battle sea way   作:伊織@うp主

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【前回までのあらすじ】
日本国海上自衛隊に新たに配備された護衛艦「しなの」。
護衛戦艦とも言うべきその巨艦に艦長として就任したのは、一等海佐、阿賀野京一だった。
配備された直後、世界は謎の勢力によって制海権を全て失ってしまう。
日本は直ちに海洋状況復帰を図るべく、海上自衛隊特別護衛隊を編成、制海権奪回へ向かう…


第二話「世界、震撼」

ー入港7日目ー

昨日の出来事が一週間前のように見える。

未確認戦力の出現からすでに20時間と20分ぐらいが立った。

全世界の海路が閉鎖されるまで、あと約2時間だ。各国は自国の企業が所有する輸送船などを大慌てで自国に戻している。我が国も、東京・横浜・神戸・大阪・名古屋などに自国企業の貨物船やタンカーを引き戻している。

我々海上自衛隊や海上保安庁にも命令が下り、

「タイムリミットまでに、自国企業保有の民間船舶、及び、祖国へ帰港できない民間船舶を近隣の港まで護衛せよ。」とのこと。

当然、俺たちも駆り出され、国交省を通じて防衛省から任務終了の報が入ったたのはタイムリミット35分前だった。

 

「ふぃ~、ギリギリだったな」

 

「そうだな、これで、周辺海域を航行する、民間の船舶は大丈夫だな」

 

「そうだといいが…」

 

「どうかしたのか?京一」

 

「どうも、嫌な予感がするのだが…気のせいかなぁ…」

 

「さぁ?思い過ごしだろ?」

 

「だといいがな…」

 

ー入港10日目ー

タイムリミットの日にちから3日立ち、衛星からの写真が各部隊へと渡された。(なお、潜水艦隊も一時それぞれの港に戻っている)

 

どうやら、制海権は完全に彼らに奪われたようであった。既に中国の作った人工島や、マダガスカル島の一部分。地中海やドーバー海峡、大西洋、インド洋、そして太平洋までもが奪われてしまった。島国日本にとって、これほどの打撃になるものは無い。

直ちに総理が国家安全委員会を招集、事態回復のため、我々自衛隊に「法外防衛措置」が下った。同時に、各護衛隊を再編成し、第一、第二、第三特別護衛隊が編成された。

 

旗艦は、以下の通りである。

艦隊編成に関してはまた別の機会に触れるとしよう。

第一:護衛艦「しなの」

第二:護衛艦「あまぎ」(引渡し終了なるも、熟成訓練まで3日を要する模様)

第三:護衛艦「さがみ」(就役に少し遅れ)

(※第三特別護衛艦は、旗艦就役までの間、臨時期間を旧いずも型二番艦、現改いずも型一番艦「いぶき」が務める。)

この様な艦隊全容になってから、各部隊へ速やかに伝達され、即座に部隊変更がなされた。艦の移動は日没と同時に始まり、次の日の夜明けまでには全艦がそれぞれの配属先の港へ到着した。

(なお、1部部隊に変更はなく、世界へ出撃する艦隊の穴埋めとして、国土防衛に務めるためだ。)

 

ー入港12日目ー

この日、海上封鎖から始めての哨戒任務に護衛艦「おおなみ」と共に出撃した。

東京湾から、相模湾を抜け、相模湾を一周する形で哨戒する。なお、訓練も兼ねているため、各員息満々だ。

東京湾を抜けて、千葉県内房沿いに進んでいくと、レーダーが不明艦を捉えた。

「水上レーダー、感あり!1時方向、距離、3万7千!敵速約6ノット!艦種識別、戦艦級1、重巡洋艦級2、駆逐艦級6!」

 

「敵の出方を見てみよう。全艦対水上戦闘配置。これは演習にあらず、繰り返すこれは演習にあらず。」

 

各部署から配置完了の報が入ったその時ー

 

「敵戦艦級、発砲‼」

 

その一言で一斉に艦が慌ただしくなった。

今まで『実戦』とは無関係である我が自衛隊にとって、これが始めての実戦となるのだから。

 

「野郎やりやがったな!?主砲斉射用意!『おおなみ』に命令、『対艦噴進段発射用意、合図とともに発砲されたし』とな!」

 

「了解、伝えます!」

「主砲旋回!レーダー同調よし!主砲斉射用意!」

「対艦誘導噴進弾、撃ち方用意良し!艦長‼」

「ミサイル、牽制射初め!目標は重巡級!ミサイル着弾確認後、主砲一斉射撃!目標を戦艦級とする!」

 

『了解っ‼』

 

「発射用意…よーい…てぇ!」

 

トマホークが放たれた。

平和を護るために、今ある平和を壊す一弾が。

本艦と同時に「おおなみ」も発射。重巡級へ向かう。

「重巡級に弾着!敵損害は少なからずあれど、敵戦闘に支障をきたしていない模様!」

「了解!主砲、1、2番斉射用意!…警報ならせ!」

「警報!発射10秒前!」

ジリリリリリ…

「全問、用意良し!」

「主砲、撃てぇ‼」

 

ミサイルがバカスカ飛び交うような戦闘スタイルになった現代において、日本はまた戦艦クラスの護衛艦を建造した。

建造当時は中国などから猛烈に避難を浴びたが、現状を見れば、この護衛艦の就役タイミングは最適だったと言えよう。

確かにミサイルは着弾した。それも、敵の土手っ腹であるバイタルパートにだ。

しかし、着弾箇所からは少し小さめの爆発が発生しただけ。そこから火災が発生した程度にしか過ぎなかった。

だが、本艦の主砲から放たれた主砲弾の威力たるや格別のものであった。

レーダー技術が昔より格段に進歩しているとはいえ、敵艦主砲塔、並びに機関部に直撃したらしく、大爆発を起こし沈んでいった。

 

僚艦の「おおなみ」も負けてはいない。重巡級以上では、ミサイルが効かないと判断した京一が速やかにミサイル照準を駆逐艦へ変更するように指示したのだ。

するとどうだ。ミサイル1発で意図も簡単に沈んでいったのだ。

 

この戦闘は1時間程で決着が付き、こちらの被害0、戦艦級1、重巡級2、駆逐級4の戦果を挙げた。

この戦闘により、「しなの」の戦闘能力、並びに敵の弱点など多くの情報を得られた。

 

ー入港13日目ー

この日、昨日の戦闘についての報告を求められていたので、防衛省に出頭していた。

 

「では、阿賀野一佐、報告を。」

「はっ、では昨日の戦闘に至った経緯等の報告をさせていただきます。まず…」

 

今回報告したのは以下の件。

・被害報告及び戦闘成果

・なぜ戦闘が始まったのか

・敵の戦闘力は如何程か

・こちらの有効な攻撃手段、及び戦術

 

「…以上で報告を終わります。」

「近代兵器が、大型艦艇に通用しないか…厄介だな…」

 

こうおっしゃっているのは、第一護衛隊郡司令官、早見一筧海将補である。(同時に、本土防衛横須賀方面司令官でもある)

 

「恐らく、先日実戦配備なされた、『ハープーンMarkTRH』であれば、沈められると思います。あれは、本艦の主砲弾頭とそんなに変わりませんから…」

「確かにそうだが、配備数が足りん。状況が状況だからなぁ…短魚雷の改良型は既に充分数行き渡っているとしても、『トビウオ』が少ない。君ら「しなの」型の主砲弾を現在は優先しているが、それでもしなの、あまぎ用で精一杯だ。」

「その点に関しては、早見さんに頭が上がりません。ほんとにありがとうございます。」

「いや、構わんさ。俺より、幕僚長が上に掛け合ってくれた結果だからな。それより、新造された空母二隻は君に預ける。元は離島防衛用だが、『いぶき』よりは役立つだろう。対空、対潜も充分だ。気張れよ」

「はっ、ではあかぎ型航空母艦『あかぎ』、『かが』は我が特別護衛隊で運用します。」

「今後の戦果を楽しみにしている。よろしく頼むぞ」

「了解しました。ご期待に添えるよう、精進します。」

 

こうして、我が第一特別護衛隊に空母「あかぎ」、「かが」の二隻が配属になった。

遅まきながら、我が第一特別護衛隊の編成をご紹介しよう

護衛艦「しなの」(旗艦)

護衛空母「あかぎ」

護衛空母「かが」

護衛艦「きりしま」

護衛艦「あしがら」

護衛艦「てるづき」

護衛艦「あさひ」

護衛艦「おおなみ」

護衛艦「まきなみ」

護衛艦「あさぎり」

護衛艦「ゆうぎり」

潜水艦「ずいりゅう」

補給艦「おうみ」

 

ー入港15日目ー

この日、各艦艇の艦長を集めて顔合わせを行った。

各艦艇の役割の確認もできた。

 

役割は以下の通りである。

「しなの」:旗艦任務。対艦、対地戦闘。

「あかぎ」「かが」:艦隊直掩。対艦、対地戦闘。制空権確保。

「きりしま」「あしがら」「てるづき」:対空、対艦、対地戦闘。僚艦防衛。

「おおなみ」「まきなみ」:対艦、対地、対空戦闘。

「あさひ」「あさぎり」「ゆうぎり」:対空、対潜、対艦戦闘。

「ずいりゅう」:牽制、索敵、奇襲。

「おうみ」:艦隊補給。

 

これらを踏まえ、我々はまず日本の排他的経済水域内の敵を一掃、叱る後、米国ハワイ諸島にある、真珠湾軍港を目指し航行する。その際に発生する武力衝突に関しては、国家特別防衛措置として、艦隊の武力行使が容認されている。また、国連とも協議した結果、ハワイ、真珠湾軍港に到着の後、我々は国連軍に一時的に組み込まれ行動する。(なお、指揮系統は変わらず、書類上の名目のみである。)

 

この日以降、艦隊は解放した相模湾にて洋上訓練を実施、来るべき号令までの練度を高めるものであった。

 

to be continued




第二話、いかがでしたでしょうか。
三話以降からどうするか、まだ迷い途中であります…


ここで少し余談なのですが、この小説、元はSNSに投稿してたものなんですよね。題名等々は変えずに、内容を弄りに弄ってここに投稿しております…
約3年ぶりにリメイクしていて、こっちも楽しくなってきましたw
読者の皆様にも、楽しんでいただけたら、幸いです。

次回:「下命、『奪還開始』」
次回まで気長に参ります!
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