battle sea way   作:伊織@うp主

5 / 5
舞鶴解放に向け、佐世保に入港した護衛艦「しなの」。
鹿屋基地から出撃したP-3C哨戒機からの連絡を受け、対馬近海に突如出現した艦隊の存在を知る。
解放が完了した佐世保にこれ以上の被害を出させないため、そして、舞鶴で待っている多くの仲間のため、「しなの」は、対馬海域での艦隊戦に挑んだ…


第五話「舞鶴、大型艦を見る」

 

ー入港13日目・後編ー

トマホークMarkTHRの威力が確認されたのと同時に残弾が少なくなったのを確認した京一は、ある指示を出す。

 

「艦隊に打電!戦列を離れ、舞鶴を目指せと!」

 

CIC内はざわついた。この状況、本艦が囮になれるが、沈むリスクが高まる。数的不利の状況を経験していない京一の焦りか。

砲雷長である豊が意見具申する

 

「艦長!いくらなんでも危険です!ただでさえ数的不利り変わりはないのですよ!?」

「単艦であればこの状況は打破できる!この艦だから出来ることだ!砲雷士、艦橋につなげ!」

「りょ、了解!」

 

繋げられたインカムから、艦橋に向け命令が飛ぶ。

「艦橋、CIC!艦増速!両舷最大船速!」

『CIC、艦橋!了解、増速します!」

 

唸り声をあげながら、しなのは増速する。自身が出せる、限界の速度まで。

主機である二菱製水動力式半無限発動機六機の全力稼働に加え、普段は主機六機のうち2つ以上が停止した際に使用する二菱製小型スターリングエンジンをフル稼働させているので、艦の中に響くエンジン音は、いつも以上に大きい。

これが近代戦闘であれば、潜水艦に1発で見つかり、確実にトドメを刺されているであろう。

しかし、相手は前弩級戦艦の集まり。易々と沈むわけには行かない。

「艦隊に打電、貴艦らはそのままの船速を維持せよとな!」

「了解、伝えます!」

「艦長、いったい何を?」

「本艦の主兵装は?」

 

意味深に発言する京一。

 

「大型主砲…、なるほど、了解しました。対水上戦闘、主砲砲撃戦用ー意!!」

こうして、近代戦艦一隻対前弩級戦艦15隻との、

最初の大砲撃戦が繰り広げられるのだった

 

 

最初の火ぶたを切ったのは本艦であった。

残り4発のMarkTHRを放ち、敵艦隊を幾分が沈めた上で、確実に旗艦を潰す気でいた。

しかし、敵さんも馬鹿ではないらしく、艦隊の感覚を開けるなど、被害を抑えるような対策をしていた。

しかし、設定を少し変えたMarkTHR弾を放ったので、例え被害を抑えようとしても意味は無い。

「MarkTHR、炸裂!敵艦隊の戦力、さらに減少!」

「敵艦隊、本艦の主砲射程圏内に入ります!」

「主砲1から3まで、弐八式鉄鋼榴弾装填、

主砲斉射用意完了までトマホークで牽制するぞ!

装填後、昇順を合わせて撃て!」

 

 

トマホーク巡航ミサイルMarkⅣ、本艦の主兵装のひとつ、すごく細いが、通常のトマホーク巡航ミサイルの改良型で、速度、威力ともに通常のものを凌駕する性能を誇る防技研の傑作のひとつ。

 

 

「MarkⅣ、発射!」

「MarkⅣ発射始め!サルヴォー!」

「トマホーク弾着後、主砲を斉射する、弐八式鉄鋼榴弾装填急げ!」

「用意…マークインターセプト!敵旗艦を丸裸にしました!」

「主砲旋回、右30度仰角28度に備え!」

「主砲、右30度仰角28度!用意よし!」

「主砲斉射用意良し!艦長!」

「主砲一斉射撃、警報!」

ジリリリリリリリ

「撃てぇ!」

バゴーン!!!

 

 

放たれた重さ約1,500kgの砲弾は、敵の丸裸となった敵旗艦、そして、その周囲の艦艇に弾着し、辺りには大きな水柱が立った。

ウォッチからの報告を待っていると、CICに連絡が入る

 

 

『CIC、艦橋!ウォッチより報告、敵旗艦、及び周囲の艦艇に命中!敵旗艦の轟沈を確認しました!』

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!』

報告終了と同時に、CICの中に雄叫びが響いた。緊張からの解放と、勝利に歓喜する叫びが。

 

「艦橋、CIC。敵や見学に来ている潜水艦に注意しつつ、艦隊と合流。進路、舞鶴へ」

 

艦長のこの一言の後、乗員は、笑みを隠しきれていないが、普段のきっちりとした顔つきに戻り、残りの業務をこなしていった。

戦闘終了後、護衛に来ていた艦隊と合流した我々は一路、舞鶴を目指す。

 

ー舞鶴まで、残り95マイルの地点ー

 

「艦長、このままで行きますと、舞鶴入港は明日の1035には完了する予定です」

「まぁ、事が事だ、仕方がないだろう」

この日の戦闘は夕方まで続き、前方の方で待機していた艦隊と合流したのが19:27。そこから艦長間での会議等を挟んだのちに船を進めたので、結局夜になって動き始めたのであった。

 

 

ー入港14日目・午前5時50分ー

「艦長、おはようございます。コーヒー持ってきましたよ」

「おぉ、ありがとう、舞鶴にいる護衛艦はなんだっけか」

「きい、あたご、みょうこう、ふゆつき、まきなみ、ありあけ、あけぼの、あとは海外艦が5隻停泊中ですね」

「ほぅ、あたごとあしがら、姉妹艦が顔を合わせる上にしなの型のプロトタイプまでいるのか。こりゃ船撮りするには最高のタイミングだな」

 

朝になり、一時の平和が訪れていた。

前進帆足で航行していた我が艦隊は、一路舞鶴に向かっていた。

正午前には入港した上で、整備補給を済ませなければならない。その時間に合わせるためだ…が、この時点では何かが起こるなんて、思いもしなかった。

 

ー午前10時57分ー

艦橋のクルーが、CICからの警報で一気に戦闘態勢へと入る。

『艦橋、CIC!対潜ソナー、アクティブ!敵潜水艦、数30以上…!?

敵潜、魚雷発射!三連射を確認、数80以上!」

「CIC、艦橋!舞鶴総監部、並びに舞鶴港内外に停泊中の友軍へ緊急打電!モールスでも構わん!送れ!」

『-・- --- ・・-・- ・-・・ ・・・- -・-・

・-・-・ ・---・ ・-・-・ ーー・ ーー ・・・-

・・-- ---- ・・- -・--・・ -・-・・ 

・--- ・・- -・-- ー・--・ --・-・ -・--・ -・・-- ・・- ---・・・ ・・- ・-・-・

・--- ---- ・・-』

 

「!!、別の通信を確認!…別ルートから来た、『あかぎ』からです!内容は『ワレ、ゾウエン二トウチャクセリ、コレヨリ、キカンノシキカニハイル。ナヲ、コチラハユソウカンオオスミヨリ、

タイセンソウビキガ、タイキチュウデアル、キカンノシジヲマツ』

です!」

「了解、『おおすみ』に下命、対潜装備機、発艦せよ!

それから、舞鶴に増援を要請してくれ、我が艦隊だけでは無理だ」

「艦長、『あかぎ』より、『偵察機の発艦許可を』と来てますが」

「第57航空隊に偵察許可を出せ。若狭湾一帯をくまなく捜索、もし敵艦を発見したら直ちに報告せよ、とな」

「了解、伝えます」

 

直ちに『あかぎ』から偵察機が発艦した。

そして、中島艦長率いる『きい』貴下、第三護衛隊群が舞鶴港から出港した。

「きいに発光信号、『貴艦隊の増援、感謝する。上空の機影は

我が艦隊の偵察機であるため、撃墜はするな』と」

「きいより発光信号、『了解した』だけです」

 

きいから、対潜哨戒ヘリが発艦した。

「流石、本艦とほとんど変わらない大きさの艦艇ですね、

実物を見たのは、これが初めてです」

「俺もだが、戦闘中だ、気を抜くとやられる。

ましてや潜水艦、気が抜けないな」

「そうですね、ここから部署を発動しますか?」

「本当ならCICに行きたいが緊急事態だ。致し方ないな。対空より対潜戦闘配置!これは演習にあらず!

敵は潜水艦だ、決して気を抜くな!」

『了解!』

 

to be continue




えー、大変ご無沙汰をしております。
最後の投稿を見たら、なんと2017/09/01。
約11ヶ月が経っておりました。orz
なんとも言えませんね()
そろそろ落ち着いてくる頃合なので、数本ほど軽ーく上げていきたいと思っています。応援のほど、気長にお願いします。

さてさて、話は本編へ。
初めて出てきました試験艦「きい」。
これは、この作品のオリジナル艦艇の1隻です。
しなの型のプロトタイプとして、現在の海上自衛隊所属の試験艦「あすか」では無理だな。と、中の人が勝手に創造した結果産まれた艦艇です。
この子も、次回活躍します。

さてさて、それでは次回予告ですね。行きませう!

次回、「状況終了、用具収め」
次回まで、気長に参ります!!!(今度は早くしたい)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。