どーぞ お読みください
『うぅ…淡海ちゃん どぅしてよ…私を巻きこまないで』
屋敷は静まりかえり 足音一つ聞こえない
淡海ちゃんが半妖とわかり 部屋を飛び出した瞬間
使用人の者たちは気絶してしまった
私は一応陰陽師の血が入っているからか気絶はしなかった
しかし きっと終夜も気絶しているのだろう
話相手がおらず おまけに無理やり着せられた重い着物だ
11歳になったばかりの私には 重すぎる 何故着たことすらないのだ
5歩歩くだけで息が切れてしまう
………この世にいる姫君達、この世にいる重い着物を着ている女性達の
裏事情はもしかしたら体が結構筋肉でゴツイことかもしれない
まさか、珱姫の体も…?
………………あぁ 想像してしまった こんなの珱姫じゃない
「……アンタなにやってんのよ…」
その時 少し引いたような冷たい声が聞こえた
頭を抱えた私の背後で呟いた女性
ハッとし振り返ると 美女がいた
そして 何処かで見た顔立ち
……確か前に私が 珱姫と一緒にいつか会いたいと考えていたこの時代の美女の一人
あの奴良組初代総大将でありながら、この時代で羽衣狐に勝ち魑魅魍魎の主となる
ぬらりひょんを一途に愛し、戦闘部族である奥州遠野一家で修行を積んでいたこともあり
ぬらりひょん時代は幹部入りをしていた ぬらりひょんに忠誠を誓いずっと慕い続けた
珱姫に出会い恋に落ちてしまったぬらりひょん 苦しんだ結果
諦めるがそれでも奴良組を支え続けた 最終的には鯉伴と山吹との問題のせいで奴良組を抜けてしまったけど
それでも 奴良組を想い続けた あの雪麗さん!?
え 嘘 本物?
ちなみに私の中での 雪麗さんのイメージは 雪椿だ
純白に色付く世界の中に 紅色に咲く椿のようだ
………え 私だけ? なんか白い肌に真っ赤な瞳ってそんな感じしない?
「てか アンタ新入り? …淡海は、我慢出来ずにでってっちゃったんでしょう きっと」
『あ、ああ、あのっ おおお、お名前を教えていただけませんか!』
少し唐突過ぎただろうか
でも、私は少しの可能性に賭けたい!
「…妾の名前?…妾は雪麗だけど…」
ぎゃぁああ やっぱりそうだ
もうヤバイ わかってたけどね わかってたんだけど…
ぅわああああ 感動ものだ 感動しちゃうよ 感動しちゃったよ
「………アンタ大丈夫?(頭逝ってんじゃない この子)」
『全然大丈夫です!(正常です!))』
すると 雪麗さんは思案するように 真っ赤な瞳を一点に集中させ
しばらくすると パッと顔を上げ 私を見つめた
ちょっとやだ そんなに見つめられると困る
私みたいな見窄らしい顔を見ても得しないよ
……自分で言ってて悲しくなってきた…
「…淡海 どこに行くとか行ってた?」
『…さぁ?私にこの重い着物を着せて すぐ行っちゃったので』
「……あっそ… なら…」
『……え …ちょ…うん?雪麗さん?』
ポイポイと着物を脱がせると そこらへんにあった軽めの着物を着せた
「…うん こっちの方が似合う」そう言い 私の手を引くと外へ出た
「……アンタ 容姿だけは無駄に綺麗なんだから ちゃんとしなさいよ」
『…容姿が無駄に綺麗って…雪麗さんに言われたら嫌味にしか聞こえない…』
ショボンと落ち込んだ私を鼻で笑った雪麗さんは
「私が綺麗なのは知ってるわ」そう言って 歩き出した
雪椿
私の雪女のイメージは雪椿 純白の雪の中に咲く紅のつばき
奴良組での私の中での超重要人物 雪麗さん
ただ 私が雪麗さんのことが好きなだけなんだけれども
次の話は 雪麗side