。
其々、筋力、速力、隠密、防御のどれかに特化する機能。
バッテリー式で、装着者の体温で自家発電することが出来る。
一度着たら脱げないなんてことは無い。
※朝鮮版ナノスーツ
要するにナノスーツの劣化版。全ての機能は一通り使えるが、キャパシティが低い。

主人公装備品は別途でセンサー系が強化されている。
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