握りしめた幸せを   作:夜空 星月

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次は 5年後です すいません 早いですよね


5話 【壊れた日】

『……父様、何故……是光兄様、秀元兄様…会いたい…』

 

 

だれか 助けて

 

 

 

 

 

 

 

家を出る前 私は ーーーー

 

 

 

父様に呼び出され 私は離れの屋敷にきていた

此処は ほとんど人が来ず 掃除もほとんどされていない いわば 忘れられた別館 とでも言おうか

 

 

 

「…此処はな…凪雨と初めて会った場所なんだ…本家入りした凪雨が迷子になり此処に迷い込んだ

それを助けた時から 仲良くなって 恋仲になり 祝言をした そして 是光、秀元、そしてお前が生まれた」

 

『……とう、さま?』

 

 

父様は絶対に私や兄様達には そういう話をしたがらなかった

いくら聞いても 笑って 「俺と凪雨だけの秘密だ」って悪戯っ子みたいに言う

でも 今は違う 何処か懐かしく何処か遠くを見つめて 口元は微かに微笑んでいる

 

 

「…朝霧…お前 お前のせいだ…」

 

 

 

でも 今は違う 目は冷たく鋭い 私への言葉は氷の氷柱のように私の体に突き刺さる

痛いよ 父様 そんな目で私を見ないで

 

 

 

『………父様…どうされたのですか?』

 

「……お前が、お前が生まれてきたせいで…凪雨が…」

 

『…え?母様 どうかされたの?』

 

 

 

明らかにいつもと様子が違う父様

窶れてしまった自身の体を強く抱き締め 頭を震わせている

 

 

 

「…凪雨はもう、死ぬ 俺の目の前から、傍からいなくなるんだ…」

 

『……っ!…そんな…』

 

 

 

私の目からは涙が溢れた

そろそろだとは思っていた 私が生まれてから10年も生きていただけで奇跡のようなものだった

でも、こんな唐突に…

 

 

 

『…と、父様……気を確かに…』

 

「……俺は考えた、お前が生まれてからこんな状態なんだ お前が此処に居なければいいんじゃないか、と」

 

『……え?』

 

 

 

なんて言ったかわからなかった

 

 

 

「おい 晃月の旦那 この女か」

 

「あぁ 連れて行ってくれ …ーーーー」

 

 

 

どういうこと こいつらはなに?

だれなの いやだ こわい だれか ダレカ 助けて

 

 

 

「……本当に、いいのかい?この女はお前の娘で時期13代目の妹…」

 

「…構わん 連れてけ …人買い」

 

 

 

ピキッ ピシッ 私の何かにヒビが入った音がした

 

 

 

『……いや 助けて…助けて下さい…父様…と、さま…』

 

「…………」

 

『…………と…さ、ま…』

 

 

 

ピキッ ピシッ ガシャン ガラガラガラ 私の何かが 音をたてて 壊れてしまった

 

もう 修復できそうない

 

 

もしも この世界がゲームなら どんなによかっただろう

 

 

 

 

「…あ、あーあ 死んじゃったよ …ボス強いな」

 

 

 

負けてしまっても

 

 

 

「……ん〜 コイン集めよっかな… 」

 

 

 

コインを優先して、リセットボタンを押せば

前のセーブ場所に逆戻り 経験値は無くなってしまったけど 受けたダメージは無くなった

 

あぁ リセットしたい

何もかもが始まる前に 私がこの世界に生まれる前 私が前世で死ぬ前に

 

だれか リセットさせて

 

 

 

 

「……行くぞ」

 

『……………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこで 間違えてしまったの

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壊れた日

 

 

ヒビが入って 音をたてて壊れたのは 一体なんなのだろう





はい 秀元 晃光に見つかる前に人買いに売られてしまったわけですが 大丈夫なのでしょうか
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